2009年1月11日日曜日

インドのAP州に縦貫ハイウエー建設

HPは下記ドメインです。写真地図など見て下さい。
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm

「アルナチャルプラデシュ」,を日本語で検索すると,私に関連したHPばかりが並んでくる。どうも私は,まだ見ぬ国境未確定の山岳地帯,アルナチャルプラデシュに異常な憧れを持っているようだ。実際に歩きなさい,と言われれば大変なところだとは分かっているが,まだ見ぬだけに夢が広がる。流れる大河と急流,3,000mを越す山々に囲まれた荒廃たる地域,しかし人類のエネルギー資源が開発を待っている。

2008年初頭から,インドのシン首相が初めてこの地域を訪れ,開発への気運を盛り上げてから,既に1年が過ぎたことになる。私も,インドが中国のチベット開発を意識しながら,アルナチャルプラデシュの開発を盛り上げようとしたことは知っていたが,今日,調べていて,シン首相が訪問した直後,北京が,国境未確定のところにインドの首相が踏み込むのは怪しからん,と抗議していたことを知った。

ある掲示板に書かれていたものだが,共同通信が2008年2月9日に報じた内容で,北京でインド大使を呼んで,両国が国境画定交渉を行っている中で,同州を訪れてそのような発言をするのは不適切との見方を非公式に伝えたという。今日のインド紙の報道は,これを全く無視したもので,読めば読むほど,それはまさしく山岳地帯の軍用道路,とも見られそうな内容である。

アルンチャルプラデシュ州は,安全に問題もあるが観光地であり,ブラマプトラ河の大支流が入って,渓谷美をなしている,と想像している。州都はやや南西の縁に位置するイタナガールである。州の総面積は,83,743平方km,人口は,2001年推定で1.091百万人。主要河川は,シアン,ティラップ,ロヒト,スバンシリ,バレリ,いずれもブラマプトラ河の支流である。

今回,閣議決定されたプロジェックとは,北東地域道路開発計画SARDP-NE(注9)で,2015年までの7期間に拡大して2,600億ルピーの規模となることが提案されている。中央政府は州都グワハティ(注10)にプロジェクト運営ユニットPMU(注11)を組織して,SARDP-NE(注9)の効率的な実施を期する。チダンバラム内相(注12)は,閣議が,道路運輸局(注13)の,1,412kmで11地区を繋ぐ州縦貫ハイウエー(注14)承認と。

実際にこの道路が建設され始めると,中国はどの様な姿勢で臨むのであろうか。インドが実行支配しているから,そのことは既定の事実だが,そこで何かやろうとすると,中国としては黙っていられない。首相の訪問ぐらいは何とでもなろうが,道路,そうして道路を使ってのダム建設,と進展して行くとどうなるのであろうか。私は,州の縦貫ハイウエーが完成してから行ってみたい。

本文

●ネパールのドウディコシ2水力への参加,疑わしい

政治の安定と共に,10年間で10,000MW,を掲げて動き出したと思われるネパールの水力開発であるが,なかなか軌道に乗らない。今日の記事の問題も,世界金融危機との関連があるのだろうか。今日と同じインド企業が,先日,ブータンでも問題を起こしていた。食器棚が崩れるように,インドIT企業の先導者サティアム(注1)とその関連企業マイタス(注2)の,ネパールの水力開発への参入に疑問が出てきた。

巨大な金融詐欺事件の煽りで,マイタス(注2)の会長が辞任したが,このマイタス(注2)は,ネパール西部のゴルカ地区(注3),ブディガンダキアーケット川(注4)の,110MW水力プロジェクトの入札に参加している。また,その関連企業マイタス不動産(注5)は,北部,ソルクンブ地区(注6)の,102MW,ドウディコシ第2水力プロジェクト(注7)にも応札している。この入札は,企業が華やかなりし2年前に実施されたものだ。

しかしネパールの水力開発の動きは遅かった,担当省は座ったままだし,政治の混乱も原因した。皮肉にも,このインド企業の栄光ある繁栄が終わりに近づいた頃,ネパール政府はやっと腰を上げた。マイタス(注2)にとって幸運なのは,ネパールの負っている苦しい現状,日12時間の停電とそのための産業の好戦的な姿勢である。政府は,約100MWのプロジェクトをすぐ立ち上げる準備に入った。

しかし,実際にこの政府の行動に対応できるのは,マイタス(注2)以外に今はない状態だ。しかし問題は,パニックに陥っているマイタス(注2)が,苛立っているネパール人の求めに応じて,他の海外企業の力を借りてでも対応できるかどうかだ。それにしても,一気に花を咲かせようとしたネパールの水力へ群がったインド企業の質に低さというか,十分な事前審査が出来ていないネパール政府の問題である。

(注) (1) India’s IT bellwether company Satyam,(2) Maytas Infra,(3) Gorkha district,(4) Budi-Gandaki Arket river,(5) Maytas Properties,(6) northern Solukhumbu district,(7) Dudhkoshi 2 hydropower project,(8)

●インド政府,アルナチャル州の水力プロジェクト承認

中国が戦車に変えてブルオーザーでいつ攻撃してくるか分からないインドの実行支配地域,インドの北東端,アルナチャルプラデシュ州(注8),私の手元の地図にも,はっきりと,国境未確定地域,と記されている。中国がチベット大々的に進めているインフラ建設に対抗して,遅ればせながら,インド中央政府の閣議決定がなされた,それは,1,251億ルピーに上るまさに野望的なアルナチャルプラデシュ州(注8)縦貫ハイウエー建設である。

