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「世界金融情勢の変化の影響」,今日は,ネパールの水力が暴漢に襲われて先行き不安があることや,北京の支援を取り付けたパキスタンのバシャダムが,いよいよ本当に来年着工の見込みであること,の二つのニュースがあるが,余り取り上げるべき問題はない。今日は何十年ぶりかに,高校時代に受験勉強を争った,と言うよりは協力して勉強した旧友達と会うことになっている,楽しみにしているので,早く仕上げて行く。
中国政府が,GDP成長率の減速,11期ぶりに2008年7~9月の年率9%成長を発表した。11期ぶりの一桁成長と報道されている。「アジアの三国志」,の中に中国のGDP統計の信頼性について論じられている。一時は,省別の成長率が殆どすべて国の平均を上回っていたとか,いろいろ噂が振りまかれたが,「三国志」は,中国のGDP総額は,大体正しい,と判断している。
ただ,大きな流れは正しいが,個々の年の数字には,人心把握のための操作が行われているとの観測を書いている。中国政府の幹部にとっては,まるでジェットコースターに乗っているようで,期の中間や年によっては,相当の変動があるのではないか,それに一喜一憂する幹部の姿が目に浮かぶ,それを,例えば,2年平均曲線とか,その程度の操作は行われているだろう,と言うのである。
さて原油価格であるが,OPECが,減産のための会議を開く,と言うので2ドルほど上げている。今年7月のバレル147ドルでは,電力の燃料費に換算するとKWh当たり21.5セントになり,LNGの百万Btu当たり20ドル,電力換算で17セントを大きく上回っていた。現在原油をバレル70ドルとすると10.2セントになる。これからLNGがどう動くのか。しかし,専門家によると,LNGにはそういうマーケットがなく,比較的長期の契約なので,乱高下はしないという。
今朝のテレビでは,ブッシュ大統領達が提案した11月4日の主要国会議の前に,ASEMで,日中韓とASEANの金融会議が持たれて,その結果を11月の首脳会議に反映すべく,アジアが一致して対応策を協議することで合意した,と報じていた。麻生首相は,選挙など関係ないですよ,キチンと11月の国際会議には出ますよ,と言っている。麻生さんは選挙を抱え,ブッシュ大統領は,決定した新大統領を横目で見ながら,世界の金融を論ずる分けか。
本文
●ネパール政府安全保証,しかし最大の水力,攻撃を受ける
ネパールの水力開発は,毛派のゲリラ先方にあって,地方では殆ど開発不可能であった。それが,毛派の政権参加,しかも毛派首領プラチャンダの首相就任によって様相は一変,ネパールは全土に亘って水力開発を展開することになり,インドの企業を中心に,ネパールの押しかけた。ネパールの水力がインドの石炭火力開発を抑制すると言う,人類にとっての挑戦が始まったばかりである。
ところが今日のニュースでは,ネパール最大で,インド企業が15%の持ち分を有する水力プロジェクトが,政府が安全を保証したにもかかわらず,新しい攻撃を受けた,と言うショッキングなニュースである。750MWウエストセティ水力(注1)については,ガウタム内務相(注2)が直接安全を確認したばかりにもかかわらず,プロジェクトの二つの事務所(注3)が破壊され,一つの事務所(注4)が略奪にあった。
この開発会社は,インド,中国,ADB(注5)などから支援を受けている国際プロジェクトで,再三に渡り,首相を初め,ガウタム内務相(注2),バタライ財務相(注6)に,安全措置を依頼していた。しかし,何の安全措置も執られなかった状態で攻撃を受けた。このプロジェクトの主たる企業は,オーストラリアのスメック(注7)とインドのL&FS(注8)で,インドの電力取引公社PTC(注9)が引き取り手になっている。
このプロジェクトは,1997年に当時のネパール政府と署名を行っているが,長い間,ネパールの政治情勢と地域住民の反対で,着工できなかった。今回,2ヶ月前に,うわべだけの安定が訪れ,新政府がゴーサインを出し,建設が始まったものである。このプロジェクトはインドにとってはテストケースで,これから他のプロジェクトを始めるインド企業,GMR(注10)やSJVN(注11)は,その成り行きを注視していた。
今回の事件に関しては,襲撃のグループが誰なのか,明確に書かれていない。反対運動を国際グループと共に続けてきた地元住民のグループの一部の過激な人々なのか,或いは,毛派で,今回の政変に納得していない残党なのか,それによって今後の対応も変わって来るであろう。昨年7月の私のメモを見ると,工事費総額は送電線も含め12億ドル,買電単価はKWh当たり4.95セント,水没移住は1500人,着工は2008年11月,完成は2013年,とされている。
(注) (1) 750MW West Seti project,,(2) Nepal's Home Minister Bam Dev Gautam,(3) Baitadi and Dadeldhura districts,(4) Doti district,(5) the Asian Development Bank,(6) Finance Minister Baburam Bhattarai,(7) Australian SMEC Developments,(8) India's Infrastructure Leasing and Financial Services holding,(9) Power Trading Corporation of India,(10) GMR Group,(11) Satluj Jal Vidyut Nigam
●パキスタン,バシャダムの建設工事,来年スタート
何度も着工が伝えられながら,パキスタン政府の意志にもかかわらず着工に至っていなかった。2008年,今年の4月に,ドイツのラメイヤーの詳細設計が完成した記事がある。このインダス川の上流に建設される大規模なダム計画,バシャダイムラープロジェクト(注14)は,ダムの高さ281m,水没人口25,000人,資金調達を待たずに当時の大統領は着工を命令している。北京を訪れたザルダニ大統領が,中国の支援を取り付けてきたばかりである。
ドラニWAPDA総裁(注12)が主宰する第20次灌漑排水国際会議ICID(注13)の席上で,このバシャダイムラープロジェクト(注14)が,来年にも着工することになったことを報告した。
パキスタン,大規模ダムプロジェクト位置
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バシャダム,貯水池の概要
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バシャダム,ダム構造平面,高さ281m
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(注)(12) WAPDA Chairman Shakil Durrani,(13) the 20th International Congress on Irrigation and Drainage (ICID),(14) Diamer-Basha dam
Reference
Pakistan
●081020A Pakistan, The International News
バシャダムの建設工事,来年スタート
Work on Bhasha Dam begins next year
http://www.thenews.com.pk/daily_detail.asp?id=141901
Nepal
●081020B Nepal, thepeninsulaqatar
ネパール政府安全保証,しかし最大の水力,攻撃を受ける
Nepal痴 biggest hydropower project under attack again
http://www.thepeninsulaqatar.com/Display_news.asp?section=World_News&subsection=Philippines+%26+South+Asia&month=October2008&file=World_News2008102002521.xml
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