2008年10月8日水曜日

中国政府のチベット開発政策

HPは下記ドメインです。
アフリカ,中東,南米,再生可能エネルギーの最前線もあり。
http://my.reset.jp/~adachihayao/index.htm

「中国政府のチベット開発政策」,本論に入る前に二言ほど。昨日の 081006C の記事で,Nam Ngum 2 を Nam Then 2 と取り違えた,ごめんなさい,友人の注意で気がついた。それから,081005 の,知的送電網,スマートグリッドが非常に気になりますね。この先10年ぐらいは,電源が原子力水力中心になろうと,再生可能エネルギーが上げてこようと,IT産業の関心もあって,相当に電力の中心的なテーマーになるだろうと言う予感あり。「知的送電網」と言う言葉を使っているのは,日本のHP上では私だけのようだが,HP内に知的送電網研究会を立ち上げてはどうか。

さて,本来のチベットの問題。先日来からチベットが何かと騒がしい。今朝の報道で,チベット自治区でM6.6の地震,9人死亡,家屋数百棟倒壊が報じられている。また先日は,チベットはアジア大陸の水源で,アジアの水戦争はチベットから始まる,と主張した人がいる。またその前のチベット騒乱は,中国政府の屋台骨を揺るがしかねない,大事件で,まだ尾を引くだろう。

改めてチベットを見てみよう。ウイキペディアをようやくさせて貰う。「少数民族としてのチベット族(蔵族)の居住領域に設けられた民族自治区とされるが,中国政府のチベット政策に反対する人々は、チベットとチベット(西蔵)自治区の同一視に対して異議を唱えている。チベット自治区統計局によると,2004年末のチベット自治区の人口は273万6800人,チベット自治区は中国で最も人口の少ない省クラス行政区。総面積は120万平方キロ余りで中国全土の8分の1。

今日の記事は,中国政府が,チベットの騒乱を受けた形で,相当大規模な電化政策を進めている,と言うものである。中国はこれまでの8年間に,発電所の建設に29億元,約426百万ドル相当,を注ぎ込んできた。この間,443カ所で発電所が建設された。Wang Qinghua, the regional electric power bureau head によると,チベット全人口の69%にあたる193万人が新たに電気を受け,30年前から見ると,この数字は400%に匹敵する。案外に人口が少ないという感じがする。昨年は,新たに18万人が電気を新しく受けた。

今後の計画であるが,将来758カ所の発電所を建設する計画である。自治区政府は,農民や牧畜民に対して,今後も電力のみならず,家屋や安全な飲料水供給設備を作って行く。自治政府は,過去2年間で13億元をこのために投入したが,それは煉瓦造りの家屋を増設して,遊牧民達を定住させるために使ってきた。

発電に関しては,どの様な形態で開発が進むのか,よく分からないが,ディーゼル発電主体の上に,小水力や太陽光,風力を組み合わせて行くものではないか。JICAも,外モンゴルで電化の経験があるが,遊牧民が集まってきて,子供に教育を受けさせる学校や病人を収容する病院などの公共施設に付随しての,水道や電気が建設されるというのが,一般的なパターンである。

.本文

●中国,,チベットの29億元に上る発電所開発を計画

中国はこれまでの8年間に,発電所の建設に29億元,約426百万ドル相当,を注ぎ込んできた。この間,443カ所で発電所が建設された。Wang Qinghua, the regional electric power bureau head によると,チベット全人口の69%にあたる193万人が新たに電気を受け,30年前から見ると,この数字は400%に匹敵する。案外に人口が少ないという感じがする。昨年は,新たに18万人が電気を新しく受けた。

今後の計画であるが,将来758カ所の発電所を建設する計画である。自治区政府は,農民や牧畜民に対して,今後も電力のみならず,家屋や安全な飲料水供給設備を作って行く。自治政府は,過去2年間で13億元をこのために投入したが,それは煉瓦造りの家屋を増設して,遊牧民達を定住させるために使ってきた。

私は,チベットに行ったことはないが,モンゴルで見たのは,遊牧民として遠くまで旅している人々の帰ってくる町みたいなものを,余り遠く離れない間隔で,建設していた。あれは大体旧ソ連の政策だったのだが,その町には,学校,病院,集会場などの必要な建物の他,水道は勿論,まず大切なのは発電所だった。大体はディーゼル発電所だったが,すぐ故障していた。JICAが太陽光発電所を,パイロット事業として造っていた。

●ベトナムの電気料金,独占禁止法の設定が必要だ

ちょっと退屈な会話である。Le Dang Doanh, a senior economist に対して,電力問題を記者が質問している内容である。ちょっと質疑を追っかけてみる。政府は2009年までに,780百万ドル,電気料金を20%上げる計画を進めているが,まだ低く抑えられていて,高騰する燃料や物価を吸収できていない。

電気料金問題には3点あって,1点は,一度に20%上げるのは急すぎる,2点は,投資と需要家の間の料金の妥協点をどの様に探るか,3点は,どの様な電源で発電経済を安定させるか,大体電源は何か,長期的には,太陽光や風力も考えなければならないだろう。

ベトナムは水力が多く,中には既に償却期間が過ぎたものもあり,これらを考えると電気料金を抑えることが可能である。ただ,電気料金には柔軟な対応が必要で,小口需要家には優しく低料金で,また昼間のピークに対しては高い料金を設定するなど,の措置が必要だろう。ビジネスへの高料金は,彼等の技術改革を促すことになる。

また彼は,EVNの独占性に疑問を持っており,規制委員会の機能を十分に発揮させることが重要だと行っている。こうして記事を読んでみると,ベトナムの電力経済論は全く幼稚きわまりない。発電所を造るのはうまいが,制度設計など,インドやフィリッピンとは格段に差があることが分かる。そうかといって,フィリッピンやインドが,電力供給が円滑に行っているわけでもないところが,面白い。

Reference

Vietnam

●08100'A Vietnam, english.vietnamnet
ベトナムの電気料金,独占禁止法の設定が必要だ
Electricity pricing: monopoly control law needed
http://english.vietnamnet.vn/biz/2008/10/807256/

China

●081007B China, mwr.gov.cn
中国,,チベットの29億元に上る発電所開発を計画
China invests heavily in rural Tibet power stations
http://www.mwr.gov.cn/english/20081007/93056.asp

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