2009年9月23日水曜日

中国が南沙諸島共同開発を示唆

中国が南沙諸島共同開発を示唆

すみませんが,編集が旨くいかないので,読んで頂ける方は,
以後,下記のアドレスに回って頂けませんか,
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm


南シナ海の南沙諸島,改めて地図を開くと,フィリッピンが強くその固有の領土を主張しているのに対して,まるで子供がおやつを取り合いするように,ブルネイ,マレーシア,ベトナム,中国,台湾,などがその領土権を主張して,紛糾している。古来は漁業権の問題であったが,南シナ海の中心部にある珊瑚礁地帯として,一説には2,000億バレルとも言われる原油の埋蔵量が,今は各国の大きな関心である。
太平洋戦争がなければ,日本も領有権を主張したいところであろう。しかし日本は,経済成長時代に国際市場で自由に石油が手に入った経験がいつまでもその根っこにあって,今でもエネルギー資源に対して,甚だ淡泊である。南沙諸島で昨年,2008年に,ベトナム,中国,フィリッピンで共同の物理探査を実施したが,これがフィリッピンで今,問題になっており,憲法裁判所に当事者達が訴追されている。
この重要な時期に,マニラ駐在の中国大使が微妙な発言を行った。領有権問題は,ロシアと中国の関係が示すように,50年経っても100年経っても解決しない,ここで関係諸国は,南沙諸島の共同開発の合意に向かって話し合ったらどうか,というのである。領有権問題は,一歩でも引いた方が負け,と決まっているところでこの発言は,中国の経済成長が,南沙諸島の原油開発に,待ったなしの状態,と言うことだろう。
フィリッピンとしては,まさにマランパヤ油田の延長線上の問題であり,海軍を増強してでも南沙諸島の領有権を守りたい意向である。中国大使も,共同開発の合意さへ無理な状態かも知れない,と悲観論である。しかし中国は,いつでも南沙諸島を領有を主張するだけの海軍力を増強しているし,海南島方向から,深海ボーリングの準備を進めている。フィリッピンの領有権を認めて,商業的な共同開発合意,など無理ですかね。
昨日は,中国の湖錦濤主席が地球温暖化で画期的な提案を行う,と言うので,国際社会が緊張していたが,今朝の日本の新聞は鳩山演説で埋めつくされ,朝日新聞などは,湖錦濤演説は僅か2行だった。炭素強度を指標として削減に努める,としたが具体的な目標がなかったことが,今朝の結果である。アルゴア氏は,中国が舞台に上がっただけで画期的な出来事,と評している。
炭素強度,GDP当たりの温暖化ガス排出量,と考えてもう一度数字を並べると,GDP1兆ドル当たり,世界全体は3.79億トン,米国が3.93億トン,日本が2.44億トン,ドイツが2.13億トン,中国が6.31億トン,インドが8.93億トンとなる。この計算で行くと,日本で1,000円の弁当を食べると,24キログラムの炭酸ガスがポッと出るが,中国で同じ1,000円の弁当を食べると,63キログラムの炭酸ガスが出ることになる。
フィリッピンのサンロケ水力などのIPPA入札に,東京電力,丸紅などのTEAMが参入する。このIPPAは,NPCの電気引き取りの肩代わりの他に,2025年頃にBOT期間が終了しての発電所の引き取りも,そのIPPA落札者の権利となる。ここでちょっと考えてしまうのは,BOT,即ち,建設運営して,20年などの一定期間が経過した時点で,フィリッピン政府に所有権を移管する,という趣旨である。
なかなか資金が集まらない東南アジア諸国の電源開発で,それらの国を助けるため,当初20年間は民間企業,IPP企業が運営して,その後当該政府に移管して,その国の電源整備に資する,というのがBOT方式の本来の意味であった。ところが,フィリッピンのIPPA制度では,IPP企業の設備を他の民間企業が引き取る,という,一見,不思議な帰結になっている。関電のBOTを東電が引き取る,何かおかしくない?
今日の主なテーマー
●090923B Philippines, ap.mysinchewフィリッピンの南沙諸島で中国は策なく共同開発すべしChina no solution in sight to Spratlys disputehttp://my.reset.jp/adachihayao/index090923B.htmhttp://ap.mysinchew.com/node/29487?tid=78 ●090923G China, forbes中国の湖錦濤主席が炭素強度で2020年までに対GDP目標達成へChina's Hu vows to cut carbon output per GDP by 2020http://my.reset.jp/adachihayao/index090923G.htmhttp://www.forbes.com/feeds/reuters/2009/09/22/2009-09-22T185435Z_01_N22195458_RTRIDST_0_NS-CLIMATE-CHINA-UPDATE-3-PIX-TV.html
今日の他の世界のエネルギー関連ニュース
○090923A Coal, in.reuters石炭価格でアジアの基準であるオーストラリア炭70ドルにAsia Coal-Prices tops $70 as traders seek bargainshttp://in.reuters.com/article/domesticNews/idINSYD50868020090922 ○090923C India, ptinewsインドのNTPCがリライアンスと4.2ドルでガス供給NTPC may sign deal with RIL this week for natural gashttp://www.ptinews.com/news/294327_NTPC-may-sign-deal-with-RIL-for-natural-gas-at-USD-4-20-mmBtu○090923D China, reuters中国の水力の価格を石炭火力と同じとする実験開始China to lift hydropower feed-in price in pilot planhttp://www.reuters.com/article/rbssIndustryMaterialsUtilitiesNews/idUSPEK24910020090922 ○090923E China, news.xinhuanet中国が気候変動で途上国支援策を発表China issues six measures to assist developing countries http://news.xinhuanet.com/english/2009-09/22/content_12097326.htm○090923F Philippines, bworldonlineフィリッピンのサンロケ水力などのIPPA入札に東電丸紅など参入Listed holding company to join Aboitiz Power, TeaM Energy in bid for hydropower contractshttp://www.bworldonline.com/BW092309/content.php?id=045 ○090923H Ethiopia, goodnewsethiopiaエチオピアのEEPCが中国企業とゲネールダワ・ダムなど協定EEPCo signs accord with Chinese companies to build power projectshttp://www.goodnewsethiopia.com/2009/09/22/eepco-signs-accord-with-chinese-companies-to-build-power-projects/
今日の日本語エネルギー関連ニュース
○民主党の温暖化対策に内外から逆風,産業界の合意形成難航もhttp://www.nikkei.co.jp/news/main/20090923AT3S2200S22092009.html○鳩山外交スタート,「対中接近」潜む危うさ,米国に懸念もhttp://www.nikkei.co.jp/news/main/20090923AT3S2201422092009.html○国連事務総長が,「鳩山演説は新たな息吹」,とhttp://sankei.jp.msn.com/world/europe/090923/erp0909231006002-n1.htm○ADBが2009年のタイのGDP成長率予測を引き下げ,マイナス3.2%http://thai.news-agency.jp/articles/article/2733○中国の温室効果ガスの削減努力表明も数値目標なし http://www.cnn.co.jp/business/CNN200909230001.html○中国の原子力発電が大規模な発展期に入るhttp://www.xinhua.jp/socioeconomy/236603/
旅行用品の大型ショップ旅の雑貨店http://hb.afl.rakuten.co.jp/hsc/09ee30fe.7cd4d7ec.09ee30ff.03ee8b2a/

本文
●フィリッピンの南沙諸島で中国は策なく共同開発すべし
China sees no solution in sight to territorial disputes over potentially oil-rich South China Sea regions so it has begun to discuss possible joint projects with other claimant countries to avoid confrontations, a Chinese official said Tuesday.
一説には,2,000億バレルの原油が眠っているとも言われる南シナ海(注5)の南沙諸島(注6)は,その領有権を巡って,ブルネイ,中国,マレーシア,フィリッピン,台湾,ベトナムの,実に6カ国が争っている。2カ国でも難しい領有権の問題で,6カ国が争うのも,それも周辺海域の漁業権の問題だけではなく,原油ガスの探査,開発の権利が関係してくるからだ。太平洋戦争がなかったら日本もこの争いに参加しているだろう。
昨年,2008年に,フィリッピン国家石油PNOC(注9),中国国家海洋石油CNOOC(注10),ベトナム国家石油VOGC(注11)が合同で物理探査を実施したが,フィリッピンの憲法裁判所が,中国,ベトナムと他国と共同でフィリッピン領と称する地域を調査したことは,憲法違反である,現在審議中である。このような困難な中で,マニラ駐在の中国大使が発言した。
中国大使の発言。南沙諸島の領有問題は,とてもすぐに解決すると言うことは困難だろう,ロシアと中国の領有問題も50年以上がかかっている,エネルギーが大切なこの時期に,小異を捨てて,関係国で共同開発を目指すべきではないか,というのである。しかし,中国大使は,この共同開発さへ困難な状況だ,と認めている。共同開発を口にするさへ困難な状況で発言したこと自体,一歩前進とはとれないか。
(注)B (1) 090923B Philippines, ap.mysinchew,(2) title: China no solution in sight to Spratlys dispute,(3) ttp://ap.mysinchew.com/node/29487?tid=78,(4) MANILA, Philippines (AP),(5) South China Sea,(6) Spratlys,(7) Ambassador Liu Jianchao,(8) Association of Southeast Asian Nations,(9) Philippine National Oil Co.,(10) China National Offshore Oil Corp.,(11) Vietnam Oil and Gas Corp.,(12) By JIM GOMEZ/Associated Press Writer,(13) map spurce: http://www.japanfocus.org/data/schinasea.gif,(14) photo source: http://www.nansha.org.cn/books/2/the_nanshas_spratlys_disputes-backcover.jpg,(15)
今日の参考資料
●090923B Philippines, ap.mysinchewフィリッピンの南沙諸島で中国は策なく共同開発すべしChina no solution in sight to Spratlys disputehttp://my.reset.jp/adachihayao/index090923B.htmhttp://ap.mysinchew.com/node/29487?tid=78
最近の関連資料
●090902F Philippines, abs-cbnnewsフィリッピンのマランパヤ問題は他の油田開発に大きな影響'Malampaya case affects other oil fields, Spratlys claim'http://my.reset.jp/adachihayao/index090902F.htm○090902A Philippines, businessmirrorフィリッピンのパラワンのガスは州の外で州に権利はないNG Palawan has no share in gas dealhttp://businessmirror.com.ph/home/top-news/15452-ng-palawan-has-no-share-in-gas-deal.html ○090831A Philippines, newsbreakフィリッピン政府とマアランパヤ州の間で20年の100億ドルの収入配分で白熱Palace, Palawan face off over Malampaya’s $10 billion http://newsbreak.com.ph/index.php?option=com_content&task=view&id=6675&Itemid=88889066 ●090718F Philippines, businessmirrorフィリッピンのマランパヤ・ガス田もいよいよ限界になってきたMalampaya output tweakedhttp://my.reset.jp/adachihayao/index090718F.htm
●中国の湖錦濤主席が炭素強度で2020年までに対GDP目標達成へ
Hu makes China's first promise of measurable curbs,Blunts impact by giving no firm target number,China shows "impressive leadership" says Al Gore (Adds details, analysis). Chinese President Hu Jintao on Tuesday promised to put a "notable" brake on the country's rapidly rising carbon emissions, but dashed hopes he would unveil a hard target to kickstart stalled climate talks.
昨日から,中国が何か重大発表をやる,というので注意してみていた。今朝の日本の新聞は,大々的な鳩山首相の25%削減演説で埋めつくされていたが,その中で中国の湖錦濤主席の演説要旨は,ほんの一行だけだった。炭素強度,という言葉が事前に流れていたが,これは中国の自己の目標として行く,今は具体的な目標数値は出さない,と言うことで,まあ回りは,そんなものだろう,という感じである。
アルゴア氏(注5)は,この湖錦濤主席(注6)の演説を,重要視している,と発言している。それは今まで中国は,先進国が京都議定書の削減義務を遂行することが先決,と言う主張であったから,ここで中国が自ら削減目標を,数値はないが方法論を述べただけでも,中国が温暖化ガス削減の舞台に上ってきた,ことを意味するというのである。昨日も計算したが,炭素強度を,温暖化ガス排出量とGDPの関係で表すと次の通り。
世界の温暖化ガス排出量は230億トン,世界のGDP総額は60兆6900億ドルで1兆ドル稼ぐのに3.79億トンの排出となる。同じ計算をしてみると,米国が56.1億トン排出で14兆2646億ドルだから1兆ドル当たり3.93億トン,日本が12.0億トンで4兆9238億ドルだから1兆ドル当たり2.44億トン,ドイツが7.8億トンで3兆6675億ドルだから1兆ドル当たり2.13億トン,となる。
これに対して,中国は27.8億トン排出で4兆4016億ドルだから1兆ドル当たり6.31億トン,インドは10.8億トン排出で1兆2097億ドルだから1兆ドル当たり8.93億トンとなる。中国と日本を比べると,実に中国は2.6倍近い温暖化ガスを排出していることになる。これを炭素強度と定義するなら,中国は何を言いたいのだろう。日本と同じレベルになるまで,先進国は新興国を支援すべし,となるのだろうか。
(注)G (1) 090923G China, forbes,(2) title: China's Hu vows to cut carbon output per GDP by 2020,(3) ttp://www.forbes.com/feeds/reuters/2009/09/22/2009-09-22T185435Z_01_N22195458_RTRIDST_0_NS-CLIMATE-CHINA-UPDATE-3-PIX-TV.html,(4) By Paul Eckert and Claudia Parsons,UNITED NATIONS (Reuters),(5) Al Gore,(6) Chinese President Hu Jintao,(7) carbon intensity,(8) Yang Ailun of Greenpeace China,(9) Todd Stern, special envoy on climate change in the United States,(10) carbon trading scheme,(11)
今日の参考資料
●090923G China, forbes中国の湖錦濤主席が炭素強度で2020年までに対GDP目標達成へChina's Hu vows to cut carbon output per GDP by 2020http://my.reset.jp/adachihayao/index090923G.htmhttp://www.forbes.com/feeds/reuters/2009/09/22/2009-09-22T185435Z_01_N22195458_RTRIDST_0_NS-CLIMATE-CHINA-UPDATE-3-PIX-TV.html
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●090922G China, easybourse中国がこの気候変動会議で運輸,産業効率,再生可能などで画期的な提案の可能性China To Launch Impressive CO2 Policies -De Boerhttp://my.reset.jp/adachihayao/index090922G.htm○090826L Climate change,english.people中国は水資源もCOP15で交渉の範囲に入れるべきとWater should be included in the climate negotiations in Cop 15 http://english.people.com.cn/90001/90781/90879/6738854.html○090825O China, tradingmarkets中国の最大規模の太陽光発電所が着工CHINA'S LARGEST SOLAR POWER PLANT BEGINS CONSTRUCTION IN QINGHAIhttp://www.tradingmarkets.com/.site/news/Stock%20News/2491935/○090825P China, reuters中国のグリーンエネルギー政策と暗い空との矛盾The Great Paradox of China Green Energy and Black Skieshttp://www.reuters.com/article/mnCarbonEmissions/idUS37179272320090818

2009年9月21日月曜日

タイのEGATが2010年に停電の可能性

タイのEGATが2010年に停電の可能性
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm

タイの電力の70%は天然ガス依存で,そのうち25%はミャンマーのヤナダ・ガス田からのパイプラインによる輸入,またタイ湾の天然ガスの確認埋蔵量は少なく,枯渇が心配されている。先日から,パイプラインの故障が相次いで天然ガスの供給不足が起こり,EGATが心配している,天然ガスへの大きな依存が,実際に現象となって現れてきて,この状態が続けば,2010年に停電の可能性がある,とEGATを心配させている。

この機会に,タイの電力諸元を整理しておこう。タイの国土面積は,51.4万平方km,人口は,6,739万人,GDP総額は,2,730億ドル。電力設備は2008年末で,28,482MW,このうちEGATが,13,615MWで48%,IPPが,12,151MWで43%,SPP(小規模IPP)が,2,073MWで7%,輸入が,640MWで2%である。2009年7月までの6ヶ月間の発電実績で,天然ガス70%,リグナイト22%,水力5%,輸入他3%となっている。

ピーク需要は,2009年6月に起こっており,20,845MW,その6月のピーク値に対するロードファクターは84.4%である。タイが902MWを輸入することになっているラオスのナムトウン第2水力プロジェクトは,今年,2009年11月にも送電を開始する見込みで,大いに期待されているが,EGATによると,タイ東北部の需給バランスはこれでとれることになるが,肝心の西部及び南部の需要には耐えきれない,と心配している。

ガス火力が順当に動けば,KWh当たり2バーツ,約5.93セント相当,で供給できるが,石油火力を動かすと,KWh当たり3~5バーツ,約8.89~14.82セント相当,がかかり,ディーゼルを動かす羽目になると,8バーツ,約23.72セント相当,もかかってしまう。来年度,2010年度までとなっている政府の補助金が大きく積み重なってくる恐れがあり,基本価格に考えている原油価格がバレル40ドルに対して,現状70ドルも不安要因。

タイが経済の落ち込みで設備過剰と考えられてきたが,もうはや,来年,2010年の電力需給を心配しなければならないところまで来ているのか。関係者が常に心配してきたこと,それは過度の天然ガス依存である。EGATや政府は,石炭火力によるこの弊害の除去に努力してきたが,民意が受け入れない。今日のEGATの発言の中には,石炭火力や原子力への,国民の啓蒙の意味も含まれているのであろう。

先日も,ベトナムの原子力の担当者が,東南アジアでの原子力発電の導入は,ベトナムが先になるだろう,とし,タイも計画を進めているが,タイでは多くの国民が反対で大変だ,それに比べてベトナムは,地点も決定し,国民の90%が,原子力の導入に同意している,とタイの状況を述べていた。そのタイは,今日も,3000人規模の,タクシン派,反タクシンのデモがぶつかりあっている。

中国。中国の発改委の張国宝副首相が,水力の地元住民対策として,水力発電の卸売単価を上げることを検討中だ,という。現在の卸売単価は,個別の発電所の条件で異なるが,石炭火力がKWh当たり,0.4~0.5元,約4~5セント相当,であるのに対し,水力は低く,0.2~0.3元,約2~3セント相当,に抑えられている。昨年,2008年の水力設備は,170,000MW,発電量は,5,633億KWhであった。

今日の主たるテーマー

●090921A Thailand, Bangkok Post
タイのEGATは2010年以降に天然ガス不足で停電の可能性
Egat warns of more blackouts
http://my.reset.jp/adachihayao/index090921A.htm
http://www.bangkokpost.com/business/economics/24241/egat-warns-of-more-blackouts
●090921F China, chinadaily
中国が水力プロジェクトによる住民救済で卸売り価格を値上げ視野
China to hike wholesale hydropower electricity price
http://my.reset.jp/adachihayao/index090921F.htm
http://www.chinadaily.com.cn/china/2009-09/20/content_8713273.htm

その他の世界のエネルギー関連ニュース

○090921B Srilanka, dailynews
スリランカのCEBは今後毎年250~300百万ドルが電源に必要と
Energy sector needs $ 250m to 300m annually
http://www.dailynews.lk/2009/09/21/bus01.asp
○090921C Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンの地元企業がビサヤス系統に25億ペソの水力投入を計画
Oriental Energy lines up P2.5-B hydropower plant
http://www.mb.com.ph/articles/221481/oriental-energy-lines-p25b-hydropower-plant○090921D India, Economic Timesインドの国家アルミ企業が原子力導入など多様化を視野にNational Aluminium plans nuclear power planthttp://www.thaindian.com/newsportal/business/national-aluminium-plans-nuclear-power-plant_100249959.html ○090921E India, dnaindiaインドの国家石炭CILが世界の石炭鉱山の選別で強力な委員会を組織Coal India vets EoIs from 52 global firmshttp://www.dnaindia.com/money/report_coal-india-vets-eois-from-52-global-firms_1291838
今日の日本語エネルギー関連ニュース
○日本の鉄鋼輸出の中韓頼みは転換の必要へ,JFEや神鋼http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090921AT1D100BM20092009.html○9月22日の国連気候変動サミットでは新興国支援が焦点http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090921AT2M2000M20092009.html○古川和男博士のトリウムに関し「原発技術」の独占提供先を募集http://www.business-i.jp/news/for-page/chizai/200909210006o.nwc○温暖化の途上国支援を強化について「鳩山イニシアチブ」は自公枠組み拡充http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200909210030a.nwc○鳩山首相の「気候」演説は削減率より効率で貢献をすべきであるhttp://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090921/stt0909210327001-n1.htm
旅行用品の大型ショップ旅の雑貨店http://hb.afl.rakuten.co.jp/hsc/09ee30fe.7cd4d7ec.09ee30ff.03ee8b2a/

本文
●タイのEGATは2010年以降に天然ガス不足で停電の可能性
Thailand may face more frequent power blackouts next year as electricity demand rises with the economic recovery, says a senior executive of the Electricity Generating Authority of Thailand (Egat). A foreman from Italian-Thai Development Plc, one of the investors in Nam Theun 2 in Laos, inspects construction at the site, where new capacity will become available in November.
最近のニュースで,タイのガスパイプラインが故障頻発で,電力の70%を天然ガスに依存していることから,石油火力を稼働させたり,10億バーツの経費が嵩んでいるが,景気回復と共に,来年,2010年以降の電力需給に問題があり,停電も起こしかねない,とEGAT(注5)のスタット副総裁(注8)が心配している。タイへの供給,920MWのラオスのナムトウン第2水力(注7)は,今年,2009年11月にも運転開始する。
しかし,このナムトウン第2水力(注7)の電力は,タイの東北部の需要を満たすだけで,依然としてタイ西部及び南部は適切な新規電源がなく,苦慮している。天然ガスへの依存度が余りにも高いことが問題である。設備としては25%の余裕があるが,燃料供給を考えると,需給が危ない。停電の1日前,亜他は3日前での警戒警報を発令できるよう,計画中だという。東北部は2,000MWの供給力が出来て,需要と見合っている。
ガス火力が順当に動けば,KWh当たり2バーツ,約5.93セント相当,で供給できるが,石油火力を動かすと,KWh当たり3~5バーツ,約8.89~14.82セント相当,がかかり,ディーゼルを動かす羽目になると,8バーツ,約23.72セント相当,もかかってしまう。来年度,2010年度までとなっている政府の補助金が大きく積み重なってくる恐れがあり,基本価格に考えている原油価格がバレル40ドルに対して,現状70ドルも不安要因。
原油価格は,来年度,2010年度は更に上がって,バレル80ドルになることも予測され,現在の補助金積み重なり分の200億ドルが,補助金期限の2010年7月までには,300億バーツに達する恐れがある。
(注)A (1) 090921A Thailand, Bangkok Post,(2) title: Egat warns of more blackouts,(3) ttp://www.bangkokpost.com/business/economics/24241/egat-warns-of-more-blackouts,(4) Writer: YUTHANA PRAIWAN,Published: 21/09/2009 at 12:00 AM,(5) Electricity Generating Authority of Thailand (Egat),(6) Italian-Thai Development Plc,(7) 920MW Nam Theun 2 hydropower project,(8) Sutat Patmasiriwat, Egat's deputy governor for power generation,(9) fixed rate for the fuel tariff (Ft),(10)
今日の参考資料
●090921A Thailand, Bangkok PostタイのEGATは2010年以降に天然ガス不足で停電の可能性Egat warns of more blackoutshttp://my.reset.jp/adachihayao/index090921A.htmhttp://www.bangkokpost.com/business/economics/24241/egat-warns-of-more-blackouts
最近の関連資料
●090729C Thailand, nationmultimediaタイの金融危機でラオスのナムグム2水力が遅延Ch Karnchang delays its Lao unit's listinghttp://www.nationmultimedia.com/2009/07/27/business/business_30108379.php●090626C Thailand, Bangkok Postタイの国家石油PTTはミャンマーからのガス輸入に遅れPTT seeks M9 delivery delay http://my.reset.jp/adachihayao/index090626C.htm
●中国が水力プロジェクトによる住民救済で卸売り価格を値上げ視野
China would make pilot moves to raise hydropower electricity prices in a bid to subsidize residents who made way for the power projects, Zhang Guobao, vice minister of the National Development and Reform Commission, China's top economic planning agency, said over the weekend. "The commission is about to raise hydropower electricity prices to the same level as coal-fired power plants in a pilot move," Zhang was quoted as saying by the Caijing business magazine Saturday.
中国の電源設備は遂に8億KW,800,000MW,に達したが,2020年までに水力設備は3億KW,300,000MWにするとの計画である。現在の水力設備は,170,000MWである,10年間で76%増,の計算になる。果たして大丈夫か,というのは,最近の報道で水力建設の環境問題が大きく取り上げられ,各地で工事の中止が頻発している。地元住民への配慮,が浮かび上がってくる,日本が歩いて来た道である。
発改委の張国宝副首相(注5)が,水力の地元住民対策として,水力発電の卸売単価を上げることを検討中だ,という。現在の卸売単価は,個別の発電所の条件で異なるが,石炭火力がKWh当たり,0.4~0.5元,約4~5セント相当,であるのに対し,水力は低く,0.2~0.3元,約2~3セント相当,に抑えられている。昨年,2008年の水力設備は,170,000MW,発電量は,5,633億KWhであった。
これは,設備で全体の21.6%,発電量で,全体の16.4%である。1993年に始まって,今年,2009年6月末に完了した三峡ダムの移住民の数は,127万人に達している。張国宝副首相(注5)は,水力発電の卸売単価の改定について,まだどの地域からこの措置を開始するか,委員会の中で検討中である,と説明している。
(注)F (1) 090921F China, chinadaily,(2) title: China to hike wholesale hydropower electricity price,(3) ttp://www.chinadaily.com.cn/china/2009-09/20/content_8713273.htm,(4) (Xinhua),Updated: 2009-09-20 22:54,BEIJING,(5) Zhang Guobao, 張国宝,vice minister of the National Development and Reform Commission,(6) China Electricity Council,(7) photo source: http://cheeju.wordpress.com/2008/11/21/7-wonders-of-modern-engineering/,(8) map source: http://www.yangtzeriver.org/map/china-map.jpg,(9)
今日の参考資料
●090921F China, chinadaily中国が水力プロジェクトによる住民救済で卸売り価格を値上げ視野China to hike wholesale hydropower electricity pricehttp://my.reset.jp/adachihayao/index090921F.htmhttp://www.chinadaily.com.cn/china/2009-09/20/content_8713273.htm
最近の関連資料
○090920D China, news.xinhuanet中国の水力発電設備は2020年までに300,000MWに達するChina's installed capacity of hydropower to hit 300 mln kw in 2020 http://news.xinhuanet.com/english/2009-09/19/content_12081458.htm○090913G China, english.cctv中国の三峡ダムは長江開発のシンボルの世界の注目Three Gorges performanehttp://english.cctv.com/program/newshour/20090912/103168.shtml○090825Q China, reuters中国の発電設備は遂に8億kWに達したChina's power generating capacity tops 800 GWhttp://www.reuters.com/article/GCA-GreenBusiness/idUSTRE57F08J20090816●090806C China, chinacsr.中国の金沙江のダムでNGOが初めて環境省へ抗議MEP Accused Of Illegal Environmental Behaviorhttp://my.reset.jp/adachihayao/index090806C.htm●090722A China, redorbit中国四川省の長江上流の渓洛渡ダムで工事を急いで危険な状態にChina’s Xiluodu Dam Faces Problems With New Audit Reporthttp://my.reset.jp/adachihayao/index090722A.htm●090717C China, english.people.com中国貴州省の3,000MWゴウピタン水力が運転開始Biggest hydro-power station in Guizhou starts trial runhttp://my.reset.jp/adachihayao/index090717C.htm

2009年9月19日土曜日

インドの石炭確認埋蔵量は2,574億トン

インドの石炭確認埋蔵量は2,574億トン
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm

日本の駐米大使が記者会見して,鳩山首相の国連総会演説に世界が注目している,それは,2020年までに1995年レベルで温暖化ガス25%削減,をどう説明するのか,に関心,としている。今朝のテレビで,直島経産相が,25%削減は中国と米国を土俵に上げるための作戦,と話している。もう少し,鳩山首相の演説が終わるまで言うのを待ってあげればよいのに。原子力発電所は温暖化のためだけではないが,増設は必至。

社民党は,この鳩山首相の25%削減に,諸手をあげて賛成だが,それを実現するためには,原子力発電所の増設が必須だ,と説明されて,福島党首は目を白黒させているのではないか。とにかく,この1,2年で原子力発電所の稼働率を90%近くまで上げてから,原子力発電所の拡充にかかる必要がある,火力発電所の新規原子力発電所による置き換え,ぐらいな気持ちで電力会社は計画を進める必要がある。

さて,インドの石炭については,最近大いに関心を持っている。世界の石炭確認埋蔵量を1兆トン,と読んでおこう。インドは世界第4位の確認埋蔵量を持っていて,今日の記事では,2,574億トンである。石炭王国のインドがどうして海外の石炭に手を出さねばならないのか,疑問を呈していた。インドの石炭は灰分を多く含んで質が悪く,製鉄などの原料炭に問題があり,海外に手を伸ばさざるを得ない現状を,最近勉強した。

インドの電力,製鉄,セメントなどは大きく石炭に依存しており,近い将来での他の燃料への転換は困難である。一方,炭坑は困難を極めていて環境への影響も大きい。2008年の石炭生産量,4億5,640万トンの83%は,原料炭にはならない。石炭消費量は,電力が77%,製鉄が4%,セメントが3%であった。この5年間,電力は年率6.70%の使用増,セメントは4.03%増,に対して,製鉄は,年率2.03%の減となっている。

将来について,政府の改革委員会によると,2012年末の時点で,発電用石炭は1億トンの不足が予想されている。この対策として,外資の投入,海外炭坑の開発,民間企業による炭坑開発,手続きの簡素化,技術革新,などを目指している。石炭輸送の改善も重要で,鉄道,港湾の改良も視野に入っている。港での待ち時間は,発電用で4.12日,原料炭で4.89日が,2007年の実績である。

かなりインドの石炭事情が分かってきたが,日本の資料は少し古いから,NEDOなど,もっと更新の期間を狭くする必要があると思う,石炭事情は,まさに時間で変化している。中国に比べて,インドの炭坑事故は余り聞いたことがない。もっとも生産量が,中国の年25億トンに比べて,インドは4億トンだから,と言うこともあろう,しかし,インドは露天掘りが多いことも事実だろう。


今日の主たるテーマー

●090918I India, prminds
インドの石炭需要はこの2年間に7.58%伸びる
Indian Coal Industry
http://my.reset.jp/adachihayao/index090918I.htm
http://www.prminds.com/pressrelease.php?id=10317
●090919D Japan, japantimes
日本の新しい温暖化対策には原子力開発が欠かせない
Nuke power gets another look, but concerns persist
http://my.reset.jp/adachihayao/index090919D.htm
http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/nn20090919f2.html


その他世界の今日のエネルギー関連ニュース

○090919A Vietnam, english.vietnamnet
ベトナムの再生可能エネルギー開発にADBが151百万ドルを供与
ADB loans VN US$151 million to develop renewable energy
http://english.vietnamnet.vn/politics/2009/09/869320/
○090919B Vietnam, vietnamnews
ベトナムの雑誌に特集号でこの10年は供給力確保が緊急課題と
Outlook looks into energy security
http://vietnamnews.vnagency.com.vn/showarticle.php?num=05SOC180909
○090919C Thailand, Bangkok Post
タイでエネルギー博覧会が10月に開かれ投資への意欲を盛り上げる
Expo for the whole continent offers Thai investors a chance to glimpse the future of the country's energy supply options
http://www.bangkokpost.com/business/economics/24136/asia-powers-up
○090919E Pakistan, dailytimes
パキスタンは北西辺境州の2800MWのパタン水力の調査を行う
Govt seeks finances for 2,800MW Patan hydropower project
http://www.dailytimes.com.pk/default.asp?page=2009%5C09%5C19%5Cstory_19-9-2009_pg5_1
○090919F Indonesia, reuters
インドネシアのボンタンLNGの生産は2010年にガス枯渇から落ちてくる
Lower 2010 LNG output seen from Indonesia's Bontang
http://www.reuters.com/article/rbssEnergyNews/idUSJAK43642020090918
○090919G Africa, herald
南アフリカ連合SADCは450MWのインガ第3水力を開発すべきと
Inga III is a Westcor project ? DRC
http://www.herald.co.zw/inside.aspx?sectid=10270&cat=8


今日の日本語エネルギー関連ニュース

鳩山首相が9月22日の国連気候変動サミットの開会式で演説へ
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090919AT2M1900N19092009.html
インドネシアのバリ島近くでM6.4の地震,少なくとも7人負傷と
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200909190007.html
小沢環境相が9月22日の国連気候変動ハイレベル会合などに出席へ
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090919k0000m010030000c.html
中国の外交部が鳩山政権の東アジア共同体構想に好意的コメント
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=35483&type=1
柏崎刈羽原発の7号機で新潟県知事が停止要請,県民への配慮強調
http://mainichi.jp/area/niigata/news/20090919ddlk15040119000c.html

旅行用品の大型ショップ旅の雑貨店
http://hb.afl.rakuten.co.jp/hsc/09ee30fe.7cd4d7ec.09ee30ff.03ee8b2a/



本文

●インドの石炭需要はこの2年間に758%伸びる

Aarkstore announce a new report "Indian Coal Industry" through its vast collection of market reserach report. Coal demand to grow at a CAGR of 7.58% in the next two years India is the third-largest producer and consumer of coal in the world. With proven reserves of 257.38 billion (Bn) tonnes, coal is one of the most abundant sources of energy in the country. In 2007, coal accounted for 51 percent of the primary energy consumed in the country.

インドの石炭について,コンサルタント(注4)がレポートを書いている。最近,インドが南アフリカやインドネシアの石炭に対して積極的な行動を起こし,アジアの石炭分野で話題になっているが,石炭王国のインドがどうして海外の石炭に手を出さねばならないのか,疑問を呈していた。インドの石炭は灰分を多く含んで質が悪く,製鉄などの原料炭に問題があり,海外に手を伸ばさざるを得ない現状を,最近勉強した。

まず,石炭需要はこの先2年間で,年率7.58%の伸びが予測されている。インドの石炭の確認埋蔵量は世界の約1兆トンに対して,2,573.8億トンで世界第4位,2007年実績で一次エネルギーの51%を石炭に頼っている。インドの石炭は強く政府の管理下にあり,政府所有の2社,インド国家石炭CIL(注6)とSCC(注7)の2社で,全体の92%を扱っている。

電力,製鉄,セメントなどは大きく石炭に依存しており,近い将来での他の燃料への転換は困難である。一方,炭坑は困難を極めていて環境への影響も大きい。2008年の石炭生産量,4億5,640万トンの83%は,原料炭にはならない。石炭消費量は,電力が77%,製鉄が4%,セメントが3%であった。この5年間,電力は年率670%の使用増,セメントは403%増,に対して,製鉄は,年率2.03%の減となっている。

2007年に制定された石炭供給方針では,電力,肥料,軍隊,鉄道については,価格は既定である。2008年の石炭輸入量は,5,000万トンであるが,その57%は原料炭である。原料炭は主としてオーストラリアから,電力用石炭はインドネシアからの輸入である。また,少量だが,ネパール,バングラデシュ,ブータンには,輸出している。

将来について,改革委員会(注9)によると,2012年末の時点で,発電用石炭は1億トンの不足が予想されている。この対策として,外資の投入,海外炭坑の開発,民間企業による炭坑開発,手続きの簡素化,技術革新,などを目指している。石炭輸送の改善も重要で,鉄道,港湾の改良も視野に入っている。港での待ち時間は,発電用で4.12日,原料炭で4.89日が,2007年の実績である。

(注)I (1) 090918I India, prminds,(2) title: Indian Coal Industry,(3) http://www.prminds.com/pressrelease.php?id=10317,(4) Aarkstore,(5) CAGR,年複利成長率,(6) Coal India Limited (CIL),(7) Singareni Collieries Company Limited (SCCL),(8) Fuel Supply Agreements (FSAs) ,(9) Expert Committee on Road Map for Coal Sector Reforms,(10) http://www.aarkstore.com/reports/Indian-Coal-Industry-17094.html,(11) photo source: www.savcl.com/operation.php,(12) map source: http://map.infomine.com/map.asp?open_section=PROP,WORL&cmd=MAP&location_id=,(13)

今日の参考資料

●090918I India, prminds
インドの石炭需要はこの2年間に758%伸びる
Indian Coal Industry
http://my.reset.jp/adachihayao/index090918I.htm
http://www.prminds.com/pressrelease.php?id=10317

最近の関連資料

●090913E India, Economic Times
インドでの石炭への盛り上がりは温暖化の中でどうなっているか
Investment in coal suddenly becomes hot favourite
http://my.reset.jp/adachihayao/index090913E.htm
●090913F India, steelguru
インドは南アフリカの石炭の最大の購入国へ130万トン
India buys 1.3 million tonnes of SA thermal coal in August
http://my.reset.jp/adachihayao/index090913F.htm
●090910K India, bloomberg
インドのNTPCがインドネシア炭坑開発でコンサルタントを指名
NTPC Hires Macquarie for Indonesia Coal Mine Purchase
http://my.reset.jp/adachihayao/index090910K.htm
●090910L India, tradingmarkets
インドに対してインドネシアが石炭年1600万トン供給合意
INDIA TO IMPORT MORE COAL FROM INDONESIA
http://my.reset.jp/adachihayao/index090910L.htm
●090910L India, tradingmarkets
インドに対してインドネシアが石炭年1600万トン供給合意
INDIA TO IMPORT MORE COAL FROM INDONESIA
http://my.reset.jp/adachihayao/index090910L.htm
○090723E India, indopia
インドの電力不足の中で石炭不足から発電出来ない火力も
Loss in power generation due to drying up of coal stocks
http://www.indopia.in/India-usa-uk-news/latest-news/624723/MadhyaPradesh/4/20/4
○090715E India, business-standard
インドの石炭大臣が石炭価格の値上げで首相に申請
Ministry to seek PM's support to raise coal prices
http://www.business-standard.com/india/news/ministry-to-seek-pm%5Cs-support-to-raise-coal-prices/67644/on


●日本の新しい温暖化対策には原子力開発が欠かせない

With Prime Minister Yukio Hatoyama having set a more ambitious emissions reduction target than that pledged by former rival Taro Aso, nuclear power is emerging as one of the most effective potential solutions.

