2009年4月5日日曜日

インドの東部海域で更に天然ガスの発見

インドの東部海域で更に天然ガスの発見
HPは下記ドメインです。写真地図など見て下さい。
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm

北朝鮮のミサイル発射の誤報は,安全側だからまっいいか,とも思っていたが,よく考えてみると,例えば米国と旧ソ連のような関係の中で発射誤認をすると,どちらかが直ちに報復発射を行うわけで,世界原爆戦争に陥る危険がある。だから,誤認が起こるようでは,まだ日本は核戦争に参加する資格がないのかも知れない。それにしても,政治家はとにかく,米中ロシアなどの専門家は,常に相手のミサイルを監視しているのかな。

知的送電網,スマートグリッドは,「太陽光発電や風力発電をはじめ,不安定でも温室効果ガスの二酸化炭素(CO2)を排出しない再生可能エネルギーを,大幅に電力網に組み入れることを目指すもの」,と解説しているのは,ビジネスアイ(注)だ。バッテリーの問題を重要視した記事だ。洗濯機や冷蔵庫に,パソコンのようなバッテリーを組み込むことも,考えているだろう。日本は全然やる気がない,と書いている。

先日も書いたが,太陽光,風力の大量導入は,明らかに経済の足を引っ張る。それを補うために税金を投入するのが,所謂,グリーンニューディール,と考えられるが,出力に信頼性のない電源が,経済にどれほど大きな影響を与えるか,よく考えるべきだろう。電力がもっとも嫌うのは,設備の二重投資である。流れ込み式の水力などは,経済評価で有効出力を評価しないから,もう一つ設備が必要になる。

知的送電網,スマートグリッド,という前に,どうしてもバッテリーを開発することが最優先事項だ。バッテリーがなければ,知的送電網の運用は極めて難しくなる。先日も,新型プリウスを売り込まれたが,ガソリンエンジンが70KWぐらいで,内蔵バッテリーが60KWぐらい,と出力の面では完全に2重投資になっている。あれで,よく価格が保たれるなあ,と感心していた。研究の要がある。

今日は,インドの天然ガスを取り上げた。2002年に発見されたリライアンス,7年後の先週,やっと生産を開始したわけであるが,今日は同時に近くのKG21井で,グジャラートの公社が,深海で膨大な天然ガスを発見した。ここまで来ると,何処だって掘れば出る,と言うのは間違いないだろう。ただ一生懸命掘るかどうか,と言うことで,日本などは,中東やインドネシアの安い原油に頼ってきたから,深海を掘るような努力はしない。

私もガスはよく知らないが,今回のKG21井は,5,656mの位置で高さ800mに達する天然ガスの塊を発見したという。必ず出るとは思っていないだろうから,6,000m近くまで根気よく掘るなど,人間業ではないと思う。深海井の技術は,特に孔壁の安定をどう保つかが問題で,文献を見てみると,中国人の書いたものが結構多い。後で経済発展を遂げる中国にとって,深海井の技術は欠かせないのだろう。

(注) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200904040014a.nwc

本文

●インドのKG流域でグジャラート企業が新ガス井発見

Gujarat State Petroleum Corporation (GSPC), a Gujarat government owned company, has made huge discovery of gas in the KG 21 well located on the western side of Deendayal West block at Krishna Godavari Basin off Ahdhra Pradesh coast, official sources said. (冒頭原文引用)

インドの東部,KG流域でリライアンスの天然ガス生産に沸くインドのエネルギーセクターであるが,また今日は,別のグジャラート州の企業が,天然ガス発見のニュースである。天然ガスは何処でもある,ただ,深いか浅いかだ,と言う私の予言は本物のようだ。グジャラート州政府(注7)が所有するグジャラート州石油公社GSPC(注6)は,新たな発見,とGSPC(注6)筋の情報として伝えた。

このGSPC(注6)が発見した膨大な天然ガスのは,アンデラプラデシュ沖合(注11),クリシュナ-ゴドバリ流域(注10)のディーンダヤル西ブロック(注9)の西部に位置するKG21井(注8)である。高官筋によると,深さ5,656mの位置で,高さ800mに及ぶガス注に遭遇したという。この流域では最深の場所だという。政府ハイドカーボン局DGH(注12)の認可が必要だが,日100百万立方m以上の生産が見込めるという。

DGH(注12)は同じGSPC(注6)に対して,KG22井で,1.26兆立方フィートのガスの存在を,商業的に可能と認めている。

(注) A: (1) 090405A India, Economic Times,(2) title: GSPC strikes gas discovery in KG 21 well,(3) http://economictimes.indiatimes.com/News/News-By-Industry/Energy/GSPC-strikes-gas-discovery-in-KG-21-well/articleshow/4359759.cms,(5) 4 Apr 2009, 2059 hrs IST, PTI,AHMEDABAD:,(6) Gujarat State Petroleum Corporation (GSPC),(7) Gujarat government,(8) KG 21 well,(9) Deendayal West block,(10) Krishna Godavari Basin,(11) off Ahdhra Pradesh coast,(12) Director General of Hydrocarbons (DGH),(13) 

