2009年6月30日火曜日

フィリッピンのルソンの電力需給は2015年までOK

フィリッピンのルソンの電力需給は2015年までOK
HPは下記ドメインです。YouTube動画,写真地図など見て下さい。
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http://hb.afl.rakuten.co.jp/hsc/09ee30fe.7cd4d7ec.09ee30ff.03ee8b2a/

原油価格が上げ気味である,ニューヨーク原油8月物終値でバレル71.49ドル,ナイジェリアの武装勢力による石油施設攻撃と,中国が国家戦略石油備蓄量を5年後をメドに現在の2.6倍にする,と報ぜられた。原油価格はこの辺りが長く続いた安定領域であり,これより上に動き始めると,2008年,147ドルの悪夢が見えてくる。フィリッピンのエネルギー自給政策は,原油価格に大きな影響を受ける。

電源売却にうつつを抜かすフィリッピン,と私も随分揶揄してきたが,私の記録を見ても,ルソンの電力需給の将来に目を向けた記事は,久しぶりである。フィリッピンの長期の電力需給の見通しは誰が責任を持っているのか,NPCが電源資産30%の小規模発電会社に格落ちし,国家送電網が中国にその運用を委譲した現実で,マニラ電力の新任,イエスス社長が発言せざるを得ない現状が,哀しい。

IPPである東京電力の火力発電所や関西電力の水力発電所など,NPCが電力の買い取りの役目を果たしていたが,電力自由化の原則は,これも認めないと言う。だから,IPPAと称して,このIPP電力の引き取り手を入札にかけ,このIPPAが,BOTの期限の来る2025年頃には,東電や関電から発電所まで引き取ることになる。しかし,この入札は不調に終わったという。微妙な売電単価,そう簡単には収束しないだろう。

ただ,現在の東京電力や関西電力がこのIPPA入札についてどの程度の発言権を持っているのか,そこが第3者にはよく分からない。法律上どうしてもNPC引き取り分を入札に付さねばならない,引き取り価格がIPP側で納得できないときは,何が起こるのか。NPCはもう引き取ることが法律上出来ない,としたら,東京電力や関西電力は,買い叩かれるだけ?PSALMは一定の線を決めているが,入札が不調ならどうなるのか,疑問一杯。

フィリッピンの電力セクターは,電力自由化のために法律を整備し,世界に先駆けて,再生可能エネルギー法を成立させて,配電会社は少なくとも10%は再生可能エネルギーを買わなければならない,としているが,一方で電気料金の引き下げが政治上の優先事項である。全く矛盾している。イエスス社長の需給バランスも,2015年までしか見ていない。そこから先の電源は,今,手を付けなければならないのに。

イエスス社長の言い分を聞いてみよう。現在のルソン系統の最大ピーク需要は,6,900MW,供給力は,8,900MW~10000MWの間にある。民営化によって,パンタバンガン-マシウエイ水力,マシンロック石炭火力など,出力増強が進んでいる。エンリレ上院議員の,UFT法(注14)とERR法(注15)は,電気料金を引き下げる効果があり,調整機能が強化されて,電力分野の未来は明るくなっている,と。

さて,日産自動車の株主総会でゴーン社長がEV車で大見得を切った(注)。私は,おそらくゴーン社長の見方が正しいと思う。トヨタのHV車が200万円で,日産のEV車が460万円という。本当にEV車でよいのか,と心配している人がいると思う。HV車はプリウスを見て分かったが,要するに全量化石燃料オリジンである。日産のEV車の半分はバッテリーの値段だという。バッテリー技術の発展が車を救い,電力を救い,エネルギーを救う。

(注) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200906300009a.nwc

本文

●フィリッピンの石炭火力のIPPA入札は価格が合わず失敗

The bidding for the appointment of independent power producer administrators (IPPAs) to manage the contracted capacities of the National Power Corporation in the coal-fired Sual and Pagbilao power plants hit a bump as the two participating parties failed to meet the reserve price set by the Board of the Power Sector Assets and Liabilities Management Corporation (PSALM).

このフィリッピンのIPPA入札というのは分かりがたい。私の理解は,IPPの火力や水力が,ある条件の下で発生電力の全量または一部を,NPC(注6)が引き取ることになっているが,新しい電気事業法で,NPC(注6)に多くの電源のみならず,発生電力も集中することを解消するために,IPPA(注5)を入札で決める,落札したIPPAは,その引き取る電力を,需要家へ直接販売するか,卸売市場に出す,と言うことなのであろう。

この手続きが完了して,NPC(注6)所有の発電所の70%売却が終了した段階で,フィリッピンの電力セクターの改革が一段落して,需要家のオープンアクセスが可能となり,電力料金が下がる,と言う極めて空想的なフィリッピンの電力改革のシナリオなのである。東京電力の石炭火力や関西電力の水力などは,ラモス前大統領の方針で,電力に有利な条件で,NPCが引き取っていたが,それをIPPA制度に変換するのは,結構大変。

今日の記事では,東京電力のスワル(注7)とパグビラオ(注8)の石炭火力が,IPPA入札を行って,サンミゲール(注10)とサーモルソン(注11)が応札したが,不調に終わったと言うことである。不調の原因は,発注者側であるPSALM(注12)の決めていた価格の範囲に,入札か価格が履いたなかったから,ととれる表現である。

ここで問題は,PSALMの価格範囲で,一体どうやって決めていたのか,数字も方法も明らかにされていない。入札とは名ばかりで,特定の数字にもって意向としたことは明かで,それが自由化というものか。おそらく,東京電力などのIPPの強い意向が働いて,NPCの引き取り価格に近い範囲で制限が設けられていたのだろう。

PSALMは再入札を行って,入札が成功することに自信を見せているが,全くの自由価格の入札では,システムが崩壊することは目に見えている。IPP側も,当初に意図した採算性を壊すことは,融資側を抱えているだけに,死活問題であろうし,IPP側に選択の権限は残されているのであろうか,と疑問になる。IPPAの段階は,関西電力のサンロケ(注16)を含む3つの水力が対象となる。

(注)A (1) 090630A Philippines, pia.gov,(2) title: Bidding for selection of IPPAs fails as reserve price unmet,(3) http://www.pia.gov.ph/?m=12&fi=p090626.htm&no=75,(4) Manila (26 June),(PSALM/PIA-MMIO),(5) independent power producer administrators (IPPAs),(6) National Power Corporation,(7) coal-fired Sual power plant,(8) coal-fired Pagbilao power plant,(9) Board of the Power Sector Assets and Liabilities Management Corporation (PSALM),(10) San Miguel Energy Corporation (SMEC),(11) Therma Luzon Inc.,(12) PSALM's Bids and Awards Committee (BAC),(13) Phase II of its IPPA selection process,(14) 140MW Casecnan hydropower plant,(15) 70MW Bakun hydropower plant,(16) 95 MW San Roque hydropower plant,(16)

今日の参考資料

●090630A Philippines, pia.gov
フィリッピンの石炭火力のIPPA入札は価格が合わず失敗
Bidding for selection of IPPAs fails as reserve price unmet
http://my.reset.jp/adachihayao/index090630A.htm
http://www.pia.gov.ph/?m=12&fi=p090626.htm&no=75

最近の関連資料

●090622C Philippines, abs-cbnnews
フィリッピンのスワルなど石炭火力売却で3グループ関心
Three groups likely to bid for Sual, Pagbilao plants
http://my.reset.jp/adachihayao/index090622C.htm
●090525C Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンの石炭火力のIPPA入札が間もなく動く可能性
Bidding for Pagbilao, Sual contracts moved
http://my.reset.jp/adachihayao/index090525C.htm
●090515C Philippines, energy-business-review
フィリッピンのPSALMがパグビラオなど石炭火力売却を急ぐ
PSALM To Settle Bidding Matters On Pagbilao And Sual Coal-Fired Power Stations In Philippines
http://my.reset.jp/adachihayao/index090515C.htm
●090412A Philippines, bworldonline
フィリッピンの発電資産売却は水力発電所が次の目標
Hydropower plants next on PSALM’s auction block
http://my.reset.jp/adachihayao/index090412A.htm
●090402A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのNPCとPSALMが運転委託で合意書締結
Napocor signs O&M agreement with PSALM, defines future role
http://my.reset.jp/adachihayao/index090402A.htm


●マニラ配電はルソンの電力需給で2015年までは安定と

Power supply in the Luzon grid is expected to remain adequate until 2015, as the operations of existing power plants become more efficient. “Many of the (National Power Corp.) plants are being privatized and those that have been privatized have become more efficient... so I think up to 2015 we won’t have any problem,” Manila Electric Co. president Jose P. de Jesus said.

電源資産売却にうつつを抜かすフィリッピン,と私も随分揶揄してきた。将来の電力の需給バランスなど,誰も考える人がいなくて,高い電気料金を如何に国民に説明するか,ばかりが話題となって。珍しく,ルソン系統(注5)の普及バランスについて,新任のマニラ電力社長イエスス氏(注7)が語っている。ルソン系統(注5)の70%程度しか把握していないマニラ電力が,全体の需給に言及しなければならないのが,フィリッピンの現状だ。

イエスス社長(注7)のポイントは,NPC(注6)の所有していた発電所が売却民営化され,発電の効率が上がっていくことを考えれば,少なくとも2015年までのルソン系統(注5)は安定しているだろう,としている。2015年までですよ,イエスス社長(注7)でも2015年までしかものが言えない,それから先の電源は,もう計画が具体化していなければ間に合わないと言うのに。

イエスス社長(注7)の言い分を聞いてみよう。現在のルソン系統(注5)の最大ピーク需要は,6,900MWである。一方で供給力は,8,900MW~10000MWの間にある。民営化によって,パンタバンガン-マシウエイ水力(注8)は,EDC(注9)によって僅かな投資で,90MWが112MWに増えた。マシンロック石炭火力(注10)は,GNP(注11)により,300MWが600MWとなり,更に2012年までの600MW増設が視野に入っている。

FGC(注12)は,500MWのガス火力を計画中である。エンリレ上院議員の,UFT法(注14)とERR法(注15)は,電気料金を引き下げる効果があり,調整機能が強化されて,電力分野の未来は明るくなっている。

(注)B (1) 090630B Philippines, business.inquirer,(2) title: Meralco Adequate Luzon supply until 2015,(3) ttp://business.inquirer.net/money/topstories/view/20090630-213047/Meralco-Adequate-Luzon-supply-until-2015,(4) By Amy R. Remo,Philippine Daily Inquirer,First Posted 00:26:00 06/30/2009,MANILA, Philippines,(5) Luzon grid,(6) National Power Corp,(7) Manila Electric Co. president Jose P. de Jesus,(8) Pantabangan-Masiway hydropower plant complex,(9) Energy Development Corp,(10) Masinloc coal fired power plant in Zambales,(11) GN Power,(12) First Gen Corp.,(13) Senate President Juan Ponce Enrile,(14) Senate Bills 3147 or the Uniform Franchise Tax Act,(15) Bills 3148 or the Electricity Rate Reduction Act,(16)

今日の参考資料

●090630B Philippines, business.inquirer
マニラ配電はルソンの電力需給で2015年までは安定と
Meralco Adequate Luzon supply until 2015
http://my.reset.jp/adachihayao/index090630B.htm
http://business.inquirer.net/money/topstories/view/20090630-213047/Meralco-Adequate-Luzon-supply-until-2015

最近の関連資料

●090521B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンの電気料金抑制のため上院が2法案を準備
Enrile pushes twin measures to pare electric power rates
http://my.reset.jp/adachihayao/index090521B.htm
●090521C Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのマニラ電力の総会で料金問題が主題に
To bring down Meralco rates SMC mulls ‘plant optimization’ formul
http://my.reset.jp/adachihayao/index090521C.htm
●090515B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのマニラ配電のロペス社長は居座り
Manolo Lopez stays as Meralco chair
http://my.reset.jp/adachihayao/index090515B.htm
●090322B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのマニラ配電が11名の役員名簿発表
Meralco bares new nominees to 11-man board of directors
http://my.reset.jp/adachihayao/index090322B.htm
●090310C Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのマニラ配電の2009年は伸びフラット
Meralco sees flat growth in 2009 electricity sales
http://my.reset.jp/adachihayao/index090310C.htm
●090128B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン,マニラ配電の社長人事,イエスス氏
As SMC takes 4 board seats De Jesus named Meralco President
http://my.reset.jp/adachihayao/index090128B.htm


その他のニュース

●090630C Philippines, manila bulletin
フィリッピンの電力産業は調整機能の機関は一つでよい
Power industry must have only 1 regulator, investors urge
http://www.mb.com.ph/node/204174
●090630D Philippines, pia.gov
フィリッピンの8MWアムラン水力でICSが買収名乗り
ICS Renewables assumes ownership of Amlan power plant
http://www.pia.gov.ph/default.asp?m=12&r=&y=&mo=&fi=p090626.htm&no=27
●090630E Philippines, gmanews
フィリッピンのPSALMが8MWアムラン水力を委譲へ
PSALM turns over Amlan power plant to new owner
http://www.gmanews.tv/story/165822/PSALM-turns-over-Amlan-power-plant-to-new-owner
●090630F Philippines, Manila Stand Today
フィリッピンのスワルなど石炭火力IPPA入札は成立せず
Sual, Pagbilao auctions fail
http://www.manilastandardtoday.com/?page=business1_june27_2009
●090630G Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのロペスグループはカセカネン水力買収を視野に
Lopez firm eyes Casecnan power facility
http://business.inquirer.net/money/topstories/view/20090630-213041/Lopez-firm-eyes-Casecnan-power-facility

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2009年6月28日日曜日

マレーシアは原子力開発で優位にあると

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前にも書いたが,1979年,私がマレーシアのケランタンで猛暑にさいなまれながら川の中でダムサイトと格闘していた頃,米国のスリーマイル島で原子力事故が起こった,あの時は一時原子炉熔解がどこまで進むか分からない恐怖の時間があったが,マレーシアのエンジニアーが,我が国は原子力がなかってよかった,とホッとしていた,可哀相な日本,という顔で我々を見ていた,それほどあの時の世界は,危機にあった。

アダチさんはなぜマレーシアを書かないのか,とよく非難気味に言われる。マレーシアはよく行っているのだが,どうも印象がもう一つである。最近は東京電力の技術陣が積極的,と伝えられている。しかし,マレーシアのエンジニアー達と話すと,ルックイーストと昔から言われながら,彼等は欧米を向いている。日本のビジネスの素人っぽさが,どうも気に入らないようで,すぐ欧米スタイルに持っていこうとする。

JICAで議事録を書こうとすると,議事録とは誰がどう言って誰がどう応えたか,を書くべきだと主張する。JICAの協定書の原案を示すと,お抱えの弁護士にチェックさせるので,2,3日待ってくれ,と来る。日本の外務省からは,日本のODAとして決めている文体だから一字一句変えるな,言われている。全くどうしようもない国である。両者は合意しなかった,と言う議事録にお互いサインして,それがシャンパンをあける署名式だったりする。

マレーシアが原子力開発に,重い腰を上げたのは,昨年,2008年7月,シャジマン・エネルギー担当大臣は,原子力開発を選択肢からはずすべきではない,と遂に口火を切った時であろう。準備に12年から15年,特に核廃棄物の処理問題と人材育成に時間がかかるだろう,と語っている。東南アジア各国,タイ,ベトナム,インドネシアなどで原子力開発ののろしが上がっても,その時までマレーシアは静かであった。

しかし,今日の記事は誠にマレーシアらしい。マレーシアには原子力の博士号,PhDを持った人が80人以上存在する,今は民間企業や政府の他の場所に散らばっているが,その80人の10%ぐらいを集めれば,原子力はすぐ出来る,韓国は原子力のPhDのか学者3人の時点で原子力を始めた,と言っている,ちょっと誰か言ってあげて下さいよ,PhDが原子力を造るのではないと,もっと地道なエンジニアーの世界だと。

今日はサラワクの再生可能エネルギー開発総合計画SCOREも話題となっている。サラワクも余り私は見ていない。どうもサラワクの開発規模と需要規模が全然マッチしない,2,400WMのバクーン水力を始めようとしても,700kmも離れた海底送電線を敷設しないと役に立たない。しかし,地図を改めてみてみると,サラワクとマレーの間には,インドネシア領のナツナ・ガス田がある。この海域を少し勉強するか。


本文

●マレーシアは原子力開発について技術的背景を持つ

Malaysia has the expertise to build its own nuclear power plant and earlier than scheduled. Atomic Energy Licensing Board chairman Prof Datuk Dr Noramly Muslim said the country had around 80 PhD holders with expertise in nuclear engineering technology. "Some of these people who are nuclear trained are now chief executive officers in banks and big companies.

全くマレーシアらしい議論である。東南アジア諸国,タイ,ベトナムを先頭に,インドネシア,それにフィリッピンも,原子力発電開発への意欲を示しており,早いところでは,2020年に発電開始の計画を打ち出しているところもある。それに対して,」比較的域内では先進性を誇るマレーシアがまだ口火を切っていない。このことで,初めて原子力関係の有力者が口火を切った。

原子力委員会のノラムリ総裁(注5)の発言は,私から見ると,誠にマレーシアらしい,曰く,マレーシアには80人に上る原子力技術に関する博士号所有者がいる,韓国などは僅かに3人の博士号所有者しかいないのに,あれだけの原子力発電所を持っている,マレーシアは潜在的に,原子力開発の技術的背景を持っている,と言っている。日本には原子力のPhDはゼロに近いだろう,博士号で原子力発電所が出来る,マレーシアらしい。

80人の原子力博士の,10~15%も動員すれば,マレーシアの原子力発電所は出来てしまう,と言っている。またこれを煽てるのは,韓国の原子力専門家キム氏(注6)で,他の国で20年かかる原子力開発は,マレーシアでは10年で出来るだろうと。マレーシアの電力公社TNB(注8)は,今週初め,2009年6月23日頃,政府の認可の後,2025年に原子力発電所運転開始にこぎ着ける計画である,と発表した。

原子力のトップ,ジャーファル博士(注9)は,エネルギー資源の現状や価格の不安定,を考えると,将来,原子力発電は必要だ,と明言している。世界の現状だが,30カ国で400の原子力発電所が稼働中。米国は104基で電力の19.4%,欧州は196基で30%,日本は63基で34.5%,韓国は20基で35%,中国は11基で2%,となっている。

ノラムリ総裁(注5)によると,マレーシアの現状は,60%が天然ガスで,残りは石油と水力である。タイとベトナムは,原子力開発を既に視野に入れている。実際,ベトナムはマレーシアに支援を求めてきていると。最近の北京の会議では,世界の60カ国が原子力開発を示唆しており,欧州では,英国とイタリーが,原子力開発を解禁する情勢にある。

(注)A (1) 090628A Malaysia, nst.com,(2) title: 'We have expertise to go nuclear' ,(3) http://www.nst.com.my/Current_News/NST/Sunday/National/2593946/Article/index_html,(4) KUALA LUMPUR,(5) Atomic Energy Licensing Board chairman Prof Datuk Dr Noramly Muslim,(6) Prof Jong Hyun Kim, of the Nuclear and Quantum Engineering Department,(7) Korea Advanced Institute of Science and Technology,(8) Tenaga Nasional Berhad,(9) Dr Mohd Zamzam Jaafar,(10)

今日の参考資料

●090628A Malaysia, nst.com
マレーシアは原子力開発について技術的背景を持つ
'We have expertise to go nuclear'
http://my.reset.jp/adachihayao/index090628A.htm
http://www.nst.com.my/Current_News/NST/Sunday/National/2593946/Article/index_html

最近の関連資料

●080722B Malaysia, The Star
原子力開発を避けるべきではない
Don’t reject possibility of using nuclear energy: Shaziman
http://thestar.com.my/news/story.asp?file=/2008/7/21/nation/20080721150745&sec=nation
●080630B Malaysia, NST Com
果たしてマレーシアは原子力開発に踏み切るべきか
Can Malaysia go NURRIS ISHAK and CHAI MEI LING
http://www.nst.com.my/Current_News/NST/Sunday/Focus/2279329/Article/index_html
●081103A Thailand, The Nation
タイの原子力地点提示は,2009年末になる
Search on for nuclear site
http://nationmultimedia.com/2008/11/03/business/business_30087411.php
●080618A Thailand, Bangkok Post
タイの原子力開発,来月より調査スタート
Nuclear study starts next month
http://www.bangkokpost.com/Business/18Jun2008_biz35.php
●090225A Vietnam, english.vietnamnet
ベトナムの原子力開発は4月にも国会へ上程へ
Nuclear power project to be submitted to NA in April
http://my.reset.jp/adachihayao/index090225A.htm
●081230C Indonesia, The Jakarta Post
原子力発電,フランスはいいが,インドネシアはどうか
Nuclear power for France, but not RI
http://my.reset.jp/adachihayao/index081230C.htm
●090521A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンの原子力でエネルギー長官が関係者の同意が条件
Reyes sets ‘stakeholder support’ as condition for BNPP revival
http://my.reset.jp/adachihayao/index090521A.htm


●マレーシアのサラワクは水力資源主導の開発へ

Sarawak hopes to become a major hydropower player in the region when the Sarawak Corridor of Renewable Energy (SCORE) is fully developed by 2030. State planning unit advisor Chang Ngee Hui said SCORE aimed to get RM334bil worth of investment by 2030 from the private sector, government-linked companies and foreign investors.

昨年,2008年4月29日頃,サラワクのバクーン発電所,少し大きいものを造りすぎて,もてあましている感じ,。最初はアルミ工場を造るつもりだったのだろうが,周囲の条件が許さなかった,そこで引けずにここまで来てしまって,これ以上続けるためには,海底送電線でマレーシア半島に持ってこなければどうにもならなくなってしまった,というのが実情だろうが,問題はこれからだろう,と書いている。

何しろ,240万KWと言う図体の大きさ,それも2010年6月には完成するところまで費用を注ぎ込んでしまったわけであるから,それも32億リンギット,10億ドル相当を越す投資であるから何とかせねばならない,しかしながら,676kmの海底直流送電で9億リンギット,約3億ドル近い送電費用を注ぎ込んで,240万KWのうち160万KWを半島に送る必要がある。政府も,現時点で幾らの電気料金,とははっきり言えない,と口を濁している。

さて,サラワク(注7)について,マレーシアの国家プロジェクト,SCORE(注5)がスタートしたのは,昨年,2008年11月頃と聞いている。具体的に何をしようとしているのか,再生可能エネルギーを標榜しているだけに,水力開発が中心となる,2,400MWのバクン水力(注8)と,バラム水力(注9)が中心であるが,アルミ精錬所(注14)か,マレーシア本島に運ぶか,いずれにしても,経済規模とプロジェクトサイズの釣り合いが悪い。

(注)B (1) 090628B Malaysia, biz.thestar,(2) title; Sarawak aims to lead in hydropower energy,(3)
http://biz.thestar.com.my/news/story.asp?file=/2009/6/13/business/4109392&sec=business,(4) KUALA LUMPUR,(5) Sarawak Corridor of Renewable Energy (SCORE),(6) State planning unit advisor Chang Ngee Hui,(7) Sarawak,(8) 2,400MW Bakun hydropower,(9) Baram hydropower,(10) Tanjung Manis,(11) Samalaju,(12) Chief Minister Tan Sri Abdul Taib Mahmud,(13) Regional Economic Development Authority (RECODA),(14) aluminium smelter plant in Mukah,(15) Borneo Convention Centre,(16) Kuching,(16) International Energy Week 2009,(17) Energising sustainable future-business opportunities in SCORE,(18)

今日の参考資料

●090628B Malaysia, biz.thestar
マレーシアのサラワクは水力資源主導の開発へ
Sarawak aims to lead in hydropower energy
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm
http://biz.thestar.com.my/news/story.asp?file=/2009/6/13/business/4109392&sec=business

最近の関連資料

●080711B Malaysia,
サラワク,70万KWリワグダム,再び脚光
Liwagu dam project on SESB
http://www.dailyexpress.com.my/news.cfm?NewsID=58600
●080429C Malaysia, BERNAMA
JBICとの間で,バクン発電所の海底送電線で協議
Talks On Loan For Bakun Submarine Transmission Cables
http://www.bernama.com.my/bernama/v3/news_lite.php?id=329460
●080418E Malyasia, Bernama
サラワクは,ASEANの発電所となる可能性を秘めている
Hydropower To Propel Sarawak To Become Regional Powerhouse
http://www.bernama.com.my/bernama/v3/news_lite.php?id=327463

その他の関連ニュース

●090628C Malaysia,bernama
マレーシアがSCORE計画で24プロジェクトの800億リンギット承認
24 Projects With RM80 Billion Investment Approved In SCORE
http://www.bernama.com/bernama/v5/newsbusiness.php?id=417442


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2009年6月26日金曜日

タイはミャンマーの新規ガスの生産延期交渉

タイはミャンマーの新規ガスの生産延期交渉
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タイの政治は混乱から抜け出したのか,或いは,イランや北朝鮮に隠れてしまったのか。タイ経済が立ち直ってくれなければ,我々の考えるインドシナ大陸のエネルギー開発も大きな影響を受ける。2009年5月のタイに於ける自動車生産が50%減,とか,インフルエンザ発生1,000人とかの暗いニュースに混じって,頼みの米の輸出量が29%(注),など暗いニュースが,今日のサイトを賑わしている。米はタイの水資源を左右する。

ミャンマーの沖合の天然ガスは,まさに人類に与えられた宝である,西部沖は包蔵が90兆立方フィートとも言われている。ミャンマー西部沖は寧ろ後発で,タイの国家石油PTTによって開発された東部のガス田,ヤダナ及びイエタグンのガス田開発は早かった。この二つの既開発のブロックの丁度中間に当たるM9ブロックについて,2005年からタイは探査にかかっていた。本来は,2012年の生産開始を計画していた。

ガスと言うのは不便なものだ,水力なら完成が遅れれば水は河川にそのまま流せるが,ガスは運ぶところがない,タイはガスの備蓄も満杯で,需要の落ち込みから,生産開始を,2015年に延期して欲しい,とミャンマー政府と交渉中,値段は既に決まっていて,百万Btu当たり5.83ドルである。中国に持って行かれそうな危険を感ずるが,中国もパイプラインが未完成,LNGにすることも出来ない。

電力の友人に,一番安いものから発電して行くのだ,と主張していたら,何を言うのですか,まずガスから焚くのですよ,と言われて,そんな馬鹿な,と言ったことがあるが,港にLNGタンカーがどんどん貯まってくる時の不安感は,どうしようもないと言う。今日の記事でグリーンピースが,石炭は炭酸ガス閉じこめ費用も入れて,石炭火力は,KWh当たり8.06セント,ガス火力は2.29セント,と言っている,石炭止めよ,の話である。

ちょっと,天然ガス無機説に反するので忸怩たる思いがあるが,タイからミャンマー,バングラデシュ,の海岸を眺めていると,今,タイが天然ガスを生産しているミャンマー東部沖は,明らかにイラワジ河の扇状による大陸棚である。メコンもそうだったが,大陸の大河の海に対する影響は大きい。その目で地図を北西に向けると,どうもミャンマー西部沖の大陸棚は,相当にバングラデシュのプラマト河の影響を受けている。

ミャンマーとバングラデシュは海域で紛争中で,今,ミャンマーが中国などと天然ガスを掘っている当たりの一部は,バングラデシュ領海内だ,と言ってバングラデシュ海軍が哨戒している。チベットから下り降りるブラマプトラ川は,バングラデシュで海に流れ込み,長躯ヒマラヤから運んできた土を,バングラデシュ沖に流し,その影響で,ミャンマーも天然ガスの包蔵を持つことになる。日本と中国の東シナ海,地下ではどう繋がっているのか。

(注) http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090625AT2M2402L25062009.html

本文

●タイの石炭火力にグリーンピースが再考を要求

Greenpeace and its allies are calling on Thai energy policymakers to rethink building coal-fired power plants in a bid to cut carbon emissions, said Witoon Permpongsacharoen, director of Mekong Energy and Ecology Network. They want the government to review the demand projection, the proportion of renewable energy used and the use of imported coal to fuel the power plant.

タイは経済の落ち込みで,電源開発計画に若干の修正を加えている。2009年2月中旬の発表では,現在設備,17,500MWに対して,15年後の設備は,26,000MWとしているが,ラオスの水力輸入の減少や,原子力導入の遅れ,などを視野に入れている。しかし,天然ガスへの過重な依存を避けるために,依然として石炭火力,特に輸入石炭火力の計画は進めている。

これに対して,いつものことだが,グリーンピースが輸入石炭による石炭火力の増設を考え直すよう,求めている。最近のIPP勝者,ゲコ・ワン・コ発電所(注7),660MWについては,1年遅れの2014年投入としている。グリーンピースやその関係者(注6)が,見直しを求めているのは,需要想定,再生可能エネルギーの割合,輸入石炭,の3点で,特に石炭については,社会的なコストを考慮してくれ,と言っている。

グリーンピースの計算では,石炭火力は,KWh当たり2.75バーツ,約8.06セント,と言うとんでもない数字を出しており,これがグリーンピースの売りなのであろう,実際は4セント程度を我々は考えている。これに対して,天然ガス火力は,KWh当たり0.78バーツ,約2.29セント,石油火力は,267バーツ,約7.82セント相当,と主張している。石炭は,二酸化炭素閉じこめ,などを考慮しているのだろうか。

電力需要については,設備が,31,000MWで,実働は,22,055MW,66%しか動いていないが,更にこの2,3年内に小規模電源を12000MW投入する計画だ,と批判している。数字に明確でない点があって,稼働率66%と言うのは系統の負荷率を言っているようで,そうでなくピーク時の需要と設備の差を言っているのであろう,少し正確さを欠く。

最近のIPP石炭火力プロジェクト,NPSC(注7)とゲコ(注8)による,1,000MW設備を問題にして,年間900万トンの炭酸ガスを排出する,と言っている。また,EGAT(注9)による,4つの石炭火力プロジェクト,2,800MWが,2015年から2017年に投入される計画を批判している。更に,ラオス北部,タイとの国境で進められているホンサ・リグナイト火力(注10)が,国境の町への大気汚染の影響を懸念している。

この環境グループは,炭酸ガス封じ込め技術CCS(注12)には全く信を置いていない。主としてコストの面からで,この点は私もそれに近い考えだ。ノルウエーなどの実験では,閉じこめに炭酸ガス当たり,トン15~75ドル,運搬に8ドルを要するが,更に貯蔵のために,陸上でトン5~8ドル,海上で5~30トン,ととても採算に合わない,と言っている。それより,省エネ機器の開発や再生可能エネルギーの方が,現実性があると言っている。

(注)A (1) 090626A Thailand, bangkokpost,(2) title: Greenpeace calls for coal plant rethink,(3) http://www.bangkokpost.com/business/telecom/19039/greenpeace-calls-for-coal-plant-rethink,(4) By: YUTHANA PRAIWAN,Published: 24/06/2009 at 12:00 AM,Newspaper section: Business,(5) Greenpeace,(6) Witoon Permpongsacharoen, director of Mekong Energy and Ecology Network,(7) National Power Supply Co,(8) Gheco-One Co,(9) Electricity Generating Authority of Thailand (Egat),(10) coal-fired Hongsa Lignite project in Laos,(11) Wanun Permpibul, a representative from the Thai Working Group for Climate Justice,(12) carbon capture and storage system (CCS),(13)

今日の参考資料

●090626A Thailand, bangkokpost
タイの石炭火力にグリーンピースが再考を要求
Greenpeace calls for coal plant rethink
http://my.reset.jp/adachihayao/index090626A.htm
http://www.bangkokpost.com/business/telecom/19039/greenpeace-calls-for-coal-plant-rethink

最近の関連資料

●090517A Thailand, nationmultimedia
タイのエネルギー委員会がラオスのホンサ石炭火力を買電
Hongsa Lignite power sale deal approved
http://my.reset.jp/adachihayao/index090517A.htm
●090213A Thailand, Bangkok Post
タイの経済の落ち込みで,EGATは電源投資を減額へ
Slowing demand means savings for Egat
http://my.reset.jp/adachihayao/index090213A.htm
●090201A Thailand, the nation
タイのEGAT,マモーの石炭生産で,許認可取得,890億バーツ
Egat gets go-ahead for further Mae Moh mining
http://my.reset.jp/adachihayao/index090201A.htm
●081129A Thailand, Bangkok Post
EGAT,インドネシアで,炭坑権利取得
Egat gets mining approval in Indonesia
http://my.reset.jp/adachihayao/index081129A.htm


●タイの財務相が燃料補助金が多いと代替エネルギーが開発されない

Efforts to develop alternative energy in Thailand will make little progress if domestic fuel prices do not increase, said Finance Minister Korn Chatikavanij. He played down comments made earlier this week by Pruektichai Damrongrut, a deputy finance minister, that the government could cut fuel taxes or even implement outright subsidies if crude oil prices continue to rise.

