2009年4月8日水曜日

インドネシアのPLNがIPP売電単価設定へ

インドネシアのPLNがIPP売電単価設定へ
HPは下記ドメインです。写真地図など見て下さい。
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm

昨夜は,テレビもコンピューターも見ずに10時に就寝,今朝は早く起きて,テレビも新聞も見ずに,真っ直ぐ警察署へ,免許更新で一瞬にして通過。実は,この皆さんのためのマイコン作業で視力が落ち,ゴルフでもボールが4つある,と思って歩いて行くと2つしかなかったり。昨日は薬屋さんに行って,パッと目が見える薬がないか,と聞いて馬鹿にされたり,大変だった。これで次は認知症の試験があるまで車に乗れる,すごく嬉しい。

今日のラオスの記事は,これまた何度も目をこすった。記事の日付が4月1日であることに気がついて,やっとエイプリルフールだと分かってガックリ。記事は,ラオスのルワンプラバンの近くに,70MWの水力発電所が運転開始,日本の資金による,と書かれている。日本政府が,ルワンプラバンの奥地に,70MWの発電所を造る分けがないし,150億円近いお金を出すわけがない。誤解するところだった,危なかった。70KWかな。

インドネシアの10,000MW,石炭火力のクラッシュプログラムは,その後,円滑に行っているのだろうか。今年,2009年2月の時点では,8割方を占める中国資金に問題が起こって,大統領以下,大変に心配していた。ムラパティ航空の経営問題と絡んで,中国が約束したお金の支出を止めているが,つい最近見た記事では,ムラパティ航空問題は解決したような書きぶりだったが。

インドネシア政府は,だからといって一日も休むわけにはいかない。20010年運転開始の第1次クラッシュプログラムの行く末はともかく,2014年の運転開始を目指す第2次クラッシュプログラムに取りかからなければならない。2009年3月17日には,最初のジャワ島中部北岸,プマラン石炭プロジェクトの入札間近,の記事が出ていた。

第1次クラッシュプログラムまでは,PLNがすべて実施する直轄方式で,インドネシア政府は資金の目処を立てればよかったが,第2次はそうは行かない。具体的な発表はまだないが,再生可能エネルギーが中心,と言われているし,全体の40%は民間投資,IPPに期待している。従って今日の記事は,プルヲノ総局長が,IPPからの買い取り値段に言及し,PLNをして,ある基準を作らせようとしている。

要するに,民間資金のとし意欲を駆り立てるような料金設定が必要な分けである。問題は,フィリッピンなどと違って,インドネシアの電気料金は安い。勿論,大量の政府補助金で何とか持っている状態であるが,今日のプルヲノ総局長の話の中には,KWh当たり5.8~8セントと言う数字が出てくる。インドネシアの電気料金に比べれば随分高い価格である。インドネシアは,どんどん補助金の闇の中にはまりこんで行く。

本文

●インドネシアのPLNがIPPからの売電単価を設定へ

State power company PT PLN holds the mandate to set power purchase prices to buy electricity produced by its (IPP) business partners, aiming at flexibility amid the dynamics of economic circumstances, a state official says. (冒頭原文)

インドネシアは,電力需給に苦しんできた。特にジャワバリ系統については,今日明日が知れない状態に陥っている。2006年以来,政府主導で,クラッシュプログラムと称して,石炭火力を中心に,電源開発を進めてきた。中国による資金支援が頼りであるが,最近になって中国政府の態度に変化が起こり,その資金調達に悩んでいいる(注13,14)。

しかし,このままで眠っておれないのが,インドネシアの電力需給である。2014年を運転開始の目標として,インドネシア政府は第2次のクラッシュプログラム,10,000MWの電源開発を打ちだしている(注12)。今度は,石炭火力ばかりでなく,再生可能エネルギーも入れ込んでの10,000MW賭しているが,殆どを民間開発,即ちIPPと考えている。その第1陣としてプラマン石炭火力が入札に付される(注12)。

電気料金の安いインドネシアは,IPPからの売電単価が問題である。今日の記事はこの問題を扱っている。政府高官筋によると,PLN(注5)は,変動する経済環境の中での弾力性を維持するため,IPP(注6)からの売電単価を設定することになった。エネルギー鉱工業省電力総局長のプルオノ氏(注7)は,その基礎となるのは,先週発効した,エネルギー鉱工業省の買電に関するガイドライン(注8)だ,と言っている。

目的は言うまでもなく,IPPなどの投資企業に,投資意欲を与えるための措置である。PLNの第2次10,000MWクラッシュプログラム(注9)の2014年運転開始への主役となるのはIPPで,40%を受け持つことになっている。2006年にスタートした第1次は,すべてPLNのプロジェクトであった。2009年初めの時点で政府は,買電の標準単価は,KWh当たり5.8~8セントと表明している。随分高い。

プルオノ総局長(注7)によると,売電単価はいろいろな要素を勘案するが,発電所のタイプ,その位置,出力,経済指標,燃料費,為替レートなどが絡んでくると。プロジェクトによって異なってくるが,PLNは最終的に政府の承認を得なければならない。政府が重要な役割を果たすだろうと。また,企業の決定の手順,公開入札か,指名入札か,特命か,これらも考慮の中に入っていると。

(注)A (1) 090407A Indonesia, The Jakarta Post,(2) title: PLN to set power purchase prices for independent producers,(3) http://www.thejakartapost.com/news/2009/04/07/pln-set-power-purchase-prices-independent-producers.html,(4) The Jakarta Post ,JAKARTA | Tue, 04/07/2009 10:45 AM | Business,(5) PT PLN,(6) independent power producers IPP,(7) director general for elec-tricity and energy utilization at the Energy and Mineral Resources Ministry, J. Purwono,(8) Energy and Mineral Resources Ministry’s Regulation on the Guideline for Power Purchase Prices for Cooperatives or other Independent Power Producers (IPPs),(9) second-phase 10,000 MW crash power program,(10) Java-Bali system,(11) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090317B.htm,(12) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090213D.htm, (13) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090211B.htm ,(14)

参考資料

●090407A Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのPLNがIPPからの売電単価を設定へ
PLN to set power purchase prices for independent producers
http://www.thejakartapost.com/news/2009/04/07/pln-set-power-purchase-prices-independent-producers.html

過去の関連事項

●090317B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシア政府がプマラン石炭火力の入札開示へ
Govt to soon open bid for Pemalang power plant
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090317B.htm

●090213D Indonesia, The Jakarta Post
インドネシア,中国が資金支援で,利子率上げを主張
China wants higher interest for PLN projects
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090213D.htm 


●090211B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのPLN,電源で中国の支援が必要
PLN should negotiate with China on funds, or local banks
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090211B.htm 



●ラオスのルワンプラバンでナムモン水力が完成

The Energy and Mining Division in Luang Prabang cooperated with Electricite du Lao branch in the province to hold a hand-over ceremony of Nam Mong Hydropower Plant in Nambak district, Luang Prabang province on 1 April. (原文引用)

何か不思議な記事である,目をこすりながら読んでみた。エイプリルフールかな。70MWは水力としては大発電所である。ルワンプラバン県(注8)のナムバック地区(注7),ナムモン水力発電所(注6)が完成し,引き渡し式が行われたと。日本の資金援助と書いてあるが,150億円も日本が出すわけがないだろう。エイプリルフールか,70KWの間違いか,いずれかですね,これは。

(注) B (1) 090407B Laos, isria.info,(2) title: A Japanese funded 70 mw dam supplies energy to six villages,(3) http://www.isria.info/en/7_April_2009_35.htm,(4) Energy and Mining Division in Luang Prabang,(5) Electricite du Lao,(6) Nam Mong Hydropower Plant,(7) Nambak district,(8) Luang Prabang province,(9) Head of Electricite du Lao branch in Luang Prabang province, Mr. Bountham Sanphansili,(10) Head of Energy and Mining Division of Luang Prabang province, Mr. Houmpheng Souvannaphakdy,(11)

●090407B Laos, isria.info
ラオスのルワンプラバンでナムモンMW水力が完成
A Japanese funded 70 mw dam supplies energy to six villages
http://www.isria.info/en/7_April_2009_35.htm

2009年4月7日火曜日

フィリッピンの電気料金のせめぎ合い

フィリッピンの電気料金のせめぎ合い
HPは下記ドメインです。写真地図など見て下さい。
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm

昨日の測量作業は,まさに春爛漫の中で,最高の一日であった。週日にもかかわらず,大勢の若い人が参加していて,驚いたが,レイオフなどの影響も受けているのだろうか。実際に整備作業をしている人々の頭の上を飛ばした人がいて,北朝鮮のミサイルみたいなことをするな,と叱られていた。確かに,考えてみれば見るほど,プロならともかく,人の頭の上を下手くそが打ってくるのだから,腹が立つ。