この閣議決定されたプロジェックとは,北東地域道路開発計画SARDP-NE(注9)で,2015年までの7期間に拡大して,2,600億ルピーの規模となることが提案されている。中央政府は,州都グワハティ(注10)にプロジェクト運営ユニットPMU(注11)を組織して,SARDP-NE(注9)の効率的な実施を期する。チダンバラム内相(注12)は,閣議が,道路運輸局(注13)の,1,412kmで11地区を繋ぐ州縦貫ハイウエー(注14)承認と。

またチダンバラム内相(注12)は,この計画が地域の水力開発に大きく貢献するであろう,と語り,最終的には,総延長2,319km,総工事費,1251億ルピーである,と。更に,847kmの2車線道路が,残りの5地区を繋いで,アルナチャルプラデシュ州(注8)全部の16地区の区都を繋ぐことになり,と説明した。また難所で現在途切れている60km,ローイングのNH52(注15)とドーラのNH37(注16)も繋ぐと。2013年完成予定。

この60km区間には,ドーラ(注16)とアッサムのサディア(17)の間のロヒット川(注18)の大規模橋梁建設も含まれる。またまさに国境前線であるアニニ地区(注19)とアンジョー地区(注20)にも進める戦略的重要性のある道路もカバーしている。昨年,2008年1月に,シン首相が北東地域,イタナガール(注21)を訪問した際に約束した包括提案の一つで,彼は,タワン(注22)とマハドウプール(注23)を結ぶ州縦貫道路としていた。

(注) (8) Arunachal Pradesh,(9) Accelerated Road Development Programme in North East (SARDP-NE),(10) Guwahati,(11) Project Management Unit (PMU),(12) Union Home Minister, P Chidambaram,(13) Department of Road Transport and Highways,(14) Trans-Arunachal Highway,(15) NH 52 near Roing,(16) NH 37 near Dhola,(17) Sadiya in Assam,(18) Lohit River,(19) Anini District,(20) Anjaw District,(21) Itanagar,(22) Tawang,(23) Mahadeopur,(24)

●インドネシア,スラウエシで,新規発電所完成へ

あのスラウエシ島に,遂にオーストラリア勢が乗り込んできたのですね。水力開発などで,華々しくJICAや日本のコンサルタントが活躍していたところだが,天然ガスが出るという。オーストラリアのエネルギー企業が,二つの発電所とLNG基地を建設する,と宣言した途端,南スラウエシの人々は,苦しんできた電力不足と燃料不足から,まもなく解放されるという。

エナージワールド(注24)の傘下にあるPTEEセンカン(注25)と南スラウエシLNG(注25)は,二つの60MW発電所とLNG基地を建設する,と発表したのは,この木曜日,2008年1月8日,リンポ南スラウエシ知事(注27)と会見した後,エナージワールド(注24)のエリオット社長(注28)である。この会議には,南スラウエシLNG(注25)のプルマナ総務部長(注29)も出席していた。

PTEEセンカン(注25)は,既にシンガポールのセンカン(注30)に,ガス火力,135MWと60MW,2機を完成させ,更に二つの60MW発電所を建設,総出力は315MWになる,とエリオット社長(注28)が話している。エナージワールド(注24)は,140百万ドルを投じて,年内に一発電所,更に二つ目を2010年に完成,と計画している。

現在の南スラウエシ(注31)は,需要の急増にもかかわらず,バカル水力発電所(注32)が水不足で出力が出ず,輪番停電が続いている。エナージワールド(注24)は,現在ガス探査中の地点から20km離れたワジョ地区(注33)のキーラ(注34)に,ガス火力のためのLNG基地を建設する予定である。このLNGプラントは,2010年完成,2011年運転開始と考えている。

LNG基地はボオン湾(注35)の近くで,建設費は5億ドル,プラントの能力は,年間2~5百万トンで,バリやジャワ島ばかりでなく,海外への輸出も視野に入っているという。リンポ南スラウエシ知事(注27)は,LPGの地元への供給も要請している。エリオット社長(注28)も知事に同意しているが,なお,原油ガス規制を行っているミガス(注36)と電力のPLNの承認が必要だ,としている。

(注) (24) Energy World Corporation Ltd,(25) PT Energy Equity Epic Sengkang,(26) PT South Sulawesi LNG,(27) South Sulawesi Governor Syahrul Yasin Limpo,(28) Stewart W.G. Elliot, the company's managing director and CEO,(29) PT South Sulawesi LNG director of general affairs, Priandika Permana,(30) Sengkang,(31) South Sulawesi,(32) Bakaru hydroelectric plant,(33) Wajo regency,(34) Keera,(35) Bone Bay,(36) BP Migas,(37)

参考資料

ネパール

●090111A Nepal, thaindian
ネパールのドウディコシ2水力への参加,疑わしい
Doubts about Maytas’ hydropower bids in Nepal
http://www.thaindian.com/newsportal/uncategorized/doubts-about-maytas-hydropower-bids-in-nepal_100140223.html

インド

●090111B India, assamtribune
インド政府,アルナチャル州の水力プロジェクト承認
Centre clears project in Arunachal
http://www.assamtribune.com/scripts/details.asp?id=jan1009/at013

インドネシア

●090111C Indonesia, The Jakarta Post
インドネシア,スラウエシで,新規発電所完成へ
New power plants for S. Sulawesi
http://www.thejakartapost.com/news/2009/01/10/new-power-plants-s-sulawesi.html

0 件のコメント: