2009年3月19日木曜日

インドネシアの第2次石炭火力


HPは下記ドメインです。写真地図など見て下さい。
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm

今日は更新が遅れた。運転免許の更新で高齢者講習を受けてきたが,パソコンで鍛えた眼が心配で,午前中はコンピューターを見る作業を中止した。実技試験もあるが,私の前に座っていた人は,40年間も近鉄バスの運転をしていたとか,東京大阪間のトラックをを運転していたとか,まさに猛者の揃った講習会で,実技試験もあるが,誰も問題なく,試験官より上手なぐらいだ,車時代に若い時を過ごした人ばかり。

しかし,いろいろな試験をやっては,30代の人はこの辺ですが,あなたはこの辺にいるのですよ,とか変な数字を示して老いを自覚させようとする。大体,世の中,元気な老人を,あなたは老人ですよと自覚させようとする制度ばかり考えて,老いに追い込んで行くというのは,全くよくないですね。老人の事故が多い,とか統計を示しているが,老人が増えて母数が増えているのだから,当然事故の数も増えるはずだ。今日は頭に来た。

いよいよインドネシアの本格的な民間開発による電源開発がスタートを切る。第1次石炭火力,10,000MW計画,クラッシュプログラムは,すべて政府のプロジェクトで,資金の大半を中国の借款に頼っている。最近は,この中国の借款にいろいろ条件が付いてきて,インドネシア政府は慌てている。2010年に全部運転開始する計画だが,危なくなってきた。その後,中国との交渉はどうなったのだろうか。

間もなくインドネシアは選挙の季節に入り,5月には一般選挙で,来年には大統領選挙が行われる。ユドヨノ大統領は少数派だが,非常に評判がよくて再選の可能性が強いと言われている。問題はカラ副大統領で,ゴルカル党,スハルトの系統を引くこの政党は危ないと書いてあった。カラ副大統領が大統領選挙に出て,ユドヨノ大統領と別れると,電源開発戦線にも,異常が起こる可能性がある。

今日の,2,000MW,ジャワ島中部,北岸のプマラン石炭火力は,後は財務大臣の承認待ちで,この5月か6月には,PLNによる入札が行われるという。内外で30程度の企業が動いていると書いてあるが,環境規制はどうなっているか,それによって日本企業の動きが変わってくるだろう。インドネシアももう安ければよいと言うわけには行かないのではないか。20億ドル,というから,何らかのクリーン化対策を考えての上だろう。

本文

●フィリッピンのERCがビサヤスの送電線改良450百万ペソを承認

電力の需給が逼迫しているフィリッピンのビサヤス系統,この問題と,全国送電網の運用を中国電網に委託した状態に於ける増強問題,この二つの問題が絡んで来る今日の記事である。電力規制委員会ERC(注5)は,サマール島東部(注7)の供給信頼度改善を目的として,60KV送電線,ルソンの南端サン・タリタからサマール東南端キナプンダン間に,449.941百万ペソを投入することを承認した。

今夏送電公社TRANSCO(注8)によると,サマール島中部のライト変電所(注9)の過負荷を防ぎ,地域の需給を強化する,2010年の完成を目指している。2007年に申請したもので,新しいフィリッピン送電公社NGCP(注10)が運用委託を受ける前からのの計画であった。ERC(注5)は,この投資をすぐに回収するのでなく,2011年からスタートする第3次規制期間(注11)に行うとした。

これは,送電線資産と見るのではなく,接続資産と見なすということである。TRANSCO(注8)によると,ライト-タフト-ボロンガン-キナプンダンの69KV送電網’注12)をループ化して,島東部に電力を供給する,と言うことである。これは,ライト変電所(注9)の混雑を防ぐこと防ぎ,6.4MW相当の損失を軽減することに繋がる。kyパシタ・バンク(注14)の必要がなくなると言うことだ。

(注) (1) 090317A Philippines, Manila Bulletin,(2) ERC approves P450-million transmission line project for Visayas,(3) http://www.mb.com.ph/node/199204,(4) By MYRNA M. VELASCO,March 17, 2009, 12:00am,(5) Energy Regulatory Commission (ERC),(6) Sta. Rita-Quinapundan 69 kilovolt (kV) transmission project,(7) Eastern Samar,(8) National Transmission Corporation (TransCo),(9) Wright substation,(10) National Grid Corporation of the Philippines,(11) 3rd Regulatory Period,(12) Wright-Taft-Borongan-Quinapundan 69 kV line,(13) Sta. Rita substation,(14) capacitor bank,(41) photo source: http://farm1.static.flickr.com/35/71386065_1c7cdeee3b.jpg?v=0,