ロンドンから帰ってきた麻生首相は,経済対策の中で,太陽光発電を増やせ,と指示した。欧州の真っ直中に入って,日本の現状が余程恥ずかしかったのだろうと思う。2%の10兆円もそうだが,すべて麻生さんの頭は外を向いている感じ。日本に於ける太陽光発電設備は,2008年末で200万KW,世界第3位だそうだ(注1)。1位はドイツの540万KW,2位はスペインの230万KWである。

家庭用の燃料電池が勢いを得ているという(注2)。果たして燃料電池はエネルギー的に得策なのかどうか,少し疑問点を感ずる。家庭内で送られてきたガスから水素を取り出すときに二酸化炭素が出るし,日本中の家庭に散在した燃料電池から出る炭酸ガスを,将来固定しようとしても大変な努力を必要とする。熱の部分は直接利用するから効率がよい,としているが,発電所でも逃げる熱を捉える努力はしている。

フィリッピンは,アジア諸国に先駆けて,また,オバマ大統領がグリーンニューディールを実施する前に,再生可能エネルギー法を成立させたというので,甚だ鼻息が荒い。開発は全然進んでいないけれども,地熱発電や地方の中小水力の開発投資への意欲は相当に盛り上がってきていることは,うかがい知ることが出来る。それにココナツからのエタノールを,自動車の燃料に混入する法律もある。

その一方で,国民と政府,また国会は,電気料金が高いと大騒ぎだ。フィリッピンの電気料金は,日本,カンボジアと共に,アジアで最も高い。私の意見は,日本は別の理由だが,他の電気料金の高い国は,あくまで石炭国でなかったことが原因だと思う。石炭で経済を養っている典型は,中国,インド,ベトナム,初期のタイなどである。フィリッピンが高いのは仕方がない。

ただ,フィリッピンはここで,再生可能エネルギー法を守る必要から,電気料金のプレッシャーが余分にかかってくる。電気料金を下げろ,と言いながら,再生可能エネルギーを増やせ,と言うのは矛盾である。そこのところは分かった上で議論する必要がある。再生可能エネルギーは一般には,経済活動の足を引っ張る。それをさせないために政府の税金が使われるが,税金と電気料金は,殆ど同じものだ。

再生可能エネルギーによって経済が活性化する,と言うのは事実でなかろう。石炭の方がよい。ただ,地球の観点から再生可能エネルギーを使わねばならない,と言うならそれはそう言うべきで,グリーンが経済活性化する,と言うのは,間違っているのではないか。地球を救わねばならない,と言うのがもう一つ実感として伝わってこないところに,私の問題もある。50年ぐらいの地球の温度のサイクル,という人もいることだし。

(注1)http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200904070015a.nwc 
(注2)http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200904060030a.nwc

本文

●フィリッピンの国会で高い電気料金で議論

Consumers should expect lower electricity costs following the filing in Congress and hopefully enactment of a bill into law seeking to reduce government royalties or shares from the use of indigenous sources of energy, Senate President Juan Ponce Enrile said Saturday.(原文冒頭)

フィリッピンの再生可能エネルギー法にアロヨ大統領が署名したのは,2008年12月16日である。この法案の原稿を書き上げ,何年もかかって国会内を根回して,一生懸命,その成案に尽くしたのが,今日の記事に出てくる二人の上院議員である。まさに,アジアに先駆けて,或いはオバマ大統領が言い出す前に,ここまで運んできたフィリッピンの熱意には敬意,しかし,議論の噛み合わない電気料金問題ではある。

土曜日,2009年4月4日,エンリレ上院議長(注7)は,消費者が高い電気料金を下げることを要求しており,それは,国産エネルギー資源(注6)を使用することによる政府のロイヤリティや租税の削減をによって実現されるもので,関連法案を準備する必要がある,と主張した。エンリレ上院議長(注7)は,豊富な国産エネルギー資源(注6)の使用を怠って輸入燃料に頼る政府を非難している。

政府は,わざわざ国産エネルギー資源(注6)を高く使用しようとしている,と言うのである。エンリレ議員(注7)によると,2007年5月の国産の天然ガスに課せられている政府経費は,KWh当たり1.46ペソ,約3.05セント相当,で,それは,輸入石炭に対する0.17ペソ,約0.35セント相当,原油に対する0.20ペソ,約0.42セント相当,LNGに対する0.29ペソ,約0.6セント相当,に比べて,5倍から8倍になっていると。

国産エネルギーに切り替え,そのロイヤリティと租税を除くと,電気料金は大幅に下がるだろうと。特に電力の場合は,他の産業に比べて,60%を政府課税が占めていて影響が大きいと。また,関連事項で,再生可能エネルギー法(注12)の成立に貢献したアンガラ議員(注10)は,2009年7月にも,国際再生可能エネルギー会議IREC(注11)を開催することを発表した。フィリッピンのグリーン革命(13)への先見性を喧伝している。

アンガラ議員(注10)は,再生可能エネルギー法(注12)は,国内のクリーンエネルギー市場を拡大し,この分野の雇用を一気に増大すると。また,エンリレ議員(注7)は,国産エネルギー資源の,発見,探査,またの使用において,政府の資本比率を,3%まで下げるべきだと主張している。

(注)A (1) 090406A Philippines, Manila Bulletin,(2) title: Lower electricity costs seen,(3) http://mb.com.ph/articles/201471/lower-electricity-costs-seen,(4) By MARIO B. CASAYURAN,April 4, 2009, 8:21pm,(5) government royalties,(6) indigenous energy resources,(7) Senate President Juan Ponce Enrile,(8) Senate Bill No. 3148,(9) extractive industries,(10) Sen. Eduardo J. Angara, chairman of the Congressional Commission on Science and Technology and Engineering (COMSTE),(11) International Renewable Energy Conference (IREC),(12) Renewable Energy Bill,(13) Green Revolution,(14) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090404B.htm,(15) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081217A.htm,(16) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081127A.htm,(17) 

参考資料

●090406A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンの国会で高い電気料金で議論
Lower electricity costs seen
http://mb.com.ph/articles/201471/lower-electricity-costs-seen

過去の本HP関連項目

●090404B Philippines, pia.gov
フィリッピン政府は再生可能エネルギーへの投資を推進
Gov't pushes investments in renewable energy projects
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090404B.htm
●081217A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン,大統領,再生可能エネルギー法案に署名
President signs law promoting renewable energy
http://my.reset.jp/~adachihayao/index081217A.htm
●081127A Philippines, abs-cbnnews
再生可能エネルギーによるクリーン開発
Clean development through renewable energy?Edgardo Angara
http://my.reset.jp/~adachihayao/index081127A.htm


●フィリッピンのERCがマニラ配電の料金上乗せ案棚上げを期待

The Energy Regulatory Commission (ERC) is expected to come out with a decision on Manila Electric Company's (Meralco) suspended performance based regulation (PBR) rate setting scheme soon to allow the utility to increase its rates. ERC executive director Francis Saturnino Juan said that the ERC has almost completed studying the petition raised by a consumer group that led to the suspension of Meralco's PBR.

フィリッピンの電気料金は,アジアの中で日本に続いて高い。歴代の政権は,この高い電気料金で,国民と事業体の狭間で苦慮してきている。電力自由化を目指して電気事業法を改正し,更に国産エネルギー重視の立場から,再生可能エネルギー法を,アジア欧米に先立って成立させて,これらが電気料金を安くする方向に行くと考えているが,私から見ると,とんでもない,と言う感じである。今日はマニラ配電の電気料金である。

電力規制委員会ERC(注5)は,間もなく,マニラ配電MERALCO(注6)が許認可申請中の業績ベース調整料金PBR(注7)の導入,即ち料金値上げ案を,却下するものと期待されている。ERC(注5)のジュアン総裁(注8)は,需要家の要請を受けて,その検討作業はほぼ終了している,と。需要家を代表するのは,電力需要者国家連合NESECORE(注9)である。しかし,決定は休日の関連もあって,来週にずれ込む見込み。

業績ベース調整料金PBR(注7)と言うのは,国際的にも採用されている方式で,事業体の実績で決められる。マニラ配電区域での計画停電の実績など,何処まコスト的に事業体が受け入れられるか,と言う点が問題だ。今まで決まっている料金は,主として資産等から,事業体が耐えれる点で,シーリングされているのが実情である。

(注)B (1) 090406B Philippines, Manila Bulletin,(2) title: ERC to rule on Meralco PBR rate,(3) http://mb.com.ph/articles/201389/erc-rule-meralco-pbr-rate,(4) April 4, 2009, 3:06pm,(5) Energy Regulatory Commission (ERC),(6) Manila Electric Company (Meralco),(7) performance based regulation (PBR) rate,(8) ERC executive director Francis Saturnino Juan,(9) National Association of Electricity Consumers for Reforms (Nasecore),(10) brownouts,(11) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090322B.htm,(12) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090319A.htm,(13) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090310C.htm,(14) 

参考資料

●090406B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのERCがマニラ配電の料金上乗せ案棚上げを期待
ERC to rule on Meralco PBR rate
http://mb.com.ph/articles/201389/erc-rule-meralco-pbr-rate

過去の関連ユース

●090322B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのマニラ配電が11名の役員名簿発表
Meralco bares new nominees to 11-man board of directors
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090322B.htm 

●090319A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのマニラ配電の資本増強競争白熱
First Pacific-Lopez alliance to control Meralco board
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090319A.htm

●090310C Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのマニラ配電の2009年は伸びフラット
Meralco sees flat growth in 2009 electricity sales
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090310C.htm 

2009年4月5日日曜日

インドの東部海域で更に天然ガスの発見

インドの東部海域で更に天然ガスの発見
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北朝鮮のミサイル発射の誤報は,安全側だからまっいいか,とも思っていたが,よく考えてみると,例えば米国と旧ソ連のような関係の中で発射誤認をすると,どちらかが直ちに報復発射を行うわけで,世界原爆戦争に陥る危険がある。だから,誤認が起こるようでは,まだ日本は核戦争に参加する資格がないのかも知れない。それにしても,政治家はとにかく,米中ロシアなどの専門家は,常に相手のミサイルを監視しているのかな。

知的送電網,スマートグリッドは,「太陽光発電や風力発電をはじめ,不安定でも温室効果ガスの二酸化炭素(CO2)を排出しない再生可能エネルギーを,大幅に電力網に組み入れることを目指すもの」,と解説しているのは,ビジネスアイ(注)だ。バッテリーの問題を重要視した記事だ。洗濯機や冷蔵庫に,パソコンのようなバッテリーを組み込むことも,考えているだろう。日本は全然やる気がない,と書いている。

先日も書いたが,太陽光,風力の大量導入は,明らかに経済の足を引っ張る。それを補うために税金を投入するのが,所謂,グリーンニューディール,と考えられるが,出力に信頼性のない電源が,経済にどれほど大きな影響を与えるか,よく考えるべきだろう。電力がもっとも嫌うのは,設備の二重投資である。流れ込み式の水力などは,経済評価で有効出力を評価しないから,もう一つ設備が必要になる。

知的送電網,スマートグリッド,という前に,どうしてもバッテリーを開発することが最優先事項だ。バッテリーがなければ,知的送電網の運用は極めて難しくなる。先日も,新型プリウスを売り込まれたが,ガソリンエンジンが70KWぐらいで,内蔵バッテリーが60KWぐらい,と出力の面では完全に2重投資になっている。あれで,よく価格が保たれるなあ,と感心していた。研究の要がある。

今日は,インドの天然ガスを取り上げた。2002年に発見されたリライアンス,7年後の先週,やっと生産を開始したわけであるが,今日は同時に近くのKG21井で,グジャラートの公社が,深海で膨大な天然ガスを発見した。ここまで来ると,何処だって掘れば出る,と言うのは間違いないだろう。ただ一生懸命掘るかどうか,と言うことで,日本などは,中東やインドネシアの安い原油に頼ってきたから,深海を掘るような努力はしない。

私もガスはよく知らないが,今回のKG21井は,5,656mの位置で高さ800mに達する天然ガスの塊を発見したという。必ず出るとは思っていないだろうから,6,000m近くまで根気よく掘るなど,人間業ではないと思う。深海井の技術は,特に孔壁の安定をどう保つかが問題で,文献を見てみると,中国人の書いたものが結構多い。後で経済発展を遂げる中国にとって,深海井の技術は欠かせないのだろう。

(注) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200904040014a.nwc

本文

●インドのKG流域でグジャラート企業が新ガス井発見

Gujarat State Petroleum Corporation (GSPC), a Gujarat government owned company, has made huge discovery of gas in the KG 21 well located on the western side of Deendayal West block at Krishna Godavari Basin off Ahdhra Pradesh coast, official sources said. (冒頭原文引用)

インドの東部,KG流域でリライアンスの天然ガス生産に沸くインドのエネルギーセクターであるが,また今日は,別のグジャラート州の企業が,天然ガス発見のニュースである。天然ガスは何処でもある,ただ,深いか浅いかだ,と言う私の予言は本物のようだ。グジャラート州政府(注7)が所有するグジャラート州石油公社GSPC(注6)は,新たな発見,とGSPC(注6)筋の情報として伝えた。

このGSPC(注6)が発見した膨大な天然ガスのは,アンデラプラデシュ沖合(注11),クリシュナ-ゴドバリ流域(注10)のディーンダヤル西ブロック(注9)の西部に位置するKG21井(注8)である。高官筋によると,深さ5,656mの位置で,高さ800mに及ぶガス注に遭遇したという。この流域では最深の場所だという。政府ハイドカーボン局DGH(注12)の認可が必要だが,日100百万立方m以上の生産が見込めるという。

DGH(注12)は同じGSPC(注6)に対して,KG22井で,1.26兆立方フィートのガスの存在を,商業的に可能と認めている。

(注) A: (1) 090405A India, Economic Times,(2) title: GSPC strikes gas discovery in KG 21 well,(3) http://economictimes.indiatimes.com/News/News-By-Industry/Energy/GSPC-strikes-gas-discovery-in-KG-21-well/articleshow/4359759.cms,(5) 4 Apr 2009, 2059 hrs IST, PTI,AHMEDABAD:,(6) Gujarat State Petroleum Corporation (GSPC),(7) Gujarat government,(8) KG 21 well,(9) Deendayal West block,(10) Krishna Godavari Basin,(11) off Ahdhra Pradesh coast,(12) Director General of Hydrocarbons (DGH),(13) 

●インドのリライアンスのKGガス生産開始はエネルギー界に活性

In a development slated to enhance India’s macroeconomic health as well as energy security, Reliance Industries (RIL) has commenced natural gas production from its D-6 block in the Krishna-Godavari (KG) basin. The gas started to flow late on Wednesday evening. The development will reduce India’s trade deficit, cut the subsidy burden on fertilisers, and improve chances of oil multinationals investing in oil and gas exploration in Indian seas. (冒頭原文引用)

インドのリライアンスの天然ガス生産開始,の報は既に伝えたとおり。リライアンスでもこれを確認,インドのエネルギーが新しい段階に入った,と伝えている。それでも,発見から7年を要したわけであり,量も限られていて,インドのガスとの戦いはこれからだ。リライアンス(注5)は,先週水曜日夕方,2009年4月1日,KG流域(注7)のD-6ブロック(注6)からの天然ガス生産を開始,インドの経済浮揚とエネルギー確保が期待されている。

この天然ガス生産開始は,貿易収支の改善,肥料への補助金の軽減,それにインドの海辺での原油ガス探査への投資に,大きな影響を与えるだろう。石油省のパンディ次官(注8)は,水曜の夕方始まった天然ガス生産は,今のところ,日2.5百万立方m(mmscmd)であるが,間もなく5mmscmdに上がり,今年中にはピークを迎えて,80mmscmdに達するだろう,としている。

インドの石油と天然ガスの年間使用量は,原油換算で175百万トンであるが,この天然ガスは全使用量の6分の1に当たる。現行の価格では,リライアンスのKGガスは,ピーク値で年間90億ドルの外貨節約に貢献する。2007~2008年度の原油輸入は,680億ドルであった。百万Btu当たり現行のの4.2ドルとすると,11年間の耐用年数と考えると,420億ドルの節約となり,このうち政府持ち分は,140億ドルに達する。

リライアンスの売り上げ増は,現行価格で年20億ドルである。リライアンスのアンバニ社長(注9)は,技術的な困難との闘いもさることながら,法的な問題,内輪の問題も大変だった,と言っている。リライアンスの今回の業績は歴史的なものであり,複雑困難なプロジェクトを仕上げるという意味で,世界にも大きな影響を与えるだろうと。カナダ企業のNIKO(注10)も探査免許NELP-1(注11)の段階から貢献した。

