フィリッピンのルソンの電力需給は2015年までOK
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http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm
旅行用品の大型ショップ旅の雑貨店
http://hb.afl.rakuten.co.jp/hsc/09ee30fe.7cd4d7ec.09ee30ff.03ee8b2a/
原油価格が上げ気味である,ニューヨーク原油8月物終値でバレル71.49ドル,ナイジェリアの武装勢力による石油施設攻撃と,中国が国家戦略石油備蓄量を5年後をメドに現在の2.6倍にする,と報ぜられた。原油価格はこの辺りが長く続いた安定領域であり,これより上に動き始めると,2008年,147ドルの悪夢が見えてくる。フィリッピンのエネルギー自給政策は,原油価格に大きな影響を受ける。
電源売却にうつつを抜かすフィリッピン,と私も随分揶揄してきたが,私の記録を見ても,ルソンの電力需給の将来に目を向けた記事は,久しぶりである。フィリッピンの長期の電力需給の見通しは誰が責任を持っているのか,NPCが電源資産30%の小規模発電会社に格落ちし,国家送電網が中国にその運用を委譲した現実で,マニラ電力の新任,イエスス社長が発言せざるを得ない現状が,哀しい。
IPPである東京電力の火力発電所や関西電力の水力発電所など,NPCが電力の買い取りの役目を果たしていたが,電力自由化の原則は,これも認めないと言う。だから,IPPAと称して,このIPP電力の引き取り手を入札にかけ,このIPPAが,BOTの期限の来る2025年頃には,東電や関電から発電所まで引き取ることになる。しかし,この入札は不調に終わったという。微妙な売電単価,そう簡単には収束しないだろう。
ただ,現在の東京電力や関西電力がこのIPPA入札についてどの程度の発言権を持っているのか,そこが第3者にはよく分からない。法律上どうしてもNPC引き取り分を入札に付さねばならない,引き取り価格がIPP側で納得できないときは,何が起こるのか。NPCはもう引き取ることが法律上出来ない,としたら,東京電力や関西電力は,買い叩かれるだけ?PSALMは一定の線を決めているが,入札が不調ならどうなるのか,疑問一杯。
フィリッピンの電力セクターは,電力自由化のために法律を整備し,世界に先駆けて,再生可能エネルギー法を成立させて,配電会社は少なくとも10%は再生可能エネルギーを買わなければならない,としているが,一方で電気料金の引き下げが政治上の優先事項である。全く矛盾している。イエスス社長の需給バランスも,2015年までしか見ていない。そこから先の電源は,今,手を付けなければならないのに。
イエスス社長の言い分を聞いてみよう。現在のルソン系統の最大ピーク需要は,6,900MW,供給力は,8,900MW~10000MWの間にある。民営化によって,パンタバンガン-マシウエイ水力,マシンロック石炭火力など,出力増強が進んでいる。エンリレ上院議員の,UFT法(注14)とERR法(注15)は,電気料金を引き下げる効果があり,調整機能が強化されて,電力分野の未来は明るくなっている,と。
さて,日産自動車の株主総会でゴーン社長がEV車で大見得を切った(注)。私は,おそらくゴーン社長の見方が正しいと思う。トヨタのHV車が200万円で,日産のEV車が460万円という。本当にEV車でよいのか,と心配している人がいると思う。HV車はプリウスを見て分かったが,要するに全量化石燃料オリジンである。日産のEV車の半分はバッテリーの値段だという。バッテリー技術の発展が車を救い,電力を救い,エネルギーを救う。
(注) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200906300009a.nwc
本文
●フィリッピンの石炭火力のIPPA入札は価格が合わず失敗
The bidding for the appointment of independent power producer administrators (IPPAs) to manage the contracted capacities of the National Power Corporation in the coal-fired Sual and Pagbilao power plants hit a bump as the two participating parties failed to meet the reserve price set by the Board of the Power Sector Assets and Liabilities Management Corporation (PSALM).