鳩山首相の国連総会での演説に注目が集まっている,それは,2020年までに温暖化ガス1990年レベルで25%削減,の方針決定を受けて,鳩山首相がどの様な方策を説明するか,と日本大使が会見している。一方で,直島経産相は今朝のテレビで,米国と中国を引っ張り込むための方策だ,と明言,もう少し鳩山さんの演説が終わるまで,待てばよいのに。

鳩山さんが25%削減を打ち出して,そうだそうだ,と手を叩いていた社民党は,その方策が原子力発電所の増設しかない,と聞かされて,目を白黒させているかも知れない。今日の記事は,日本語では多く出回っているが,鳩山首相の訪米直前に,英文で世界に流されたところに意味がある。20%カットのシナリオでは,45%の電力を原子力発電で,14%を再生可能エネルギーで,と言われている。

(注)D (1) 090919D Japan, japantimes,(2) title: Nuke power gets another look, but concerns persist,(3) ttp://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/nn20090919f2.html,(4) Saturday, Sept. 19, 2009,By SHINYA AJIMA,Kyodo News,(5) photo: Burning issue: Smoke rises from a burning electrical transformer near the Kashiwazaki-Kariwa Nuclear Power Station in Niigata Prefecture in July 2007 following a strong earthquake. AP PHOT,(6) Prime Minister Yukio Hatoyama,(7) Taro Aso,(8) radioactive toxic waste,(9) Democratic Party,DPJ,(10) cutting greenhouse gas emissions by 25 percent compared with 1990 levels by 2020,(11) Tokyo Electric Power Co.,(12) Kashiwazaki-Kariwa nuclear power station in Niigata Prefecture,(13) Ministry of Economy, Trade and Industry,(14) Tomoko Murakami, an analyst at the Institute of Energy Economics Japan,(15) Takao Shiino, counselor at Nomura Research Institute,(16) Shinichi Ichikawa, chief market strategist at Credit Suisse in Japan,(17) Mihama nuclear plant,photo source: http://www.watanabemasashi.jp/monnjyu.gif,(18) map source: http://www.nucleartourist.com/world/japan.jpg,(19)

今日の参考資料

●090919D Japan, japantimes
日本の新しい温暖化対策には原子力開発が欠かせない
Nuke power gets another look, but concerns persist
http://my.reset.jp/adachihayao/index090919D.htm
http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/nn20090919f2.html

最近の関連資料

●090912H Japan, home.kyodo
日本の新しい温暖化ガス削減目標で決め手は原子力発電
Nuke power emerging as attractive option for emissions goal, but concerns persist
http://my.reset.jp/adachihayao/index090912H.htm

2009年9月18日金曜日

ベトナムの原子力は日本と協力の可能性

ベトナムの原子力は日本と協力の可能性
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm

ベトナムの原子力は日本と協力の可能性,と言って良いのかどうか,ベトナム紙は好意的な記事になっている。先日,2009年9月16日にハノイで開かれた原子力セミナーには,経済産業省の原子力国際協力推進室長が日本の代表として臨んだようだ。このセミナーを終えて,先方,ベトナム産業通商省のエネルギー局長が,原子力については,安全第一,軽水炉に多くの経験を持つ日本の支援が望ましい,と発言している。

日本の報道は,ちらっとテレビで拝見したが,どこからもまだ発表はないようだ。ベトナムの問題は資金問題にある。最初の計画に60億ドルが必要と言われており,この資金調達を支援してくれそうな国,フランス,韓国,ロシア,米国,などとも接触する中での今回の日本との合同セミナーであった。日本側からは,制裁解除後,300人に上るベトナムのエネルギー関係研修生が日本に送られている,と言う事実を強調している。

ベトナム側も,エネルギー関係への日本の支援は長い経緯があり,ベトナムとしても日本の支援を望む,と言う気持ちが表れている。ベトナムの計画の基本は,2050年までに電力設備の15~20%を原子力で賄う方針で,そのために,2020~2040年にかけて8,000MW,更に,2024~2030年には,1,000MW4基を建設する。EVNは,最初の原子力地点として,南部海岸の,ニン・トウアン県のフオック・ディン村を想定している。

ベトナム紙は,この原子力開発計画が順調に行けば,東南アジアではフィリッピンに続く2番目の原子力発電所になる,タイでも2020年を目処に調査を続けているが,タイは社会的な反対論が多く困難で,それに比べれば,ベトナムの場合は,90%の国民が原子力開発を支援している,と言っている。ベトナムの国民はそう言うところがあり,50万ボルト送電線の時も,国を挙げて国民が協力した実績がある。

ラオス,ミャンマー,カンボジアと中国の勢力が増大する中,ベトナムは中国に対して,ある一定の距離を保っている。中国の豊富な資金源が使えないのは残念であるが,ベトナムはそれだけ日本への傾倒を深めている。日本のODAの橋が事故で落ちたとき,亡くなった青年の父親がテレビに出て,いいから息子の屍を乗り越えて,早く橋を完成して自分を対岸に渡してくれ,と言っていた,泣けてきたですね。

太平洋戦争中にも,日本軍に食糧を強制調達されて餓死者が多く出たと聞いているが,ベトナム側はこれを絶対に日本人に対して言わない。今,ベトナムは,日本を中心に,インドや米国などとの連携を模索している。中国への心理的な問題があるのだろうが,先日の記事では,もし日本やインドが仲良くしてくれるなら,今の共産党独裁体制を変えてもよい,とまで言っている。

今日は取り上げたい記事が他にもあった。カンボジアとタイの海域紛争地区で,シェブロンと三井石油開発が試掘権を視野に入れている。フンセン政権の汚職体質に懸念を表明した記事があった。中国は南シナ海で深海ドリリングに挑戦するという,南沙諸島への準備か。インドの石炭に関する総括的な記事があり,今日は解説する時間がないが,明日までには勉強しておきたい。


今日のテーマー

●090918A Vietnam, english.vovnews
ベトナムは日本の原子力技術を採用することになるだろう
Vietnam likely to select Japan’s nuclear power technology
http://my.reset.jp/adachihayao/index090918A.htm
http://english.vovnews.vn/Home/Vietnam-likely-to-select-Japans-nuclear-power-technology/20099/107922.vov
●090918B Vietnam, vietnamnews
ベトナムは原子力発電所建設に向かって熟考中
Nation mulls plan to build nuclear power plants
http://my.reset.jp/adachihayao/index090918B.htm
http://vietnamnews.vnagency.com.vn/showarticle.php?num=01IND170909
●090918L Cambodia, petroleumworld
カンボジアの海域でシェブロンと三井が試掘権を視野に
Chevron, Mitsui seek oil exploration rights from Cambodia
http://my.reset.jp/adachihayao/index090918L.htm
http://www.petroleumworld.com/story09091704.htm


その他世界のエネルギー関連資料

○090918C Srilanka, economictimes.indiatimes
スリランカでインドのNTPCが1,000MW石炭火力建設へ
NTPC to sign agreement for 1,000 MW coal power plant in Lanka
http://economictimes.indiatimes.com/news/news-by-industry/energy/power/NTPC-to-sign-agreement-for-1000-MW-coal-power-plant-in-Lanka/articleshow/5022507.cms
○090918D Ecuador, chinadaily
エクアドルの20億ドル水力プロジェクトをシノハイドロが請け負う
Sinohydro bags Ecuador deal
http://www.chinadaily.com.cn/bizchina/2009-09/17/content_8701505.htm
○090918E India, thehindubusinessline
インドのNTPCが2017年までに30,000MWの倍に
NTPC to expand power generation capacity
http://www.thehindubusinessline.com/businessline/blnus/02171191.htm
○090918F India, india-server
インドのヒマチャル州政府が小水力のための基金創設へ
Himachal Pradesh To Explore Hydropower Fund Creation
http://www.india-server.com/news/himachal-pradesh-to-explore-hydropower-12544.html
○090918G India, pib.nic
インドの規制委員会CERCがグリーン電力に向かって新しい料金制度
CERC notifies tariff regulations for green power
http://pib.nic.in/release/release.asp?relid=52706
○090918H Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのクリーン技術開発のため世界銀行が3億ドル支援
WB offering Indonesia $300 million for clean technology
http://www.thejakartapost.com/news/2009/09/17/wb-offering-indonesia-300-million-clean-technology.html
○090918I India, prminds
インドの石炭需要はこの2年間に758%伸びる
Indian Coal Industry
http://www.prminds.com/pressrelease.php?id=10317
○090918J China, upstreamonline
中国のCNOOCが南シナ海で深海ドリリングを計画
CNOOC plans deep-water wells
http://www.upstreamonline.com/live/article188976.ece
○090918K China, industrialinfo
中国のCPICがIGCCガス発電所1,600MWへ投資
China Power Investment to Build 4x400-Megawatt IGCC Project in Jiangsu
http://www.industrialinfo.com/showAbstract.jsp?newsitemID=150267


今日の日本語エネルギー関連資料

○国連事務総長が鳩山首相の温暖化ガス削減目標を評価,「よい手本」と
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090918AT2M1800P18092009.html
○温暖化対策で主要経済国フォーラムMEF開催,削減目標など議論
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090918AT2M1800L18092009.html
○前原誠司国交相,全国143ダム見直し,「住民参加の視点で」
http://www.47news.jp/CN/200909/CN2009091801000344.html
○米副大統領がイラク油田2次入札で外資応札しやすい条件求める
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090918AT2M1800C18092009.html
○主要国の温暖化会議開幕,新枠組み交渉の打開策探る
http://www.47news.jp/CN/200909/CN2009091801000141.html

旅行用品の大型ショップ旅の雑貨店
http://hb.afl.rakuten.co.jp/hsc/09ee30fe.7cd4d7ec.09ee30ff.03ee8b2a/


本文

●ベトナムは日本の原子力技術を採用することになるだろう

Japan is the likeliest candidate to providie Vietnam with technology for its first nuclear power plant, said the head of the Energy Department under the Ministry of Industry and Trade.

日本の原子力委員会の資料の中に,平成20年6月に,経済産業省の副大臣が,ベトナムとの原子力協力について覚書を交わした文書がある。昨日か,テレビで日本とベトナムの原子力セミナーを報じていたが,今のところ,日本側からの報道はない。ベトナム側から,ベトナムは日本の原子力技術に信頼を置いており,ベトナムの原子力開発について,技術と資金の支援を日本に要請する可能性が高い,と報じた。

ベトナムの産業通商省エネルギー局(注4)のタ・バン・フオン局長(注5)が語った内容である。タ・バン・フオン局長(注5)は,世界でもっとも普及している軽水炉(注6)について,日本は技術的に主導の立場にあり,また日本とベトナムは,エネルギー協力に関して一定の歴史を持っている,ベトナムとしては安全が最大の優先事項であると。2009年10月にもベトナム国会に計画を提案するが,4,000MWの規模を考えていると。

(注)A (1) 090918A Vietnam, english.vovnews,(2) title: Vietnam likely to select Japan’s nuclear power technology,(3) http://english.vovnews.vn/Home/Vietnam-likely-to-select-Japans-nuclear-power-technology/20099/107922.vov,(4) Energy Department under the Ministry of Industry and Trade,(5) Ta Van Huong,(6) light water reactors,(7)

今日の参考資料

●090918A Vietnam, english.vovnews
ベトナムは日本の原子力技術を採用することになるだろう
Vietnam likely to select Japan’s nuclear power technology
http://my.reset.jp/adachihayao/index090918A.htm
http://english.vovnews.vn/Home/Vietnam-likely-to-select-Japans-nuclear-power-technology/20099/107922.vov

最近の関連資料

○090826A Vietnam, thanhniennews
ベトナムの原子力発電所は1,000MWで2020年
Vietnam to have first nuclear power plant by 2020: official
http://www.thanhniennews.com/education/?catid=4&newsid=52046
●090807A Vietnam, in.reuters
ベトナムは2020年までに系統の10%を原子力で賄う
INTERVIEW - Nuclear energy to power 10 pct of Vietnam by 2030
http://my.reset.jp/adachihayao/index090807A.htm
●090225A Vietnam, english.vietnamnet
ベトナムの原子力開発は4月にも国会へ上程へ
Nuclear power project to be submitted to NA in April
http://my.reset.jp/adachihayao/index090225A.htm


●ベトナムは原子力発電所建設に向かって熟考中

Viet Nam has expanded a national plan to build nuclear power plants over the next 20 years. Prime Minister Nguyen Tan Dung has approved a goal to generate 15-20 per cent of the country’s total power output from nuclear power by 2050, and the Law on Atomic Energy took effect on January 1 of this year, creating a legal framework for the plan.

2009年9月16日,日本側は経済産業省の原子力国際協力推進室長を団長とする調査団が,ハノイでセミナーを行った。ベトナム側の報道である。まず,ベトナムの原子力開発計画については,グエン・タン・ドウン首相の決裁で,2050年までに系統の15~20%を原子力で供給すること,原子力法(注6)が2009年に効力を発している。

日本の原子力発電について,最初の1966年7月の原子力発電開始から,既に現在では53基,47,935MWが稼働し,更に53基が工事中と報じている。ベトナムの計画は,2020~2040年にかけて,8,000MWを稼働する計画だ。更に,2024~2030年には,1,000MW4基を建設する。EVN(注10)は,最初の原子力地点として,南部海岸の,ニン・トウアン県のフオック・ディン村(注11)を想定している。

問題は最初の原子力発電所建設に要する60億ドルの資金調達で,EVN(注10)は現在,日本,フランス,韓国,ロシア,米国などと接触している。ベトナムは東南アジアでフィリッピンに続いて2番目の原子力開発国となる。現在,タイも2020年に投入すべく調査を行っているが,社会の反対が激しい,その点ベトナムは,90%の国民が原子力開発を指示していると。

(注)B (1) 090918B Vietnam, vietnamnews,(2) title: Nation mulls plan to build nuclear power plants,(3) http://vietnamnews.vnagency.com.vn/showarticle.php?num=01IND170909,(4) HA NOI,(5) Prime Minister Nguyen Tan Dung,(6) Law on Atomic Energy,(7) Ta Van Huong, director of the Ministry of Industry and Trade’s Energy Institute,(8) Yahagi Tomoyoshi from Japan’s Ministry of Economy, Trade and Industry,原子力国際協力推進室長,(9) 4-per-cent low-enriched uranium,(10) Electricity of Viet Nam (EVN),(11) Ninh Thuan Province’s Phuoc Dinh Village,(12) photo source: english.vietnamnet.vn/tech/2008/06/790423/,(13) map source: http://www.vietnamtravels.vn/Vietnam-travel-information/Vietnam_files/Ninh-Thuan-map.jpg,(14)

今日の参考資料

●090918B Vietnam, vietnamnews
ベトナムは原子力発電所建設に向かって熟考中
Nation mulls plan to build nuclear power plants
http://my.reset.jp/adachihayao/index090918B.htm
http://vietnamnews.vnagency.com.vn/showarticle.php?num=01IND170909

最近の関連資料

○090826A Vietnam, thanhniennews
ベトナムの原子力発電所は1,000MWで2020年
Vietnam to have first nuclear power plant by 2020: official
http://www.thanhniennews.com/education/?catid=4&newsid=52046
●090807A Vietnam, in.reuters
ベトナムは2020年までに系統の10%を原子力で賄う
INTERVIEW - Nuclear energy to power 10 pct of Vietnam by 2030
http://my.reset.jp/adachihayao/index090807A.htm
●090225A Vietnam, english.vietnamnet
ベトナムの原子力開発は4月にも国会へ上程へ
Nuclear power project to be submitted to NA in April
http://my.reset.jp/adachihayao/index090225A.htm


●カンボジアの海域でシェブロンと三井が試掘権を視野に

US energy giant Chevron and Japan's Mitsui Oil Exploration Company are seeking exploration rights in a maritime area that is disputed between Cambodia and Thailand, a Cambodian official said Wednesday. Officials from both companies told Cambodian Prime Minister Hun Sen in meetings on Tuesday that they had submitted their applications for bids to the Cambodian National Petroleum Authority, a spokesman for the premier said.

カンボジアとタイの間で,タイ湾の原油ガス探査で領域確定が出来ていない領域がある。それを前提に,カンボジア政府が行動を取った。シェブロン(注5)と日本の三井石油開発(注6)が,カンボジア政府に対する探査の権益を求めていることに関し,フンセン首相(注7)が,カンボジア国家石油庁CNPA(注8)に,必要な入札の手続きを指示した,と発表された。タイ政府は既に,2001年に二つの企業に探査の権利を与えている。

タイとカンボジアの協議は,1995年に始められて,紛争地域内での成果を,カンボジアは50対50で提案したが,タイがより多くを求めて,交渉は中断している。2005年にこの地域でシェブロン(注5)が原油を発見して以来,推定数億バレルの原油とその3倍の天然ガスについて,カンボジアは大いに盛り上がってきた。しかし,量的には不確定で,カンボジアの汚職体質が懸念されている。

(注)L (1) 090918L Cambodia, petroleumworld,(2) title: Chevron, Mitsui seek oil exploration rights from Cambodia,(3) http://www.petroleumworld.com/story09091704.htm,(4) PHNOM PENH,Petroleumworld.com, Sept 16, 2009,Story from AFP,AFP 09/16/2009 13:21,(5) Chevron,(6) Mitsui Oil Exploration Company,三井石油開発,(7) Cambodian Prime Minister Hun Sen,(8) Cambodian National Petroleum Authority,(9) spokesman Eang Sophalleth,(10) Gulf of Thailand,(11) disputed area map source: store.businessmonitor.com/article/275887/,(12) Cambodia off shore block map source: http://www.pgs.com/PDFTemp/PDF634168686.pdf,(13)

今日の参考資料

●090918L Cambodia, petroleumworld
カンボジアの海域でシェブロンと三井が試掘権を視野に
Chevron, Mitsui seek oil exploration rights from Cambodia
http://my.reset.jp/adachihayao/index090918L.htm
http://www.petroleumworld.com/story09091704.htm

最近の関連資料

●080829A Thailand, Bangkok Post
タイ湾のガス田問題,カンボジアの交渉行き詰まり
Thai-Cambodian oil talks stall
http://www.bangkokpost.net/290808_Business/29Aug2008_biz30.php

2009年9月17日木曜日

ベトナムの紅河デルタの石炭は2000億トン

ベトナムの紅河デルタの石炭は2000億トン
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm

ベトナムの紅河デルタの面積は,10,000平方kmだが,そのうちの3,500平方kmの面積の深さ1,200mの中に,約2,000億トンの石炭が埋もれている。大まかに言って世界の石炭可採埋蔵量は1兆トン,第4位の中国が約11%の約1,100億トン,石炭輸出でよく出てくるオーストラリアと南アフリカでそれぞれ約900億トン,インドネシアは600億トン,であるから,ベトナムの紅河デルタのポテンシャルは驚くべきものだ。

メコン河の流域面積は約80万平方km,それに対してベトナムのハノイに流れ込む紅河は,168,700平方kmである。しかしこの二つの大河の大きな違いは,メコン河がチベットの砂漠を源流としているのに対して,紅河は雲南省の深い森林を源流としている。大昔はどうなっていたのか分からないが,メコンデルタには石炭がなくて,紅河には無限の石炭が埋蔵している,宜なるかな,である。

最近,ベトナムが石炭で悩んでいることは,このサイトでも取り上げてきた。海外石炭に調査団を送るが,何処に行っても,中国とタイの調査団が先着していて有利に話を進めている。いずれも価格が高く,ベトナムは手を出せない,と言っている。良質で大きな石炭埋蔵量を持つベトナムが何を悩んでいるのだろうか。ベトナムの炭坑の分布を見ると,海岸寄りの山に張り付いた形で,デルタを避けて,偏っている。

ベトナムの現在の技術では,紅河デルタの石炭に手をつけることは難しく,生産は伸びない。ベトナムの石炭生産量は年間4,500~4,700万トンで,需要は,2,500~2,600万トンだから,2,000万トンは輸出に回せるが,2012年には,輸出を500万トンまで縮小する必要があるとしている。石炭需要が2015年になると,9,400万トンに跳ね上がる。石炭火力発電所だけで,6,700万トンを必要とする。

ところが,生産は,6,000万トンまでしか上がらない。更に,2020年になると,発電が1億5,000万トンで,全体では,1億8400万トンを必要としているのに,国内生産は,7,000万トンである。現状の炭坑開発では,どうしても将来の需要とのギャップが大きいが,海外の石炭は,ベトナムとしては高価で手が出ない。ベトナムの残された手だては,紅河デルタの石炭しかない,というわけである。

紅河デルタの石炭採掘がどれほど難しいか,素人でも分かる。ベトナムの建設省は,担当のベトコミンをアドバイスしているが,それは,水田には手をつけるな,分散開発をするな,デルタの基礎地盤に大きな影響を与えるな,気候変動問題との関連に留意せよ,などなど。一体,水田を潰さず,基礎地盤に影響を与えずに,どうして石炭を掘れと言うのか。そこで,丸紅と豪企業の石炭ガス化のアイディアが出てくるわけである。

丸紅のサイトを見ても,余り詳しいことは書いてない,契約が終了して,現在方法論を議論しているところだ,としている。豪企業にはノウハウがあるようであるが,オーストラリアの砂漠でガス化するのと,アジアの人口稠密な地域の一つである北ベトナムで,地下石炭ガス化に挑むのは,並大抵の苦労ではなかろう。40億ドル規模のプロジェクトと言うが,しかし,ガス化しか,石炭生産の方法はないだろう。

インドの話は飛ぶが,インド原子力公社NPCILと,GE-日立原子力エネルギーが,原子炉の供給について,2009年1月から協議を始めている,との米国からの情報である。NPCILの選択は,改良型沸騰水型原子炉ABWR,6基で,全部の出力は,9,000MWとなる大型の商談である。現在話し合われているのは,インド及び米国内の規制について,これをクリアするための協議が行われているという。


今日の主なテーマー

●090917B Vietnam, english.vietnamnet
ベトナム紅河デルタの石炭開発は包蔵も大きいがリスクもある
Exploring 210-billion-tonne coal basin: big potential, high risk
http://my.reset.jp/adachihayao/index090917B.htm
http://english.vietnamnet.vn/reports/2009/09/868786/
●090917E India, industrialinfo
インドの電力公社がGE日立に6原子力発電所9000MWを協議
India's NPCIL in Talks with GE-Hitachi Nuclear on Six Nuclear Reactors of 9,000 Megawatts
http://my.reset.jp/adachihayao/index090917E.htm
http://www.industrialinfo.com/showAbstract.jsp?newsitemID=150274
●090917G Indonesia, The Jakarta Post
インドネシア政府は民間企業にも電力供給を容認
Govt to allow private firms to export electricity
http://my.reset.jp/adachihayao/index090917G.htm
http://www.thejakartapost.com/news/2009/09/16/govt-allow-private-firms-export-electricity.html


その他の世界のエネルギー関連ニュース

○090917A Vietnam, nasdaq
ベトナムは北部のマオコエ石炭火力に中国輸銀ローン
Vietnam To Get China Eximbank's Loans For Shipyard, Pwr Projs
http://www.nasdaq.com/aspx/stock-market-news-story.aspx?storyid=200909160032dowjonesdjonline000006&title=vietnam-to-get-china-eximbanks-loans-for-shipyardpwr-projs
○090917C Pakistan, indiatoday.intoday
パキスタンのガスパイプラインから中国はインドを除く策
China may replace India in IPI pipeline project
http://indiatoday.intoday.in/site/Story/61956/LATEST%20NEWS/China+may+replace+India+in+IPI+pipeline+project.html
○090917D Laos, bernama
ラオスに対するマレーシア企業の投資はナムテン1水力など膨大
Vast Potential For Malaysian Investors In Laos
http://www.bernama.com/bernama/v5/newsbusiness.php?id=440817
○090917F India, industrialinfo
インドの電力セクターの資金不足は1020億ドル
Indian Power Sector Faces $102 Billion Shortage of Funds
http://www.industrialinfo.com/showAbstract.jsp?newsitemID=150196
○090917H Pakistan, thenews
パキスタンの競争入札が行われていない2,070億ルピー分は進めないと
Rs 207 billion project not awarded water ministry
http://www.thenews.com.pk/daily_detail.asp?id=198965


今日の日本語エネルギー関連ニュース

ベネズエラ大統領が中国と油田開発を行うと,3年間で約1.5兆円投資
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90003011&sid=aziLlg84_SD4&refer=jp_asia
豪ゴーゴンLNGで,投資比率最終決定,米エクソンモービル,シェブロン,シェル
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2009091700536
水素エネルギー社会の実現へ,産官学が総力で挑む福岡水素戦略リポート
http://eco.nikkeibp.co.jp/article/report/20090916/102200/
原発行政,社民党福島氏の見直し発言に,直嶋経産相「ノー」
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090917k0000e010019000c.htmlhttp://mainichi.jp/select/seiji/news/20090917k0000e010019000c.html

旅行用品の大型ショップ旅の雑貨店
http://hb.afl.rakuten.co.jp/hsc/09ee30fe.7cd4d7ec.09ee30ff.03ee8b2a/



本文

●ベトナム紅河デルタの石炭開発は包蔵も大きいがリスクもある

According to Vinacomin, Vietnam’s need for coal by 2010 will be 25-26 million tonnes. With a total output of 45-47 million tonnes, Vietnam will be able to export 20 million tonnes next year. However, the country will have to reduce coal exports to 5 million tonnes in 2012. This is the reason for Vinacomin’s request to open the Red River Delta coal basin.

メコン河の流域面積は約80万平方km,それに対してベトナムのハノイに流れ込む紅河は,168,700平方kmである。しかしこの二つの大河の大きな違いは,メコン河がチベットの砂漠を源流としているにに対して,紅河は雲南省の深い森林を源流としている。大昔はどうなっていたのか分からないが,メコンデルタには石炭がなくて,紅河には無限の石炭が埋蔵している,宜なるかな,である。

最近のベトナムが,石炭に悩んでいることは分かっていて,海外の石炭を買いに走ったベトナムが,彼方此方で中国に買い占められた跡で,海外調査団が殆ど成果を上げていない。2010年時点で見ると,ベトナムの石炭生産量は年間4,500~4,700万トンで,需要は,2500~2600万トンだから,2,000万トンは輸出に回せるが,2012年には,輸出を500万トンまで縮小する必要がある。

この石炭需要が2015年になると,9,400万トンに跳ね上がる。石炭火力発電所だけで,6700万トンを必要とするが,生産は,6000万トンまでしか上がらない。更に,2020年になると,発電が1億5000万トンで,全体では,1億8400万トンを必要としているのに,国内生産は,7000万トンである。現状の炭坑開発では,どうしても将来の需要とのギャップが大きいが,海外の石炭は,ベトナムとしては高価で手が出ない。

紅河デルタの地下には,実に2,100億トンの石炭が埋蔵していることが分かっている。可採埋蔵量で,中国が,約1,000億トン,インドが980億トン,オーストラリアと南アフリカがそれぞれ900億トン,インドネシアは600億トンだから,この紅河デルタの石炭埋蔵がいかに大きいかが分かる。しかし問題は,問題はどうしてこれを掘るか,という問題である。

このデルタの面積は約10,000平方kmだが,そのうち,ナムディン県(注8),フンイエン県(注9),タイビン県(注10)の3県,約3,500平方kmに石炭埋蔵の可能性が高く,その殆どは水田や住宅地の地下である。ビンミン炭坑(注19),コアイチャウ1炭坑,コアイチャウ2炭坑(注18)など,400mから1,200mの深さまで掘る必要があり,調査費用だけで,約3億8000万ドル,開発には45億ドルを要する大事業だ。

外国企業の協力が必要であり,オーストラリアのリンク・エナージ(注14)と日本の丸紅(注15)が,この紅河デルタの石炭ガス化事業について,ビナコミン(注6)と契約を結んでいるが,丸紅のサイトを見ると,現在方法論の段階である。一方で,ベトナム企業(注16)が,中国企業CMC(注17)と契約して一般採掘方法で手をつけようと契約している状態である。