リライアンスは,90%の資本を有しており,残りはNIKO(注10)である。天然ガス発見は2002年で,生産まで7年かかったことになる。パンディ次官(注8)によると,KGガスは最初,ナガールジュナ肥料プラント(注12)に供給され,4,5日後には更に遠くの肥料プラントに送られると。政府の方針では,最初の15mmscmdまではすべて肥料に供されると。コンサルタントのマバニ氏(注13)は,インドでの深海での生産に意義がある,と。明日は測量作業があり,更新が遅れます。

(注)B: (1) 090405B India, Economic Times,(2) title: Energy boost for India as KG gas flows,(3) http://economictimes.indiatimes.com/News/News-By-Industry/Energy/Energy-boost-for-India-as-KG-gas-flows/articleshow/4352631.cms,(4)
3 Apr 2009, 0334 hrs IST, ET Bureau,NEW DELHI:,(5) Reliance Industries (RIL),(6) D-6 block,(7) Krishna-Godavari (KG) basin,(8) petroleum secretary RS Pandey,(9) RIL CMD Mukesh Ambani,(10) Niko Resources of Canada,(11) new exploration licensing policy (Nelp-1),(12) Nagarjuna fertiliser plant,(13) global consultancy firm KPMG’s head of Infrastructure & government, Jai Mavani,(14) deepwater play,(15) Dhirubhai 1 and 3,(16) 

参考資料

●090405A India, Economic Times
インドのKG流域でグジャラート企業が新ガス井発見
GSPC strikes gas discovery in KG 21 well
http://economictimes.indiatimes.com/News/News-By-Industry/Energy/GSPC-strikes-gas-discovery-in-KG-21-well/articleshow/4359759.cms
●090405B India, Economic Times
インドのリライアンスのKGガス生産開始はエネルギー界に活性
Energy boost for India as KG gas flows
http://economictimes.indiatimes.com/News/News-By-Industry/Energy/Energy-boost-for-India-as-KG-gas-flows/articleshow/4352631.cms

2009年4月4日土曜日

ミャンマーのアラカン州で水力着工

ミャンマーのアラカン州で水力着工
HPは下記ドメインです。写真地図など見て下さい。
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm

「中国は革命から60年かけて核戦略を整備し,米国ロシアに伍し,改革開放と同時に軍の近代化に着手,ミサイルや宇宙兵器を整備し,さらに過去20年連続の国防費拡大によって嘗ての大英帝国に近づけるほどの海軍力を増大,今後十数年かけて空母を建造し,いずれ西太平洋を米軍とシェアするほとの軍事覇権を確立するであろう。」,と言うのは,中国への辛口の論評でなる宮崎正弘氏の言葉である。

このような書き方をすると,米国と中国の将来の関係,というものが何か現実味を帯びてくる。日本は油を断たれて戦争に突入したが,インドネシアの原油に手を伸ばしたのは,戦争を始めてからであった。航空母艦は油がなくては動かない。今我々は,電気自動車は電気で動くから原子力発電所があればよい,と言っているが,中国の航空母艦はバッテリーでは動かないだろう,今から造るなら,原子力空母だろうか。

ミャンマーのアラカン沿岸に,大規模な港を造り,2,000kmのパイプラインを,昆明,重慶と敷設してくる中国は,ミャンマーの将来をどの様に考えているのだろうか。我々日本人は,いずれミャンマーも民主化するに違いないから,それからミャンマー支援を行う,今はミャンマーは仮の姿だ,と思っているけれど,中国はミャンマーをどう捉えているのか。民主化すれば,中国に送るパイプラインは何処まで保証されるのか。

まさか中国が武力でミャンマーの民主化を抑えることは出来ないだろう。中国政府首脳は,あの中南海の中で,ミャンマーのことをどう言っているのだろうか。ただ,中国もミャンマーを通過して輸送されるエネルギー資源なくして成り立たないように,ミャンマー自体も民主化したとしても,天然ガスを売らないとやっていかない。ただ問題は変革の過程だ,大混乱が予想されるし,パイプラインなど,ひとたまりもないだろう。

今日の記事にあるアラカン州のサイディン水力プロジェクトの位置は,確実には分からないが,アラカン州では有名な滝のあるところで,1950年代から開発に挑戦してきたが,今まで出来なかった。地元の話では,中国の支援で開発が進められているという。中国は域内の主要なダムを抑えて,パイプラインの通過地点にするつもりだろう。地元民は,2010年の選挙を控えた軍事政権のパフォーマンス,と見ている。70MWである。

本文

●ミャンマーのアラカンでサイディン水力着工

Construction on the Sai Din hydropower plant in northern Arakan State started in March 2009 with the aim of developing power to distribute in Arakan, said an engineer from the Buthidaung municipal office. "The project has already started with the help of the Chinese government, and it is a five-year project set to complete in 2014," he said. (冒頭原文引用)

ミャンマーの西部,アラカン州の水力開発については,2009年1月15日付本HP(注12)に,「ミャンマーのアラカン山脈に600MW発電可能」,と題して解説している。このときは,軍事政権幹部が現地をヘリコプターで視察し,水力地点を確認している。今まで忘れてこられたこの地域は,中国のガス開発,バングラデシュの水力への関心,更にはインドのラメシュ副大臣がインドへのルートを求めて訪問,動きが激しい。

ブティダウン地区事務所(注7)の話によると,ミャンマー北西部のアラカン州(注6)にて,サイディン水力プロジェクト(注5)が,いよいよ着工の運びとなり,今年,2009年3月着工,アラカン地方の電力供給を目的に開発されると。中国政府の支援で,5年かけて,2014年に完成の予定である。サイディン水力プロジェクト(注5)は,ブティダウン(注4)の南東30マイルの位置にあり,アラカン最大のサイディン滝(注8)を利用する。

出力規模は,70MWである。このサイディン滝(注8)地点は,過去に,ウヌー政府(注9)時代に開発が意図されたが成功しなかった。1952年に,地点調査に当たっていた外国人エンジニアーが,ビルマ共産党(注10)のグループによって殺害される事件があり,作業は中止された。SLORC(注11)が政権を取った1988年の時点で,政府は開発を発表したが,3年後に注視された。

2009年,今年になって,アラカン州(注6)の住民から,一日2時間程度の電力供給で不満が溜まっており,軍事政権は,サイディン水力プロジェクト(注5)の再開を決定した。現地のエンジニアーの話では,多くの資機材の運搬が行われており,今回の着工は間違いない,と見ている。軍事政権は,今年,2009年1月,アラカン州で,このサイディン水力プロジェクト(注5)と鉄道建設を行う,と発表している。

アラカン州の人々は,2010年に行われる選挙に於いて,軍事政権への支援を得るためのプロジェクトだ,と噂している。私は,中国のガスパイプライン敷設の治安問題に,密接に関係していると思う。

(注A) (1) 090404A Myanmar, narinjara,(2) title: Sai Din Hydropower Project Resumes,(3) http://www.narinjara.com/details.asp?id=2119,(4) 4/3/2009,Buthidaung:,(5) Sai Din hydropower plant,(6) Arakan State,(7) Buthidaung municipal office,(8) Sai Din Waterfall,(9) U Nu government,(10) Burma Communist Party,(11) SLORC,(12) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090115A.htm,(13)

●フィリッピン政府は再生可能エネルギーへの投資を推進

フィリッピンは,アジア諸国に先駆けて,2008年01月10日,国会で再生可能エネルギー法を承認し,地球温暖化対策と輸入燃料の削減を目的に,地熱,水力を中心にして,大いに内外にその意気込みを示している。その状況は,2008年11月27日付本HP(注23)でも見てきた通りである。高い電気料金への一層の負担がかかるが,フィリッピンの再生可能エネルギーの重点は,輸入燃料削減に比重がかかっているように感あり。

今日の記事。アロヨ政権(注5)は,海外からの輸入燃料を削減し,雇用増大を目標にして,再生可能エネルギーRE(注6)への一層の投資拡大を強力に推し進める方針である。レモンド報道官(注7)は,再生可能エネルギー源の探査開発に,特に,地熱,風力,太陽光,水力,バイオマスに力点を置き,更に代替燃料,バイオディーゼル(注8),バイオエタノール(注9),LPG(注10),CNG(注11),の増大を図っている。

フィリッピンの地熱発電の出力は,1,958MWで世界第2位である。これは,2008年7月に契約を完了した,ビリランなど(注12)の3つのプロジェクトで,更に勢いを増している。太陽光発電PV(注13)の面でも,カガヤン・デ・オロ(注14)で,1MWの規模で開発,アジア最大である。全国では,42,531のユニットが稼働している。水力も,3,298MWが稼働中,ミニ水力も,13.5MWが稼働中である。(後省略)

(注B) (1) 090404B Philippines, pia.gov,(2) title: Gov't pushes investments in renewable energy projects,(3) http://www.pia.gov.ph/?m=12&r=&y=&mo=&fi=p090403.htm&no=99,(4) Manila (3 April) --,(5) Arroyo administration,(6) renewable energy (RE),(7) Press Secretary Cerge M. Remonde,(8) bio-diesel,(9) bio-ethanol,(10) auto-LPG,(11) compressed natural gas (CNG),(12) Biliran, Leyte; Amacan, Compostela Valley and Mabini, Batangas,(13) solar photovoltaic (PV) power plant,(14) Cagayan de Oro,(15) Department of Energy,(16) Chemrez Inc, Senbel Fine Chemicals, Romtron Phils Inc., Pure Essence International Inc., Freyvonne Milling Services, Golden Asian Oil International Inc., Mt. Holly Coco Industrial Company Limited, Rasza Agro Produce Corp., Bio-energy Corp., Tantuco Enterprises and Lipi Tech.. Inc,(16) Leyte Agri Corp.,(17) San Carlos Bioenergy Project,(18) 120 outlets of Seaoil Philippines, 107 of Shell Philippines, 14 of Petron, 22 Chevron and 10 Flying V,(19) Batangas, Laguna to Manila routes,(20) Tabangao, Batangas,(21) Binan, Laguna,(22) .barangay,(23) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081127A.htm,(24) 

参考資料

●090404A Myanmar, narinjara
ミャンマーのアラカンでサイディン水力着工
Sai Din Hydropower Project Resumes
http://www.narinjara.com/details.asp?id=2119 

●090404B Philippines, pia.gov
フィリッピン政府は再生可能エネルギーへの投資を推進
Gov't pushes investments in renewable energy projects
http://www.pia.gov.ph/?m=12&r=&y=&mo=&fi=p090403.htm&no=99


2009年4月3日金曜日

ラオスのメコン本流コーン滝開発と漁業

ラオスのメコン本流コーン滝開発と漁業
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http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm

深夜テレビを見ていたら,1933年,私の生まれる前々年,即ち76年前に,1929年の世界不況を受けて,同じくロンドンで列国が集まって金融会議を行い,決裂,その6年後に,1939年に世界は第2次大戦に突入していったという。昨日,2009年4月2日までのロンドンで開催されたG20も,外は,米国など経済運営への抗議で,失業者によるデモが渦巻いていたという。

米国と欧州の対立はあるとしても,最大の焦点は中国の湖錦濤主席の出方だったのであろう。基軸通貨の議論は収まったとしても,中国のポジションの取り方には,大いに関心のあるところだが,結局,中国の主張は,今まで慎重だったIMFへの400億ドルの拠出表明で,世界の行く先はある程度見えた,と言うことか。要するに中国は,既存組織の中での新たな役割を主張して行く,安全な方向,と言うことに,私は感じた。

「官民協同型PPP」,と言うのがキーワードになり,米国では債権買い取りで官民の協力を打ちだしたが,債権は結局残るわけで,その後どうするかが問題だ,と日銀総裁候補だった武藤さんがテレビで言っていた,私もそう思う,右から左に動かしただけだから。でも右から左へ動かす間に波及効果が起これば,という話だろう。太陽光などは基本的に経済の足を引っ張るわけだから,そこに税金が入れば,何か波及効果が,の期待なのだ。

昨日は,経済産業省のアジアでのインフラ整備を支援するファンド創設などの政策案が明らかになった(注)。官民協働型(PPP)と呼ばれるやり方でアジアのインフラ整備が不可欠と判断した,としている。1997年,アジア金融危機直前の構造審議会のような感じもするが,2,000億円では全然足りないのではないか,発電所一つ出来ないわけだから,官民と言うからには,もう少し枠組みを大きく考えてはどうか。

メコン河の,ラオスとカンボジアの国境にある滝,コーンフォール。最初のフランスのメコン踏査隊が行きどまったところだが,魚類はそこを上っていくらしい。マレーシア企業が,ドンサホン計画と称して,流れ込み式,240MW~360MWの水力発電所を考えている。調査報告書は既にラオス政府に上がっているらしい。よくできた報告書だが,魚類への影響が問題,と言っている。

今日の記事にも出てくるが,プロジェクトの近くの村民は,漁業がどうなるのか心配しているが,それでも彼等は政府の決定には逆らわない,と言っている。政府がよいかどうか,自分達のことも含めて判断してくれる,と言っている。ラオスの人々の穏和な性格。ラオスの環境庁も,報告書を見ながら検討しているが,漁業の話には手を焼いているようだ。不特定多数への補償,と言うのは,プロジェクトがもっとも苦手としているところ。

流水の問題は比較的分かりやすく,連続の方程式一本で解けるが,その流水の中を流れたり動いたりする流砂と魚類は曲者だ。それはプロジェクト近傍だけでは解決できないから,話が何処まで広がるか分からない。これはNGOも主張していることだが,水系一貫の調査が必要。だから日本では,例えば黒部川は関電,熊野川は電発,と分けて開発を行ってきた,メコン河はそうは行かないところに難しさがある。

(注) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200904030015a.nwc

本文

●ラオス南部の村人達は密かにダムか魚かどちらが大事と

On the banks of a remote section of the Mekong River in southern Laos, an area known as Siphandone, villagers quietly debate the question, which is more important to Laos: fisheries or building dams? The debate has been going on ever since a proposal by the Lao government to construct a hydropower dam on this section of the Mekong mainstream, which could have serious impacts on fish stocks that have fed local families for centuries. (冒頭原文引用)

メコン河(注5)の離村,ラオス南部のシャンドン村(注6)で知られる地区では,村人達が,密かに,魚とダムとどちらが大切なのか,議論している。この村人の議論は,ラオス政府がここにメコン本流の初めてのダムを建設する提案をしてからで,何世紀にも亘って続けられてきた村人達の漁業に,深刻な影響が出る可能性があるからだ。各国で,このチベットに発する4,880kmの本流にダムを造るべきか,議論が巻き起こっている。

問題になっている地点は,カンボジアに流れ込む,所謂ラオス人がホー(注8)と呼んでいる,網目状の複雑な流れの中で,チャンパサック県のシオアドン(注7)に位置するコーンの滝(注7)の位置である。この地点は,4月から5月の乾期,水位がもっとも低下する時期に魚類が唯一通過できる深い川底で,ホーサホン(注9)と呼ばれている箇所だ。

カンパオ(注11)と呼ばれているダムサイト近くのドンサダム村(注10)の人々は,決してダムに反対しているわけではない,と言いながら,漁業への影響をもっとも心配している人々だ。このホーサホン(注9)に依存している人々は,約2,000人だ,と地方の役所は見ている。村人は,伝統的に政府の決定には反対しない,と言いながら,政府が漁業に対する影響調査を慎重に行うことを願っている。漁業なしでは生きていけない人々だ。

村人の一人は,昨年,このホーサホン(注9)で捕った魚類は約2トンで,3万キップを得た,と話している。この10年間で人口が伸びたことと,商業用漁獲の伸びで,個人の漁獲高は落ちていると。ラオス政府は,2006年3月に,マレーシア企業,メガファースト(注12)と,ドンサホン水力プロジェクト(注13)の調査を委託することで合意している。2008年2月にはBOT方式(注14)で開発することで,署名している。

メガファースト(注12)がマレーシア証券市場に報告した内容によると,ドンサホン水力プロジェクト(注13)は,カンボジア国境から2km,流れ込み式(注15)の開発方式で,出力は,240~360MWで,電力は,ラオスのみでなく近隣諸国に売電する,としている。意志決定の過程では,チャンパサック県(注7)の上層部は係わったが,公聴会もビエンチャンで行われただけで,シハンドン(注6)の住民には,特に相談はなかったと。

今年,2009年初めの状況は,ラオス政府は,ドンサホン水力プロジェクト(注13)を推進する構えである。技術陣からは,魚類への影響は,チャンパサック県(注7)のみならず,上流のサバナケット県(注16))にも及ぶだろう,と意見が出ている。下流部最初の本流開発で,カンボジアからも,国際的にも,関心が高まっている。カンボジアのNGOも,イラワジイルカ(注17)の生息地で,反対,また,世界漁業センター(注18)も反対している。

ラオス政府の水資源環境庁のボラチット女史(注19)によると,調査報告書は受け取っているが,まだ承認していない状況であると。しかし,流れ込み式なので,大きな影響はなかろう,との意見である。報告書では,14世帯,80人が移住する必要があると。ボラチット女史(注19)は,報告書は調査をよくやっているが,魚類の移動調査については不十分,と言っている。出来るだけ影響が少ない方向で検討して貰うと。