このフィリッピンのIPPA入札というのは分かりがたい。私の理解は,IPPの火力や水力が,ある条件の下で発生電力の全量または一部を,NPC(注6)が引き取ることになっているが,新しい電気事業法で,NPC(注6)に多くの電源のみならず,発生電力も集中することを解消するために,IPPA(注5)を入札で決める,落札したIPPAは,その引き取る電力を,需要家へ直接販売するか,卸売市場に出す,と言うことなのであろう。
この手続きが完了して,NPC(注6)所有の発電所の70%売却が終了した段階で,フィリッピンの電力セクターの改革が一段落して,需要家のオープンアクセスが可能となり,電力料金が下がる,と言う極めて空想的なフィリッピンの電力改革のシナリオなのである。東京電力の石炭火力や関西電力の水力などは,ラモス前大統領の方針で,電力に有利な条件で,NPCが引き取っていたが,それをIPPA制度に変換するのは,結構大変。
今日の記事では,東京電力のスワル(注7)とパグビラオ(注8)の石炭火力が,IPPA入札を行って,サンミゲール(注10)とサーモルソン(注11)が応札したが,不調に終わったと言うことである。不調の原因は,発注者側であるPSALM(注12)の決めていた価格の範囲に,入札か価格が履いたなかったから,ととれる表現である。
ここで問題は,PSALMの価格範囲で,一体どうやって決めていたのか,数字も方法も明らかにされていない。入札とは名ばかりで,特定の数字にもって意向としたことは明かで,それが自由化というものか。おそらく,東京電力などのIPPの強い意向が働いて,NPCの引き取り価格に近い範囲で制限が設けられていたのだろう。
PSALMは再入札を行って,入札が成功することに自信を見せているが,全くの自由価格の入札では,システムが崩壊することは目に見えている。IPP側も,当初に意図した採算性を壊すことは,融資側を抱えているだけに,死活問題であろうし,IPP側に選択の権限は残されているのであろうか,と疑問になる。IPPAの段階は,関西電力のサンロケ(注16)を含む3つの水力が対象となる。
(注)A (1) 090630A Philippines, pia.gov,(2) title: Bidding for selection of IPPAs fails as reserve price unmet,(3) http://www.pia.gov.ph/?m=12&fi=p090626.htm&no=75,(4) Manila (26 June),(PSALM/PIA-MMIO),(5) independent power producer administrators (IPPAs),(6) National Power Corporation,(7) coal-fired Sual power plant,(8) coal-fired Pagbilao power plant,(9) Board of the Power Sector Assets and Liabilities Management Corporation (PSALM),(10) San Miguel Energy Corporation (SMEC),(11) Therma Luzon Inc.,(12) PSALM's Bids and Awards Committee (BAC),(13) Phase II of its IPPA selection process,(14) 140MW Casecnan hydropower plant,(15) 70MW Bakun hydropower plant,(16) 95 MW San Roque hydropower plant,(16)
今日の参考資料
●090630A Philippines, pia.gov
フィリッピンの石炭火力のIPPA入札は価格が合わず失敗
Bidding for selection of IPPAs fails as reserve price unmet
http://my.reset.jp/adachihayao/index090630A.htm
http://www.pia.gov.ph/?m=12&fi=p090626.htm&no=75
最近の関連資料
●090622C Philippines, abs-cbnnews
フィリッピンのスワルなど石炭火力売却で3グループ関心
Three groups likely to bid for Sual, Pagbilao plants
http://my.reset.jp/adachihayao/index090622C.htm
●090525C Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンの石炭火力のIPPA入札が間もなく動く可能性
Bidding for Pagbilao, Sual contracts moved
http://my.reset.jp/adachihayao/index090525C.htm
●090515C Philippines, energy-business-review
フィリッピンのPSALMがパグビラオなど石炭火力売却を急ぐ
PSALM To Settle Bidding Matters On Pagbilao And Sual Coal-Fired Power Stations In Philippines
http://my.reset.jp/adachihayao/index090515C.htm
●090412A Philippines, bworldonline
フィリッピンの発電資産売却は水力発電所が次の目標
Hydropower plants next on PSALM’s auction block
http://my.reset.jp/adachihayao/index090412A.htm
●090402A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのNPCとPSALMが運転委託で合意書締結
Napocor signs O&M agreement with PSALM, defines future role
http://my.reset.jp/adachihayao/index090402A.htm
●マニラ配電はルソンの電力需給で2015年までは安定と
Power supply in the Luzon grid is expected to remain adequate until 2015, as the operations of existing power plants become more efficient. “Many of the (National Power Corp.) plants are being privatized and those that have been privatized have become more efficient... so I think up to 2015 we won’t have any problem,” Manila Electric Co. president Jose P. de Jesus said.
電源資産売却にうつつを抜かすフィリッピン,と私も随分揶揄してきた。将来の電力の需給バランスなど,誰も考える人がいなくて,高い電気料金を如何に国民に説明するか,ばかりが話題となって。珍しく,ルソン系統(注5)の普及バランスについて,新任のマニラ電力社長イエスス氏(注7)が語っている。ルソン系統(注5)の70%程度しか把握していないマニラ電力が,全体の需給に言及しなければならないのが,フィリッピンの現状だ。
イエスス社長(注7)のポイントは,NPC(注6)の所有していた発電所が売却民営化され,発電の効率が上がっていくことを考えれば,少なくとも2015年までのルソン系統(注5)は安定しているだろう,としている。2015年までですよ,イエスス社長(注7)でも2015年までしかものが言えない,それから先の電源は,もう計画が具体化していなければ間に合わないと言うのに。
イエスス社長(注7)の言い分を聞いてみよう。現在のルソン系統(注5)の最大ピーク需要は,6,900MWである。一方で供給力は,8,900MW~10000MWの間にある。民営化によって,パンタバンガン-マシウエイ水力(注8)は,EDC(注9)によって僅かな投資で,90MWが112MWに増えた。マシンロック石炭火力(注10)は,GNP(注11)により,300MWが600MWとなり,更に2012年までの600MW増設が視野に入っている。
FGC(注12)は,500MWのガス火力を計画中である。エンリレ上院議員の,UFT法(注14)とERR法(注15)は,電気料金を引き下げる効果があり,調整機能が強化されて,電力分野の未来は明るくなっている。
(注)B (1) 090630B Philippines, business.inquirer,(2) title: Meralco Adequate Luzon supply until 2015,(3) ttp://business.inquirer.net/money/topstories/view/20090630-213047/Meralco-Adequate-Luzon-supply-until-2015,(4) By Amy R. Remo,Philippine Daily Inquirer,First Posted 00:26:00 06/30/2009,MANILA, Philippines,(5) Luzon grid,(6) National Power Corp,(7) Manila Electric Co. president Jose P. de Jesus,(8) Pantabangan-Masiway hydropower plant complex,(9) Energy Development Corp,(10) Masinloc coal fired power plant in Zambales,(11) GN Power,(12) First Gen Corp.,(13) Senate President Juan Ponce Enrile,(14) Senate Bills 3147 or the Uniform Franchise Tax Act,(15) Bills 3148 or the Electricity Rate Reduction Act,(16)
今日の参考資料
●090630B Philippines, business.inquirer
マニラ配電はルソンの電力需給で2015年までは安定と
Meralco Adequate Luzon supply until 2015
http://my.reset.jp/adachihayao/index090630B.htm
http://business.inquirer.net/money/topstories/view/20090630-213047/Meralco-Adequate-Luzon-supply-until-2015
最近の関連資料
●090521B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンの電気料金抑制のため上院が2法案を準備
Enrile pushes twin measures to pare electric power rates
http://my.reset.jp/adachihayao/index090521B.htm
●090521C Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのマニラ電力の総会で料金問題が主題に
To bring down Meralco rates SMC mulls ‘plant optimization’ formul
http://my.reset.jp/adachihayao/index090521C.htm
●090515B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのマニラ配電のロペス社長は居座り
Manolo Lopez stays as Meralco chair
http://my.reset.jp/adachihayao/index090515B.htm
●090322B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのマニラ配電が11名の役員名簿発表
Meralco bares new nominees to 11-man board of directors
http://my.reset.jp/adachihayao/index090322B.htm
●090310C Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのマニラ配電の2009年は伸びフラット
Meralco sees flat growth in 2009 electricity sales
http://my.reset.jp/adachihayao/index090310C.htm
●090128B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン,マニラ配電の社長人事,イエスス氏
As SMC takes 4 board seats De Jesus named Meralco President
http://my.reset.jp/adachihayao/index090128B.htm
その他のニュース
●090630C Philippines, manila bulletin
フィリッピンの電力産業は調整機能の機関は一つでよい
Power industry must have only 1 regulator, investors urge
http://www.mb.com.ph/node/204174
●090630D Philippines, pia.gov
フィリッピンの8MWアムラン水力でICSが買収名乗り
ICS Renewables assumes ownership of Amlan power plant
http://www.pia.gov.ph/default.asp?m=12&r=&y=&mo=&fi=p090626.htm&no=27
●090630E Philippines, gmanews
フィリッピンのPSALMが8MWアムラン水力を委譲へ
PSALM turns over Amlan power plant to new owner
http://www.gmanews.tv/story/165822/PSALM-turns-over-Amlan-power-plant-to-new-owner
●090630F Philippines, Manila Stand Today
フィリッピンのスワルなど石炭火力IPPA入札は成立せず
Sual, Pagbilao auctions fail
http://www.manilastandardtoday.com/?page=business1_june27_2009
●090630G Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのロペスグループはカセカネン水力買収を視野に
Lopez firm eyes Casecnan power facility
http://business.inquirer.net/money/topstories/view/20090630-213041/Lopez-firm-eyes-Casecnan-power-facility
●海外関連連携ショップ
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楽天トラベル
http://hb.afl.rakuten.co.jp/hsc/09ec1bdf.dd6f0239.09ec1be0.045ab5f0/
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