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http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm
オバマ大統領は就任演説の中で,エネルギーは太陽と風と土地から,と言っていた。風と水とは元は太陽エネルギーだから,太陽と土地,と言えばよいのにわざわざ,太陽と風,と言ったために,水が落ちてしまった,「上手の手から水がこぼれた」,と言う諺はここから来たらしい。昨年の11月ぐらいから27歳の挨拶文のドラフターが何度も何度もオバマ氏とやりとりして描き上げたという,土地は勿論バイオのことだろう。
化石燃料は,太陽エネルギーが一度炭素を地球に閉じこめてしまったわけだから,それを解放することは地球温暖化に繋がる,と言うことだろうが,短期間にそのサイクルを繰り返すバイオは,地球温暖化の犯人ではない,という理解だろう。でも,わざわざ炭素を取り込んでくれたのだから,やはりそっと地球に埋め込むべきではなかろうか。地熱は太陽エネルギーか,長期なサイクルの太陽エネルギーか。
地熱発電は炭酸ガスを放出しないのだろうか,少しはするのでは。再生可能エネルギー法を成立させたフィリッピンは,あそこまで強気なのは,太陽光発電や風力に頼っているのではなくて,地熱と水力を頭に置いて,法案をアジア諸国に先駆けて成立させたのだ,と言うことも出来る。フィリッピンは現在のところ,地熱発電に於いて,米国に次いで第二の発電量を持つという。
フィリッピンは今,電源開発を忘れて,電力自由化を一生懸命進めているが,最初のステップは国有電力公社NPCの有する資産売却で,2009年にも予定の70%売却を完了したい,としている。この2,3年は,火力発電所の資産売却入札で,大いに揺れていたが,再生可能エネルギー法が通過してから,少し風向きが変わってきた。地熱発電所と水力発電所の買収競争に,一気に火がついた感じである,優遇措置を期待して。
余り詳しくないが,フィリッピンには2,3の有名な財閥がある。その中でも,エネルギーに熱心なのが,ロペス財閥でありアボイテス財閥である。過去に,2008年12月13日付本HP(注)で,ロペス財閥の支配するファーストジェンFGC)の関連会社であるEDCが,水力と地熱の発電所の確保に向けて動き出し,世銀のIFCから大きな資金支援を得ていることが話題になっていた。
今日はその競争相手であるアボイテス財閥の動きが,詳細に伝えられている。アボイテス電力(注1)は,国有の発電所を買収するために,国内債券市場で,15億ペソの起債を行う予定である。フィリッピン証券市場(注2)に,昨日,2009年1月20日,より需要があるならば,予定の2倍の起債を行う可能性がある,伝えた。アボイテス電力(注1)は,この債権申し込みの件で,監督委員会(注3)に必要書類(注4)を提出した,とある。
既設発電所の買収競争もいいけれど,再生可能なら再生可能でも良いから,電源の開発にもう少し力を入れて頂きたい。ルソンには水力が残っているはずだ。治安の問題を捨てておくから,開発できない,というのは,独立国家として恥ずかしい。ルソンの北は未開発水力の宝庫である。でも,電気料金の問題になると,石炭火力を更に開発しておく必要があるはずだ。
(注) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081213A.htm
(注) (1) ABOITIZ Power Corp.,(2) Philippine Stock Exchange,(3) Securities and Commission,(4) registration statement,(5) Albay,(6) Laguna,(7) Tiwi-Makban power plants,(8) AP Renewables, Inc.,(9) Aboitiz Equity Ventures, Inc.,(10) Cebu City,(11) Erramon I. Aboitiz, new Aboitiz Equity president and chief executive officer,(12) Visayan Electric Co., Inc. (VECO),(13) Aboitiz and Garcia families,(14) 300-megawatt power plant in Subic,(15) Davao,(16) Cebu Energy Development Corp.,(17) Cebu.,(18) Toledo City,(19) Sibulan,(20) Visayas,(21) Tongonan plant,(22) Palin-pinon plant,(23) Mindanao coal plant,(24) Mindanao,(25) Energy department,(26)
本文
●フィリッピン,アボイテス,電源資産のため15億ペソ起債
フィリッピン,上場企業,アボイテス電力(注1)は,国有の発電所を買収するために,国内債券市場で,15億ペソの起債を行う予定である。アボイテス電力(注1)は,フィリッピン証券市場(注2)に,昨日,2009年1月20日,より需要があるならば,予定の2倍の起債を行う可能性がある,伝えた。アボイテス電力(注1)は,この債権申し込みの件で,監督委員会(注3)に必要書類(注4)を提出した。
この調達資金は,747MWの発電所の前渡金40%に充当する,その発電所は,アルバイ(注5)とラグナ(注6)にあるティウイ-マクバン発電所(注7)である。アボイテス電力(注1)は,その関連会社,AP再生可能(注8)を通じて,昨年,2008年7月,446.88百万ドルで,この地熱発電所の入札を行っている。昨年,2008年,39億ペソを借り入れているが,更にその運用と新規発電所買収に資金が必要である。
アボイテス電力(注1)の親会社であるアボイテス投資ベンチャー(注9)によると,まだしばらくセブ市(注10)で資本投入を行いたい,景気後退時期ではあるが,アボイテス電力(注1)は発電資産買収を考えているから,と語っている。アボイテス投資ベンチャー(注9)のアボイテス社長(注11)は,まだ金額は明確ではないが,それは2008年の実績を超えるとしている。昨年は,3つの地熱買収で,114億ペソを投入した。
アボイテス社長(注11)は,電力需要は今年も伸びる,と見ている。製造業は落ちるが,他のセクターはまだ伸びると見ている。彼によると,2008年,配電企業のビサヤ配電VECO(注12)では,KWhで4.6%の伸びを示している。VECO(注12)は,30万世帯の需要家を持つフィリッピンで2番目の配電企業で,アボイテスとガルシア一族(注13)が所有して,セブ市(注10)及びその近傍に配電している。