ラオスの鉱工業エネルギー省のカムチャン次席(注20)は,金融危機のため,進捗していないと。ドンサホン水力プロジェクト(注13)の電力の買い手であるタイは,まだ買電に同意していない,銀行も融資を渋っていると。ラオスは地域のバッテリーを辞任しているが,近隣諸国も電源に力を入れているので,必ずしも順調ではない。ラオス政府は,タイ,中国,マレーシアの企業に,本流開発の調査を認めている。

(注A) (1) 090403A Laos, australia.to,(2) title: Quietly, Worried Villagers Debate Dam Impact,(3) http://www.australia.to/index.php?option=com_content&view=article&id=7978:development-laos-quietly-worried-villagers-debate-dam-impact&catid=88:in-depth,(4) Written by E Souk - Newsmekong,VIENTIANE, Apr 2 (IPS) -,(5) Mekong River,(6) Siphandone,(7) Khone Falls, Siphandone in Champasak province,(8) ‘hoo' in Lao,(9) Hoo Sahong,(10) Done Sadam,(11) Khampao,(12) Mega First Corp. Berhad,(13) Don Sahong project,(14) build-own-operate basis,(15) run-of-river project,(16) Savannakhet province,(17) Irrawaddy dolphins,(18) World Fish Centre,(19) Lao Water Resource and Environment Authority, Bounkham Vorachit,(20) deputy director of the energy department of the Lao Ministry of Mines and Energy, Khamchan Phalayok,(21) (*This story was written for the Imaging Our Mekong Programme coordinated by IPS Asia-Pacific.),(22) photo and map source: http://www.internationalrivers.org/files/Don%20Sahong%20Fact%20sheet%20Sept%202008%20ENGLISH.pdf,(23) 

●中国甘粛省の240MWのビングリン水力がCDM認証

World largest hydropower CDM project launched in Gansu Bingling Hydropower Clean Development Mechanism (CDM) project, the world's largest hydropower CDM project, has been launched in Northwest China's Gansu province.Bingling Hydropower station has a total installed capacity of 240 megawatts and will reduce greenhouse gas emissions by 760,000 tons per year. (冒頭原文引用)

中国のビンリン水力発電プロジェクト(注8),単機48MWのチューブラータービン5機,合計出力240MW,であるが,世界最大規模の水力発電所CDMらしい,中国北西部の甘粛省(注6)の黄河(注11)上にある。温暖化ガス排出抑制量は,年76万トンである。甘粛省電力投資公司(注10)にとって初めての水力CDM。

2005年6月に着工し,2008年5月に,イタリーの電力大手ENEL(注13)と,CDM買取契約(注12)を交わしている。2009年2月に,国連のCDM委員会UNECC(注14)で承認された。11mぐらいの低落差で,貯水池がない。

(注B) (1) 090403B China, istockanalyst,(2) title: World largest hydropower CDM project launched in Gansu,(3) http://www.istockanalyst.com/article/viewiStockNews/articleid/3165702,(4) Wednesday, April 01, 2009 9:56 AM,Apr. 1, 2009 (Xinhua News Agency) --BEIJING, April 1 (Xinhua) ? (Source: iStockAnalyst ),(5) Clean Development Mechanism (CDM),(6) 甘粛省,Gansu province,(7) Bingling Hydropower Clean Development Mechanism (CDM) project,(8) Bingling Hydropower station,(9) greenhouse gas emissions,(10) Gansu Power Investment Bingling Hydropower Development Co., Ltd,(11) Yellow River,(12) Certified Emission Reduction Purchase Agreement,(13) Enel,(14) Executive Council of CDM projects of the UN,(15) map source: http://cdm.unfccc.int/UserManagement/FileStorage/NOX4QP572TSAIEG0J9ZYL8C6RD1BWH,(16) photo soyrce: pro.corbis.com/images/42-18048125.jpg?size=67.,(17)

参考資料

●090403A Laos, australia.to
ラオス南部の村人達は密かにダムか魚かどちらが大事と
Quietly, Worried Villagers Debate Dam Impact
http://www.australia.to/index.php?option=com_content&view=article&id=7978:development-laos-quietly-worried-villagers-debate-dam-impact&catid=88:in-depth

●090403B China, istockanalyst
中国甘粛省の240MWのビングリン水力がCDM認証
World largest hydropower CDM project launched in Gansu
http://www.istockanalyst.com/article/viewiStockNews/articleid/3165702 


2009年4月2日木曜日

インドのリライアンスがKG流域ガスの生産開始


HPは下記ドメインです。写真地図など見て下さい。
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm

インドの経済誌は,今回のリライアンス,KG流域の深海井,KG-D6ブロック(注7)の天然ガス生産開始に興奮している。世界的にはそれほど大規模ではないのだが,石炭以外は化石燃料に恵まれなかったインドが,7年間をかけて開発を行い,8兆ドルもの大金をかけた夢のプロジェクトだけに,インドのこれからのエネルギー環境を変革するもの,と囃し立てている。

インドは農業国である。緑の革命からその生産を伸ばし,今でも政策的に優遇されている農業セクターは,天然ガス不足に泣く電力を後回しにして,このガスはまず肥料産業に回される。2010年,ピークの日量80百万立方mの生産に達すれば,電力が不足としているガスの半分を,この井戸から賄うことになる。今日のところ,リライアンスから景気のよい声が聞こえていない。

リライアンスは,正式発表はちょっと待ってくれ,と言っているが,何かあったのか,と思ったら,小さい記事で,インド西部沿岸のジャムナガール,そこにリライアンスの石油精製プラントがあるが,これが小火を起こしたようで,それのかまけて発表が遅れているのではないか。火災は30分間だけで負傷者もなく,製品の供給は通常通り行われているという。

生産量を要約する。最初の1ヶ月の生産量は,10mmscmdであるが,15mmscdmdが肥料工場に配分される。2009年末には生産は,80mmscmdに達する。次に待っているのは電力で,2009~2011年のインドのガス需要の10%,更に続いて11%程度を供給する,としている。このKG流域のガス埋蔵は,約6兆立方フィートと言われているが,今後も投資が続けられるので,まだ確認埋蔵量は伸びて行くだろう。

ブータンの,1,200MWのプナチャンチュ第1水力プロジェクトは,インドとブータンの二国間関係によって開発されることになり,インドのコントラクターがダム関係を,約250億円相当で請け負った,L&T社である。我々も2度も現地に足を運び,Jパワーのサムライ達が2年間に亘って調査を行ったプロジェクトだけに,思い入れがある。今日のHPには,古い写真を引っ張り出してきて,貼り付けておいた。

本文

●フィリッピンのNPCとPSALMが運転委託で合意書締結

The National Power Corporation (Napocor) and the Power Sector Assets and Liabilities Management Corporation (PSALM) recently signed an Operations and Management Agreement (OMA). The agreement paves the way for the future role of Napocor after all of the power generation facilities under its ownership in the main grids have been privatized. (冒頭原文引用)

フィリッピンの電力自由化過程,国家電力公社NAPOCOR(注5)とPSALM(注6)は,運転運用合意書OMA(注7)に署名した。NAPOCOR(注5)によると,この合意書OMA(注7)は,電気事業改革法EPIRA(注8)に基づいて,PSALM(注6)とNAPOCOR(注5)の関係を確立したものだ,と。NAPOCOR(注5)の従業員には,従来通りの待遇が用意されていると。電源資産売却後のNAPOCOR(注5)の行き方を示している。

この記事全体は,どうも,発電資産を売却後も,その売却された発電所の運転と運営を,NAPOCOR(注5)が請け負う,と言うことらしい。即ち,発電所売却で,資本関係や設備の改造,増設は,買い取り先が行うが,運転の実際は,NAPOCOR(注5)の人員を,資本企業が運転委託する形で,従業員の仕事は保証されている,と理解してよいのだろう。

(注)A (1) 090402A Philippines, Manila Bulletin,(2) title: Napocor signs O&M agreement with PSALM, defines future role,(3) http://www.mb.com.ph/articles/200779/napocor-signs-om-agreement-with-psalm-defines-future-role,(4) By JAMES A. LOYOLA,March 30, 2009, 3:41pm,(5) National Power Corporation (Napocor),(6) Power Sector Assets and Liabilities Management Corporation (PSALM) ,(7) Operations and Management Agreement (OMA),(8) Electric Power Industry Reform Act (EPIRA).,(9) Omnibus Electricity Reform Bill,(10) Sec. 49 of EPIRA and Rule 21, Sec. 1 of IRR; Section 55 (a) and (e), Rule 21, Section 11(a) of the EPIRA IRR, Section 47 (j) and Section 5(q), Rule 21 of the EPIRA IRR,(10) Department of Finance,(11) Department of Energy,(12) An Oversight Committee,(3) 

●ブータンのプナチャンチュ水力のダム工事はインドのL&T社へ

ブータンとインドが協力して,2020年までにブータンの水力を11,576MW開発する,との両国の合意は,2009年3が26日付本HP(注12)で報じたとおりである。内容は詳細で,10のうち6プロジェクト,9,340MWは,二国間政府協力,インドからブータンへの40%無償,60%借款,で,残りの4プロジェクト,2,236MWは,両国公社間の合弁という。この1,200MWのプナチャンチュ第1水力(注6)は,この二国間政府協力の一つ。

L&T社(注5)は,ムンバイ籍の,インドの主導的なコントラクターの一つで,今回,1,200MWのプナチャンチュ第1水力(注6)の工事の一部を,124.5億ルピー,約2.45億ドル相当,で請け負った,と発表した。インドとブータンの両国は,首都ティンプー(注8)から東80kmの地点,プナチャンチュ川沿いに,プナチャンチュウ開発庁PHPA(注7)を置いている。

L&T社(注5)が請け負った部分は,仮排水路トンネル,ダム本体,取水口,排砂設備とそれに関連する機器類である。L&T社(注5)の建設部(注9)によると,工期は66ヶ月である。L&T社(注5)にとっては,完成した1,020MWのタラ水力(注10)に次ぐ,ブータンに於ける二つ目の仕事である。エンジニアリングは,WAPCOS(注11)が担当する。他に,導水路と発電所の仕事があるはずだ。

(注)B (1) 090402B Bhutan,rttnews,(2) title: L&T Secures Rs.1,245 Cr. Hydropower Project From Bhutan,(3) http://www.rttnews.com/ArticleView.aspx?Id=900492&SMap=1,(4) 4/1/2009 4:02 AM ET ,(RTTNews), - by RTT Staff Writer,(5) Larsen & Toubro Ltd., or L&T,(6) 1,200MW Punatsangchhu-I Hydroelectric Project,(7) Punatsangchhu-I Hydroelectric Project Authority or PHPA,(8) Punatsangchhu River,(8) Thimpu,(9) L&T's Construction Division,(10) 1,020 MW Tala Hydroelectric Project,(11) WAPCOS Ltd.,(12) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090326B.htm,(13) 

●インドのリライアンスがKG流域ガスの生産開始

Reliance Industries is believed to have started natural gas production on Wednesday from its deep-sea Krishna-Godavari basin fields, a move that has the potential to transform India's energy landscape. The company, however, did not officially make any announcement today, with a spokesperson saying Reliance will make a formal statement in this regard tomorrow morning. (冒頭原文引用)

インドの天然ガスにとっては歴史的な日である。記事は簡単であるが,リライアンスからの正式発表はまだなされていない。KG流域ガスについては,2009年3月30日付本HP(注11)で詳しく取り扱っている。2009年末には生産は,80mmscmdに達する。次に待っているのは電力で,2,3日内に契約が成立,KGD6ガス(注6)は,2009~2011年のインドのガス需要の10%,更に続いて11%程度を供給する,としている。

この水曜日,2009年4月1日,リライアンス(注5)は,KG流域ガス田(注6)の深海井から生産を開始したが,これはインドのエネルギーの展望に大きな変革をもたらすものである。このガス供給開始は,燃料不足に悩む火力発電所ばかりでなく,農業生産と密接に関係する肥料産業への貢献,また,政府にも分配やロイヤリティから,井戸の耐用年数間,280億ドルの歳入をもたらすことになる。

リライアンス(注5)は,この深海井,KG-D6ブロック(注7)の開発に7年間を要したわけで,シバール次官(注8)は,深海からの生産という意味で世界的な事業である,と語っている。2010年のピーク達成時には,この8兆8350億ドルを費やしたプロジェクトは,インドの天然ガスの生産を倍増することになる。肥料産業へは十分な供給を果たし,電力には,不足量36mmcmdの半分を供給する。

(注)C (1) 090402C India, Economic Times,(2) title: RIL's KG-D6 block gas project goes on steam,(3) http://economictimes.indiatimes.com/News/News-By-Industry/Energy/RILs-KG-D6-block-gas-project-goes-on-steam/articleshow/4346393.cms,(4) 1 Apr 2009, 2157 hrs IST, PTI,NEW DELHI:,(5) Reliance Industries,(6) Krishna-Godavari basin fields,(7) KG-D6 block,(8) Director-General of Directorate General of Hydrocarbons V K Sibal,(9) photo 1 source: philip9876.wordpress.com/2008/09/22/,(10) photo 2 source: www.lngworldwide.com/enlarge.asp?id=101,(11) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090330.htm,(12) 

参考資料

●090402A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのNPCとPSALMが運転委託で合意書締結
Napocor signs O&M agreement with PSALM, defines future role
http://www.mb.com.ph/articles/200779/napocor-signs-om-agreement-with-psalm-defines-future-role

●090402B Bhutan,rttnews
ブータンのプナチャンチュ水力はインドのL&T社へ
L&T Secures Rs.1,245 Cr. Hydropower Project From Bhutan
http://www.rttnews.com/ArticleView.aspx?Id=900492&SMap=1 

●090402C India, Economic Times
インドのリライアンスがKG流域ガスの生産開始
RIL's KG-D6 block gas project goes on steam
http://economictimes.indiatimes.com/News/News-By-Industry/Energy/RILs-KG-D6-block-gas-project-goes-on-steam/articleshow/4346393.cms

2009年4月1日水曜日

ミャンマーの北辺水力に中国が着手


HPは下記ドメインです。写真地図など見て下さい。
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm

中国が,オーストラリア籍の世界最大の鉱山企業,リオテントを買収しようとして,オーストラリア政府から拒否された報道は,既に目に入っている。中国資金の世界の資産買収へは,いろいろ警戒も出ているが,しかし,この金融情勢では中国頼り,と言うのが世界の実情だ。オバマ大統領が初の海外舞台で,G20の準備会合で,仏のサルコジ大統領が,役に立たなければ退席する,と,世界が厳しい神経戦を展開している。

昨日,2009年3月31日(注)には,中国の激しいダム開発攻勢に乗って,カンボジア政府が,2016年には電力海外輸出へ,と豪語する。さて今日は,ミャンマーの水力開発で独断場にある中国が,遂に,北部国境近く,イラワジ河(注5)の最上流,カチン州(注6)の州都ミッチーナ(注9)の上流32km,マリカ川(注7)とマイカ川(注8)の合流点に,ダムを開発し,3,600MWを発電する。第2次大戦で有名なミッチーナである。

古い資料にあたっていると,2007年11月23日に,このダムサイトで,中国人の地質専門家が川に流され行方不明になっている。当時は,ミャンマー政府,軍隊を動員して大捜索を展開し,最後は報奨金50万チャットを出して遺体の発見に努めたようだが,見つけられなかったのか。2007年から既に中国人はここを歩いていたのだ。私もビルマにいた当時は,綺麗な雪山を想像し,行きたいと思ったが,当時は無理だった。

このプロジェクトは,地図を見ると当然ながら,相当の水没移住が生ずるようで,過去の記事から見ると,5万世帯,と言っているから,30万人以上が移住することになる。記事でも,中国は移住問題と環境調査に,相当の規模の調査を投入した,と言っている。この地点は,ミートソーネ水力地点(注17)だと思うが,雲南省との国境から80kmで,まさしく中国への供給を主目的にしているのだろう。

今日の記事では,中国へのパイプラインの年内着工を報じている。総延長2,000km,90兆立方フィートと言われる天然ガスの埋蔵の他,中東やアフリカの原油も,ミャンマー,ラキン州のチャウピュ町(注12)の深海港湾から,パイプラインを通じて中国へ輸送する。雲南省の西の国境の町,瑞麗を通って昆明まで運び,更にこれを重慶まで延長するという。まさに中国の生命線となるわけである。

私は思うのだが,このような大事な輸送ラインを,国際的に見て政情不安定なミャンマーのど真ん中を通過させる,その中国の度胸に感嘆する。中国はどんなことをしてもミャンマー軍事政権の維持に動くだろう,と考えられる,そのためにはどの様な外交手段も駆使するだろう。それと,中国が進める35のダムサイトは,考えてみればミャンマーの治安確保の上で抑えておかなければならないポイントなのだ,ダムは中国にとって手段だろう。

今日は再び,ノルウエーのオスロに滞在する,ネパールのプラチャンダー首相のニュースを取り上げている。2020年までに10,000MW水力を開発するプラチャンダーの政治的公約を果たすために,ノルウエー企業の協力を得る。プラチャンダーは,インドの電力市場がネパールの鍵を握っている,と言っているが,10,000MWを輸入するインドも,ネパールの治安と政治が気になるだろう。

(注) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090331.htm

本文

●ミャンマーのイラワジ川の水力とパイプラインに中国が支援へ

China is to help Myanmar build a big hydropower plant on the River Irawaddy in the north of the country, adding to a string of joint hydropower projects, and a huge gas pipeline to China is also planned, officials in Myanmar said. The latest hydropower project, under a deal reached with a Chinese delegation last week, involves a plant in northern Kachin State, at the confluence of the Malikha and Maykha rivers on the upper reaches of the Irawaddy.(冒頭原文引用)

ミャンマーのイラワジ河(注5)上流のダム開発に,いよいよ中国が乗り出した。中国領は目と鼻の先である。ガスパイプラインを通すための調査の前哨戦とも見て取れる。先週,2009年3月末,最新の協力プロジェクトとして,ミャンマー北部のカチン州(注6),イラワジ河(注5)の最上流,カチン州(注6)の州都ミッチーナ(注9)の上流32km,マリカ川(注7)とマイカ川(注8)の合流点に,ダムを開発する。

おそらく今まで,ミートソーネ水力地点(注17)として知られてきた地点で,2007年11月23日(注16)に,中国人の地質技術者が川に流されて死亡している。その記事を参照すると,発電所の出力は,3,600MWと言う大規模なもので,5万世帯が水没するという。この地点は,中国との国境から僅かに80kmの地点である。昨年調査が行われ,水没移住と環境影響に重点を置いて,報告がなされたという。

中国がミャンマーにとっては唯一のダム支援国,と言っても良く,15のダムプロジェクトが現在も推進中である。これらが全部完成すれば,10400MWと言われており,現在の,1,690MWに比べて,大変な数字である。また,ガスと石油のパイプラインの問題であるが,中国側によると,国境横断のルートで両国が合意し,署名が行われた,と報じている。

このパイプラインは,全延長2,000kmで,国境を越え,雲南省の瑞麗(注10)から昆明に達し,更に中国南西部の重慶(注10)まで繋ぐという。これは,マラッカ海峡(注11)を通らずに,原油ガスを輸送できることから,中国にとっても,ミャンマーにとっても重要なプロジェクト,としている。ミャンマー側のパイプラインの始点は,南西部のラキン州のチャウピュ(注12)の深海港湾である。工事は,2009年前半にスタートする。

このラキン州沖合のA1ブロック(注13)に位置するシュエ天然ガス田(注19)のガス包蔵は,4~6兆立方フィートTCFと見られている。ミャンマー全体では,ガス包蔵が90兆立方フィート,原油が32億バレル,これが19の内陸部と主要3カ所のガス田に分布している。タイへの輸出統計では,2007年度が,25.3億ドル,2006年度が,20.3億ドルとなっている。今年度の9ヶ月で既に,17.8億ドルに達している。

(注)A (1) 090401A Myanmar, news.alibaba,(2) title: Myanmar gets China's help for hydropower project,(3) 
http://news.alibaba.com/article/detail/energy/100077635-1-myanmar-gets-china%2527s-help-hydropower.html,(4) YANGON, March 30 -,(5) River Irawaddy,(6) Kachin State,(7) Malikha river,(8) Maykha river,(9) Myitkyina,(10) Ruili 瑞麗 and Kunming 昆明 in Yunnan province to Chongqing 重慶 municipality in southwestern China,(11) Strait of Malacca,(12) Kyaukphyu Township in Rakhine State,(13) A-1 block off Rakhine,(14) http://bnionline.net/feature/narinjara/3106-chinese-inspector-dies-in-myitsone-hydro-power-project-site.html,(15) photo source: Malikha and Maykha rivers,www.tourismmyanmar.com/myitkyina.htm,(16) map source,off Rakine gas field,mprlexp.com/Offshore-Detail.htm,(17) Myitosone hydro,(18) Shwe gas field,(20) 

●ネパールの水力開発でダハール首相がインドが鍵を握っている

Nepal aims to boost its hydropower generation capacity more than 15-fold in 10 years, and the government is working to gain access to the vast Indian market for electricity exports, its premier said on Tuesday. The Himalayan nation's goal is to build 10,000 megawatts of hydropower plants by 2020, from around 630 MW now, as part of the ruling Maoists' pledge to create a "new Nepal." (冒頭原文引用)

10年間で10,000MW水力開発,を打ちだしているネパールのプラチャンダー首相(注6),彼は今,ノルウエーのオスロ(注15)にある。ネパールの水力開発については,昨日,2009年3月31日(注16,17),詳しく見てきた。プラチャンダーがオスロで何をしているか,インドが大切だ,と語るプラチャンダーの言葉を載せたロイター電に引き寄せられて,この記事を読んでみた。

プラチャンダー首相(注6)はオスロで,インドの大きな市場へのアクセスを考えて,10年間で現在の15倍の水力開発に挑戦する,と語る。現在の設備は,630MWで,これを2020年には,10,000MWにする目標である。プラチャンダー首相(注6)は,ノルウエー現地,グロンマ川のソルベルグホス水力発電所(注7)を視察しながら,ネパールの水力開発について語った。

特にプラチャンダーは,「我々は現在,協議の最中だが,開発についてインドと共通の理解を目指している。」,と強調している。ネパールは最貧国だが,ノルウエーのような国から技術を学び,世界の金融界の支援を受けながら,ゴールを目指すと。インドへの電力輸出によって潤うが,国境を越える送電網が必要になると。

随行したシュレスタ・ヒマラヤ銀行頭取(注8)は,もしインドへの電力輸出が旨く行くなら,ノルウエーのように発展する可能性がある,と言っている。19世紀の終わりには欧州の最貧国であったノルウエーが,その豊かな水力資源を活用して,今や世界で5番目の水力国であり,これを近隣諸国へ輸出して今日を得た,と理解している。プラチャンダー政権の問題の一つは,1日18時間に及ぶ停電でもある。

ノルウエー籍のSNパワー(注11)は,ネパールで最初は,2,000MWの水力開発を目指していた。その中には,456MWのアッパータマコシ水力(注9),600MWのタマコシ2,3水力(注10)があり,タマコシ2,3水力(注10)は現在調査中である。SNパワー(注11)は,スタットクラフト社(注13)の子会社で,アジアや南米で活躍,ネパールでは1993年以来,水力に係わり,60MWのキミティ水力発電所(注12)の主たる所有者。

SNパワー(注11)のアンダーソン社長(注14)はプラチャンダーに,オスロに案内して,ネパールは我々の成長目標だ,と語っている。また,インドとの送電連携の重要性を念を押している。スード副社長(注16)は,15億ドルの資金調達が円滑に行けば,2011年か2012年に着工したい,と語っている。プラチャンダーに対しては,厳しく,手続きの簡素化とインドへの送電線開発が出来なければ,プロジェクトは出来ない,と。

(注)B (1) 090401B Nepal, uk.reuters,(2) title: India key to Nepali hydropower ambition, PM says,(3) http://uk.reuters.com/article/oilRpt/idUKLV71468520090331,(4) Tue Mar 31, 2009 9:08pm,By John Acher,SOLBERGFOSS, Norway (March 31),(Editing by David Gregorio),(5) Maoists,(6) Prime Minister Prachanda,(7) Solbergfoss hydroelectric plant on the River Glomma in Norway,(8) Manoj Bahadur Shrestha, chairman of Himalayan Bank,(9) 456 MW Upper Tamakoshi project,(10) 600 MW Tamakoshi 2/3,(11) SN Power,(12) 60 MW Khimiti plant,(13) Statkraft,(14) SN Power's Chief Executive Oistein Andresen,(15) Oslo,(16) Nadia Sood, SN Power's Executive Vice President for South Asia,(16) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090331B.htm,(17) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090331C.htm,(18) 

参考資料

●090401A Myanmar, news.alibaba
ミャンマーのイラワジ川の水力とパイプラインに中国が支援へ
Myanmar gets China's help for hydropower project
http://news.alibaba.com/article/detail/energy/100077635-1-myanmar-gets-china%2527s-help-hydropower.html

●090401B Nepal, uk.reuters
ネパールの水力開発でダハール首相がインドが鍵を握っている
India key to Nepali hydropower ambition, PM says
http://uk.reuters.com/article/oilRpt/idUKLV71468520090331