中国が南沙諸島共同開発を示唆
すみませんが,編集が旨くいかないので,読んで頂ける方は,
以後,下記のアドレスに回って頂けませんか,
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm
南シナ海の南沙諸島,改めて地図を開くと,フィリッピンが強くその固有の領土を主張しているのに対して,まるで子供がおやつを取り合いするように,ブルネイ,マレーシア,ベトナム,中国,台湾,などがその領土権を主張して,紛糾している。古来は漁業権の問題であったが,南シナ海の中心部にある珊瑚礁地帯として,一説には2,000億バレルとも言われる原油の埋蔵量が,今は各国の大きな関心である。
太平洋戦争がなければ,日本も領有権を主張したいところであろう。しかし日本は,経済成長時代に国際市場で自由に石油が手に入った経験がいつまでもその根っこにあって,今でもエネルギー資源に対して,甚だ淡泊である。南沙諸島で昨年,2008年に,ベトナム,中国,フィリッピンで共同の物理探査を実施したが,これがフィリッピンで今,問題になっており,憲法裁判所に当事者達が訴追されている。
この重要な時期に,マニラ駐在の中国大使が微妙な発言を行った。領有権問題は,ロシアと中国の関係が示すように,50年経っても100年経っても解決しない,ここで関係諸国は,南沙諸島の共同開発の合意に向かって話し合ったらどうか,というのである。領有権問題は,一歩でも引いた方が負け,と決まっているところでこの発言は,中国の経済成長が,南沙諸島の原油開発に,待ったなしの状態,と言うことだろう。
フィリッピンとしては,まさにマランパヤ油田の延長線上の問題であり,海軍を増強してでも南沙諸島の領有権を守りたい意向である。中国大使も,共同開発の合意さへ無理な状態かも知れない,と悲観論である。しかし中国は,いつでも南沙諸島を領有を主張するだけの海軍力を増強しているし,海南島方向から,深海ボーリングの準備を進めている。フィリッピンの領有権を認めて,商業的な共同開発合意,など無理ですかね。
昨日は,中国の湖錦濤主席が地球温暖化で画期的な提案を行う,と言うので,国際社会が緊張していたが,今朝の日本の新聞は鳩山演説で埋めつくされ,朝日新聞などは,湖錦濤演説は僅か2行だった。炭素強度を指標として削減に努める,としたが具体的な目標がなかったことが,今朝の結果である。アルゴア氏は,中国が舞台に上がっただけで画期的な出来事,と評している。
炭素強度,GDP当たりの温暖化ガス排出量,と考えてもう一度数字を並べると,GDP1兆ドル当たり,世界全体は3.79億トン,米国が3.93億トン,日本が2.44億トン,ドイツが2.13億トン,中国が6.31億トン,インドが8.93億トンとなる。この計算で行くと,日本で1,000円の弁当を食べると,24キログラムの炭酸ガスがポッと出るが,中国で同じ1,000円の弁当を食べると,63キログラムの炭酸ガスが出ることになる。
フィリッピンのサンロケ水力などのIPPA入札に,東京電力,丸紅などのTEAMが参入する。このIPPAは,NPCの電気引き取りの肩代わりの他に,2025年頃にBOT期間が終了しての発電所の引き取りも,そのIPPA落札者の権利となる。ここでちょっと考えてしまうのは,BOT,即ち,建設運営して,20年などの一定期間が経過した時点で,フィリッピン政府に所有権を移管する,という趣旨である。
なかなか資金が集まらない東南アジア諸国の電源開発で,それらの国を助けるため,当初20年間は民間企業,IPP企業が運営して,その後当該政府に移管して,その国の電源整備に資する,というのがBOT方式の本来の意味であった。ところが,フィリッピンのIPPA制度では,IPP企業の設備を他の民間企業が引き取る,という,一見,不思議な帰結になっている。関電のBOTを東電が引き取る,何かおかしくない?
今日の主なテーマー
●090923B Philippines, ap.mysinchewフィリッピンの南沙諸島で中国は策なく共同開発すべしChina no solution in sight to Spratlys disputehttp://my.reset.jp/adachihayao/index090923B.htmhttp://ap.mysinchew.com/node/29487?tid=78 ●090923G China, forbes中国の湖錦濤主席が炭素強度で2020年までに対GDP目標達成へChina's Hu vows to cut carbon output per GDP by 2020http://my.reset.jp/adachihayao/index090923G.htmhttp://www.forbes.com/feeds/reuters/2009/09/22/2009-09-22T185435Z_01_N22195458_RTRIDST_0_NS-CLIMATE-CHINA-UPDATE-3-PIX-TV.html
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本文
●フィリッピンの南沙諸島で中国は策なく共同開発すべし
China sees no solution in sight to territorial disputes over potentially oil-rich South China Sea regions so it has begun to discuss possible joint projects with other claimant countries to avoid confrontations, a Chinese official said Tuesday.
一説には,2,000億バレルの原油が眠っているとも言われる南シナ海(注5)の南沙諸島(注6)は,その領有権を巡って,ブルネイ,中国,マレーシア,フィリッピン,台湾,ベトナムの,実に6カ国が争っている。2カ国でも難しい領有権の問題で,6カ国が争うのも,それも周辺海域の漁業権の問題だけではなく,原油ガスの探査,開発の権利が関係してくるからだ。太平洋戦争がなかったら日本もこの争いに参加しているだろう。
昨年,2008年に,フィリッピン国家石油PNOC(注9),中国国家海洋石油CNOOC(注10),ベトナム国家石油VOGC(注11)が合同で物理探査を実施したが,フィリッピンの憲法裁判所が,中国,ベトナムと他国と共同でフィリッピン領と称する地域を調査したことは,憲法違反である,現在審議中である。このような困難な中で,マニラ駐在の中国大使が発言した。
中国大使の発言。南沙諸島の領有問題は,とてもすぐに解決すると言うことは困難だろう,ロシアと中国の領有問題も50年以上がかかっている,エネルギーが大切なこの時期に,小異を捨てて,関係国で共同開発を目指すべきではないか,というのである。しかし,中国大使は,この共同開発さへ困難な状況だ,と認めている。共同開発を口にするさへ困難な状況で発言したこと自体,一歩前進とはとれないか。
(注)B (1) 090923B Philippines, ap.mysinchew,(2) title: China no solution in sight to Spratlys dispute,(3) ttp://ap.mysinchew.com/node/29487?tid=78,(4) MANILA, Philippines (AP),(5) South China Sea,(6) Spratlys,(7) Ambassador Liu Jianchao,(8) Association of Southeast Asian Nations,(9) Philippine National Oil Co.,(10) China National Offshore Oil Corp.,(11) Vietnam Oil and Gas Corp.,(12) By JIM GOMEZ/Associated Press Writer,(13) map spurce: http://www.japanfocus.org/data/schinasea.gif,(14) photo source: http://www.nansha.org.cn/books/2/the_nanshas_spratlys_disputes-backcover.jpg,(15)
今日の参考資料
●090923B Philippines, ap.mysinchewフィリッピンの南沙諸島で中国は策なく共同開発すべしChina no solution in sight to Spratlys disputehttp://my.reset.jp/adachihayao/index090923B.htmhttp://ap.mysinchew.com/node/29487?tid=78
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●中国の湖錦濤主席が炭素強度で2020年までに対GDP目標達成へ
Hu makes China's first promise of measurable curbs,Blunts impact by giving no firm target number,China shows "impressive leadership" says Al Gore (Adds details, analysis). Chinese President Hu Jintao on Tuesday promised to put a "notable" brake on the country's rapidly rising carbon emissions, but dashed hopes he would unveil a hard target to kickstart stalled climate talks.
昨日から,中国が何か重大発表をやる,というので注意してみていた。今朝の日本の新聞は,大々的な鳩山首相の25%削減演説で埋めつくされていたが,その中で中国の湖錦濤主席の演説要旨は,ほんの一行だけだった。炭素強度,という言葉が事前に流れていたが,これは中国の自己の目標として行く,今は具体的な目標数値は出さない,と言うことで,まあ回りは,そんなものだろう,という感じである。
アルゴア氏(注5)は,この湖錦濤主席(注6)の演説を,重要視している,と発言している。それは今まで中国は,先進国が京都議定書の削減義務を遂行することが先決,と言う主張であったから,ここで中国が自ら削減目標を,数値はないが方法論を述べただけでも,中国が温暖化ガス削減の舞台に上ってきた,ことを意味するというのである。昨日も計算したが,炭素強度を,温暖化ガス排出量とGDPの関係で表すと次の通り。
世界の温暖化ガス排出量は230億トン,世界のGDP総額は60兆6900億ドルで1兆ドル稼ぐのに3.79億トンの排出となる。同じ計算をしてみると,米国が56.1億トン排出で14兆2646億ドルだから1兆ドル当たり3.93億トン,日本が12.0億トンで4兆9238億ドルだから1兆ドル当たり2.44億トン,ドイツが7.8億トンで3兆6675億ドルだから1兆ドル当たり2.13億トン,となる。
これに対して,中国は27.8億トン排出で4兆4016億ドルだから1兆ドル当たり6.31億トン,インドは10.8億トン排出で1兆2097億ドルだから1兆ドル当たり8.93億トンとなる。中国と日本を比べると,実に中国は2.6倍近い温暖化ガスを排出していることになる。これを炭素強度と定義するなら,中国は何を言いたいのだろう。日本と同じレベルになるまで,先進国は新興国を支援すべし,となるのだろうか。
(注)G (1) 090923G China, forbes,(2) title: China's Hu vows to cut carbon output per GDP by 2020,(3) ttp://www.forbes.com/feeds/reuters/2009/09/22/2009-09-22T185435Z_01_N22195458_RTRIDST_0_NS-CLIMATE-CHINA-UPDATE-3-PIX-TV.html,(4) By Paul Eckert and Claudia Parsons,UNITED NATIONS (Reuters),(5) Al Gore,(6) Chinese President Hu Jintao,(7) carbon intensity,(8) Yang Ailun of Greenpeace China,(9) Todd Stern, special envoy on climate change in the United States,(10) carbon trading scheme,(11)
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●090923G China, forbes中国の湖錦濤主席が炭素強度で2020年までに対GDP目標達成へChina's Hu vows to cut carbon output per GDP by 2020http://my.reset.jp/adachihayao/index090923G.htmhttp://www.forbes.com/feeds/reuters/2009/09/22/2009-09-22T185435Z_01_N22195458_RTRIDST_0_NS-CLIMATE-CHINA-UPDATE-3-PIX-TV.html
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