HPは下記ドメインです。写真地図など見て下さい。
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm
シーチェンジ(注14)と言うのは,シェイクスピアのテンペストの中で使われたのが最初という。大転換,を意味する言葉で,今でも各所で使われているらしいが,さすがに使ったのはインドであって,天然ガスの大転換を,大きく謳い挙げている。インド東部のKG流域で,リライアンスが2002年に発見した天然ガス田で,輸入に頼ろうとしたナフタやLNGに変わって,インドのエネルギーを大きく変える,と言っている。
2002年に発見されたこの天然ガス田は,約10兆立方フィートと言っているから,ミャンマーの60兆などを聞いていると,そんなに大きい気はしないが,インドには石炭しかないと思っていた人たちには朗報であり,これからの探査によって,何処まで拡大するか分からない。エクソンモビルなど,今インドネシアやフィリッピンを荒らしまくっているが,インドのこれから周辺海域での,探査入札を狙っている。
私のHPで,どの様なキーワードでアクセスが来たか,というのが分かるようになっているが,ここ2,3日,「資源大国実現プラン」,でアクセスしてくる人が結構多い。これはおそらく,経済産業省が,明日,2009年3月18日の経済財政諮問会議に提出する成長戦略原案の中に,「資源大国実現プラン」の項目が入っているからであろう。誰だって,一体これは何だ,と思うはずだ。
経済産業省のHPで,「資源大国実現プラン」,で検索しても何も出てこない。経済産業省は一体どの資源を言っているのであろうか。東シナ海で中国が天然ガスを掘り当てたが,周辺にはそれ相当の天然ガスがあることは分かっているだろうが,深海で探り当てるには,今のインドネシアや中東のLNGが,10倍ぐらいにならないと,手を付ける企業がないだろう,それが日本の考え方だ。
「資源大国実現プラン」と言うのは一体なんだろう,と考えて捜していたら,随分古い通産省の資料が出てきた。日本は元々,資源大国だった,と言うのである。使わなくなった携帯電話やパソコンのことかと思ったら,そうでもないらしい。経済産業省には,「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画(案)」と言うものがあって,次世代エネルギーについて論じられているそうだ。
経済産業省のプランには,必ず,次世代,と言う言葉がついてくるので,今はどうにもならないものを研究するときに,この言葉を冠するらしい。そう言う意味では,どうにもならない国内資源,と言うことになるらしいが,企業は手を出しかねるから,今から国のお金である程度調査をやっておこう,と言うことか。私は寧ろ,列島を囲む大陸棚を全部鉱区に分けて入札し,企業が入ってこないところを国がやる,ことがよいと思うが。
インドネシアは勿論のこと,タイ,インド,カンボジア,ベトナム,フィリッピン,すべて,出るかどうか分からないが,とにかく周辺海域をすべて鉱区に分けて探査権の出方を窺っている。日本にはそう言うものはないのだろうか。もう,何処でも天然ガスはある,と言うことに疑いを持つ人はいないと思うが,ただ,掘りやすいか掘りにくいか,の違いだけだから,鉱区に分けて,一度,多国籍も含めた企業の出方を見てみたらどうか。
経済産業省の「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画(案)」に書かれているのは,「燃える氷」,メタンハイドレートだと言う。経済産業省の計画では,2018年に商業化,だと言うが,遠い話ですね,まさしく次世代だ。2009年2月14日のJCAST(注43)によると,日本は,約447平方kmと世界第6位の排他的経済水域(EEZ)と大陸棚の広さを誇っている。「資源大国実現プラン」の根拠は,メタンハイドレートですかね。シーチェンジですね。
(注) (43) http://www.j-cast.com/2009/02/14035836.html,(44)
本文
●フィリッピンのミンダナオ北東部で10億ペソの水力開発
フィリッピンの再生可能エネルギー法が成立してから,各地で小水力の提案が続く。まるでフィリッピンの島々を渡り歩いているような気分にさせられる。今日のミンダナオの北東部の湖,マイニット湖(注7)は,この湖を取り巻く村々が,一つづつ,電化の対象になっており,写真を見ても分かるとおり,景色の素晴らしいところだ。誰か資金を出してくれる人があれば,のんびり発電所を造ってくるのも人生かな。
フィリッピンの北東部ミンダナオ,カラガ地域(注6)とも言うらしいが,その中の一つの県,アスガン・デル・ノルテ県(注5)を対象にしている。ここには写真にあるような綺麗な湖,マイニット湖(注7)があって,それを取り巻くように,ジャボンガ(注8),サンチャゴ(注9),キッチャラオ(注10)の町が電化の対象らしい。出力規模も企業の名前も書いてないが,10億ペソと言うから2,000KWぐらいの規模を言っているのか。
(注) (1) 090316A Philippines, Manila Bulletin,(2) P 1 billion hydropower plant set to rise in Agusan del Norte,(3) http://www.mb.com.ph/node/199087,(4) By MIKE U. CRISMUNDO,March 16, 2009, 12:00am,Butuan City ?,(5) Agusan del Norte,(6) Northeastern Mindanao (Caraga region),(7) Laka Mainit,(8) Jabonga,(9) Santiago,(10) Kitcharao,(11) Governor Erlpe Amante,(12) palay,(13) photo source: http://www.nasipitsite.com/AGUSAN%20DEL%20NORTE/%20lake%20mainit%20031.jpg,(14) SEA CHANGE,(15)
●インドの天然ガス生産が2倍となって新しい時代へ
インドのKG流域ガスについては,昨日,2009年3月15日付本HP(注29)で扱ったばかりで,リライアンス(注18)は,KG流域ガス田の生産を,2009年3月31日から始める,と発表している。KGーD6ガス田からである。最初の生産量は,日5~15百万立方mで,その後順次上げて行く,と報じたばかりである。今日の記事は,これをインドのエネルギーの革命的事件として,大きく扱っている。
今回のリライアンス(注18)の天然ガス販売開始で,インドのガス供給は,従来の2倍になると言う。リライアンス(注18)は88億ドルをかけたらしいが,ガス不足の発電への寄与,少ない温暖化ガス,高価な輸入燃料の節約,という3点から見て画期的という。このベンガル湾のD6ガス田(注19)を,世紀の大転換,シーチェンジ(注30)と呼ぶ。(この言葉はシェイクスピアのテンペストで使われた言葉らしい。)。
今回のガスの価格は,従来の政府価格の2倍に相当し,BG(注20)のガスと同じぐらいである。ここで問題となるのは,燃料もさることながら,電力などの市場メカニズムの不足である,それが投資意欲と関係してくる。APECのトロナー氏(注21)は,政府は暗黙のうちに,市場価格へシフトして行く現状を認めているようだ,と見ている。電力への影響は4,000MW,全体の3%程度で,その他,LPGや肥料プラントへの影響も大きい。
自動車のCNGへの転換にも一役買うことになる。2010年までには,日80百万立方mに持って行く。今のところリライアンスは,価格について政府とにらみ合っているが,百万Btu当たり,4.2ドルと見られている。政府はリライアンスの制限を課しており,日40百万立方mを限度とし,この先5年だけの暫定価格としている。専門家は,もっと市場原理を働かすよう提案している。トロナー氏(注21)は大きな変化が起こる,と予測している。
政府は,この20年間で随分自由化してきたが,少なくとも,燃料と電力,肥料については,その価格面で自由化できているとは言い難い。政府も,電力の価格が自由化していない限り,この分野での自由化は困難だ,と見ている。政府系のONGC(注23)は,井戸も古くなってきているが,最近ではリライアンスやグジャラート公社GSPC(注30)などの,沖合ガス田の探査が,優位に立ってきている。
2002年にリライアンスが発見した天然ガスのポテンシャルは,10~11兆立方フィートであるが,多国籍企業,エクソンモバイル(注23),シェブロン(注24),BP(注25)などが,探査権の獲得に血眼になっている。ONGCが陸上で長期間にわたって投資を続けている一方,リライアンスやカイルン(注27)が,ラジャスタン砂漠(注28)で,この30年間,大規模な発見を続けている。
(注) (14) 090316B India, Economic Times,(15) India gas field to double supply, open new energy era,(16) http://economictimes.indiatimes.com/News/News-By-Industry/Energy/India-gas-field-to-double-supply-open-new-energy-era/articleshow/4270647.cms,(17) 16 Mar 2009, 1206 hrs IST, REUTERS,NEW DELHI:,(18) Reliance Industry,(19) D-6 field in the Bay of Bengal,(20) BG-operated Panna/Mukta and Tapti fields,(21) Al Troner, head of Asia Pacific Energy Consulting.,(22) million British thermal units,(23) state exploration firm Oil and Natural Gas Corp,ONGC,(23) Exxon Mobil,(24) Chevron,(25) BP,(26) once-overlooked nation,(27) Cairn Energy,(28) Rajasthan desert,(29) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090315D.htm,(30) sea change,(31) Gujarat State Petroleum Corp,(32)
●ブータンのタラ水力発電所を国内企業が傘下に
ブータンも変わってきたことに驚く。直接大臣に,発電所民営化の将来を訪ねたことがあったが,とても考えられない,と答えていた。ブータンの自然や資源を資本主義の蹂躙には任せられない,と言う意味だが,今日の記事では,龍緑電力DGPC(注36)を,これから大きく育てよう,と言うわけだ。読み方によっては,インドへの売電の成果が出てきて,内部留保が出てきたと言うことか。
2009年4月から,地元電力企業,龍緑電力DGPC(注36)が,大規模な,タラ水力発電公社THPA(注37)を傘下に置き,DGPC(注36)の総設備出力が,1,480MWに達するという。この結果,龍緑電力DGPC(注36)の資産額は,150億Nuから,一気に,650億Nuになる。(ブータン貨幣の換算表は一般の貨幣換算にはない。)。この決定は,2008年の閣議で決められていた。
DGPC(注36)は,その他に,バソチュ(注38),チュカ(注39),クリチュ(注40)各発電所も支配下に置いている。龍緑電力DGPC(注36)のリンジン総裁(注41)は,この目的は,今後とも新規の水力資源の開発を行うためだ,と言っている。今回の合併で,現在の年間収入40億Nuは,一挙に,110億Nuに跳ね上がるという。タラのカザンチ社長(注42)は,2009年6月までに解決する,と言っている。
(注) (32) 090316C Bhutan, kuenselonline,(33) Druk Green Power to take over Tala,(34) http://www.kuenselonline.com/modules.php?name=News&file=article&sid=12116,(35) 16 March, 2009 - ,By Passang Norbu passa@kuensel.com.bt,(36) Druk Green Power Corporation (DGPC),(37) Tala hydroelectric project authority (THPA),(38) Basochhu,(39) Chukha, (40) Kurichhu hydropower corporation,(41) DGPC managing director, Chhewang Rinzin,(42) THPA managing director R N Khazanchi,(43)
参考資料
フィリッピン
●090316A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのミンダナオ北東部で10億ペソの水力開発
P 1 billion hydropower plant set to rise in Agusan del Norte
http://www.mb.com.ph/node/199087
インド
●090316B India, Economic Times
インドの天然ガス生産が2倍となって新しい時代へ
India gas field to double supply, open new energy era
http://economictimes.indiatimes.com/News/News-By-Industry/Energy/India-gas-field-to-double-supply-open-new-energy-era/articleshow/4270647.cms
ブータン
●090316C Bhutan, kuenselonline
ブータンのタラ水力発電所を国内企業が傘下に
Druk Green Power to take over Tala
http://www.kuenselonline.com/modules.php?name=News&file=article&sid=12116
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