石油燃料の価格に関して,タイのコーン財務大臣(注5)が,コメント,補助金や税に優遇で末端価格が下がるのは,代替エネルギーの開発に繋がらない,と補助金制度を見直す考えを述べている。この話の行き着くところは,E20計画,即ちエタノールをガソリンに20%混入させることを狙う計画である。タイの場合,エタノールの原料は,砂糖黍とカサノバで,この育成に石油燃料が必要で,更に消費税(注8)問題が絡み,複雑である。

(注)B (1) 090626B Thailand, Bangkok Post,(2) title: Korn rebuts talk of fuel subsidies,(3) http://www.bangkokpost.com/business/economics/19083/korn-rebuts-talk-of-fuel-subsidies,(4) By: WICHIT CHANTANUSORNSIRI,Published: 25/06/2009 at 12:00 AM ,Newspaper section: Business,(5) Finance Minister Korn Chatikavanij.,(6) Pruektichai Damrongrut, a deputy finance minister,(7) State Oil Fund,(8) excise tax,(9) ethanol production,(10) E85-powered vehicles,(11)

今日の参考資料

●090626B Thailand, Bangkok Post
タイの財務相が燃料補助金が多いと代替エネルギーが開発されない
Korn rebuts talk of fuel subsidies
http://my.reset.jp/adachihayao/index090626B.htm
http://www.bangkokpost.com/business/economics/19083/korn-rebuts-talk-of-fuel-subsidies

最近の関連資料

●090522A Thailand, bangkokpost
タイの国家石油が2020年までにが生産を4倍にと
PTTEP to raise output over decade Aims to quadruple production by 2020
http://my.reset.jp/adachihayao/index090522A.htm


●タイの国家石油PTTはミャンマーからのガス輸入に遅れ

PTT Plc, the national oil and gas flagship, has been negotiating with Burma to delay gas deliveries from Burma's M9 block by two years to 2015, citing lower-than-expected domestic gas consumption.PTT Exploration and Production Plc (PTTEP), the upstream petroleum arm of PTT, aims to spend 70 billion baht on the M9 project over five years to 2013.

タイは経済の落ち込みで,ラオスの水力にも繰り延べを要請しているが,貴重なミャンマーの天然ガスにも,延期の報道が出てきた。現在,国家石油PTT(注5)の上流を担当するPTTEP(注7)が,探査中で生産開始準備に入っているミャンマー東岸のM9ブロック(注6)の生産開始の時期について,天然ガス需要の落ち込みを理由に,2年延期の,2015年開始で再交渉中である。

PTTEP(注7)は,現在の計画では,M9ブロック(注6)に,2013年までの5年間で,700億バーツ,約20.5億ドル相当,を注ぎ込む予定である。元々,2012年の計画を2013年に延期したところであるが,更に2015年に伸ばす。M9ブロック(注6)からのガスの価格は,既に,ヤダナ及びイエタグン(注9)と同じ,百万Btu当たり(注11)5.83ドルで合意している。これは,タイ湾のガスより輸送費分だけ高い。

M9ブロック(注6)で確認されたガスの包蔵は,17兆立方フィートとされている。PTTEP(注7)は,M9ブロック(注6)の鉱業権を2003年に取得し,2005年に探査を開始した。PTTEP(注7)の5年間の事業費,4,850億バーツの15%をM9ブロック(注6)に充当してきた。備蓄は,原油等価944百万バレル(注12)で,その80%がガスである。昨年,2008年の売り上げは,1,400億バーツで,その65%がガスである。

2008年のタイの実績は,天然ガス消費量が,日3,482百万立方フィート(注13)で,その3分の一がミャンマーからで,原油は,5,600億バレルである。ガスの他の外国からの輸入は,マレーシアとのJDA(注14),及びインドネシアのナツナガス田(注15)である。

(注)C (1) 090626C Thailand, Bangkok Post,(2) title; PTT seeks M9 delivery delay,(3) http://www.bangkokpost.com/business/economics/17605/ptt-seeks-m9-delivery-delay,(4) By: NAREERAT WIRIYAPONG,Published: 30/05/2009 at 12:00 AM,Newspaper section: Business,(5) PTT Plc,(6) Burma's M9 block,(7) PTT Exploration and Production Plc (PTTEP),(8) Chitrapongse Kwangsukstith, chief operating officer for PTT's upstream petroleum and gas business,(9) Burma's Yadana and Yetagun fields,(10) Gulf of Thailand,(11) million British Thermal Units (BTU),(12) million barrels of oil equivalent,(13) million cubic feet per day of gas,(14) Thailand-Malaysia Joint Development Area (JDA),(15) Indonesia's Natuna gas field,(16) Stock Exchange of Thailand,(17)

今日の参考資料

●090626C Thailand, Bangkok Post
タイの国家石油PTTはミャンマーからのガス輸入に遅れ
PTT seeks M9 delivery delay
http://my.reset.jp/adachihayao/index090626C.htm
http://www.bangkokpost.com/business/economics/17605/ptt-seeks-m9-delivery-delay

最近の関連資料

●090522A Thailand, bangkokpost
タイの国家石油が2020年までにが生産を4倍にと
PTTEP to raise output over decade Aims to quadruple production by 2020
http://my.reset.jp/adachihayao/index090522A.htm

その他のニュース

●090626D Thailand, Bangkok Post
タイのEGATが電気機器のスタンバイ電力節約を呼びかけ
Egat calls for standby power cuts
http://www.bangkokpost.com/business/economics/18607/egat-calls-for-standby-power-cuts

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2009年6月25日木曜日

インドの原子力ボスがトリウム炉発言

インドの原子力ボスがトリウム炉発言
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証券会社が東京でインドセミナーを開き,2,000人の聴衆が集まって熱気に包まれたという(注1)。しかし,インド経済のアキレス腱は電力不足である。この2009年度内に,14,000MWの運転開始が可能,としているが,一方で気になるのは,インド気象局が頼みのモンスーンに対して下方修正(注2),6月~9月の南西モンスーンの降雨は,平年の93%予想で,今日話題のヒマラヤの水力もさることながら,農業への影響も懸念される。

今日の記事で,インドの原子力のボス,インド原子力委員会委員長兼原子力局長アニル・カコッドカール氏がコルカタで演説,何を言っているのか最初はさっぱり分からなかったが,結局,先端技術の国産化のために科学者よ頑張れ,と言っているようだ。いろいろな先端技術の中でも,アニル氏が問題にしているのは,トリウム原子炉の問題である。トリウムと聞くと,私はいつも鈴木篁氏(注3)を思い出す。

鈴木篁氏のトリウムとインドがどう結びつくのか,よく分かっていなかったが,鈴木篁氏(注3)のHPや2005年の資料(注4)を読んで,理解できたことは,一つは,制裁によってウラン核燃料不足に悩んだインドは,トリウムの埋蔵量が,オーストラリアに続いて第2位で,トリウム原子炉を導入すれば,インドは燃料の心配がなくなる,と言うことだ。

更に読み解き進めると,ウランに比べてトリウムの核廃棄物が極端に少なく,濃縮ウランの生産が少なくて,核爆弾への転用が難しい,と言うことらしい。世界の原子炉がなぜ最初にトリウムに取り組まなかったかと言えば,原子爆弾を大量に造らなければならない世界情勢があったという。今ここで,ウランを基礎にした核廃棄物処理サイクルをトリウムに変更することは,大変なコストがかかるようだ。

トリウムの埋蔵量はウランと比べると極端に多い。結局,鈴木篁氏(注3)の中に出てくる,軽水炉ー高速増殖炉の発展過程を,軽水炉ートリウム炉の流れに変えることは大変なようで,ウランの埋蔵量がだんだん少なくなってきて,値段が上がり始める50年後頃には,トリウム転換の可能性があるという。インドの原子力委員長は,インドの科学者に,この流れを君たちが変えろ,と叫んでいる。

戦争中の話だが,優秀な戦闘機を数多く持つことが,戦争で圧倒的な有利な立場を得ることに繋がった。1980年代は,半導体の時代で,半導体を小型化大容量低価格に出来る国が経済の主導権を握った。今は,おそらく原子力技術の廃棄物処理,燃料確保も含めた原子力発電サイクルを握ることが一つのポイントになってくる。インドはそれを目指しているようだ。今日の東芝の記事も考えさせられる。

ただ,私は,戦闘機ー半導体ー原子力,と続く流れの中で,また別の流れもあるような気がする。私が電気の専門で学校を出ていたら,おそらくバッテリーに集中,を主張するかも知れない。おそらく10年後,2020年には,80%以上の車が音もなくバッテリーで走っているだろう,そうして更に20年後,2040年には,バッテリーを積んだ飛行機が空を静かに飛んでいるはずだ,孫達によく見ておけと言っておこう。

(注1) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200906240099a.nwc
(注2) http://www.nikkei.co.jp/kaigai/asia/20090625D2M2403A25.html
(注3) http://homepage2.nifty.com/w-hydroplus/info4n.htm
(注4) http://wiredvision.jp/archives/200507/2005071201.html
(注5) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200906250018a.nwc

本文

●インドはシェナブ川に関しパキスタンへの補償は行わない

New Dehli has refused to extend compensation both in shape of water or in monetary form to Islamabad for the blockade of Chenab river by India in August, 2008 that inflicted huge monetary loss to agrarian economy of Pakistan.

インダス河の左岸大支流,パキスタンの中央部の農業主体,パンジャブ州の南部でインダス本流に合流するチェナブ川(注5)である。国境未確定とされるジャムカシミールとパキスタンの境界で,これより上流はインドの実効支配下にあり,山岳地帯である。まさに要衝を占めるこのチェナブ川(注5)上流に,インドは,900MWのバギリハールダム(注7)を,2008年8月に完成させた。

世界銀行の技術者が調停に入り,ダムそのものの設計は互いに合意したものの,問題は,ダムの湛水期間中の問題で,インド側はパキスタンに入る前の地点で,最低流量毎秒50,000トンで合意したのに,2008年8月の流量は,20000トン近くまで減少し,パキスタンの穀物倉庫とも言われるパンジャブ州の農業に大打撃を与えた,インドは,水量または金額で補償せよ,とパキスタンは主張する。

インドは,バギリハールダム(注7)のために水量が落ちたのではない,それは水文事情によるもので,補償する必要はない,と言うのである。どうも,この最低流量補償,という協定は,チグリス川のトルコとシリアの間も紛争になっており,彼等の協定の方法は,私たちの常識に合致しないものである。自然流量が少なければ最低流量を守ることは不可能で,最低流量または最大自然流入量のいずれか小さいもの,となぜ決めないのか。

(注)A (1) 090625A India, thenews,(2) title: India says no to compensation for blocking Chenab in Aug ・8 ,(3) http://www.thenews.com.pk/daily_detail.asp?id=184612,(4) Wednesday, June 24, 2009,ISLAMABAD,(5) Chenab river,(6) Permanent Commission of Indus Waters (PCIW),(7) Baglihar hydropower project,(8) Pakistan Commission of Indus Water Commissioner Syed Jamaat Ali Shah,(9) Indus Waters Treaty,(10) Ministry of Water and Power, Zarar Aslam,(11) modus operandi,(12) River Indus,(13) Advisor to the Punjab Irrigation Department advisor M H Siddiqui,(14) Laddakh Area,(15)

今日の参考資料

●090625A India, Economic Times
インドはシェナブ川に関しパキスタンへの補償は行わない
India says no to compensation for blocking Chenab in Aug ・8
http://my.reset.jp/adachihayao/index090625A.htm
http://www.thenews.com.pk/daily_detail.asp?id=184612

最近の関連資料

●090608A Pakistan, sindhtoday
パキスタンのモスレム代表がインドの水問題で原爆戦争になりかねない
Indo-Pak water dispute could trigger a nuclear war Nizami
http://my.reset.jp/adachihayao/index090608A.htm
http://my.reset.jp/adachihayao/index090608A.htm
●090518C Pakistan, pakobserver
パキスタンとインドはインダス河の水を常設委員会で話し合う
Pakistan, India talks at PCIW level by end of current month
http://my.reset.jp/adachihayao/index090518C.htm
●090510C Pakistan, nation.com
パキスタンはインドのインダス上流開発で世界銀行に訴え
Pakistan to take up water issue with WB
http://my.reset.jp/adachihayao/index090510C.htm
●081205A Pakistan, dailytimes
パキスタン,シェナブ川で,水量補償要求へ
Pakistan for Chenab water compensation
http://my.reset.jp/adachihayao/index081205A.htm
●081123A Pakistan, pakobserver
インダスの水問題,シェナブ川の実情を反映せよ
Reflecting Chenab water issue
http://my.reset.jp/adachihayao/index081123A.htm


●インドは原子力開発に関して経済性を考えて国産技術開発を

India should look at generating cheaper power and private companies need to collaborate with the department of atomic energy to manufacture
equipment for this segment so that costs come down. This was the view of Atomic Energy Commission chairman and department of atomic energy secretary Anil Kakodkar.

インドの原子力の最高権威,インド原子力委員会委員長兼原子力局長アニル・カコッドカール氏(注5)が,コルカタで演説を行った。最初は何を言っているのかさっぱり分からなかったが,結局彼は,インドの科学者達に奮起を促している。インドにも十分な資源や蓄積があるではないか,この方面でインドの科学者が奮起しなければ,また再び,原爆実験で受けたような国際制裁を受ける可能性がある,備えが必要だと。

彼は多くの先端技術に触れている(注10)。その中でも,トリウムの問題(注8)と灰分を多く含むインドの石炭(注9)に言及,これこそ国内資源を主体としたインドのエネルギー独立に欠かせない,と言っているのである。石炭の問題は,クリーンコールの技術だろうが,トリウムの問題(注8)については,鈴木篁氏(注13)が,熱心に取り上げていたことを思い出す。2005年に書かれた資料(注12)にも簡単に解説されている。

私の即興的な理解では,まずトリウム(注8)は,ウランに比べてインドに豊富に賦存する,オーストラリアに次いで世界第2位である。核燃料に困窮してきたインドとしては,独自設計のトリウム原子炉の安全性テストを行なうと既に発表し準備している。世界の原子力から見て,トリウムの埋蔵はウランに比べて遙かに多い。またトリウムに切り替えることができれば,発生する放射性廃棄物の量は約半分になると言う。

参考資料(注12)によれば,世界の核廃棄物処理の流れはウランを対象としており,この流れをトリウムに変えることは,大変だという。ウランが主燃料に選ばれたのは,米国を初め,原爆の材料としても価値が高かった,とも言われている。軽水炉ー高速増殖炉の発展過程のどこかで,トリウム炉が分岐発展する可能性を秘めているという。ただ,ウランの枯渇などを含めて,トリウムには今後50年の日時が必要とも。インドは真剣だ。

(注)B (1) 090625B India, Economic Times,(2) title: 'India should look at generating cheaper power',(3) http://economictimes.indiatimes.com/News/News-By-Industry/Energy/Power/India-should-look-at-generating-cheaper-power/articleshow/4663893.cms,(4) 16 Jun 2009, 2138 hrs IST, ET Bureau,KOLKATA,(5) Atomic Energy Commission chairman and department of atomic energy secretary Anil Kakodkar,(6) fourth Raja Ramanna Memorial Lecture,(7) Variable Energy Cyclotron Centre,(8) thorium,トリューム,(9) high-ash Indian coal,(10) Nano technology, solar technology, hydrogen as energy carrier, RF microwave, superconductivity, bio technology and plasma technology,(11) heavy water reactor, fast breeder reactor and thorium related research,(12) http://wiredvision.jp/archives/200507/2005071201.html,(13) http://homepage2.nifty.com/w-hydroplus/info4n.htm,(14)

今日の参考資料

●090625B India, Economic Times
インドは原子力開発に関して経済性を考えて国産技術開発を
'India should look at generating cheaper power'
http://my.reset.jp/adachihayao/index090625B.htm
http://economictimes.indiatimes.com/News/News-By-Industry/Energy/Power/India-should-look-at-generating-cheaper-power/articleshow/4663893.cms

最近の関連資料

●090324B India, Economic Times
インドの原子力セクターにGE-日立が参入へ
GE-Hitachi to build nuclear reactors for NPCIL, BHEL
http://my.reset.jp/adachihayao/index090324B.htm
●090213C India, Economic Times
インド,NTPCが原子力開発へ参入へ
NTPC may enter into N-power biz
http://my.reset.jp/adachihayao/index090213C.htm
●090205A India, Economic Times
インド,仏のアレバと,原子力協力で覚書署名
India to sign MoU with AREVA for nuclear reactors on Feb 4
http://my.reset.jp/adachihayao/index090205A.htm
●081216D India, Economic Times
インド,フランスのアレバがウラニューム供給,300トン
Areva inks pact with NPCIL to supply 300 tonnes of uranium
http://my.reset.jp/adachihayao/index081216D.htm
●081207C India, Economic Times
インド,原子力開発を,民間資本へ解放へ
India may open nuclear sector for private players soon
http://my.reset.jp/adachihayao/index081207C.htm
●081119G India, Economic Times
重電メーカーBHEL,原子力開発で,仏のアレバと技術提携
BHEL, Areva T&D to form JV for manufacturing nuclear reactors
http://my.reset.jp/adachihayao/index081119G.htm


●インドのヒマチャルでカルチャムワントー水力の現場に環境攪乱

Communist Party of India (Marxists) has sought action against Jaiprakash Associates hydropower company executing the mega 1000 MW Karcham Wangtoo project in Kinnaur for having illegally extracted a herb from around the project site, leaving the mountainside exposed to soil erosion and landslides.

インダス河の東方の支流,サトルジュ川(注14),インドの西端,パンジャブの平野を流れて,パキスタンのラホールの南で国境を越えて,更にパキスタンの平野部を潤しながら,インダス本流に合流する。おそらく殆どの水は,インドとパキスタンの主要な平野部の農業のために使われてしまうのだろう。上流に遡って,ヒマチャルプラデシュの山岳地帯の直下流に,大規模なバクラダムがある。

このバクラダムの上流は,まさにヒマラヤの山岳地帯で,サトルジュ川(注14)が蛇行して大電源地帯となっており,多くの大規模水力プロジェクトが連なっている。上流は,チベット平原を水源としている。1,000MWのカルチャム・ワントー水力(注7)は流れ込み式で,48mの高さのダムを有するが,水路の長さは17kmで落差は300mに達している。建設工事はたけなわで,何か従業員が問題を起こしているようだ。

(注)C (1) 090625C India, himachal,(2) title: CPI(M) seeks action against power company for environment damage in Himachal,(3) http://himachal.us/2009/06/11/cpim-seeks-action-against-power-company-for-environment-damage-in-himachal/13526/news/ravinder,(4) Posted by Ravinder Makhaik on Jun 11th, 2009 in News,Shimla,(5) Communist Party of India (Marxists),(6) Jaiprakash Associates hydropower company,(7) 1000 MW Karcham Wangtoo project,(8) Kinnaur,(9) Tikender Panwar, CPI(M) member secretariat,(10) Wangtoo,(11) Roonag,(12) Khasachi (local name) herb,(13) quintals,(14) Satluj basin,(15)

今日の参考資料

●090625C India, himachal
インドのヒマチャルでカルチャムワントー水力の現場に環境攪乱
CPI(M) seeks action against power company for environment damage in Himachal
http://my.reset.jp/adachihayao/index090625C.htm
http://himachal.us/2009/06/11/cpim-seeks-action-against-power-company-for-environment-damage-in-himachal/13526/news/ravinder

最近の関連資料

●090130A India, thaindian
インド,ヒマチャルプラデシュ,ADBローン支払いへ
ADB to release first tranche of loan to Himachal soon
http://my.reset.jp/adachihayao/index090130A.htm
●090120B India, newspostonline
インドのヒマチャルプラデシュ,13水力を認可
Himachal Pradesh approves 13 hydropower projects
http://my.reset.jp/adachihayao/index090120B.htm
●090115C India, thaindian.com
ヒマチャル,深林保護で,ジャイピー水力の送電線変更
Jaypee Hydropower told to move power line in Himachal to save forest
http://my.reset.jp/adachihayao/index090115C.htm
●081219C India, sindhtoday
ヒマッチャルプラデッシュ,水力開発で,小規模会社重視
Himachal allots hydro projects to smaller players
http://my.reset.jp/adachihayao/index081219C.htm
●081219C India, sindhtoday
ヒマッチャルプラデッシュ,水力開発で,小規模会社重視
Himachal allots hydro projects to smaller players
http://my.reset.jp/adachihayao/index081219C.htm
●081119F India, siliconindia
ヒマチャルプラデシュ,水力は流れ込み式のみ,環境考慮
Himachal Pradesh favours agency to develop Himalayan states
http://my.reset.jp/adachihayao/index081119F.htm


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2009年6月24日水曜日

ミャンマーの水力をバングラデシュ輸入の計画

ミャンマーの水力をバングラデシュ輸入の計画
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北朝鮮を出た北朝鮮船籍の船を追って,米海軍のイージス艦と哨戒機が,南シナ海海上を追いかけている,武器を積んで行く先はミャンマー(注1)との推測報道が流れている。ミャンマーは,今や独立を狙うカレン族やワ族の制圧が,必須である。それは,中国へのパイプラインが,中東やアフリカから来る原油と,ミャンマー西方沖で生産される天然ガス用と,2本を並行して,国内横断させることが至上命令だ。

米国も忙しい,イラクの自爆テロは収まらないし,キリギスタンがロシアの20億ドル援助で米軍基地を拒否しようとしているが,借用料を3倍近くに上げて,何とか決着が付いたが,ロシアはキリギスタンに対して怒っている。北朝鮮から出た船は,まだ何処に行くか分からないが,ミャンマーかイラン,そのイランは,先ほど30分ほど前に,大統領選の最終判断先送り(注2),に急展開,オバマ大統領が目を回している,禁煙がまだ出来ないとか。

ミャンマーのパイプラインは,ラキン州,南西沖の港,チャウピュから,北東に真っ直ぐミャンマーを横断して,650kmで中国の国境の町,ルイリに到達する。それから更に400kmかけて昆明に繋ぐことになるが,問題はミャンマー国内の治安である。そのために中国は,その経過地の要所要所に水力ダムを建設して,そこをパイプライン護衛の拠点にする考えだろう。イラワジを越え,サルウイーンを横断して,やっと国境に着く。

ミャンマーのNO2,マウンアイ将軍が,6日間の北京訪問から帰国して,中国との友愛関係をぶち上げている。北のマイカ,マリカ,の河川と,イラワジ上流のダム開発も中国の約束を取り付けた。一方で,イラワジの西の支流,チンドウイン川では,1,200MW,インドが調査を行っており,この開発協力で中国に先んじられた天然ガスも,視野に入れている。隣国バングラデシュは,ミャンマーから相手にしてもらえなかった。

ところがバングラデシュは,ミャンマー西部,ラキン州に,500MWの水力を建設して,バングラデシュへ輸入する,と外務大臣が突然に発表して,関係者を驚かせている。地図を見ると,港町シットウエイに河口を持つカラダン川の上流,バングラデシュとの国境付近と思われる。ミャンマーの建設企業を動員して開発させる,ミャンマー軍事政権も同意の上だろう。この川筋は,インドのラメッシュが,ミャンマーの交通路として狙っている。

さて,トヨタのハイブリッド,プリウスが走りまくっている。梅田の交差点で止まったプリウスを,立ち止まってじろじろ見ていたら,運転手から早く行け,と手で追っ払われた。日産が米国を拠点にEV車10万台生産の報道(注3)。これに対してトヨタは,プリウスの次は燃料電池車だという。トヨタは完全に方向が間違っていると私は思う。おそらく10年後梅田の交差点は日産の電気自動車で埋まっているだろう。化石燃料オリジンは駄目だと思う。

(注1) http://www.asahi.com/international/update/0624/TKY200906240110.html
(注2) http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090624AT2M2400424062009.html
(注3) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200906240097a.nwc

本文

●ミャンマーのマウンアイ将軍の北京訪問は成果が多かった

Myanmar's second top leader Maung Aye's recent goodwill visit to China has brought about new success in bilateral relations between the two countries, Myanmar state media commented Monday. Maung Aye, Vice Chairman of the State Peace and Development Council, Deputy Commander-in Chief of the Defense Services and Commander-in-Chief of the Army, paid a six-day goodwill visit to China from June 15 to 20 at the invitation of Chinese Vice President Xi Jinping

2009年6月15~20日の6日間に亘って,ミャンマーのSPDC副議長マウンアイ将軍(注5)が,中国のシ・ジッピン副主席(注6)の招きに応じた形で,2003年8月及び2006年4月に続いて,3回目の北京訪問を果たした。その成果を強調したミャンマーのメディアの報道を,中国の記者が北京に送ったものである。両国の兄弟のような関係を,ことさら長い文章で強調したものだが,具体的な三つの覚書について触れている。

一つは,総合的な経済技術協力,二つは,具体的な水力プロジェクトの開発,運用,引き渡しに関するもの。三つは,原油パイプライン(注11)の開発,運用,維持管理」に関するものである。水力は,マイカ川(注8),マリカ川(注9),イラワジ-ミトソネ河流域上流(注10)のプロジェクトである。パイプラインについては,原油,とわざわざ書いてあるが,ガスとはまた別の協定,と言う意味か。

ミャンマーと中国の通商の数字も挙げている。2008年の両国の貿易額は,26.26億ドルで,年率26.4%の伸び,このうち中国の輸出額は,19.78億ドルである。2008年末までの数字で,中国の契約ベースの投資額は,13.31億ドル,内訳は,鉱業分野が8.86億ドル,電力分野が2.81億ドル,原油ガスが1.24億ドとなり,ミャンマーへの海外投資としては,2007年の第6位から,第4位に浮上している。

(注)A (1) 090624A Myanmar, news.xinhuanet,(2) title: Myanmar 2nd top leader's China visit brings about new success in bilateral relations,(3) http://news.xinhuanet.com/english/2009-06/22/content_11581616.htm,(4) www.chinaview.cn 2009-06-22 15:14:00,By Feng Yingqiu,YANGON, June 22 (Xinhua) ,(5) Maung Aye, Vice Chairman of the State Peace and Development Council,(6) Chinese Vice President Xi Jinping,(7) Premier of China's State Council Wen Jiabao,(8) Maykha,(9) Malikha,(10) the upstream of Ayeyawaddy-Myitsone River Basin,(11) Myanmar-China crude oil pipeline project,(12)

今日の参考資料

●090624A Myanmar, news.xinhuanet
ミャンマーのマウンアイ将軍の北京訪問は成果が多かった
Myanmar 2nd top leader's China visit brings about new success in bilateral relations
http://my.reset.jp/adachihayao/index090624A.htm
http://news.xinhuanet.com/english/2009-06/22/content_11581616.htm

最近の関連資料

●090605A Myanmar, atimes
ミャンマーの内戦の中に中国が引き込まれつつある
China drawn into Myanmar's border strife
http://my.reset.jp/adachihayao/index090605A.htm
●090401A Myanmar, news.alibaba
ミャンマーのイラワジ川の水力とパイプラインに中国が支援へ
Myanmar gets China's help for hydropower project
http://my.reset.jp/adachihayao/index090401A.htm


●ミャンマーは越境犯罪でASEAN高官会議を招待

Myanmar is to host an international meeting to combat transnational crime next month, according to a report by Chinese news agency Xinhua. The meeting of senior officials of the Association of Southeast Asian Nations will be held in the capital city Nay Pyi Taw from July 1-3, Xinhua ays, quoting the Myanmar newspaper Weekly Eleven. ASEAN has given as yet no official announcement of the meeting.