●インドネシア政府がプマラン石炭火力の入札開示へ

インドネシアの電源開発,第1次10,000MW開発計画,クラッシュプログラムが,中国との資金交渉で難航している最中,既にインドネシア政府は,第2次電源開発計画に着手しようとしている。第2次計画は,石炭火力主体でなく再生可能エネルギーを取り入れることと,民間資金が主力になる。その最初のスタートは,中部ジャワの大規模な石炭火力である。このプロジェクトは,政府のインフラ計画の中にも入っていると言うことだ。

インドネシア政府は,中部ジャワ,プマラン(注19)に建設予定の,2,000MWの石炭火力の入札準備に取りかかった。BAPPENAS(注21)のバスタリ局長(注20)によると,このプマラン(注19)石炭火力は,民間協力計画PPP(注22)の下の8つのインフラ計画,総額44億ドルの中の,20億ドルに相当する。入札には,30の内外の企業が参加する見込みで,2009年5月または6月に予定されている。

入札を執り行うのは,PLN(注23)の中部支社が扱う。最近政府は,3兆ドルのインフラ基金(注25)を,ADB(注26)と世界銀行(注27)の借り入れも入れて,準備したが,この基金を使ってプマラン(注19)石炭火力の10%資本参入を行う,所謂IPP(注30)プロジェクトである。第2次電源開発計画は,2012年に着工して,2014年に運転を開始する予定になっている。

なお,8つのインフラプロジェクトは,プマラン(注19)石炭火力の他は,殆ど高速道路網(注34~39)で,その他に,バンドン水浄化プロジェクト(注40),54.4百万ドル,が含まれている。バンドンの下流には,サグリン,チラタなどの水力ダムがあり,水質悪化に悩まされており,その支援と考えられるが,額が余りにも少ないのではないか。

(注) (15) 090317B Indonesia, The Jakarta Post,(16) Govt to soon open bid for Pemalang power plant,(17) http://www.thejakartapost.com/news/2009/03/17/govt-soon-open-bid-pemalang-power-plant.html,(18) Benget Besalicto Tnb. , THE JAKARTA POST , JAKARTA | Tue, 03/17/2009 10:52 AM | Business,(19) 2,000-megawatt (MW) coal-fired power plant in Pemalang, Central Java,(20) Bastari Panji Indra, director of public and private cooperation,(21) National Development Planning Agency (Bappenas),(22) public private partnership (PPP) scheme,(23) state-owned electricity company PT PLN,(24) Central Java,(25) Infrastructure Fund,(26) Asian Development Bank, (27) World Bank,(28) Bambang Praptono, PLN’s director of strategy and planning,(29) second 10,000 MW electricity program,(30) independent power producer (IPP),(31) Java-Bali system,(32) Bambang Susantono, deputy in charge of infrastructure at the Coordinating Ministry for the Economy,(33) Pemalang power plant (worth $2 billion),(34) 15.8-kilometer Medan Binjai toll road ($118.81 million),(35) 60-kilometer Medan-Kualanamu-Tebing Tinggi toll road ($477.37 million),(36) 58.5-kilometer Cileunyi-Sumedang-Dawuan toll road ($394.5 million),(37) Tanah Ampo Cruise Ship Port in Karangasem, Bali ($23.5 million),(38) 185-kilometer Palaci-Bangkuang toll road in East Kalimantan ($821,million),(39) 22-kilometer Manggarai Cengkareng airport toll road ($740 million),(40) Bandung Clean Water Project ($54.4 million),(41) 

参考資料

フィリッピン

●090317A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのERCがビサヤスの送電線改良450百万ペソを承認
ERC approves P450-million transmission line project for Visayas
http://www.mb.com.ph/node/199204

インドネシア

●090317B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシア政府がプマラン石炭火力の入札開示へ
Govt to soon open bid for Pemalang power plant
http://www.thejakartapost.com/news/2009/03/17/govt-soon-open-bid-pemalang-power-plant.html

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