ネパールのカトマンズーに座り込んで,インドの電力を熱く語っているのは,我らが,「アジア開発3人男」,の一人,Minister of State for Power Jairam Ramesh である。因みに,今朝の朝刊によると,4人男の一人,タイの Samak 元首相は捕まってしまった,禁固2年の刑。
Ramesh が,60,000MWの水力,と言うから,何か聞いた数字だな,と思って過去の記録を見たら,この9月21日に,Planning Commission Deputy Chairman Montek Singh Ahluwalia が,2050年までに原子力600,000MW開発と言っていた。
Ramesh は非常に包括的に,また網羅的に語っている。このポイントは,現在水力火力の比率が,25:75であるのを,2025年には,40:60に持って行く,と語っていることである。困難であるが,非常に意欲的な構想である。これは私は,Ramesh が,人類最後の仕事に挑戦している宣言であると思う。
今の世界は,地球を守るためには,インドと中国の石炭火力を,如何に抑制するかにかかっている。ただ,インドの水力開発は,言うに易いが,実現には,国際的な協力が欠かせない。私は,専門家は,日本でCDMを論ずる時間があるなら,ヒマラヤに行くべきだと思う。
Ramesh の言う60000MWの内訳。50,000MWは国内資源であり,10,000MWはブータンからである。国内資源はその50%が水力資源豊富な北東の Arunachal Pradesh であり,残りは山岳州の Sikkim,Himachal Pradesh,Uttarakhand,Jammu and Kashmir である。ブータンからは現在1,400MWを輸入しているが,新規に1,100MWが具体化している。
Ramesh はカトマンズーでこれを語っているわけだが,彼の数字の中には,ネパールの話はまだ出てこない。国内,ブータンに続いて彼が言ったのは,先日自分でまとめてきたミャンマーの Chindwin basin の,1,200MW Tamanthi project である。そうして彼は最後に,これも,「アジア開発3人男」,の一人,世界の時の人,ネパール共和国初代首相,Prachanda の,10年間で10,000MW水力開発を持ち出す。
本文
●インド,2025年までに60,000MW水力開発へ
ネパールのカトマンズーにあって,インドの長期に亘る電力政策を語るのは,Minister of State for Power Jairam Ramesh である。既に,多くは発表されている内容であるが,幾つかは,注目すべき新しい点がある。それは,バングラデシュとの間で電力融通を行うことと,現在の,水力火力比率25:75を,火力を減らして,2025年までには,40:60にしたいという点である。これこそが,人類が願う石炭火力抑制である。
インドは,2025年までに60,000MWの水力開発を目指している。このうち50,000MWは国内資源であり,10,000MWはブータンからである。国内資源はその50%が水力資源豊富な北東の Arunachal Pradesh であり,残りは山岳州の Sikkim,Himachal Pradesh,Uttarakhand,Jammu and Kashmir である。ブータンからは現在1,400MWを輸入しているが,新規に1,100MWが具体化している。
また,先日 Ramesh がミャンマーを訪れて協定を結んできたミャンマーの Chindwin basin の,1,200MW Tamanthi project がある。また,the South Asian Association for Regional Cooperation (SAARC) の構想の中に入るものとして,アフガニスタンの送電連携,スリランカの海底送電連携と Trincomalee の500MW石炭火力も進んでいる。
ここまで話した Ramesh は,改めてネパールの Prachanda の提案を取り上げ,ネパールはこの10年で10,000MWの開発を提案している。インドはこれらも考慮して,水力の比率を40%まで上げたい,と演説した。更に,ネパールとインドの国境線180kmの各所の境界の道路整備も提案している。「アジア開発3人男」,の一人,Ramesh の構想は大きい。なお,もう一人,タイの Samak 元首相は,禁固刑の判決を受けている。
●インド,Riliance, 二つの大規模火力,年内に資金調達終了へ
タタと並んでインドの2大財閥,Anil Ambani 率いる Reliance Power,その会長の Reliance Power Chairman Anil Ambani が,この企業の電源開発に関する見通しを語った。なかなか進まない石炭火力大規模開発UMPPのうち,Tata Power のMudra は資金調達を完了しているが,Reliance の二つ,Sasan,Krishnapatnam はまだ資金調達が完了していない。年内の見通しという。Sasaan は2,000億ルピー,4.42 億ドル相当,krishnapatnam は1600億ルピー,3.54億ドル相当である。
その他に,原子力の民間開発参入を狙っていて,7,8年には実現したとしている。他に,280億ドルを準備して,28,200MWの石炭火力と水力を,これも8年以内に実現したい。また,100MWクラスの Grid Interactive Concentrating Solar Power Plant の開発も考えている。
●フィリッピン,Alson, Negros Occidental で40MW水力開発へ
フィリッピン企業 Alsons Consolidated Resources の関連会社 Alto Power Management Corp が,ネグロス島の中央部,Negros Occidental 県で,水力開発を提案。元はNPCが構想を持っていたが,火山 Mount Kanlaon の近くの Bago River の上流で,ダム式の構想を改めて流れ込み式の階段状開発,合計40MW,建設費38億ペソ,約57億円で建設すべく,pre-feasibility study に入った。KWh当たり4ペソ,Central Negros Electric Cooperative の現行の5ペソより安いだろう,と言っている。コンタクト先は,Alsons corporate information officer Premy Ann G. Beloy。
Reference
Philippines
●080925A Philippines,
Alson, Negros Occidental で40MW水力開発へ
Alsons eyes P3.8-B, 40-MW hydropower project http://www.inquirer.net/specialfeatures/power/view.php?db=1&article=20080925-162739
India
●080925B India, Economic Times
インド,2025年までに60,000MW水力開発へ
India aims at 60,000 MW more hydropower by 2025
http://www.thaindian.com/newsportal/south-asia/india-aims-at-60000-mw-more-hydropower-by-2025_10099367.html
●080925C India, Economic Times
Riliance, 二つの大規模火力,年内に資金調達終了へFinancial closure for 2 mega plants this year
Reliance Power
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/Financial_closure_for_2_mega_plants_this_year_Reliance_Power/articleshow/3519317.cms
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