ミャンマーが,新首都ネピトー(注6)に,ASEAN(注5)の高官を招いて,人身売買防止に関する会議を,2009年7月1日~3日,開催したい,と提案したのは,マウンアイ将軍(注10)が北京より帰国した直後である。2008年5月のナルギスサイクロンで,ミャンマー南部で10万人に上る犠牲者が出てから,孤児となった子供を連れ去って,国内の買収宿や,遠くマレーシアまで売られて行く例が,米国議会でも問題となっていた。

この人身売買に積極的対応して行こうというミャンマー軍事政権の努力を,北京政府に迫られたのか。従来からミャンマーは,タイと条約を交わしたりして,厳しい対応をアピールしてきたが,この際,主導的な立場を表明したいということだろう。ただ,ASEAN諸国としては,ミャンマーに言われたくない,と言う気持ちが,今のところ,公式声明は出していない。今日のニュースは,北京発となっている。

今日の報道の中で,マウンアイ将軍(注10)が北京で交わした,水力やパイプラインの開発協力に関して,少し追加のニュースがある。マイカ,マリカ,イラワジ上流の水力開発への協力(注11)の他,パイプラインの問題がある。パイプラインについては,2008年9月に,680マイル,1,100kmに及ぶ,天然ガスと原油の両方のパイプラインの建設を,ペトロチャイナ(注12)が確認している。

天然ガスと原油の二つのパイプラインは,並行に敷設する計画で,ミャンマー西部沿岸のチャウピュ(注13)の港から,中国東部の国境の町ルイリ(注14)を経て,最終点を雲南省の昆明(注15)としており,原油は,中東やアフリカからタンカーで運んできたものを,年間2,000万トン,送る計画である。ガスについては,年間120億立方mを送るが,昆明(注15)から更に貴州省(注16),更には広西荘族自治区(注17)まで送る,と。

(注)B (1) 090624B Myanmar, upi.com,(2) title: Myanmar to host crime-prevention meeting,(3) http://www.upi.com/Security_Industry/2009/06/23/Myanmar-to-host-crime-prevention-meeting/UPI-35301245771720/,(4) sponsorship.Published: June 23, 2009 at 11:42 AM,BEIJING, June 23 (UPI),(5) Association of Southeast Asian Nations, ASEAN,(6) Nay Pyi Taw,(7) human trafficking,(8) Cyclone Nargis,(9) real estate businessman Maung Weik,(10) Maung Aye,(11) Maykha, Malikha and Ayeyawaddy,(12) PetroChina,(13) Kyaukpyu,(14) Ruili,(15) Kunming,(16) Guizhou province,貴州省,(17) Guangxi Zhuang Autonomous Region,廣西壯族自治區,(18)

今日の参考資料

●090624B Myanmar,upi.
ミャンマーは越境犯罪でASEAN高官会議を招待
Myanmar to host crime-prevention meeting
http://my.reset.jp/adachihayao/index090624B.htm
http://www.upi.com/Security_Industry/2009/06/23/Myanmar-to-host-crime-prevention-meeting/UPI-35301245771720/

最近の関連資料

●090624A Myanmar, news.xinhuanet
ミャンマーのマウンアイ将軍の北京訪問は成果が多かった
Myanmar 2nd top leader's China visit brings about new success in bilateral relations
http://my.reset.jp/adachihayao/index090624A.htm
http://news.xinhuanet.com/english/2009-06/22/content_11581616.htm
●090605A Myanmar, atimes
ミャンマーの内戦の中に中国が引き込まれつつある
China drawn into Myanmar's border strife
http://my.reset.jp/adachihayao/index090605A.htm
●090401A Myanmar, news.alibaba
ミャンマーのイラワジ川の水力とパイプラインに中国が支援へ
Myanmar gets China's help for hydropower project
http://my.reset.jp/adachihayao/index090401A.htm


●ミャンマーの水力をバングラデシュに輸入する計画で協議

The Bangladesh government has disclosed it is in talks with a Burmese junta-linked firm over the construction of a large hydroelectric power plant in Arakan State. The electricity produced by the project would be transmitted across the border into Bangladesh rather than benefiting energy-starved Arakan.

ミャンマーのエネルギー資源については,中国が先頭を走り,ここにインドが何とか食い込もうと,懸命の工作を続けている中,バングラデシュは,水力輸入の話を持ち出して,ダッカを訪ねたマウンアイ将軍に,自分たちで開発できるならどうぞ,と軽くあしらわれて歯ぎしりをしていた。ここで,バングラデシュのドニ外務大臣(注5)が,ダッカのフォーラム(注6)で,突然の発言である。

ドニ外務大臣(注5)によると,ミャンマーの建設企業,シュエタウン開発(注7)が既に調査を開始しており,規模は500MWで,全量バングラデシュへ輸出する計画という。具体的な地点名は明かでないが,カラダン川の上流で,バングラデシュの国境に近いところだろう。この川の下流では,サイディンの滝を利用して,ミャンマー軍事政権が70MWの水力開発を推進中である。

(注)C (1) 090624C Myanmar,irrawaddy,(2) title: Bangladesh, Burma Firm in Electricity Power Station Talks,(3) ttp://www.irrawaddy.org/article.php?art_id=15968,(4) Arakan State,(5) Bangladeshi Foreign Minister Dipu Moni,(6) Bangladesh Institute of International and Strategic Studies,(7) Shwe Taung Development,(8) Dhaka,(9) Rangoon,(10) Mandalay,(11)

今日の参考資料

●090624C Myanmar,irrawaddy
ミャンマーの水力をバングラデシュに輸入する計画で協議
Bangladesh, Burma Firm in Electricity Power Station Talks
http://my.reset.jp/adachihayao/index090624C.htm
http://www.irrawaddy.org/article.php?art_id=15968

最近の関連資料

●090404A Myanmar, narinjara
ミャンマーのアラカンでサイディン水力着工
Sai Din Hydropower Project Resumes
http://my.reset.jp/adachihayao/index090404A.htm
●090204A Myanmar, narinjara
ミャンマー軍事政権,中央部とアラカンの鉄道計画
Arakan and Central Burma to be Connected by Railway
http://my.reset.jp/adachihayao/index090204A.htm
●090115A Myanmar, narinjara.com
ミャンマーのアラカン山脈,600MW発電可能
Over 600 Megawatts to be Produced in Arakan
http://my.reset.jp/adachihayao/index090115A.htm
●081125C Myanmar, mathaba
ミャンマーとインド,経済協力の促進を確認
Myanmar, India to cement economic and trade ties
http://my.reset.jp/adachihayao/index081125C.htm

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2009年6月23日火曜日

インドネシアは原油ガスの国内需要確保に

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インドネシアの大統領選挙,2009年7月9日,すぐそこまで迫ってきた。現職のユドヨノ大統領が優勢で既に副大統領候補を指名しているから,現職のカラ副大統領は政権に参入するためには,自分で大統領にならなければならない。カラ現副大統領は,ウィラント元国軍司令官を自分の副大統領候補に立てて,ユドヨノ政権とは決別の構えで,カラ副大統領としては,ユドヨノ大統領と組んで,政権に残りたかったようだ(注1)。

私は,カラ副大統領のエネルギーに関する言動に注目しているが,北京を訪問して,中国の政治体制は素晴らしい,と言って,10,000MWの石炭火力の資金の殆どを中国からもぎ取ってきたが,また,日本に対しては,資源ナショナリズムを隠さず,LNGの対日供給に厳しい姿勢を見せてきた。副大統領職も余すところ1ヶ月の先週末,突然,スラウエシのガスは全量国内向けだ,と叫んで,周辺を混乱に陥れている。

JBICはポテンシャル融資機関,と書いてあるので,まだ決まっていないと思うが,三菱商事が51%の資本参加で進んでいる中部スラウエシの,ドンギ-スノロLNGプロジェクト,入札問題で紛争の続いた後,仲裁委員会KPPUの裁定が決まってホッとしたところ,このカラ副大統領の発言に揺れている。三菱商事は控えめなコメントだが,パートナーのメデコのルクマン社長は,怒り狂っている。三菱商事はここのLNGに深い歴史を有している。

中部スラウエシには二つのガス田,スレノとマティンドックがあるが,プルタミナとメデコが生産していて,殆ど全量,335MMSCFDを,百万Btu当たり,6.16ドルで,三菱商事のドンギ-スノロLNGプロジェクトに売ることで,二つのガス田事業費14億ドルを,賄うことになっていた。国内販売価格は,その半分の,百万Btu当たり3.17ドルである。ルクマン社長の怒りはもっともだが吹き荒れるインドネシアの資源ナショナリズムでどうなるか。

インドネシアの地図をじっくり眺めていると(注2),原油は落ち込んでいる,とされているが,問題は投資の行くへのような気がする。全くその気もなかったスラウエシ以東が,今や原油ガス開発の中心になってきている。今日も,24の原油ガスブロックの入札が行われることになって,東部方面は,政府の持ち分を減らして,投資意欲を誘っている。素人ながら,カリマンタン島部沖とスマトラ南部を結ぶ広大な海域は手つかずだ。

日本の経済も,当面,インドネシアの資源ナショナリズムと厳しい戦いを強いられるが,日本政府がJOGMECやJICAを通じて,途上国の鉱物資源に必死にアプローチする状況が,報じられている(注3)。また,原子力発電所のウラン資源について,現在キログラム当たり13,000円,と言われているが,日本原子力研究開発機構が海水からの回収で,32,000円の線まで接近したという(注4)。

(注1) http://www.nikkei.co.jp/kaigai/asia/20090501D2M0103X01.html
(注2) http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm
(注3) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200906230008a.nwc
(注4) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200906230091a.nwc


本文

●インドネシア政府は原油ガスの免許で56.5百万ドル歳入を期待

The government expects to bring into state coffers at least US$56.5 million in signing bonuses from 24 new oil and gas blocks put on offer on Tuesday, said a senior official. The payment is the bonus paid by oil and gas contractors to the government when the companies secure rights to explore and develop the blocks.

インドネシアは,原油生産の落ち込みで,議会が政府を叱咤激励して新しい油田ガス田の開発に,努力を積み重ねている。確かに,素人目に見ていても,例えば,カリマンタンとジャワ島の間など,海は浅くて,探査さへ進めば,少なくとも天然ガスには困らないような気がする。問題は企業の投資意欲で,今日の記事も,入札に参加する企業が在ってこそ,の話である。今年の原油生産目標は,日96万バレルである。

先週火曜日,2009年6月16日,インドネシア政府は,新規原油ガスブロックの開発計画を提示,この契約の見返りとして,56.5百万ドルが国庫収入となることを期待している。見返りについて,エビタ原油ガス局長(注5)は,推定埋蔵量の大きさによって額は異なってくる,それは政府の持っている調査資料による,としている。

今回の計画提示は24ブロックで,17ブロックは通常の入札,7ブロックは共同調査(注6)の形式をとる。入札にかけられるのは,(注7)~(注17)のブロックを含むもので,共同調査(注6)は,(注18)~(注24)である。大体の地名から推察できるものは,地図にマークしてみたが,具体的には把握できない。しかし,インドネシア東部,スラウエシ北部を中心に,焦点は漸次東に向かっているようだ。

政府の考えている契約の見返りは,ブロックについて,百万~5百万ドルの範囲だ。トミニ湾(注7)とゴロンタロ(注8)は,大きな埋蔵が期待されている。特にガスに期待しているようだ。エディ部長(注26)によると,未着工井戸(注25)では,東部で井戸当たり,40~50百万ドルの経費がかかり,西部では,7~8百万ドルであると。エビタ局長は,政府の持ち分を小さくして,投資意欲を促している。従来の80%を65%とする予定である。

現在インドネシアでは,190の国内及び外国企業が,原油ガスの生産契約を行っており,うち51の契約では生産運転,13契約が開発過程,残りの126契約は探査過程にある。今回の新規契約は,この5年間で低下してきた原油生産を盛り返す意図を持っている。2009年の原油生産目標は,日96万バレルだが,2009年4月の実績では,95.6万バレルとなっている。

天然ガスの生産目標は,日7,660百万Btu(注28)で,前年の日7,530百万Btuを上回る計画である。来年,2010年の原油及び縮合物の生産目標は,日105万バレルである。


(注)A (1) 090623A Indonesia, thejakartapost,(2) title: Govt expects $56.5m from new oil blocks,(3) http://www.thejakartapost.com/news/2009/06/17/govt-expects-565m-new-oil-blocks.html,(4) Alfian , The Jakarta Post , Jakarta | Wed, 06/17/2009 9:33 AM | Business,(5) Evita H. Legowo, director general for oil and gas,(6) joint study mechanism,(7) Tomini Bay I-V,(8) Gorontalo Tomini I-II,(9) North Bone,(10) Kolaka Lasusua,(11) Kabena,(12) Jampea,(13) Buton III,(14) Menui Asera,(15) Morowali,(16) Sula I-I,(17) Bird’s Head block,(18) Kubu,(19) North East Ogan Komering,(20) Offshore West Java,(21) Blora,(22) North Makassar strait,(23) East Simenggaris,(24) Digul block,(25) “wild cat” wells,(26) oil and gas upstream director Edy Hermantoro,(27) million barrels per day (bpd),(28) British Thermal Units of gas (Btu) per day,(29) map spource: http://www.lngpedia.com/wp-content/uploads/2009/04/indonesia-petroleum-blocks.jpg,(30)

今日の参考資料

●090623A Indonesia, thejakartapost
インドネシア政府は原油ガスの免許で56.5百万ドル歳入を期待
Govt expects $56.5m from new oil blocks
http://my.reset.jp/adachihayao/index090623A.htm
http://www.thejakartapost.com/news/2009/06/17/govt-expects-565m-new-oil-blocks.html

最近の関連資料

●090217B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアの原油ガス企業が2009年に140億ドル投資
Oil, gas firms to invest $14b in 2009
http://my.reset.jp/adachihayao/index090217B.htm
●090211A Indonesia, The Jakarta Post
カラ副大統領,原油ガスで海外企業に支配させない
RI may prefer lead role in oil, gas: Kalla
http://my.reset.jp/adachihayao/index090211A.htm


●インドネシアのドンギ-セノロLNGで三菱が契約を固執

Japan's Mitsubishi Corp. says it will continue its involvement in the Donggi Senoro LNG plant (DSLNG), despite the government's ruling that all gas from the operation be sold on the domestic market. "We are not in the position to provide comments on the government's remarks," Mitsubishi spokesperson Shunsuke Nanami stated.

インドネシアのLNGプロジェクトに対して,三菱商事は深い歴史を有している。2005年3月のタングー LNGプロジェクトへの参画,アルンII LNGプロジェクトにも関与,今回は,スラウエシのドンギ-スノロLNGプロジェクトの問題である。このプロジェクトは,入先時に競争相手であったオーストラリアのLNGインターナショナル(注16)と地元企業メレオ(注17)が,2005年5月に,プルタミナ(注9)及びMEDCO(注10)が契約を締結していた。

2007年12月に至って,三菱商事(注5)が,プルタミナ(注9)及びMEDCO(注10)の間で,ドンギ-スノロLNGプロジェクトDSLNG(注6)の設立に合意し,これにLNGインターナショナル(注16)と地元企業メレオ(注17)が抗議して,仲裁委員会KPPU(注14)に提訴した。

豪上場リキファイド・ナチュラル・ガスの子会社LNGインターナショナルと地場マレオ・エネルギー・ウタマが設立した合弁会社LNGエネルギー・ウタマ(LEU)は、2005年5月に同施設の開発に関してプルタミナ、メドコと独占契約を締結していた。しかし、プルタミナとメドコが、2007年12月に三菱商事と開発会社ドンギ・スノロLNG(DSLNG)の設立で合意書を締結。LEUがKPPUに提訴していたが,2009年6月11日に,三菱商事を合法とした。

ある程度問題は残るとしても,ンギ-スノロLNGプロジェクトDSLNG(注6)は,三菱商事が51%,プルタミナが29%,メドコが20%の資本持ち分で,政府の最終決定を待っている状況である。記事では,融資候補であるJBICの意向で,三菱商事のマジョリティが決まった,と思われる記述がある。なお,この記事の問題は,ドンギ-スノロLNGプロジェクトDSLNG(注6)の全量をインドネシアの国内需要に振り向ける,との決定である。

この問題については,価格下限の決定などが決まっていないようで,三菱商事は,インドネシアへの貢献は忘れない,と微妙なコメントをしている。まだインドネシア政府が最終投資決定FDIを出していない現況で,慎重である。なお,訴訟を起こしたマレオ・エネルギー・ウタマのバックには,中部スラウエシのビジネスマン,ハリヤント氏(注18)の存在があるという。

(注)B (1) 090623B Indonesia, The Jakarta Post,(2) title: Mitsubishi sticks with Donggi-Senoro project,(3) http://www.thejakartapost.com/news/2009/06/22/mitsubishi-sticks-with-donggisenoro-project.html,(4) Mon, 06/22/2009 11:27 AM | Business,JP/Alfian,(5) Mitsubishi Corp,三菱商事,(6) Donggi Senoro LNG plant (DSLNG),(7) Mitsubishi spokesperson Shunsuke Nanami,(8) FID,final investment decision,(9) Pertamina,(10) Medco,(11) Japan Bank for International Cooperation (JBIC),(12) Pertamina president director Karen Agustiawan,(13) PT LNG Energy Utama (LEU),(14) Business Competition Supervisory Commission (KPPU),(15) artificial offering,(16) Australia's LNG International,(17) PT Maleo Energi Utama,(18) Hariyanto, a businessman from Central Sulawesi,(19)

今日の参考資料

●090623B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのドンギ-セノロLNGで三菱が契約を固執
Mitsubishi sticks with Donggi-Senoro project
http://my.reset.jp/adachihayao/index090623B.htm
http://www.thejakartapost.com/news/2009/06/22/mitsubishi-sticks-with-donggisenoro-project.html

最近の関連資料

●090318B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのLNGから日本などが他の市場を模索
RI’s LNG diverted to other markets
http://my.reset.jp/adachihayao/index090318B.htm
●090217C Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアが日本とLNG輸出で契約を延長
LNG RI signs deal with Japan on gas sales extension
http://my.reset.jp/adachihayao/index090217C.htm
●090205B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアの天然ガス生産,僅かに上向き
Gas output to rise slightly
http://my.reset.jp/adachihayao/index090205B.htm


●インドネシアのドンギ-スレノLNGで三菱は輸出にこだわる

The consortium set to construct and operate the controversial Donggi-Senoro liquefied natural gas (LNG) plant in Central Sulawesi has stated that output from the project must be exported to ensure its economic viability.

この,インドネシア,中部スラウエシのドンギ-スレノLNGプラントDSLNG(注5)に関して,三菱商事のコメントは穏健だが,パートナーであるメドコ(注10)のルクマン社長(注7)の舌鋒は鋭い。ことの発端は,先週末,2009年6月19日,任期寸前のカラ副大統領(注8)が,LNGプラントDSLNG(注5)のLNGは,スレノガス田もマティンドックガス田(注9)も含めて,すべてインドネシア国内への供給,と指示したことにある。

ルクマン社長(注7)は,LNGは輸出に回さなければ,採算がとれない,これからインドネシア政府を説得する,と主張している。スレノガス田のガスについては,メデコとプルタミナが50%づつの資本を持っている。マティンドックガス田(注9)はすべてプルタミナであるが,既に全量,ドンギ-スレノLNGプラントDSLNG(注5)に売ることで,2009年1月22日に合意している,と言っている。

ドンギ-スレノLNGプラントDSLNG(注5)は,メデコが20%,プルタミナが29%,三菱商事が51%の資本を有している,最早政府のガスは何処にも残っていない,とルクマン社長(注7)は主張する。DSLNG(注5)プロジェクトは,16億ドルの事業費を必要とする。ミガスのプリヨノ総裁(注14)は,副大統領の指示は,国内需要を満たした後,自由に出来る,と言うことだ,宥めている。

スレノガス田のうちの,日70MMSCFD(注15)は,国内石油化学会社に売ることになっており,価格は,百万Btu当たり(注16),3.17ドルである。後は輸出に当てられており,DSLNG(注5)は,スレノから250MMSCFD(注15),マティンドックから85MMSCFD(注15),合計335MMSCFD(注15)を,価格百万Btu当たり6.16ドルで買い取ることになっている。国内価格の倍である。

(注)C (1) 090623C Indonesia, The Jakarta Post,(2) title: Consortium insists on need to export Donggi-Senoro's LNG,(3) http://www.thejakartapost.com/news/2009/06/22/consortium-insists-need-export-donggisenoro039s-lng.html,(4) Alfian | Mon, 06/22/2009 11:32 AM | Business,(5) Donggi Senoro LNG plant (DSLNG),(6) Central Sulawesi,(7) Lukman Mahfoedz, project director of consortium member Medco Energy,(8) Vice President Jusuf Kalla,(9) Senoro and Matindok fields,(10) Medco,(11) Pertamina,(12) gas sales agreement (GSA),(13) Mitsubishi Corp,三菱商事,(14) Chairman of upstream oil and gas regulator BP Migas, R. Priyono,(15) million standard cubic feet of gas per day (MMSCFD),(16) British Thermal Unit (MMBTU),(17)

今日の参考資料

●090623C Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのドンギ-スレノLNGで三菱は輸出にこだわる
Consortium insists on need to export Donggi-Senoro's LNG
http://my.reset.jp/adachihayao/index090623C.htm
http://www.thejakartapost.com/news/2009/06/22/consortium-insists-need-export-donggisenoro039s-lng.html

最近の関連資料

●090623B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのドンギ-セノロLNGで三菱が契約を固執
Mitsubishi sticks with Donggi-Senoro project
http://my.reset.jp/adachihayao/index090623B.htm
http://www.thejakartapost.com/news/2009/06/22/mitsubishi-sticks-with-donggisenoro-project.html
●090318B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのLNGから日本などが他の市場を模索
RI’s LNG diverted to other markets
http://my.reset.jp/adachihayao/index090318B.htm
●090217C Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアが日本とLNG輸出で契約を延長
LNG RI signs deal with Japan on gas sales extension
http://my.reset.jp/adachihayao/index090217C.htm
●090205B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアの天然ガス生産,僅かに上向き
Gas output to rise slightly
http://my.reset.jp/adachihayao/index090205B.htm

その他関連ニュース

●090623D Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのプルタミナは国内石油製品自給を目指し精製プラント整備
Pertamina plans fuel self-sufficiency
http://www.thejakartapost.com/news/2009/06/12/pertamina-plans-fuel-selfsufficiency.html
●090623E Indonesia, The Jakarta Post
インドネシア政府は再生可能エネルギーは高くて今は手に付かない
Utilization of renewable energy in RI long way off
http://www.thejakartapost.com/news/2009/06/10/utilization-renewable-energy-ri-long-way.html


●海外関連連携ショップ
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2009年6月22日月曜日

フィリッピンのビサヤス系統の将来電源

フィリッピンのビサヤス系統の将来電源
HPは下記ドメインです。YouTube動画,写真地図など見て下さい。
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm
旅行用品の大型ショップ旅の雑貨店
http://hb.afl.rakuten.co.jp/hsc/09ee30fe.7cd4d7ec.09ee30ff.03ee8b2a/

東南アジア諸国に限らないが,大体,人口の都市集中が激しく,また島嶼国家では,日本にしてもインドネシアにしても,主たる島の人口が飛び抜けており,経済を論ずるときは,その主たる島の経済が議論の中心となる。最初にフィリッピンを勉強したときに,私の目に奇異に映ったのは,人口が異様に広く均等に分布していることであった。電力はルソンのことだけ,と思っていたら,とんでもない,ビサヤスやミンダナオの人口が意外に多い。

今の私の頭の中には,「ルソンに4,000万人,ビサヤスに1,500万人,ミンダナオに2,000万人」,と言う感じである。この中に入らない西のパラワンとミンドロは,併せて200万人である。ところが,発電設備が全く桁が違う,ルソンが10,000MW,ビサヤスがなんと1,500MW,ミンダナオが1,500MW見当である。これでは,セブ島を有するビサヤスの系統は,少し経済が動くと,途端に電気が足らなくなる。

ビサヤスの大きな島は,地図を見て貰おう(注)。西から,大きな島で,パナイ,ネグロス,セブ,ボホールと続く。これらは既に送電線で連携されているが,ビサヤス系統という独立した系統で,先日から,早々と電力自由化,卸売市場創設,が話題となっている。電源をこれからどうするのか,今日の議論では,対極の二つ,台湾のクリーンコール技術の石炭火力と,レイエス・エネルギー長官の再生可能エネルギー議論である。

セブ島には良質の石炭が埋蔵している,というNEDOの報告書があるが,まだ開発されていない。石炭は,国内輸入と現地調達の両睨みであろう。246MW規模であるから,相当に大きい。国内資金で調達できると言っている。また,再生可能エネルギーについては,エネルギー長官は,ビサヤスは風力だ,と言っているが,頼りは水力と石炭火力のようだ,勿論地熱もある。

私は,このビサヤス諸島は,小規模発電所に取り組んでいる人々には,非常に面白い島々だと思う。台風はともかく,治安は非常はよいし,適当に小都市が散らばって,それぞれが小規模な河川を持っているから,10MW程度の水力発電所ならば,容易にプロジェクト形成できるだろう。今日の記事でも,ティンババの23.5MW,リバカオの41MW,アンティケの8MW,イロイロのイボグロの4MW,などが上がっている。

なお,今日の記事の東電の石炭火力のIPPA,2009年6月27日にも入札を行い,既に外国企業も含めた3グループが浮上しているという,テークアンドペイでNPCが一括引き取りとなっていたのに,電気事業法によって引き取り手も売電単価も入札次第だ。発電所所有者から見るととんでもないことだが,電気事業法だ,言われればそれまでだ。次は関電のサンロケなど,3水力の入札が予定に上がっている。

(注) http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm

本文

●フィリッピンのセブ石炭火力に160億ルピーの借款期待

While Cebu’s power supply is facing gloom, the P16-billion loan package finally secured for the 246-megawatt Toledo power project will ease what is anticipated as electricity end-users’ agony over supply shortfall. The credit facility to be extended by a consortium of 11 banks and insurance companies was arranged by First Metro Investment Corporation. It is part of the P22-billion estimated project cost of the coal-fired facility.

2009年2月9日の本HP(注22),フィリッピンは,莫大な石炭包蔵を持っていると見られているが,投資企業が互いによりよい地域を求めて,競争しているために,開発が遅れている。この3年間,石炭価格の上昇を見て,国内企業が動き始めた。発電設備の技術革新を受けて,国内の石炭資源にも,焦点が当たってきている。国の政策分野では,クリーンエネルギーに向かっているが,依然,石炭は発電燃料の主役を担って行くだろう。

この流れをくむ動きだろう,セブ島(注5)の良質の石炭を目当てに,大規模な石炭火力が計画されている。発電所の位置は,パナイ島のトレド(21)と書かれており,輸入石炭も視野に入れたものか。セブ(注5)電力系統は,ビサヤス(注10)の一部をなすが,電力不足に苦しんでいる。この電力不足への対応のため計画されている,246MWのトレド石炭火力(注6)が,160億ペソの資金調達に成功した。

資金調達の主軸となるのは,FMIC(注7)で,国内11の銀行がコンソーシアムを形成する。160億ペソは,石炭火力の総事業費,220億ペソの一部を形成する。トレド石炭火力(注6)の企業主であるセブ・エネルギー開発公社CEDC(注9)は,この融資がいよいよ着工へこぎ出す有力な支援で,ビサヤス(注10)系統の電力需給状況改善の第一歩だ,と評価している。この12年融資は,国内主導の資金調達として,初めてと言える。

セブ・エネルギー開発公社CEDC(注9)は,グローバルビジネスGBPC(注11),アボイテス(注12),ビバント(注13),台湾のフォモサ重工FHI(注14)の合弁体である。CEDC(注9)のアルコルド社長(注15)は,これで負債部分が調達できたので,82MW機3台の第1期は,50%の進捗であり,2010年の第1四半期には,系統に繋ぐことが可能である,と語っている。これで,電力危機に間に合わせることが出来ると。

このトレド石炭火力(注6)には,タイ湾のフォモサ重工FHI(注14)が既に,台湾,インドネシア,米国で経験を積んできた,クリーン・コール・テクノロジー(注16)の最新技術が適用される,としている。中心となる需要は,バランバン特別区(注17)の日本の常石造船(注18)の造船工場や,元のアトラス鉱山(注20)を再開発するカルメン銅企業(注19)が主体となる。

(注)A (1) 090622A Philippines, Manila Bulletin,(2) title: Consortium extends P16-billion loan to Cebu power project,(3) http://www.mb.com.ph/articles/207629/consortium-extends-p16billion-loan-cebu-power-project,(4) By MYRNA M. VELASCO,June 21, 2009, 1:28pm,(5) Cebu,(6) 246MW Toledo power project,(7) First Metro Investment Corporation,(8) coal-fired facility,(9) Cebu Energy Development Corporation (CEDC),(10) Visayas,(11) Global Business Power Corporation of the Metrobank Group,(12) Aboitiz Power,(13) Vivant Corporation,(14) Formosa Heavy Industries of Taiwan,(15) CEDC president Jesus N. Alcordo,(16) clean coal technology,(17) Balamban EnerZone,(18) Tsuneishi Heavy Industries,(19) Carmen Copper,(20) Atlas mining site,(21) Toledo city,(22) http://my.reset.jp/adachihayao/index090209A.htm

今日の参考資料

●090622A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのセブ石炭火力に160億ルピーの借款期待
Consortium extends P16-billion loan to Cebu power project
http://my.reset.jp/adachihayao/index090622A.htm
http://www.mb.com.ph/articles/207629/consortium-extends-p16billion-loan-cebu-power-project

最近の関連資料

●090427B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのビサヤス州で2,3年内の電力危機に水力で
Visayas governors to fast-track building of alternative power sources
http://my.reset.jp/adachihayao/index090427B.htm
●090320A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのパナイ水力の引き渡しは3月25日
Panay-Bohol plants’ turnover set March 25
http://my.reset.jp/adachihayao/index090320A.htm
●090317A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのERCがビサヤスの送電線改良450百万ペソを承認
ERC approves P450-million transmission line project for Visayas
http://my.reset.jp/adachihayao/index090317A.htm
●090309B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのPMCがビサヤ系統について料金設定などで承認要求
PEMC seeks to lift Visayas power supply
http://my.reset.jp/adachihayao/index090309B.htm
●090209A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン,フォーラムがセブ石炭プロジェクトで調査ボーリング
Forum Energy drills Cebu coal prospect
http://my.reset.jp/adachihayao/index090209A.htm
●090201C Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン,ビサヤス系統のスポットマーケットを視野に
WESM, system operator to launch supply augmentation auction for Visayas
http://my.reset.jp/adachihayao/index090201C.htm


●フィリッピンのエネルギー省が西ビサヤスでの再生可能投資をと

The Department of Energy is looking for investors willing to develop renewable energy sources?such as wind, hydro, geothermal and ocean?particularly in Western Visayas. Should the full renewable energy potential of Region 6 be tapped, estimates from the DOE showed that probable investments in the region could reach as much as $9.5 billion. Western Visayas covers Aklan, Antique, Negros Occidental, Capiz, Guimaras and Iloilo.

フィリッピンの地図を詳細に眺めるときに,ルソン島への人口集中が余り強くなく,大まかに言って,ルソン4千万人,ビサヤ2千万人,ミンダナオ2千万人と,結構,離島に人口が多いのは,インドネシアや日本列島とは異なる。ところが,電力設備は桁違いで,これからの経済成長の過程で,如何にビサヤスやミンダナオが,エネルギー的に危ないか,がよく分かるのである。

折角に,東南アジア諸国に先駆けて立法化した再生可能エネルギーへの投資が,今一つ盛り上がらないことに焦っているのは,レイエス・エネルギー長官である。特に,ビサヤス西部(注6)の,風力,水力,地熱,大洋,の各再生可能エネルギーへの投資を待ち望んでいる。ビサヤス西部(注6),地域6(注8)に入るのは,アクラン(注9),アンティケ(注10),ネグロスオキシデンタル(注11),カピス(注12),ギマラス(注13),イロイロ(注14)

エネルギー省DOE(注5)は,この地域への投資を95億ドルと見積もっている。今まで決まった投資は僅かに,85.5百万ドルに過ぎない。風力だけ見ても,アクラン(注9)に53MW,アンティケ(注10)に309MW,ネグロスオキシデンタル(注11)に169MW,カピス(注12)に7MW,イロイロ(注14)に85MW,のそれぞれポテンシャルがあると見積もっている。

また,水力は,117.4MWの開発可能性がある。アクラン(注9)でティンババ(注15)の23.5MW,リバカオ(注16)の41MW,アンティケ(注10)の8MW,イロイロ(注14)で,イグボロ(注18)の4MW,などが浮かび上がっている。地熱では,ネグロスオキシデンタル(注11)のマンダラガン(注19)の20MWは,地熱の計画,PECR-4(注20)に入っている。

レイエス・エネルギー長官(注21)によると,現在のフィリッピン全土の再生可能エネルギーは,4,500MWで,この先10年間で,この際成果能エネルギーを倍増したいと考えていると。

(注)B (1) 090622B Philippines, business.inquirer,(2) title; DOE seeks investors for renewable energy,(3) http://business.inquirer.net/money/topstories/view/20090615-210497/DOE-seeks-investors-for-renewable-energy,(4) By Amy R. Remo,Philippine Daily Inquirer,First Posted 02:22:00 06/15/2009,Filed Under: Alternative energy,MANILA, Philippines,(5) Department of Energy,(6) Western Visayas,(7) renewable energy sources,(8) Region 6,(9) Aklan,(10) Antique,(11) Negros Occidental,(12) Capiz,(13) Guimaras,(14) Iloilo,(15) 23.5 MW Timbaba hydropower,(16) 41 MW Libacao hydropower,(17) 8 MW Antique hydropower,(18) 4 MW Igbolo hydropower,(19) 20MW Mandalagan geothermal,(20) Philippine Energy Contracting Round (PECR-4) for geothermal.,(21) Energy Secretary Angelo T. Reyes,(22)

今日の参考資料

●090622B Philippines, business.inquirer
フィリッピンのエネルギー省が西ビサヤスでの再生可能投資をと
DOE seeks investors for renewable energy
http://my.reset.jp/adachihayao/index090622B.htm
http://business.inquirer.net/money/topstories/view/20090615-210497/DOE-seeks-investors-for-renewable-energy

最近の関連資料

●090526A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンは再生可能エネルギーを新法で倍増へ
Manila to double renewable energy capacity with new law
http://my.reset.jp/adachihayao/index090526A.htm
●090526B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンの再生可能エネルギー法実施細則が施行される
IRR of Renewable Energy Act of 2008 to be signed Monday
http://my.reset.jp/adachihayao/index090526B.htm
●090512A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンで外国企業が再生可能エネルギー開発に意欲
Foreign investors keen on renewable energy
http://my.reset.jp/adachihayao/index090512A.htm
●090427B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのビサヤス州で2,3年内の電力危機に水力で
Visayas governors to fast-track building of alternative power sources
http://my.reset.jp/adachihayao/index090427B.htm
●090404B Philippines, pia.gov
フィリッピン政府は再生可能エネルギーへの投資を推進
Gov't pushes investments in renewable energy projects
http://my.reset.jp/adachihayao/index090404B.htm
●090317A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのERCがビサヤスの送電線改良450百万ペソを承認
ERC approves P450-million transmission line project for Visayas
http://my.reset.jp/adachihayao/index090317A.htm
●090301A Philippines, pia.gov.ph
フィリッピンの電力の10%は水力で賄うことが可能である
Hydropower can supply 10% of RP's electricity requirements, say
http://my.reset.jp/adachihayao/index090301A.htm


●フィリッピンのスワルなど石炭火力運用で3グループ関心

At least three groups have expressed interest to participate in the bidding for the management of independent power producer (IPP) contracts of the National Power Corp. for the Sual and Pagbilao coal-fired power plants, the Power Sector Assets and Liabilities Management Corp. (PSALM) said Thursday.

フィリッピンの,1,700MW,スワル(注7)とパグビラオ石炭火力(注8),現在は東京電力のTEAMエナージ(注10)が所有して,発電した電力は,一応すべて,NPC(注6)が引き取っている。テーク・オア・ペイ契約(注19)とすれば,契約した量はすべてNPC(注6)が引き取る義務がある。ところが,NPC(注6)はこの電力を,小売りか卸売り市場で売らなければならないので,この契約自体も,自由化の対象になる。

その結果,NPCの支配する電力は,70%を売却しなければならない,との電気事業法(注13)の精神から,ここで電力の引き取り手を競争入札で決めなければならない,というのが,IPPA契約(注14)だ,と私は理解している。2009年6月27日に入札にかける,と言っているのは,この東電のスワル(注7)とパグビラオ石炭火力(注8)で,既に外国企業も含めて,3グループが入札を待っているという。

このIPPA入札後に,更に,140MWのカセカナン水力(注15),70MWのバクン水力(注16),95MWのサンロケ水力(注17)のIPPA入札が待っており,何処まで売電単価が入札によって確保できるか,が発電所所有企業の大きな問題であろう。この石炭火力の入札は,2009年j5月27日に予定されていたものが,延期されていた。更にこの水力の後,1,200MWのイリヤンのガス火力(注18)のIPPA入札が待っている。

(注)C (1) 090622C Philippines, abs-cbnnews,(2) title: Three groups likely to bid for Sual, Pagbilao plants,(3) http://www.abs-cbnnews.com/06/18/09/three-groups-seen-bid-sual-pagbilao-plants,(4) abs-cbnNEWS.com | 06/18/2009 5:36 PM,as of 06/18/2009 8:10 P,(5) independent power producer (IPP),(6) National Power Corp,(7) Sual coal-fired power plant,(8) Pagbilao coal-fired power plant,(9) Power Sector Assets and Liabilities Management Corp. (PSALM),(10) Team Energy Philippines,(11) open access,(12) retail competition,(13) Republic Act 9136 or the Electric Power Indutry Reform Act,(14) IPPAs,(15) 140MW Casecnan hydropower plant,(16) 70MW Bakun hydropower plant,(17) 95MW San Roque hydropower plant,(18) 1,200-MW Ilijan natural gas plant,(19) take-or-pay contract,(20)

今日の参考資料

●090622C Philippines, abs-cbnnews
フィリッピンのスワルなど石炭火力売却で3グループ関心
Three groups likely to bid for Sual, Pagbilao plants
http://my.reset.jp/adachihayao/index090622C.htm
http://www.abs-cbnnews.com/06/18/09/three-groups-seen-bid-sual-pagbilao-plants

最近の関連資料

●090525C Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンの石炭火力のIPPA入札が間もなく動く可能性
Bidding for Pagbilao, Sual contracts moved
http://my.reset.jp/adachihayao/index090525C.htm
●090515C Philippines, energy-business-review
フィリッピンのPSALMがパグビラオなど石炭火力売却を急ぐ
PSALM To Settle Bidding Matters On Pagbilao And Sual Coal-Fired Power Stations In Philippines
http://my.reset.jp/adachihayao/index090515C.htm
●090512B Philippines, scandasia
フィリッピンのアンガット水力売却でSNパワーが関心
Norway's SN Power eyes Philippine IPPs
http://my.reset.jp/adachihayao/index090512B.htm
●090412A Philippines, bworldonline
フィリッピンの発電資産売却は水力発電所が次の目標
Hydropower plants next on PSALM’s auction block
http://my.reset.jp/adachihayao/index090412A.htm
●090402A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのNPCとPSALMが運転委託で合意書締結
Napocor signs O&M agreement with PSALM, defines future role
http://my.reset.jp/adachihayao/index090402A.htm
●090328C Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのPSALMはカラカ火力など売却に自信
PSALM hopeful on sale of Calaca, Limay power plants within the year
http://my.reset.jp/adachihayao/index090328C.htm


その他の関連ニュース

●090622D Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのアンボクラオ水力などのアボイテスがOM署名
SNAP signs O&M manuals on Ambuklao-Binga dams
http://www.mb.com.ph/articles/206831/snap-signs-om-manuals-ambuklaobinga-dams
●090622E Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのミンダナオの地熱で丸紅などのBOTが期限
With Mindanao plants’ turnoverEDC freed from its BOT obligations
http://www.mb.com.ph/articles/207490/with-mindanao-plants-turnover
●090622F Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのWESMで関連企業が中立的な運用者の選定を主張
Independent operator sought for WESM
http://www.mb.com.ph/articles/207626/independent-operator-sought-wesm
●090622G Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのPSALMが55MWナガ火力売却日程を考慮中
PSALM sets 2nd round auction for 55-MW Naga thermal facility
http://www.mb.com.ph/articles/207005/psalm-sets-2nd-round-auction-55mw-naga-thermal-facility


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2009年6月19日金曜日

ベトナムで年末までに1,100MWが系統へ

ベトナムで年末までに1,100MWが系統へ
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1991年のベトナム制裁解除の前に,ハノイから空路,中央高原の南の都市,バンメトウトに入った。南ベトナムからスイスに帰化したメコン委員会のエンジニアーの友人と二人で,町の中央に達したときに,傷跡も生々しい戦車が飾ってあった。北ベトナム軍が一挙に南下を始め,この戦車が最初に米軍と南ベトナム軍が守る中央高原の要衝,バンメトウトに入ったという。それからサイゴンまでの進撃はあっと言うまであったという。

今日の記事で環境グループから非難されているダム建設の行われている,チュヤンシン国立公園(注B6)は,地図(注1)を眺めてみると,バンメトウトの南東30kmの位置にある。30km四方の区域であるが,ここは分水嶺をなしていて,西側は,先日も問題となったスレポック,セサンの川(注2)を経てメコン本流に流れ込む。一方の東側は,有名な観光地,ニャッチャンで南シナ海に流れ込む。いずれも懐かしい地名である。

現在のベトナムの供給力は,運転可能ベースで,14,500MWであるが,特に乾期は需給が間に合っていなく,常に停電しているが,2008年の電力損失は9.8%で,1200MWのホアビン発電所分に匹敵する。国家電力公社EVNは努力している,と言っており,今日の記事で,2009年末までには,1100MWを新規投入するという。

6つの発電所は,南部カントー市(注8)の,300MWのオモン第1火力(注7),クワンニン県(注10)の300MWのクワンニン第1石炭火力(注9),ハイホン市(注12)のハイホン第1石炭火力(注11)の3火力。更に,ハイドウオン県(注14)の110MWのプレイクロン水力(注13),中部や南よりのフエン県(注16)の220MWのバハ川水力(注15),ダックラック県(注18)のクープ村水力(注17)である。

ベトナムの電力は,電気料金の問題,それに影響されてのIPPの電力買い取り問題と投資意欲の減退,水力の乾期の出力減の大きさ,更にはこれらの最大の対策としての電力改革の停滞,などの問題があるが,石炭やガスも必ずしも豊富ではなく,原子力発電所を,2020年には投入したいと頑張っている。世界的な原子力見直しで,今日の朝日新聞は,日本の原子力の稼働率向上を検討要請している。80%は90%の間違いだろう。

日本の原発メーカーも,世界のこの原発の盛り上がりに対応するために,政府主導で,「国際原子力協力協議会」を設立した(注3)。JICAなどのODA機関を巻き込んでおり,官民一体で各国との協調を進める「ワンストップの窓口」,と称している。また日立は,電力事業の売上高を2011年度に1兆円に拡大(注4),として,原子力もさることながら,海外市場での石炭火力の高効率化も,売り込みの大きなポイントとしている。

(注1) http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm
(注2) http://my.reset.jp/adachihayao/index090609.htm
(注3) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200906190102a.nwc
(注4) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200906190096a.nwc

本文

●ベトナムのEVNが2009年内に1,100MWの6発電所を投入へ

Electricity of Vietnam (EVN) said Monday it plans to connect six new power plants with total capacity of more than 1,100 megawatts to the national power grid this year. Nguyen Manh Hung, deputy general director of EVN, said the additional power supply aims to meet increasing domestic demand

電力不足に悩むベトナム,国家電力公社EVN(注5)は,年末まで,2009年内に,6つの発電所が新たに完成して系統に繋ぎ込む,と語っている。6つの発電所の合計出力は,1,100MWである。6つの発電所は,南部カントー市(注8)の,300MWのオモン第1火力(注7),クワンニン県(注10)の300MWのクワンニン第1石炭火力(注9),ハイホン市(注12)のハイホン第1石炭火力(注11)の3火力。

更に,ハイドウオン県(注14)の110MWのプレイクロン水力(注13),中部や南よりのフエン県(注16)の220MWのバハ川水力(注15),ダックラック県(注18)のクープ村水力(注17)である。いずれも2009年10月までに,商業運転開始の予定である。EVN(注6)によると,今年,2009年の発電量は,前年比13%の伸びで,866億KWに達する見込みである。

2009年1月~5月のEVN(注6)の発電量は,209.8億KWhで,年率換算では0.8%の伸びである。昨年,2008年の実績は,742億KWhで,この中には,531億KWhがEVNの発電機から,210億KWhが,民間から購入または輸入分である。

(注)A (1) 090619A Vietnam, thanhniennews,(2) title: Six new plants set for national power grid link,(3) http://www.thanhniennews.com/business/?catid=2&newsid=49844,(4) Reported by Vinh Bao,(5) Electricity of Vietnam (EVN),(6) Nguyen Manh Hung, deputy general director of EVN,(7) 300MW O Mon No. 1 thermal power,(8) Can Tho City,(9) 300MW Quang Ninh No. 1 thermal power,(10) Quang Ninh Province,(11) Hai Phong No. 1 thermal power,(12) Hai Phong City,(13) 110MW Plei Krong hydropower,(14) Hai Duong Province,(15) 220MW Ba Ha River hydropower,(16) Phu Yen Province,(17) Kuop Village hydropower,(18) Dak Lak Province,(19) list of hydropower: http://lilama.com.vn/UserFiles/list%20of%20hydro%20power%20plants.pdf,(19) map: http://images.google.com/imgres?imgurl=http://www.lilama454.com.vn/Uploaded/thanhnhan/ctdathicong2.jpg&imgrefurl=http://www.lilama454.com.vn/Story/en//ProjectListandImages/Projectlistandimagesofprojects/2007/8/7823.html&usg=__CLuHvqIReZyB7e9x1PPnFZG8VQA=&h=576&w=405&sz=38&hl=en&start=38&um=1&tbnid=oy-1cO9KOf3B6M:&tbnh=134&tbnw=94&prev=/images%3Fq%3D%2522Ba%2BHa%2Briver%2522%2BVietnam%26ndsp%3D20%26hl%3Den%26rls%3DGGLD,GGLD:2006-27,GGLD:en%26sa%3DN%26start%3D20%26um%3D1.

今日の参考資料

●090619A Vietnam, thanhniennews
ベトナムのEVNが2009年内に1,100MWの6発電所を投入へ
Six new plants set for national power grid link
http://my.reset.jp/adachihayao/index090619A.htm
http://www.thanhniennews.com/business/?catid=2&newsid=49844

最近の関連資料

●090511A Vietnam, army.qdnd
ベトナム北中部のタンホア県で14の発電所建設が進行中
14 power projects being commenced in Thanh Hoa
http://my.reset.jp/adachihayao/index090511A.htm
●090511B Vietnam,army.qdnd
ベトナム政府は多数の水力プロジェクト推進を支援
Government backs hydropower projects
http://my.reset.jp/adachihayao/index090511B.htm
●090220A Vietnam, vietnamnet
ベトナムのプロジェクト遅れに電力不足深刻
Electricity shortage remains serious as projects going slowly
http://my.reset.jp/adachihayao/index090220A.htm
●081119A Vietnam, vnbusinessnews
EVN,主要な水力プロジェクトは,2008年内に終了
Major power projects almost done
http://my.reset.jp/adachihayao/index081119A.htm

●ベトナムの環境グループが開発による森林破壊を警告

The Indochina program manager of Bird Life International has warned inappropriate infrastructure development is the biggest threat to special-use forests and biodiversity in Vietnam. The board reads forest destruction is forbidden but many trees are chopped down to make room for a hydropower project in the Chu Yang Sin National Park.

ベトナムの環境グループの活動は,少なくともニュースでは余り報じられない。大統領や政府の幹部が,ダムによる水没地域を視察して,もっと予算を,と指示するか,国会議員が現地を視察したとか,地元住民対象の動きで,複雑な自然環境保護に関する調査は,なかなか報じられない。それに,ベトナム政府自体が,海外の環境グループの活動をどの様に考え,対応しているのか,その点も関心あるところである。

今日の記事の環境グループは,BLインターナショナル(注5),WWF大メコン(注10),WWFベトナム(注12)である。また具体的な対象地域は,中部,中央高原(注8)のダックラック県(注9)に設定されているチュヤンシン国立公園(注6)で,この地域は,バンメトート(注13)のやや南東に位置する。この中に水力ダムが建設中,と書いてあるが,クープ村水力(注A17)がそれなのか,よく分からない。

今日のNGOの言い分は,水力ダムが建設されることによって,道路が建設され,それが住民の交通路となって森林での経済活動が活発になって,森林環境が破壊される,とするものである。国立公園内であるから,政府も関心を持っているのだろうが,NGOは,政府の管理する人々への環境教育がもっと必要だ,と言っている。

(注)B (1) 090619B Vietnam,english.vietnamnet,(2) title: Improper infrastructure poses biggest threat to forests, biodiversity,(3) http://english.vietnamnet.vn/tech/2009/06/852885/,(4) 23:45' 13/06/2009 (GMT+7),VietNamNet Bridge,VietNamNet/SGT,(5) Bird Life International,(6) Chu Yang Sin National Park,(7) Jonathan Charles Eames,(8) Central Highlands,(9) Daklak. province,(10) Huynh Tien Dung of WWF Greater Mekong,(11) Central Truong Son Mountain Range,(12) Le Khac Coi, forest program unit manager of WWF Vietnam,(13) Buon Me Thuot,(14)

今日の参考資料

●090619B Vietnam,english.vietnamnet
ベトナムの環境グループが開発による森林破壊を警告
Improper infrastructure poses biggest threat to forests, biodiversity
http://my.reset.jp/adachihayao/index090619B.htm
http://english.vietnamnet.vn/tech/2009/06/852885/

最近の関連資料

●090606A Vietnam, hydroworld
ベトナムは260MWのチュンソン水力で環境モニター
Vietnam seeks environmental monitoring for 260-MW Trung Son
http://my.reset.jp/adachihayao/index090606A.htm
●090511B Vietnam,army.qdnd
ベトナム政府は多数の水力プロジェクト推進を支援
Government backs hydropower projects
http://my.reset.jp/adachihayao/index090511B.htm
●090217A Vietnam,vietnamnews
ベトナム政府はソンラダムの移住に対して1兆ドンを準備
Ministry allocates VND1 trillion for those relocated by Son La dam
http://my.reset.jp/adachihayao/index090217A.htm


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2009年6月18日木曜日

パキスタンの水問題など中国が支援へ

パキスタンの水問題など中国が支援へ
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パキスタンの治安情勢はどうなっているのであろうか,イランの政治情勢に煽られて霞んでいるが,6時間前に発信された,パキスタン東部,イスラマバードから南へ250km下がったファイサラバードからの報道では(注),ザルダリ大統領の,「どんな犠牲を払ってでも武装勢力に勝つまで戦争を続ける」,との,2009年6月13日のテレビ演説で,失望が広がっているという。

この記事からは,北西辺境州の戦闘の状態は掴めないが,最前線から200km以上も隔てた産業都市で,経済的な大きな損失が生じて,ザルダリ大統領への失望が広がっているという。特に,ファイサラバードは繊維産業の都市であり,治安の問題以上に,電力不足が響いており,1日12時間停電で,産業が壊滅的な状態に追い込まれている。

パキスタン政府は,2009/20010年度の予算を発表して,エネルギー分野に重点を置き,1,547億ルピー,約19.1億ドル相当,で,このうち外国援助を,193億ルピー,約2.38億ドル相当,を振り向けている。電源設備は,2008/2009年度の,20,843MWから,2009/2010年度には,24,701MWとなって,3,858MW増加の計画である。

パキスタンの電力水資源省の関係者が北京にあり,中国の水利部と協議を行っているが,12の中小水力のダムについて,中国の支援を要請している。水資源問題全般の緊急的な援助を要請しているわけだが,農業技術の問題の他に,気候変動問題と関係してくる氷河湖決壊問題への協力が話し合われ,常設の合同委員会の設置も議題に上げられている。

氷河湖決壊問題は,ブータンやネパールで勉強したが,パキスタン,インダス河への氷河湖決壊の影響は余り話題になっていない。改めて,パキスタンと中国の国境の地図を眺めてみる(注2)。インダス河は,標高8,611mのK2峰を中心としたカラコルム山脈に囲まれており,殆どの氷河の影響はカシミールも含めたパキスタン側へ影響してくるが,北に目を転ずると,昏論山脈に挟まれた中国側への影響も見逃せない。

この,カラコルム山脈を中心とした氷河湖決壊の影響は,水こそ国家の礎,とするパキスタンにとっても,また,チベットの開発やタクラマン砂漠の環境問題,更にはインドと国境紛争下にあるアクサイチンの統治問題からしても,中国にとっても見逃せない地域の水資源問題だ。軍事拠点の問題も絡んでくると,表の国境ばかりでなく,この裏の国境問題も,水資源問題やエネルギー問題として,関心を持つ必要がある。

(注1) http://mainichi.jp/select/world/news/20090618ddm007030063000c.html
(注2) http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm

本文

●パキスタンの中小ダムの建設計画で中国政府が支援表明

Salman Faruqui, who is currently visiting China, underlined that President Asif Ali Zardari attached highest importance to cooperation between Pakistan and China in the areas of small and medium sized dams, water conservancy, hybrid seed development, climate change and ways to deal with melting glaciers in the mountains joining China with Pakistan and other countries of South Asia.

パキスタンは,大ダムから一転して中小ダムの支援を中国に求めた。そのプロジェクトの内容は明らかではないが,発電よりも寧ろ農業灌漑に重点を置いた交渉が行われたのであろう。パキスタン側は,ファルキ大統領府長官(注7),中国側は,フシイ水利部副部長(注6)である。ファルキ大統領府長官(注7)は,特にザルダリ大統領(注5)が主唱する12の中小規模水力ダムの建設支援を要請した。

12の中小水力ダムの他,これに関連して,農業水利組合問題(注8),交雑実生開発(注9),気候変動(注10),中国との国境を接する氷河湖決壊問題(注11)などについて,広く南アジアの現状を踏まえての支援を要請している。特に,ザルダリ大統領(注5)と湖錦濤主席(注12)が,パキスタンと中国が,水資源と農業分野で協力の約束をしていることが基礎になっている,とされている。

なお,この北京での会談には,WAPDAのドウラニ総裁(注14)が参加して,12の中小水力ダムを中心としたパキスタンの水資源問題について,説明をしており,短期間に完成するために,100億~120億ドルが必要としている。中国側は,支援の方法として,公共事業体や民間企業の投資,及びそれを支援する中国の銀行との協議を約束した。パキスタンは,常設の合同委員会(注16)の創設を提案,中国側は検討するとした。

(注)A (1) 090618A Pakistan, app.com.pk,(2) title: Chinese govt to support President Zardari’s plan to build 12 small and medium sized hydropower dams,(3) http://www.app.com.pk/en_/index.php?option=com_content&task=view&id=79254&Itemid=2,(4) BEIJING, JUNE 17 (APP),(5) President Asif Ali Zardari,ザルダリ大統領,(6) Hu Siyi, Vice Minister for Water Resources,中国水利部,(7) Salman Faruqui, Secretary General to the President,(8) water conservancy,水利組合,(9) hybrid seed development,交雑実生開発,(10) climate change,(11) melting glaciers,氷河湖決壊,(12) President Hu Jintao,湖錦濤主席,(13) Kamal Majidulla, Advisor to the Prime Minister on Water Resources,(14) Shakil Durrani, Chairman WAPDA,WAPDA,(15) Chinese Ministry of Water Resources,(16) joint Pakistan-China Task Force on water resources,(17)

今日の参考資料

●090618A Pakistan,
パキスタンの中小ダムの建設計画で中国政府が支援表明
Chinese govt to support President Zardari’s plan to build 12 small and medium sized hydropower dams
http://my.reset.jp/adachihayao/index090618A.htm
http://www.app.com.pk/en_/index.php?option=com_content&task=view&id=79254&Itemid=2

最近の関連資料

●090302A Pakistan, steelguru.com
パキスタンは54のダムプロジェクトに各国の支援を期待
Pakistan seeks help for 54 mega projects
http://my.reset.jp/adachihayao/index090302A.htm
●081119C Pakistan, regionaltimes
経済省,パキスタンの水力投資は,外資に絶好の機会
‘Hydropower projects offer sound investment opportunities’
http://my.reset.jp/adachihayao/index081119C.htm


●パキスタン政府は予算設定でエネルギーに1547億ドル

To overcome power shortage, the government has allocated Rs 154.7 billion, including foreign aid amounting to Rs 19.3 billion, for the energy sector in the budget for the 2009-10 fiscal year, the budget document revealed. The government has allocated Rs 139.306 billion, including Rs 14.885 billion of foreign aid, for the Water and Power Development Authority.

パキスタンの,2009/2010年度国家予算(注8)が発表され,エネルギー分野に重点が置かれていることが明らかになった。エネルギー分野の総額は,1,547億ルピー,約19.1億ドル相当,で,このうち外国援助を,193億ルピー,約2.38億ドル相当,としている。WAPDA(注5)に対しては,1,393億ルピー,約17.2億ドル相当,このうち,149億ルピー,約1.84億ドル相当の外国支援を見込んでいる。

また原子力関係では,パキスタン原子力委員会PAEC(注6)へ,149.43億ルピー,約1.84億ドル相当,うち44.3億ルピー,約0.55億ドル相当,が外国支援から,またパキスタン原子力庁PNRA(注7)には,4.474億ルピー,約0.055億ドル相当,が振り向けられた。電源設備は,2008/2009年度の,20,843MWから,2009/2010年度には,24,701MWとなって,3,858MW増加の計画である。

この3,858MW増加の内訳は,レンタルが,1,381MW,IPP(注9)が,1,949MW,水力が,478MW,風力が,50MWとなっている。発電量は前年比12.6%増の,1,071.16億KWhである。原油生産量は,前年の,日67,000バレル(注10)に対して,日70,000バレル,天然ガスは,前年,日3,960百万立法フィート(注11)に対して,4,100mmcfd(注11),石炭生産目標は,450万トンである。

(注)B (1) 090618B Pakistan, dailytimes,(2) title: Govt allocates Rs 154.7bn for energy sector,(3) http://www.dailytimes.com.pk/default.asp?page=2009%5C06%5C14%5Cstory_14-6-2009_pg7_31,(4) ISLAMABAD,(5) Water and Power Development Authority,(6) Pakistan Atomic Energy Commission,(7) Pakistan Nuclear Regulatory Authority,(8) 2009-10 Annual Plan,(9) independent power producers,(10) barrels per day (BPD),(11) millions of cubic feet per day (mmcfd),(12)

今日の参考資料

●090618B Pakistan, dailytimes
パキスタン政府は予算設定でエネルギーに1547億ドル
Govt allocates Rs 154.7bn for energy sector
http://my.reset.jp/adachihayao/index090618B.htm
http://www.dailytimes.com.pk/default.asp?page=2009%5C06%5C14%5Cstory_14-6-2009_pg7_31

最近の関連資料

●090501A Pakistan, thenews
パキスタンの電力セクターへ日本政府が支援へ
Japan to provide help for Pakistan’s power sector
http://my.reset.jp/adachihayao/index090501A.htm
●090429B Pakistan, dawn
パキスタンの中央開発会議でエネルギー開発が最重要課題
Energy projects top agenda of CDWP meeting
http://my.reset.jp/adachihayao/index090429B.htm
●090411B Pakistan, regionaltimes
パキスタンの電力需要はこの先5年で36,000MWへ
Power demand to rise upto 36,000MW in next five years: Pervez Ashraf
http://my.reset.jp/adachihayao/index090411B.htm
●090323B Pakistan, thenews
パキスタンの電力不足量は2,500MWの不足
Country to face power shortage of 2,500 MW till 31st
http://my.reset.jp/adachihayao/index090323B.htm
●090109A Pakistan, dailytimes
パキスタン政府,16プロジェクトで,25,270MW
Govt plans 16 projects for generating 25,270MW power
http://my.reset.jp/adachihayao/index090109A.htm



●パキスタンのタルベラダムの増設計画が進行中

The feasibility study of the Tarbela fourth extension hydro-project has been completed and it will add an additional electricity of 960 MW in the national system to strengthen the economy and enhance hydro generation project. The total power potential of the project was 2,100 MW originally which was enhanced to 3,478 MW and now will be further enhancement to 4438 MW with the completion of Tarbela fourth Extension Project.

私が丁度インドネシアのチラタプロジェクトをやっていた頃,このタルベラダムの話がよく出た。良いに付け悪いに付け,我々ダム技術者にとっては,一度は是非見たい世界有数のダムプロジェクトであった。アジア経済研究所の小林英治氏が1979年に書かれた「インダス河の開発」という極めて丁寧な参考書(アジア経済出版会)がある。そのすさまじいダム建設との戦いが記されている。

現在のタルベラダム(注11)は,貯水池長さ80km,総貯水池容量が137億トン,有効貯水量が115億トン,ダム堤頂長が2,740m,アースフィルダム,ダム高さが143m,総発電容量17.5万KWユニット12台,計2,100MWであるが,10ユニットが完成したのが1967年と書かれているので,その後2台が増設,現在の12台,2,100MWになったのだろう。

今回の増設計画は,単機容量を大きくして,480MW機2台,合計960MWとされている。従って,現有設備の50%増しで,おそらくピーク時間を短くして,雨期の余剰水量も飲み込もう,と言う計画なのであろう。これが,2010年の目標に間に合うのか,まだ見積図書なども出来ていない状況のようだ。ただ,電力不足を解決するために,KWを増やすのは即効性があるが,果たして貯水池の運用が円滑に行くのか,問題はあろう。

(注)C (1) 090618C Pakistan, dawn,(2) title: Work on Tarbela's fourth extension underway,(3) http://www.dawn.com/wps/wcm/connect/dawn-content-library/dawn/news/business/19-work-on-tarbelas-fourth-extension-underway-06,(4) Tuesday, 09 Jun, 2009 | 07:13 PM PST | ,ISLAMABAD,(5) feasibility study,(6) Tarbela fourth extension hydro-project,(7) Water and Power Development Authority (WAPDA),(8) Detailed Engineering Design,(9) Tender Documents,(10) Rated Capacity,(11) Tarbela Dam,タルベラダム,(12) Attock.,(13) Indus Basin Plan,インダス河,(14) M/S TJV,(15) M/S TAMS,(16) earth and rock-filled embankment,(17)

今日の参考資料

●090618C Pakistan, dawn
パキスタンのタルベラダムの増設計画が進行中
Work on Tarbela's fourth extension underway
http://my.reset.jp/adachihayao/index090618C.htm
http://www.dawn.com/wps/wcm/connect/dawn-content-library/dawn/news/business/19-work-on-tarbelas-fourth-extension-underway-06

最近の関連資料

●パキスタンのタルベラダム,インダス川の水争い,長い長い歴史
http://my.reset.jp/~adachihayao/power.htm#power06
●090518C Pakistan, pakobserver
パキスタンとインドはインダス河の水を常設委員会で話し合う
Pakistan, India talks at PCIW level by end of current month
http://my.reset.jp/adachihayao/index090518C.htm
●090510A Pakistan, thenews
パキスタはのタルベラダムの増設に間もなく着手
Work on Tarbela extension project to start soon
http://my.reset.jp/adachihayao/index090510A.htm


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