現在工事が遅れている,300MWスビック発電プロジェクト(注14)を除いて,他のプロジェクトは順調に推移している。アボイテス電力(注1)は,ダバオ(注15)で,42MWと34MWの水力発電所を建設中である。それは,コンソーシアム,セブエネルギー開発(注16)に参画しているもので,このコンソーシアムは,246MWの石炭火力を,セブ(注17)のトレド市(注18)で建設中である。
アボイテス社長(注11)によれば,セブ(注17)の石炭火力は,まず,82MWが2010年3月に運転開始する,また,シブラン(注19)推力発dんしょは,今年,2009年9月に完成する,としている。300MWスビック発電プロジェクト(注14)は遅れているが,まだ生きていると。他にアボイテス電力(注1)は,ルソンのティウイ-マクバン発電所(注7)とビサヤス(注20)のトンゴナン発電所(注21)とパリンピノン発電所(22)を買うと言っている。
アボイテス社長(注11)はミンダナオ石炭火力(注23)について,今評価をしているが,電気料金がプロジェクトに比べて安すぎる,と言っている。ミンダナオ(注24)は,2009年末から2010年初めにかけて,新規電源,100~200MW必要とされている。エネルギー省(注25)によれば,年率6.5%で需要が伸びるので,2006~2014年に,新たに850MWの新規電源が必要,と言っている。
(注) (1) ABOITIZ Power Corp.,(2) Philippine Stock Exchange,(3) Securities and Commission,(4) registration statement,(5) Albay,(6) Laguna,(7) Tiwi-Makban power plants,(8) AP Renewables, Inc.,(9) Aboitiz Equity Ventures, Inc.,(10) Cebu City,(11) Erramon I. Aboitiz, new Aboitiz Equity president and chief executive officer,(12) Visayan Electric Co., Inc. (VECO),(13) Aboitiz and Garcia families,(14) 300-megawatt power plant in Subic,(15) Davao,(16) Cebu Energy Development Corp.,(17) Cebu.,(18) Toledo City,(19) Sibulan,(20) Visayas,(21) Tongonan plant,(22) Palin-pinon plant,(23) Mindanao coal plant,(24) Mindanao,(25) Energy department,(26)
●インドのCERC,公社事業の資本参入,IRR15.5%へ
中央の電力セクターの公益事業体,NTPC(注26)とNHPC(注27)は,そのプロジェクトへの資本投下に於いて,今までより高い内部収益率で,収益を見積もりことが出来るべく,基準が改定になる。火曜日,2009年1月29日,中央電力規制委員会CERC(注28)は,向こう5年間に於ける料金規制で,資本内部収益率ROE(注29)を,14%から15.5%とすることで発表した。工期を守るものは,更に0.5%上げる。
これによって,この景気が悪化する中,発電や送電線部門で,より利益性が増し,投資が増えることが期待される。CERC(注28)のデオ委員長(注30)は,この基準改定は,発電企業と需要側の両者のバランスをとったものだ,と言っている。この新しい基準は,2009~2014年に適用するもので,2009年4月1日に発効する。
なおこの基準は,税引き前で,ベースのROE15.5%は,税率によって更に上がる。即ち,前に基準の21%は,23.5%となる。これは投資を有利にするが,その一方,需要家は所得税に耐えられなくなると思われる。CERC(注28)のクマール事務局長(注31)は,これが需要側の不満であったが,改訂によって需要側の所得税は,中央公共事業体から買電することで,100~120億ルピーの削減になると見ている。
また改訂の中でCERC(注28)は,電力企業の開発事業に不利であった償却繰り上げ制AAD(注32)を排除した。しかしこれは,新規プロジェクトの負債の返還を保護しいた償却率を書き直すことになった。12年間経ってしまうと,残りの償却はプロジェクトの耐用期間全体に分散されることになる。電気料金は安くなるのか,の質問にクマール事務局長(注31)は,15~20%高くなるが,これを5~10%に抑える,と言っている。
CERC(注28)の規定では,資本率が30%を超えると,残りは通常のローンとして扱われるが,30%以下であれば,料金設定で配慮される。2009年4月1日以前の発電や送電線のプロジェクトは,料金設定に当たって,2009年3月31日以前の負債資本比率(注33)で判断される。2009年4月1日以降の経費は,資本支出として,料金設定で考慮される。
水力発電所について,新規プロジェクトについては,最初の10年間の水文リスクを考えて,別個に検討することで,配慮が加えられている。またCERC(注28)は,再生可能エネルギー関連のプロジェクトについては,料金規制を,別個切り離して考えることに決定している。
(注) (26) NTPC,(27) NHPC,(28) Central Electricity Regulatory Commission (CERC),(29) rate for return on equity (RoE),(30) CERC chairman Pramod Deo,(31) CERC secretary Alok Kumar,(32) advance against depreciation (AAD),(33) debt-equity ratio,(34)
参考資料
フィリッピン
●090122A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン,アボイテス,電源資産のため15億ペソ起債
Aboitiz Power to borrow P1.5B more; parent to hike spending
http://www.bworldonline.com/BW012109/content.php?id=045
インド
●090122B India, Economic Times
インドのCERC,公社事業の資本参入,IRR15.5%へ
CERC raises power returns base to 15.5% for five years
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/CERC_raises_power_returns_base_to_155_for_five_years/articleshow/4009412.cms
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