2009年7月26日日曜日

スリランカの復興に各国の思惑が集まる

スリランカの復興に各国の思惑が集まる
HPは下記ドメインです。YouTube動画,写真地図など見て下さい。
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm
旅行用品の大型ショップ旅の雑貨店
http://hb.afl.rakuten.co.jp/hsc/09ee30fe.7cd4d7ec.09ee30ff.03ee8b2a/

スリランカに対して,日本はアッパーコトマレ水力で終わりなのか,と問いかけたかった。電力のマスタープランを実施しながら,石炭火力は中国に譲り,武装勢力への和解要請も,スリランカ政府の強攻策で終わってしまい,日本政府のスリランカ外交は行き詰まっている。穏健策とマスタープラン調査だけで,スリランカなどへの支援が出来ていると考えるならば,間違いだと思う。福田首相の訪問(注1)も,9億円の難民支援では弱い。

なぜそれほどスリランカ外交が大切なのか。それはインドと中国の経済的な台頭があるからだ。まず中国は,日本政府が踏み切れなかった石炭火力と引き替えに,スリランカ南部,ハンバントタ港を中国の軍港とすることに合意させた,軍港と言ってはいないが,建造が視野に入っている空母の重要な泊地になるわけである。それは中東からの原油を,ミャンマーのチャウクピュー港へ運ぶためだ。地図を見れば中国の意図は歴然。

インド海軍との直接接触を避けながら,スリランカ南部を経由して,ミャンマー南西沖に運び,そこから原油とガスのパイプラインで,雲南省に運び,更に上海など沿岸地域まで,大国の干渉なく,到達させることが出来る。インドとしては,スリランカの石炭火力で中国と争ったが,結局中国の経済攻勢に敗れ,今度は,シンディ電力大臣自ら,インドースリランカ超高圧直流送電連携,容量1,000MWを前面に押し出してきている。

中国輸出入銀行は,既に傷んだスリランカ北部の復興を引き受けるむね,スリランカ政府に伝えており,おそらく日本の人道支援9億円の数十倍の提案になるだろう。また,米国などの意志を含んだIMFは,復興支援として26億ドルを決定しており,一部はすぐにでも支出する体制にある。ここで注目すべきは,スリランカ北西沖のガス探査事業が動き始める情勢にある。北西沖,と言っているが,実際は,パーク海峡全域のガス包蔵だろう。

最大の親日国,戦後の日本のODAが力を入れたスリランカも,日本政府の穏健策で,見る見る間に日本の手のひらからこぼれ落ちて行く。アッパーコトマレ水力,150MWも,もうスリランカ政府の目から見ると,飲み込んでしまったご馳走で,美味が感じられなくなった。このたび,大統領がコトマレ現地に飛んだのは,別の要件もあったとはいえ,一つのチャンスかも知れない。

福田前首相が,ただ笑顔で9億円の人道支援を行って,これで良し,として帰ってしまうならば,日本政府も,大使館も,余りに甘いと言わざるを得ない。とにかく,アジアの途上国に対しては,人道支援や,2年も3年もかける開発調査では,時代に遅れている。今日本が出来ること,それは,スリランカ周辺のエネルギー資源に,早急に手を伸ばすことだろう,インドとはおそらく協力できるのではないか。過去の遺産を大切にせよ。

ロシアのラブロフ外相がハノイに入って,ベトナムのキエム副首相兼外相と原子力開発で連携(注2)との報道が流れている。ロシアは旧ソ連時代からベトナムのエネルギー支援には熱心で,今,韓国や日本などが入り乱れているベトナムの原子力開発も,大臣レベルの協議でないと太刀打ちできなくなってくる。明日は,測量作業,おそらく豪雨の中の厳しい作業になりそう,遭難しないように気を付けよう。

(注1) http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20090724AT3S2401X24072009.html
(注2) http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090726AT2M2501025072009.html


本文

●スリランカの大統領がコトマレ水力の現場を視察

President Mahinda Rajapaksa inspected the Upper Kotmale Hydro Power project site on early hours of 24th (friday) July, while he was in the Uva province attending Provincial Council election campaign in the area. He made an inspection visit to the site and instructed the officials to take steps to complete the project on schedule. He further requested the officials to expedite the construction work to complete the work prior to schedule to meet the set targets.