●インドのリライアンスのKGガス生産開始はエネルギー界に活性

In a development slated to enhance India’s macroeconomic health as well as energy security, Reliance Industries (RIL) has commenced natural gas production from its D-6 block in the Krishna-Godavari (KG) basin. The gas started to flow late on Wednesday evening. The development will reduce India’s trade deficit, cut the subsidy burden on fertilisers, and improve chances of oil multinationals investing in oil and gas exploration in Indian seas. (冒頭原文引用)

インドのリライアンスの天然ガス生産開始,の報は既に伝えたとおり。リライアンスでもこれを確認,インドのエネルギーが新しい段階に入った,と伝えている。それでも,発見から7年を要したわけであり,量も限られていて,インドのガスとの戦いはこれからだ。リライアンス(注5)は,先週水曜日夕方,2009年4月1日,KG流域(注7)のD-6ブロック(注6)からの天然ガス生産を開始,インドの経済浮揚とエネルギー確保が期待されている。

この天然ガス生産開始は,貿易収支の改善,肥料への補助金の軽減,それにインドの海辺での原油ガス探査への投資に,大きな影響を与えるだろう。石油省のパンディ次官(注8)は,水曜の夕方始まった天然ガス生産は,今のところ,日2.5百万立方m(mmscmd)であるが,間もなく5mmscmdに上がり,今年中にはピークを迎えて,80mmscmdに達するだろう,としている。

インドの石油と天然ガスの年間使用量は,原油換算で175百万トンであるが,この天然ガスは全使用量の6分の1に当たる。現行の価格では,リライアンスのKGガスは,ピーク値で年間90億ドルの外貨節約に貢献する。2007~2008年度の原油輸入は,680億ドルであった。百万Btu当たり現行のの4.2ドルとすると,11年間の耐用年数と考えると,420億ドルの節約となり,このうち政府持ち分は,140億ドルに達する。

リライアンスの売り上げ増は,現行価格で年20億ドルである。リライアンスのアンバニ社長(注9)は,技術的な困難との闘いもさることながら,法的な問題,内輪の問題も大変だった,と言っている。リライアンスの今回の業績は歴史的なものであり,複雑困難なプロジェクトを仕上げるという意味で,世界にも大きな影響を与えるだろうと。カナダ企業のNIKO(注10)も探査免許NELP-1(注11)の段階から貢献した。

リライアンスは,90%の資本を有しており,残りはNIKO(注10)である。天然ガス発見は2002年で,生産まで7年かかったことになる。パンディ次官(注8)によると,KGガスは最初,ナガールジュナ肥料プラント(注12)に供給され,4,5日後には更に遠くの肥料プラントに送られると。政府の方針では,最初の15mmscmdまではすべて肥料に供されると。コンサルタントのマバニ氏(注13)は,インドでの深海での生産に意義がある,と。明日は測量作業があり,更新が遅れます。

(注)B: (1) 090405B India, Economic Times,(2) title: Energy boost for India as KG gas flows,(3) http://economictimes.indiatimes.com/News/News-By-Industry/Energy/Energy-boost-for-India-as-KG-gas-flows/articleshow/4352631.cms,(4)
3 Apr 2009, 0334 hrs IST, ET Bureau,NEW DELHI:,(5) Reliance Industries (RIL),(6) D-6 block,(7) Krishna-Godavari (KG) basin,(8) petroleum secretary RS Pandey,(9) RIL CMD Mukesh Ambani,(10) Niko Resources of Canada,(11) new exploration licensing policy (Nelp-1),(12) Nagarjuna fertiliser plant,(13) global consultancy firm KPMG’s head of Infrastructure & government, Jai Mavani,(14) deepwater play,(15) Dhirubhai 1 and 3,(16) 

参考資料

●090405A India, Economic Times
インドのKG流域でグジャラート企業が新ガス井発見
GSPC strikes gas discovery in KG 21 well
http://economictimes.indiatimes.com/News/News-By-Industry/Energy/GSPC-strikes-gas-discovery-in-KG-21-well/articleshow/4359759.cms
●090405B India, Economic Times
インドのリライアンスのKGガス生産開始はエネルギー界に活性
Energy boost for India as KG gas flows
http://economictimes.indiatimes.com/News/News-By-Industry/Energy/Energy-boost-for-India-as-KG-gas-flows/articleshow/4352631.cms

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