HPは下記ドメインです。アフリカ,中東,南米,再生可能エネルギーの最前線もあり。http://my.reset.jp/~adachihayao/index.htm
「知的送電線ネットワークの発想へ」,スマートグリッド,スマートメーター,この発想は既に電力会社の中では相当に,こなれているのだろうか。10年ぐらい前に,電力会社の友人に,あの送電網配電網はすごいネットワークだ,情報と結びつけなくてどうするか,と問いつめたら,アダチさん,心配するな,ちゃんとやっているから,と言っていた。
HPを見て頂くと,数日前に,「再生可能エネルギー最前線」,でグーグルが,米国の石炭火力を2030年までにゼロにする,そのためにグーグル自体が投資するが,その時必要なのは知的送電網,スマートグリッドだ,と言っているのを見て驚いた。そうして昨日か,インドの副大統領が電力会議の挨拶で,クリーンエネルギーの開発にはスマートグリッドが不可欠だと言っている。そうして今日,マニラブリテンが,ワシントン発で記事にした。今日のニュースの元は,米国エネルギー長官ボッドマンである。
これは大変だ,と思って日本語の資料を調べてみると,2007年半ばに,日本IBMが,スマートグリッドの詳しい説明をして,その推進を提案している。電力会社の資料にはアクセス出来なかったが,おそらく相当に深い研究が行われているのだろう。しかし,グーグルも,インドの副大統領も,米国のエネルギー長官も,またIBMでさへも,その具体的なイメージは全然明らかにしていない,構想だけである。
我々電源ばかりを扱ってきた人間は,大体送電線を少し大袈裟に言わせて頂ければ,ちょっと馬鹿にしていた。だって,あれほど不安定で見苦しいものはこの世の中にはない。指で押しただけで倒れそうな気がするし,台風にも地震にも弱そうに見えるし,テロにも弱そうだし,ましてや戦争など起こったら真っ先に麻痺するのが送電網ではなかろうか。
ボッドマン長官も,スマートグリッドの定義とは,情報を運ぶと同時に,ハリケーンにもテロにも耐え得るものだ,と言っている。そうしてもう一つのポイントは,グーグルがそれに乗ったように,とんでもないところに散らばっている再生可能エネルギーを効率よく拾い集めてくる機能が重要だという。私に言わせればこれは,「スマート・アンドスト・ロング・グリッド」,で,要するに現在の送電線を根底から作り直すことらしい。
私の理解であるが,スマートグリッドとは,今までは電気を送るだけの機能しかなかった送電線を,そこに情報を載せる,しかもそれは双方向でなければならない。オーバーレイと言っているのはそのことか。また,これは送電線だけの問題ではなくて,配電網から更に工場や家庭の中にも入り込んで,テレビや冷蔵庫の電気器具まで情報を拾い集めて来るという。これで行けば,太陽光も風力もバイオも,簡単に集めてこれるし,需要家が,自分の電気がどこから来ているか,まで選択できるという。
この話は面白そうだが,ちょっと考えすぎではなかろうか。ボッドマン米国エネルギー長官も,最後に言っている言葉は,その技術的展開は可能なのか,それはいつ起こりえるのか,多重系の中に組み込まれるのは何か,そのくらいのコストがかかるのか,そのコストを我々は負担することが出来るのか,と。
日本語参考資料
http://www.meti.go.jp/committee/materials/downloadfiles/g71101c04j.pdf
http://business.nikkeibp.co.jp/article/pba/20080917/170808/
本文
●先進国の送電網,再生可能など,知的超高圧系統への切り替えが提案されている
最近のスマートグリッドの記事には,注目が集まっている。ワシントン発のニュースを Manila Bulletin が取り上げ,フィリッピンへの適用について論じている。今や先進国では,送電線が気候変動に弱いことに困り,かつ再生可能エネルギー問題への挑戦で,超高圧送電網の技術革命に走っている。United States Energy Secretary Samuel Bodman が,送電網知能化,"smart grid"の実現を,2030年とした。彼が想定している危険は,ハリケーンなどとテロの問題である。
特に,風力,太陽光,地熱,クリーン石炭,原子力などの電力を集めて有効化するためには,EHV overlay system でなければならない,と言っている。2030年の米国の電力は,25%ほど増えており,電源も多様化している。あらゆる供給制限 brownout や停電 blackout に耐えなければならない。フィリッピンのような発展途上国では,まだ距離があるが,先進国の技術改革を見届けなければならない。
今,ここで問題になっている知的送電網とは,送電線,変電所,開閉所は勿論のこと,配電網から工場や家庭のメーター,更には家庭内のテレビや冷蔵庫などの電気器具まで,全部に知能を持たせる,と言うことらしい。今までは,電気を送るという一方的なことだけだが,その上に情報が載って,双方向になるのだ,と言っている。これを記事ではオーバーレイと言っているのか。
そこで Bodman は最後にこう言っている。その技術的展開は可能なのか,それはいつ起こりえるのか,多重系の中に組み込まれるのは何か,そのくらいのコストがかかるのか,そのコストを我々は負担することが出来るのか,と。
●中国,パキスタンの石炭火力,原子力,大ダムを支援へ
インドと米国が原子力で結びついていく中で,中国がますますパキスタンへの協力を強めている。パキスタンの Water and Power Ministry の筋の情報によると,協力は特に,原子力発電,石炭火力,大規模ダム,に収斂してきている。9月24日に,イスラマバードの外務省で協議が行われた結果,大臣レベルの協議機関が設置されることになった。両国首脳によって発表されることになっている。
協力は,まず中国資本の,Basha Dam project,Thar Coal project,phases 3 and 4 of the Chashma nuclear power plant の三つのプロジェクトへの投下からスタートする。また,.Basha Dam は,Water and Power Development Authority (WAPDA) によって,既に設計も進んで,本格工事のための入札直前まで進んでいる。水力では続いて,Munda Dam, Kohala Dam,the Neelum-Jehlum Hydropower Project が健闘されている。
Chashma の2基の原子力発電は,12937億ルピーで,640MWを目指している。政府は,2030年長期ビジョンで,8,000MWの原子力開発を目指している。
Reference
pakistan
●081005A Pakistan, Daily Times
中国,パキスタンの石炭火力,原子力,大ダムを支援へ
Pakistan, China to set up joint power corporation
http://www.dailytimes.com.pk/default.asp?page=2008%5C10%5C05%5Cstory_5-10-2008_pg1_5
Philippines
●081005B Philippines, Manila Bulletin
先進国の送電網,再生可能など,超高圧系統への切り替えが提案されている
Shift to extra-high voltage transmission system proposed
http://www.mb.com.ph/BSNS20081005137111.html
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