この紅河デルタの石炭採掘については,ベトナム国内でも議論が盛んで,環境,住民の生活などに大きな影響を与えるとして,ベトナムの科学者達(注21)が警告を発している。ベトナムの建設省は,注意点として,工区を分割するな,水田への影響を最小限にせよ,基礎地盤に大きな影響を与えるな,更には気候変動問題との関連に注意を,と難しい注文を出している。


(注)B (1) 090917B Vietnam, english.vietnamnet,(2) title: Exploring 210-billion-tonne coal basin: big potential, high risk,(3) http://english.vietnamnet.vn/reports/2009/09/868786/,(4) 09:04' 16/09/2009 (GMT+7),VietNamNet Bridge,(5) Red River Delta coal basin,(6) Vietnam Coal and Mineral Group’s (Vinacomin),(7) Ministry of Industry and Trade,(8) Nam Dinh province,(9) Hung Yen province,(10) Thai Binh province,(11) Binh Minh,(12) Khoai Chau 1,(13) Khoai Chau 2,(14) Linc Energy,(15) Marubeni Corporation,(16) Red River Energy Company,(17) China’s Machinery Import Export Corporation (CMC),(18) Khoai Chau coal mine,(19) Binh Minh coal mine,(20) Ministry of Construction (MoC),(21) Union of Vietnam Scientific and Technological Associations,(22) delta map source: http://hanoi-studio-kuleuven.blogspot.com/,(23) mine map source: http://map.infomine.com/map.asp?open_section=PROP,WORL&cmd=MAP&location_id=,(24)

今日の参考資料

●090917B Vietnam, english.vietnamnet
ベトナム紅河デルタの石炭開発は包蔵も大きいがリスクもある
Exploring 210-billion-tonne coal basin: big potential, high risk
http://my.reset.jp/adachihayao/index090917B.htm
http://english.vietnamnet.vn/reports/2009/09/868786/

最近の関連資料

●090823B Vietnam, english.vietnamnet
ベトナムの電力の石炭不足と輸出増強策は明らかな矛盾である
Apparent paradox: Vietnam running short of coal, but pushing exports
http://my.reset.jp/adachihayao/index090823B.htm
●090803E Vietnam, english.vovnews
ベトナムの2009年の石炭生産は4300万トンに達する
Coal sector targets 43 million tonnes this year
http://my.reset.jp/adachihayao/index090803E.htm


●インドの電力公社がGE日立に6原子力発電所9000MWを協議

Nuclear Power Corporation of India Limited (NPCIL) (Mumbai), a state-owned atomic energy enterprise, is holding talks with GE-Hitachi Nuclear Energy (GEH) (Wilmington, North Carolina) to purchase six advanced boiling-water reactors (ABWRs) for the former's nuclear power projects in the country.

米印原子力協定に発したインドの原子力開発であるが,先日も,フランスのアレバからのウラン燃料供給で,やっと既設原子力の稼働率が60%台に乗せる可能性が出てきた,と報じられた。2009年7月のクリントン国務長官のインド訪問の後,どの様な進展があるのか,注目されていたところであるが,インドの原子力公社NPCIL(注5)の動きが米国から伝わってきた。

NPCIL(注5)と,GE-日立原子力エネルギー(注6)が,原子炉の供給について,209年1月から協議を始めている,との情報である。NPCIL(注5)の選択は,改良型沸騰水型原子炉ABWR(注7)6基で,全部の出力は,9,000MWとなる大型の商談である。現在話し合われているのは,インド及び米国内の規制について,これをクリアするための協議が行われているという。

(注)E (1) 090917E India, industrialinfo,(2) title: India's NPCIL in Talks with GE-Hitachi Nuclear on Six Nuclear Reactors of 9,000 Megawatts,(3) http://www.industrialinfo.com/showAbstract.jsp?newsitemID=150274,(4) BANGALORE, INDIA--September 16, 2009--Researched by Industrial Info Resources (Sugar Land, Texas),(5) Nuclear Power Corporation of India Limited (NPCIL),(6) GE-Hitachi Nuclear Energy (GEH) (Wilmington, North Carolina),(7) advanced boiling-water reactors (ABWRs),(8) photo source: http://www.coloradocollege.edu/dept/PC/RepresentativePhy/Pages/Photoshop/Problem%20Pictures/Nuclear%20Plant.jpg,(9) map source: http://www.brynmawr.edu/geology/206/bose_files/image010.jpg,(10)

今日の参考資料

●090917E India, industrialinfo
インドの電力公社がGE日立に6原子力発電所9000MWを協議
India's NPCIL in Talks with GE-Hitachi Nuclear on Six Nuclear Reactors of 9,000 Megawatts
http://my.reset.jp/adachihayao/index090917E.htm
http://www.industrialinfo.com/showAbstract.jsp?newsitemID=150274

最近の関連資料

●090912E India, online.wsj
インドの原子力発電量の伸びで2009年度目標は190億KWh
India Nuclear Power This FY Pwr Generation Target 19,000M Units
http://my.reset.jp/adachihayao/index090912E.htm
●090715A India, bloomberg
インドの原子力問題についてクリントン長官が挑む
Clinton Seeks to Resolve India Nuclear Arms Dispute
http://my.reset.jp/adachihayao/index090715A.htm
●090715C India,steelguru
インド政府は原子力発電への民間参入を認める方向を視野に
Open up nuclear sector in India for private players
http://my.reset.jp/adachihayao/index090715C.htm
●090625B India, Economic Times
インドは原子力開発に関して経済性を考えて国産技術開発を
'India should look at generating cheaper power'
http://my.reset.jp/adachihayao/index090625B.htm


●インドネシア政府は民間企業にも海外への電力供給を容認

Albeit under strict regulations, the govern-ment will now allow private firms investing in electricity generation and distribution to export power. The move is part of government efforts to attract private companies to participate in the power industry, something that did not happen under the monopoly state utility PT Perusahaan Listrik Negara (PLN).

インドネシアから海外へ電力輸出を行うことに限って,インドネシア国会が,民間企業にも,発電と配電の事業の認可を与える,と言うことらしい。d湖が問題になるのか,というと,インドネシア領の西カリマンタン(注7)とマレーシアのサラワク(注8)の間の問題のようだ。この地域は余り関心を払ったことはないが,人口密度が薄いとはいえ,確かに電力輸出の余地はある。スマトラとシンガポールの間もそうなのだろう。

(注)G (1) 090917G Indonesia, The Jakarta Post,(2) title: Govt to allow private firms to export electricity,(3) http://www.thejakartapost.com/news/2009/09/16/govt-allow-private-firms-export-electricity.html,(4) Alfian , The Jakarta Post , Jakarta | Wed, 09/16/2009 2:19 PM | Business,(5) PT Perusahaan Listrik Negara (PLN),(6) J. Purwono, director general for electricity and energy utilization at the ministry,(7) West Kalimantan,(8) Sarawak Energy Bhd (SEB),(9) map source: http://www.aseanenergy.org/energy_sector/electricity/apg/asean_power_grid.htm,(10)

今日の参考資料

●090917G Indonesia, The Jakarta Post
インドネシア政府は民間企業にも電力供給を容認
Govt to allow private firms to export electricity
http://my.reset.jp/adachihayao/index090917G.htm
http://www.thejakartapost.com/news/2009/09/16/govt-allow-private-firms-export-electricity.html

最近の関連資料

●090909H Indonesia, tehrantimes
インドネシアのPLNは発電所建設で更に20億ドルの資金が不足
Indonesia’s PLN still seeking $2b in loans for power plants
http://my.reset.jp/adachihayao/index090909H.htm
●090909I Indonesia, india-server
インドネシアの電源開発にインド企業にも機会をとプルノモ
Indian Firms To Be A Part Of Indonesian Power Expansion Programme
http://my.reset.jp/adachihayao/index090909I.htm
●090822A Indonesia, energy-business-review
インドネシアのPLNは第2次10,000MW開発プログラムを発進
PT PLN Plans Second 10,000MW Power Program In Indonesia
http://my.reset.jp/adachihayao/index090822A.htm
●090822B Indonesia, asiasentinel
インドネシアでは人口の3分の一が電気がなく大統領に期待
Starved for Power in Indonesia
http://my.reset.jp/adachihayao/index090822B.htm

2009年9月16日水曜日

パキスタンのコハラ水力を中国企業へ特命で混乱

パキスタンのコハラ水力を中国企業へ特命で混乱
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm

今日は日本の政権交代の日である。日本には小選挙区制は適していない,と米国の評論家が言っていたが,これだけ極端に振れるとやりにくい,と言うことか,皆さん,自分の都合のよい立場からものを言っている。2大政党制も,おそらく政治家から見て都合がよいのではないか,政治がやりやすいから。でも国民から見れば,多党政治で苦労してバランスを取りながら,連立を模索してくれる方が,多くの人の代弁をしてくれると思う。

パキスタンの北東部,アザド・カシミールは,地図をじっくり見ても,国境がどうなって入り組んでいて,何処が国境未確定なのか,よく分からない。インダス河はパキスタンの国土を縦断して,その水源は中国のウイグル自治区と接している。インダス本流の最上流には,先日から問題にしている日本工営の7,000MWのブンジ水力地点がある。中国の三峡公司が入ってくることになっているが,中国国境から110kmという至近距離。

インダス河のすぐ南の大支流,ジェルム川は,国境未確定,インドとの微妙な関係にあるアザド・カシミールの細長い領域の中を北から南に流れ下る。そのインドと近接する地点にコハラ橋梁がジェルム川を横切っている。ここは古来,戦略上の要衝で,現在はパキスタンが実効支配している。この直上流に,1,100MWのコハラ水力プロジェクトのダムサイトがある。オーストラリアのSMECが調査を行ってきた。

2008年10月に,中国企業がイスラマバードを訪れているが,中国の水力建設企業CWEが,パキスタン側の説明を受け,1,100MWのコハラ水力プロジェクトの建設に大いに関心あり,と表明した。パキスタンの水資源大臣は,パキスタンでは大規模プロジェクトは国際入札するという規則がある,とその約束に含みを残していた。

中国との協力を強く押し進めるパキスタンのザルダリ大統領は,2009年になって北京を訪問した際に,強引に,中国企業CWEのコハラ水力プロジェクトへの参入を促し,調査を開始するという覚書を準備した。随行していた水資源省次官に署名するよう指示したが,国際入札という決まりがあるなかで,次官は署名を拒んだ。大統領は,パキスタン駐北京大使に,替わって署名をさせた。

全くパキスタンらしい話だが,その後,大統領の指示を拒否した水資源省の次官は交代し,新しい次官は,中国企業と交わした覚書の基づいて,経済委員会や閣議などの承認を受けるべく,手続きを行い,所謂,事後承認として批准を求めたわけである。今日の記事では,この件が問題となっていることを報じ,国内の手続きを経ずに,中国企業への特命発注に近い行動をした大統領一行を批判している。

インダス河最上流,中国の国境と近いところの7000MWのブンジ水力を中国の三峡公司に預け,今度また,懐深く中国のCWEが国境未確定地域に入ってくることで,インド政府を刺激していることは,目に見えるようである。インド政府は既に,ブンジ水力に中国企業が入ることに,公式に懸念を表明している。先に開発したものに優先権がある,というインダス河水条約から,インドもパキスタンも,開発を急いでいる。

経済発展を先に遂げた方が,国際河川の優先開発権を持つ,というのは不思議な約束だが,事実,メコン河ではタイの流域内での優先開発を,ベトナム,ラオス,カンボジアが,追認,了解している。インダス河もこの考え方だが,タイと周辺諸国は発展に格段の差があったが,インドとパキスタンの場合は,中国の支援を受けるパキスタンとインドとの間には,それほどの差がないから,大変に難しい。

一方で中国は,インドとの対抗もあるが,同時にパキスタンの海域への進出を考えており,既にパキスタンの港の建設を支援している。パキスタンと中東は目と鼻の先である。インドが,ステルジュ川のバギリハール・ダムを強引に建設したように,インドとパキスタンの間には,水問題で一触即発の中,中国がパキスタンの懐深く入ってくるので,問題をますます複雑にしている。


今日の日本語エネルギー関連資料

日本の政権交代,ゼネコン戦々恐々,公共工事縮小で,「生き残れない」
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20090915/ecn0909151624004-n1.htm
米政府,自動車の燃費,「年5%改善を」,規制の詳細発表
http://car.nikkei.co.jp/news/article.aspx?id=AS2M1600I%2016092009
米シェブロン,西豪ゴーゴン事業で韓国ガスとLNG長期販売契約
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2009091600228
日揮など,豪でLNGプラント受注,総額2,300億円
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20090915AT1D1509015092009.html
中部電力の浜岡原発の地盤を詳細調査へ,駿河湾震源の地震に対応
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2009091500878

旅行用品の大型ショップ旅の雑貨店
http://hb.afl.rakuten.co.jp/hsc/09ee30fe.7cd4d7ec.09ee30ff.03ee8b2a/



本文

●パキスタンの1050MWのコハラ水力が国際入札なしに中国企業へ

In violation of the government痴 policy and without going through an open bidding process in mega projects, the government first signed an MoU and then issued a Letter of Interest (LoI) for Rs207 billion ($2.5 billion) 1,050 MW Kohala hydropower project to a Chinese company, it is learnt. The China International Water & Electric Corporation (CWE) is now seeking an extension in the time for preparing the feasibility study and even waivers from the ECC and the cabinet approvals are being sought to give a legal cover to what has been done irregularly and illegally.

地図を開けると,このアザド・カシミール(注16)のコハラ(注15)というところが,非常に微妙な国際紛争の真っ直中,と言うことがよく分かる。インダス河の支流,ジェルム川(注15)の戦略的なコハラ橋梁は,インドとパキスタンの領土争いで重要な役割を果たしてきた要衝である。北北東に180kmの直線距離で,中国が支援することになった,インダス河最上流の,7,000MWのブンジ水力がある。

ブンジ水力地点から中国領ウルグイ自治区との境界までは,114kmである。このコハラ橋梁の近くに高さ160mのダムを建設して,水路と共に,落差320mを得て,出力1,100MWのコハラ水力プロジェクト(注5)がある。私も,昨年,2008年10月26日に,中国の水力発電企業CWE(注7)が,ザルダリ大統領の呼びかけでイスラマバードを訪問,コハラ水力プロジェクト(注5)への関心表明をしたことを覚えていて,気になっていた。

あの時に,パキスタンの水資源大臣が,コハラ水力プロジェクト(注5)はパキスタンの制度上,国際入札になる,と釘を刺していた。ところが,今年,2009年にザルダリ大統領が北京を訪問した際,中国側の申し出で,パキスタンの水資源省と中国企業のCWE(注7)が,調査を9ヶ月で行って,工事に入る,とする覚書を交わした。当時随行した次官は,危ないと署名を拒否し,パキスタン大使が替わって署名している。

この間,パキスタンの水資源省の次官は交代しているが,水資源省側は,パキスタンのトップである大統領がそばに立っているのに,どうして覚書を交わしたことがいけないのか,と反論しているが,この特命発注に対しては,国内で問題になっている。当然,大統領の身辺にも疑問の目は向けられているようだから,パキスタンの国内問題とは言え,中国との関係で,無視できない事件である。

(注)B (1) 090916B Pakistan, thenews,(2) title: Rs207bn power project awarded without bids,(3) ttp://www.thenews.com.pk/top_story_detail.asp?Id=24556,(4) Wednesday, September 16, 2009,By Ansar Abbasi,ISLAMABAD,(5) 1,050 MW Kohala hydropower project,(6) Letter of Interest (LoI),(7) China International Water & Electric Corporation (CWE),(8) ECC,(9) President Asif Zardari,(10) then-water and power secretary Ismail Qureshi,(11) Pakistan痴 ambassador to China Masood Khan,(12) Water and Power Secretary Shaid Rafi,(13) Private Power and Infrastructure Board (PPIB) Managing-Director Fayyaz Elahi,(14) Water and Power Development Authority (Wapda),(15) River Jhelum at Kohala,(16) district Muzaffarabad, Azad Jammu & Kashmir,(17) photo source: http://www.smec.com/Default.aspx?aProjId=93,(18)

今日の参考資料

●090916B Pakistan, thenews
パキスタンの1050MWのコハラ水力が国際入札なしに中国企業へ
Rs207bn power project awarded without bids
http://my.reset.jp/adachihayao/index090916B.htm
http://www.thenews.com.pk/top_story_detail.asp?Id=24556

最近の関連資料

●090912I India, bombaynews
パキスタンの中国支援のブンジ・ダムにインドが反対
India protests Pakistan's Gilgit order, China-aided dam
http://my.reset.jp/adachihayao/index090912I.htm
●090908A Pakistan, dailytimes
パキスタンと中国が7,000MWブンジ水力など覚書を締結
MoUs signed between Pakistan and China
http://my.reset.jp/adachihayao/index090908A.htm
●090829C Pakistan, rediff
パキスタンのカシミール開発への中国の貢献はグワダル港軍港化に繋がる
China's growing role in Pakistan-occupied Kashmir
http://my.reset.jp/adachihayao/index090829C.htm
●090824A Pakistan, onlinenews
パキスタンのザルダリ大統領が早急な開発に中国の支援をと
President declares Pakistan痴 immense development as his priority dream
http://my.reset.jp/adachihayao/index090824A.htm
●090809B Pakistan, dailytimes
パキスタン最大の7,100MWのブンジ水力の調査開始へ
Bunji hydropower project to generate 7,100 MW
http://my.reset.jp/adachihayao/index090809B.htm
●090809C Pakistan, pakobserver
パキスタンは21億ドルのニールム-ジェルム水力の権利を失いかねない
$2.1b Neelum-Jhelum Hydel project Pak may lose priority rights over Neelum
http://my.reset.jp/adachihayao/index090809C.htm
●090713B Pakistan, geo.tv
パキスタンは中国企業のエネルギー資源開発を優遇
China company to invest in Pak energy projects
http://my.reset.jp/adachihayao/index090713B.htm
●090618A Pakistan,
パキスタンの中小ダムの建設計画で中国政府が支援表明
Chinese govt to support President Zardari’s plan to build 12 small and medium sized hydropower dams
http://my.reset.jp/adachihayao/index090618A.htm
●081026A Pakistan, tehrantimes
中国企業,1,100MW,コハラ水力建設を申し出
China offers to construct 1100 MW Kohala Hydropower
http://my.reset.jp/adachihayao/index090618A.htm


●中国の石炭価格が景気回復の兆しで急騰している

Spot thermal prices in China's top coal shipping port Qinhuangdao climbed from a week earlier, after prices stagnated for more than a month, as demand rose on the back of a recovering economy and was aided by hot weather in southern China, industry officials said on Tuesday.

中国企業が,世界の石炭買収に走っている現状で,中国国内炭の価格の動きが気になるところである。中国の輸出石炭の価格は,秦皇島の港(注5)に於けるスポットマーケットの指標が重要である。しばらく沈静化していた石炭価格が,一週間ぐらい前から上がり始めた,景気持ち直しによる電力の発電増と,中国南部の高気温のためと思われる。炭坑事故で多くの中小炭坑の閉鎖も影響を与えている。

NAR(注6),即ち,キログラム5,800キロカロリーの石炭で,0.8%動いて,秦皇島海上市場(注7)で,トン605元~620元,約88.6~90.8ドル相当,に上がってきている。5,500キロカロリーでは,575~590元で,先週から2%上がっている。中国全土の発電量が,2009年初めから8月にかけて93%上昇している。この15ヶ月で最大の伸びで,景気回復の力強さを示している。石炭需給は,今のところ,バランスしているようだ。

(注)E (1) 090916E China, news.alibaba,(2) title: China Coal-Prices rise on demand, market seen in balance,(3) ttp://news.alibaba.com/article/detail/energy/100171764-1-china-coal-prices-rise-demand%252C-market.html,(4) Published: 14 Sep 2009,21:31:51 PST,SHANGHAI, Sept 15,(5) Qinhuangdao port,秦皇島,(6) calorific value of 5,800 kcal/kg (NAR),(7) Qinhuangdao Seaborne Coal Market (www.cqcoal.com),(8) Guangdong province, (9) Henan province,(10) thermal coal market,(11) $1=6.828 Yuan,(12)

今日の参考資料

●090916E China, news.alibaba
中国の石炭価格が景気回復の兆しで急騰している
China Coal-Prices rise on demand, market seen in balance
http://my.reset.jp/adachihayao/index090916E.htm
http://news.alibaba.com/article/detail/energy/100171764-1-china-coal-prices-rise-demand%252C-market.html

最近の関連資料

●090910P China, businessspectator
中国の石炭獲得に対しオーストラリアの石炭企業が関心
Chinese interest in Australia coal ticks up as prices fall
http://my.reset.jp/adachihayao/index090910P.htm
●090903G China, reuters
中国は国内石炭市場のための法案を準備中である
China soon to issue coal market rules - source
http://my.reset.jp/adachihayao/index090903G.htm
●090831D China, steelguru
中国の山西省は炭坑の数を2598から1000まで整理へ
Shanxi Province to consolidate its coal industry
http://my.reset.jp/adachihayao/index090831D.htm
●090831E China, reuters
中国の石炭企業神華集団が福州に石炭備蓄施設を建設へ
China Shenhua to build coal reserves in Fuzhou -paper
http://my.reset.jp/adachihayao/index090831E.htm
●090815C China, miningweekly
中国の海外石炭の輸入が飛躍的に伸びている
Chinese demand for foreign coal soars
http://my.reset.jp/adachihayao/index090815C.htm


今日のその他の世界のエネルギー関連資料

○090916A Thailand, Bangkok Post
タイの天然ガスでミャンマーのパイプライン事故でEGATが苦況に
More gas supply interruptions cause headaches for Egat
http://www.bangkokpost.com/business/economics/23927/more-gas-supply-interruptions-cause-headaches-for-egat
○090916C Philippines, business.inquirer
フィリッピンのビサヤで18MWのアクラン水力をオリエンタル・エナージ着手
P2.5-B hydro plant to rise in Panay Lower cost, stable supply seen
http://business.inquirer.net/money/topstories/view/20090916-225423/P25-B-hydro-plant-to-rise-in-Panay
○090916D India, domain-b
インドのNTPCが自ら南アフリカの炭坑取得を視野に
NTPC to acquire coal mine in South Africa
http://www.domain-b.com/companies/companies_n/National_Thermal_Power/20090915_ntpc.html
○090916F Bangladesh, energybangla
バングラデシュの国会が沖合原油探査でPSC適用に問題ありと
Bangladesh Controversy over Offshore Exploration PSC
http://www.energybangla.com/index.php?mod=article&cat=SomethingtoSay&article=2104

2009年9月15日火曜日

フィリッピンの水力IPPA入札スタート

フィリッピンの水力IPPA入札スタート
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm

今日はスリランカのエネルギー大臣が,中国の石炭火力や日本の水力を話題にしている談話を主題にしたかったのだが,昨日,測量作業のため一日休んでしまって,どうしてもフィリッピンのゼロサムゲームに付き合わざるを得ず,それで時間がなくなってしまった。このサイトでは,ゼロサムゲームには付き合いたくない,という精神なのだが,日本の有力企業,丸紅,東電,関電が関連しており,省略できなかった。

最近問題となっているのは,フィリッピンのIPPAである。私のサイトへのアクセスも,IPPAとは,と言うキーワードが結構多い。私もよく分からないが,このIPPAの仕組みを不思議に思っている読者も多いようだ。確かに,相当古くからIPPAというワードは出てきているが,余り気にとめていなかった。しかし,フィリッピンの電力の保守の牙城に食い込む最後の自由化の関門,とも言える大きな変革である,正しいかどうかは別にして。

先日も友人と電話で話していたのだが,電力一斉の自由化の声の中で,最後の土壇場で,インドネシアのPLNとタイのEGATが,憲法裁判所の抵抗で民営化への道をストップした。私たちも,これから発展する途上国のエンジンである電力を,完全民営化することは不適切,と考えている。自由化によって必要に応じ発電所も民間資本で建設されて行く,というのは間違いで,発電所建設のスパンが,経済競争の中では長すぎるのが理由。

さて,一方で完全民営化自由化に向かって走っているフィリッピンのIPPAとは,と言うことだが,それは,現在IPPが運営している発電所の電力を引き取り売りさばく役割で,それがBOTプロジェクトの場合は,BOT終了後,その発電所を引き取る,と言う役割を持った企業をIPPAと呼ぶのだ,と理解している。PSALMの英文の定義は難しいが,役割として5点が具体的に書いてある。

現在動いているIPPの発電所は,殆どが電力公社NPCとの間で,テーク・オア・ペイ,即ち電力の一括定額引き取り,みたいな契約をしていて,極めて安泰である。これは,電力不足が心配されて,IPP開発を促すための措置だった。しかし問題は,電力自由化の線に沿って,NPCが30%以上の電力を占有してはいけない,という原則論の中で,はじき飛ばされて,IPPAがNPCに替わって,IPPの電力を引き取ることになる。

そのIPPAの入札が始まり,丸紅,東京電力が運転している,スワルやパグビラオの石炭火力の電力は,NPCに替わって,サンミゲールとアボイテスがIPPAとして引き取り,2025年後は,所有権もそこに移ることになる方向で,手続きが進んでいる。なぜ丸紅と東京電力が,自分たち自身でIPPAとなる選択はないのか,というと,それはあるようで,ただ,丸紅,東京電力側がその選択を避けた,というようなニュアンスが感じられる。

このIPPAという制度は,IPP側から見ると誠に不条理で,NPCに引き取って貰うつもりで経営しているのに,突然NPCが買うのを止めてしまった,と言うことも言えるような制度である。しかしそのきっかっけは,憲法にも匹敵する電気事業法の問題なので,IPPとして泣き寝入りせざるを得ない状況に追い込まれている。東京電力と関西電力の間で,お互いにお互いのIPPのIPPAになったらどうか,と私も提案していた。

丸紅と東京電力は,今日の報道では,丸紅と関西電力が運転するサンロケ水力発電所の電力の引き取り手,即ちIPPAの入札に参入する意思を表明した。自分たちの持つ石炭火力よりは,再生可能エネルギーである水力の引き取り手になる方が有利,と踏んでいる節がある。この9月30日に現場説明が行われ,11月11日に入札が締め切られる。

これからの売電や買電の仕組みは,私にはよく分からないが,どうも入札時には買電価格は決まらないのではないか,と思われる。それはIPPAがIPPの電力を引き取るというのだから,予め売電単価はある程度,入札時に入っていなければおかしいことになるが,それなら入札時に,IPPも交渉の中にはいるのか,と言うと,そうでもなさそうだ。自由化の波に押されて,IPP受難の時代の訪れ,という懸念もある。


今日の日本語エネルギー関連資料

温暖化ガス主要排出17カ国が9月17,18日にワシントンで会合
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090915AT2M1500T15092009.html
IAEA年次総会が天野事務局長を承認
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200909150001.html
豪のLNG事業で欧米石油3社がCO2地下貯留に挑む
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090914NT002Y87314092009.html
ベネズエラが「代替エネルギー必要」と核開発を表明
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=120528&servcode=A00&sectcode=A00
日立・住友商事がエジプト初の超臨界圧火力発電所向発電設備2台を受注
http://www.news1st.jp/index.php?s=28&item=785
三菱電機が中国で原子力発電所向けデジタル計装制御システムを受注
http://www.ecool.jp/press/2009/09/post-332.html

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http://hb.afl.rakuten.co.jp/hsc/09ee30fe.7cd4d7ec.09ee30ff.03ee8b2a/



本文

●フィリッピンのサンロケ水力のIPPAに東電グループが関心

TEAM ENERGY PHILIPPINES plans to bid for the management of the independent power producer contract of the 345-megawatt San Roque multi-purpose hydroelectric power plant in Pangasinan. At the sidelines of the PowerTrends 2009, Team Energy president Federico E. Puno said the company was interested in the hydropower facility as it was “a good fit with our coal plant.”

フィリッピンのIPPA(注10)は分かりにくい制度だが,PSALMのサイトでは英文で明確に役割を定めている(注10参照)。しかしこれだけでは,なぜIPPの上にまたIPPA(注10)が必要なのか,簡単には理解できない。私のサイトへのアクセスを見ていても,IPPAとは何だ,という感じのキーワードで検索してくる人が結構いる。このIPPA入札が,石炭火力から始まって,サンロケ(注6)などの水力にも及ぼうとしている。

今日,突然に出てきたのは,IPPA化される石炭火力のIPP企業であるTEAMエナージ(注5)が,丸紅,関西電力,米国のシエテなどが合同で所有する345MWのサンロケ水力発電所(注6)のIPPA契約(注10)に関心がある,と報道されたことである。TEAMエナージ(注5)の社長を務めるプノ氏(注7)が,先日行われたセミナーの別会見で,その抱負を述べたことに,この報道は発している。

TEAMエナージ(注5)のプノ社長(注7)は,石炭火力を有するTEAMエナージ(注5)にとって水力との組み合わせは適切な選択,と語ったことだ。この丸紅,東京電力などが資本を分け合うTEAMエナージ(注5)は,パンガシーナの345MWのサンロケ水力発電所のIPPA(注9)の入札に参入することを計画している。TEAMエナージ(注5)の所有する二つの石炭火力は,IPPA入札が行われたところだ。

1,000MWのスワル石炭火力(注8)のIPPA(注10)は,サンミゲールが,700MWのパグビラオ石炭火力(注9)は,アボイテスが,それぞれ入札では権利を得ている。プノ社長(注7)は,TEAMエナージ(注5)は,この石炭火力二つのIPPA(注10)入札には参加しない,水力のような,より関心のあるIPPA入札が待っているからだ,と説明している。再生可能エネルギー法(注13)の税優遇に関心があるようだ。

プノ社長(注7)はこれから,小水力太陽光風力などの再生可能エネルギー・プロジェクトに参戦したい,としている。しかし問題は,NPC(注14)が買ってくれないので,自分たちで供給先を捜さなければならないことが問題だ,と。また,重要な発言は,水力のIPPAを勝ち得た暁は,設備の拡張を考えている,と言っていることだ。勿論それは,所有者の意志に関わることだが。二つの石炭火力は,BOT(注15)が,2024年,2025年に切れる。

(注)B (1) 090914B Philippines, business.inquirer,(2) title: Team Energy eyes San Roque IPPA contract,(3) http://business.inquirer.net/money/breakingnews/view/20090913-225070/Team-Energy-eyes-San-Roque-IPPA-contract,(4) By Amy R. Remo,Philippine Daily Inquirer,First Posted 22:49:00 09/13/2009,(5) TEAM ENERGY PHILIPPINES,(6) 345-megawatt San Roque multi-purpose hydroelectric power plant in Pangasinan,(7) Team Energy president Federico E. Puno,(8) 1,000-MW Sual coal-fired power plant,(9) 700-MW Pagbilao coal-fired power plant,(10) IPP Administrator contracts,(11) San Miguel Corp.,(12) Aboitiz,(13) Renewable Energy Act of 2008,(14) National Power Corp.,(15) build-operate-transfer contracts,(16) photo source; http://www.psalm.gov.ph/privatization/IPPA%20Plant%20Profile/profile_san%20roque.html,(17)

今日の参考資料

●090914B Philippines, business.inquirer
フィリッピンのサンロケ水力のIPPAに東電グループが関心
Team Energy eyes San Roque IPPA contract
http://my.reset.jp/adachihayao/index090914B.htm
http://business.inquirer.net/money/breakingnews/view/20090913-225070/Team-Energy-eyes-San-Roque-IPPA-contract

最近の関連資料

○090910G Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンの電力分野の関係機関が一堂に
Power Trends 2009
http://www.mb.com.ph/articles/219765/power-trends-2009
○090910I Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのPSALMがサンロケなどのIPPAで入札企業を増やしたい
PSALM puts more IPPAs for bidding
http://www.mb.com.ph/articles/219830/psalm-puts-more-ippas-bidding
○090908D Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのアボイテスが735MWパグビラオ石炭火力の燃料供給を行う
Aboitiz Power plots strategy on coal procurement for Pagbilao plant
http://www.mb.com.ph/articles/219410/aboitiz-power-plots-strategy-coal-procurement-pagbilao-plant
○090902E Philippines, pepei.pennnet
フィリッピンの石炭火力のIPPAで英国コンサルタントが活躍
Pinsent Masons closes $1.763bn privatization for PSALM in the Philippines
http://pepei.pennnet.com/Articles/Article_Display.cfm?Section=ARTCL&SubSection=Display&PUBLICATION_ID=6&ARTICLE_ID=368607
○090829D Philippines, business.inquirer
フィリッピンの石炭火力のIPPA入札結果でスワルはサンミゲールへ,アボイテスも
San Miguel wins Sual power deal
http://business.inquirer.net/money/topstories/view/20090828-222473/San-Miguel-wins-Sual-power-deal
●090728A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンの石炭火力のIPPAでアボイテスが新提案
Aboitiz Power reviews pricing strategy for Sual, Pagbilao IPPAs
http://my.reset.jp/adachihayao/index090728A.htm


●フィリッピンの水力発電所群に東電グループが関心

THE JAPANESE consortium that took over the assets of Mirant Philippines, Inc. two years ago wants to bid for contracts to manage the state’s power supply deals with a number of hydroelectric plants. "We are still looking at the other bids, particularly the hydroelectric plants like San Roque," Federico E. Puno, president of TeaM Energy Corp., told reporters. The statement came after listed Aboitiz Power Corp. bared last week plans to bid for hydroelectric IPPAs.

丸紅,東京電力などで構成されるTEAMエナージ(注16)が,サンロケ(注38)などの水力のIPPA入札(注6)に打って出る計画であり,今後,水力などの再生可能エネルギーに参入する意向だ,という記事を,伝えているが,この記事は,更にその状況の詳細を盛り込んでいるので,重要なポイントだけを述べておく。

丸紅,東京電力などで構成されるTEAMエナージ(注16)は,今から2年前に破産したミラント(注4)を買収したものであるが,今回のプノ社長(注17)の,水力のIPPA参入の発言は,TEAMエナージ(注16)が現在所有するスワル石炭火力(注21)のIPPA(注6)入札で勝ちを収めているアボイテス(注5)が,同じく水力へのIPPA参入を宣言した先週の発言を受けて行ったものだ。

PSALM(注7)は,345MWのサンロケ水力発電所(注8),70MWのバクン水力発電所(注9),30MWのベングイット水力発電所(注10)のIPPA入札(注6)を発出したが,今月,2009年9月30日に現場説明(注11),11月11日に入札締め切り,という日程で進めている。入札の内容は,NPC(注12)が買い取っている電力の引き取りと,BOT期限後の所有権の獲得,というものだ。

345MWのサンロケ水力発電所(注8)は,丸紅(注14)と関西電力(注15,韓国と書かれているが日本の間違い)が運営し,70MWのバクン水力発電所(注9),30MWのベングイット水力発電所(注10)は,アボイテス(注5)が,現在運転している。TEAMエナージ(注16)は,これらのIPPA入札に参入するが,2007年6月に石炭火力を買収,資本をこの2社が,それぞれ50%保有している。

TEAMエナージ(注16)は,スワル(注21),パグビラオ(注22),イリジャン(注20)の発電所,合計2,127MWを所有し,ルソン系統の25%に達している。記事に出てくるファーストGEN(注24)は,今後大々的に,太陽光発電に打って出る計画である。いずれも,再々可能エネルギーにタイする関心は,強いものがある。

(注)C (1) 090914C Philippines, bworldonline,(2) title: TeaM Energy to join bids for hydropower plants,(3) http://www.bworldonline.com/BW091409/content.php?id=041,(4) Mirant Philippines, Inc.,(5) Aboitiz,(6) IPP Administrator contracts,IPPAs,(7) Power Sector Assets and Liabilities Management Corp. (PSALM),(8) 345-megawatt San Roque multi-purpose hydroelectric power plant in Pangasinan,(9) 70-MW Bakun plant in Ilocos Sur,(10) 30-MW Benguet mini-hydroelectric facility,(11) pre-bid conference,(12) National Power Corp.,(13) build-operate-transfer contracts,(14) Marubeni Corp.,(15) Kansai Electric Power Co. Ltd.,(16) TEAM ENERGY PHILIPPINES,(17) Team Energy president Federico E. Puno,(18) Renewable Energy Act of 2008,(19) Tokyo Electric Power Corp.,(20) Ilijan power plant,(21) 1,000-MW Sual coal-fired power plant,(22) 700-MW Pagbilao coal-fired power plant,(23) San Miguel Corp.,(24) First Philippine Holdings Corp.,(24) Elpidio L. Ibanez, president and chief operating officer of First Philippine Holdings,(25) First Philec Solar Corp,(26) SunPower Manufacturing Ltd.,(27) SunPower Corp.,(28) Manila Electric Co.,(29) photo source: http://www.psalm.gov.ph/privatization/IPPA%20Plant%20Profile/profile_bakun.html,(30)

今日の参考資料

●090914C Philippines, bworldonline
フィリッピンの水力発電所群に東電グループが関心
TeaM Energy to join bids for hydropower plants
http://my.reset.jp/adachihayao/index090914C.htm
http://www.bworldonline.com/BW091409/content.php?id=041

最近の参考資料

○090910G Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンの電力分野の関係機関が一堂に
Power Trends 2009
http://www.mb.com.ph/articles/219765/power-trends-2009
○090910I Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのPSALMがサンロケなどのIPPAで入札企業を増やしたい
PSALM puts more IPPAs for bidding
http://www.mb.com.ph/articles/219830/psalm-puts-more-ippas-bidding
○090908D Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのアボイテスが735MWパグビラオ石炭火力の燃料供給を行う
Aboitiz Power plots strategy on coal procurement for Pagbilao plant
http://www.mb.com.ph/articles/219410/aboitiz-power-plots-strategy-coal-procurement-pagbilao-plant
○090902E Philippines, pepei.pennnet
フィリッピンの石炭火力のIPPAで英国コンサルタントが活躍
Pinsent Masons closes $1.763bn privatization for PSALM in the Philippines
http://pepei.pennnet.com/Articles/Article_Display.cfm?Section=ARTCL&SubSection=Display&PUBLICATION_ID=6&ARTICLE_ID=368607
○090829D Philippines, business.inquirer
フィリッピンの石炭火力のIPPA入札結果でスワルはサンミゲールへ,アボイテスも
San Miguel wins Sual power deal
http://business.inquirer.net/money/topstories/view/20090828-222473/San-Miguel-wins-Sual-power-deal
●090728A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンの石炭火力のIPPAでアボイテスが新提案
Aboitiz Power reviews pricing strategy for Sual, Pagbilao IPPAs
http://my.reset.jp/adachihayao/index090728A.htm


その他の今日の世界のエネルギー関連資料

○090914A Srilanka, dailynews
スリランカの電力大臣が石炭火力や水力など電力需給を語る
Electricity for all to promote sustainable development - Power Minister
http://www.dailynews.lk/2009/09/14/fea01.asp
○090914D Nepal, myrepublica
ネパールの100Mクラス火力発電所にドイツが関心
Germany to help set up thermal plant Mahat
http://www.myrepublica.com/portal/index.php?action=news_details&news_id=9768
○090915A India, hydroworld
インドの灌漑開発公社が24MWのゴシクルド水力をEPC発注
Construction contract awarded for India's Gosikhurd Hydel project
http://www.hydroworld.com/index/display/article-display/7210845759/s-articles/s-hrhrw/s-hydroindustrynews/s-general/s-2009/s-09/s-construction-contract.html
○090915B Bhutan, hydroworld
ブータンの114MWのダガチュ水力でアルストムの機器発注
Alstom-led consortium wins contract for Dagachhu project
http://www.hydroworld.com/index/display/article-display/6301767520/s-articles/s-hrhrw/s-News-2/s-2009/s-09/s-alstom-led-consortium.html