内戦を終了させたスリランカのラジャパスカ大統領(注5)は,電力危機の最中,その解決の鍵を握る,150MWのアッパーコトマレ水力(注6)の建設現場を視察して,関係者を激励し,2011年の完成時期を少しでも早めるよう,要請した。アッパーコトマレ水力(注6)は,2002年3月に,日本政府と円借款に合意したもので,事業費総額は,950百万ドルで,2006年着工,2011年には完成予定である。

日調整と思われる流れ込み式発電所だが,12kmのトンネルで491mの落差を取っている。流域面積はよく分からないが,トンネルの直径は4.5m都書いてあるので,流量は毎秒50トンぐらいか,ピークに立てているとすれば,平均流量毎秒20トン程度,流域面積は300平方kmあるかな。間に合わせのディーゼル発電所で凌いでいるスリランカとしては,期待の水力だろう。記事に写真が多い。

(注)A (1) 090726A Srilanka, onlanka,(2) title: President Visits Upper Kotmale Hydro power Project,(3) http://www.onlanka.com/news/pubs/article_2009_07_24_2819.html,(4) Jul 24, 2009,Source: Onlanka News - By Janaka Alahapperuma,(5) President Mahinda Rajapaksa,(6) 150MW Upper Kotmale Hydro Power project,(7) Japanese Government on an Overseas Development Assistance loan,(8) Bank for International Cooperation in Japan,(9) Ceylon Electricity Board,(10) photo sources 01: http://www.ukhp.lk/waterfalls.html,(11) photo source: clombo page,(12)

今日の参考資料

●090726A Srilanka, onlanka
スリランカの大統領がコトマレ水力の現場を視察
President Visits Upper Kotmale Hydro power Project
http://my.reset.jp/adachihayao/index090726A.htm
http://www.onlanka.com/news/pubs/article_2009_07_24_2819.html

最近の関連資料

●090126A Srilanka, itn.lk/news
スリランカ,大統領,全発電所の完成を指示
President instructs to complete work on power plants
http://my.reset.jp/adachihayao/index090126A.htm
●081013A Srilanka,colombopage
アッパーコトマレ水力第2期,運転開始
Second phase of Sri Lanka hydropower project starts today
http://www.colombopage.com/archive_08/October1323527KA.html
●070922D Srilanka, Daily News
アッパーコトマレ水力,住民移住が始まる
Upper Kotmale resettlement begins


●スリランカにインドが送電線連携の具体化調査を提案

The proposed connection shall enable both the countries to exchange electricity to the tune of 1000 MW for mutual benefit
New Delhi: India has proposed to sign an MoU with Sri Lanka for conducting a feasibility study for establishing a power transmission system of 1000 MW capacity using overhead and sub-marine cables between two nations.

スリランカの反政府ゲリラ制圧を受けて,インドのシンディ電力大臣は,インドとスリランカの送電線連携について,可能性調査をやるべく,スリランカ政府と覚書を交わすことを提案しているむね,語った。提案の内容は,2回線,直流超高圧送電線(注4)で,両国側に変換所を設けるが,送電容量は,1,000MWで,両国にとって利益があると指摘している。

プレFS報告書(注7)によると,総事業費は,230億ルピー,全体の長さは,350~400km,インド側は,200~250kmの架空線,海底ケーブルが,30~50km,スリランカ側の架空線が,125~150km,で容量は,1,000MW,工期は4年としている。

(注)B (1) 090726B Srilanka,livemint,(2) title: India, Lanka to sign MoU on power transmission system,(3) http://www.livemint.com/2009/07/24154357/India-Lanka-to-sign-MoU-on-po.html?h=B,(4) high voltage direct current (HVDC) terminal stations,(5) Lok Sabha,(6) power minister Sushil Kumar Shinde,(7) pre-feasibility report,(8)

今日の参考資料

●090726B Srilanka,livemint
スリランカにインドが送電線連携の具体化調査を提案
India, Lanka to sign MoU on power transmission system
http://my.reset.jp/adachihayao/index090726B.htm
http://www.livemint.com/2009/07/24154357/India-Lanka-to-sign-MoU-on-po.html?h=B

その他の関連ニュース

●090726C Srilanka, hindu.com
スリランカに対して中国輸銀が北部地域の復興支援を申し出
China EXIM bank to assist in development of Sri Lanka's north
http://www.hindu.com/thehindu/holnus/000200907111570.htm
●090726D Srilanka, forbes.com
スリランカに対してIMFが26億ドル支援で北西沖のガス探査も視野
UPDATE 4-IMF board OKs $2.6 bln loan for Sri Lanka
http://www.forbes.com/feeds/afx/2009/07/24/afx6699424.html


●海外関連連携ショップ
****************************************
楽天トラベル
http://hb.afl.rakuten.co.jp/hsc/09ec1bdf.dd6f0239.09ec1be0.045ab5f0/
旅行用品の大型ショップ旅の雑貨店
http://hb.afl.rakuten.co.jp/hsc/09ee30fe.7cd4d7ec.09ee30ff.03ee8b2a/
安心電脳倶楽部
http://hb.afl.rakuten.co.jp/hsc/09ee31d6.05c86c0b.09ee31d7.57c47431/
Joshin web 家電とPCの大型専門店
http://hb.afl.rakuten.co.jp/hsc/09ee33ec.e3cc8613.09ee33ed.45a6abaa/
パソコンGPSショップ GPS販売の老舗、豊富な品揃えでお応えします。
http://hb.afl.rakuten.co.jp/hsc/09ee3291.b7e0be95.09ee3292.951b7421/
****************************************

0 件のコメント: