2009年8月1日土曜日

インドが南西岸にLNG基地建設へ

インドが南西岸にLNG基地建設へ
HPは下記ドメインです。YouTube動画,写真地図など見て下さい。
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm
旅行用品の大型ショップ旅の雑貨店
http://hb.afl.rakuten.co.jp/hsc/09ee30fe.7cd4d7ec.09ee30ff.03ee8b2a/

皆既日食に揺れ,モンスーンの遅れによる水不足や電力不足に悩むインドであるが,IT関係の記事を書いている竹田氏(注1)によると,今のインドの話題は,軍拡と原子力発電だと言っている。私も最近,インドの原子力潜水艦が試運転を行った,と言う記事を見た。中国は既に62隻の潜水艦を動かして,日本海,南沙諸島,インド洋を睨んで,動いている。要するに,インドも中国も,資源戦争のためのシーレーン確保なのだ。

中国が,遠くアフリカの資源や中東の原油ガスを中国へ運ぶために,インド洋,モーリシャス,スリランカ,ミャンマーのアラカン,と港湾整備に豊富な外貨を注ぎ込んでいるが,インドは,現在,西部北のダヘジにあるLNG基地の他,南部西岸,コーチンの港付近に,3,000億円相当以上を投じて,年量250万トンの容量を持つLNG再ガス化施設を建設し,2隻のLNG船調達や,各地域へのガスパイプラインを計画している。

インドは,全体的にこの南西部にエネルギーが不足している。石炭が出ないし,水力も少ない。そのために原子力発電所がこの地域に集中しているが,コーチンの港の位置を見ると,まさしくこの弱点を補う絶好の地点である。ではLNGはどこから持ってくるか。中東のカタールとは既に実績があるが,この南部の港には,オーストラリアのゴーゴンのLNGを視野に入れ,年150万トン,20年間の契約が,この2009年8月10日にも成約する。

まさに,中国とインドのシーレーンが,インド洋状上で激しく交差するわけで,空母建造を視野に入れている中国との,海軍力を中心とした激しい軍拡競争が始まる。インドの年間軍備費は,2兆円を超えているらしい。今,両国の間で余り関心を見せるような姿勢はないが,スリランカ周辺や,東のアンダマン諸島,更にもっと東の南沙諸島など,両国は虎視眈々とその行く先を睨んでいるだろう。

また,インドのジャムカシミールのインダス河上流,カラコルム山脈を回る標高3,000m以上のダム建設の話もすごい。45MW級二つの流れ込み式発電所が工事中で,2011年にも運転開始するが,中国などとの未確定国境を含む国境警備隊の軍用に持って行かれるという。現在のディーゼル発電所は,KWh当たり30円ぐらいするが,この水力が出来れば,KWh当たり12円ぐらいだと言っている。世界最高標高の水力発電所らしい。

中東最大級,イランのアザデガン油田は,日本企業が米国の思惑を見ながら渋っている間に,中国企業が70%の資本を獲得したという(注2)。フィリッピンのアキノ大統領死去。1984年のアキノ革命をインドネシアの山の中で見ていた,独裁に終焉,と讃えているが,原子力発電所をぶっ壊したのもアキノさんだった。アロヨ大統領はホワイトハウスにあって,オバマ大統領に,イスラム勢力の治安問題を指摘されている(注3)。

(注1) http://it.nikkei.co.jp/business/column/takeda_india.aspx?n=MMITzp000029072009
(注2) http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2009080102000254.html
(注3) http://www.nikkei.co.jp/kaigai/asia/20090731D2M3101P31.html


本文

●インドの電源は向こう10年間で86.8%の増加となる計画である

This new India Power Report forecasts that the country will account for 12.06% of Asia Pacific regional power generation by 2013, with a potentially growing generation shortfall This new India Power Report forecasts that the country will account for 12.06% of Asia Pacific regional power generation by 2013, with a potentially growing generation shortfall. This forecast implies a rising dependence on imports.

ロンドンのビジネス・モニター・インターナショナルBMI(注7)という有名な格付け会社が出している定期的な報告書で,金融経済の始点が多く,余り取り上げていなかった。エネルギーベースで,設備との関係を論じていなくて,我々には余り役に立たないが,対象がインドであり,一度記事だけ読んでおこう。50億KWhは,大体,負荷率50%程度の1,000MW級発電所と考えて,見ていきたい。主たる数字だけ拾う。

インドの電力がアジア太平洋地域に占める割合は,2013年で12.06%と見ている。アジア太平洋地域では,2008年に7兆930億KWh,約14.2億KWで,前年の32%増。2013年には,6兆9990億KWh,約18.2億KW。火力は,2008年で,5兆5700億KWh,約11.1億KW,全体の78.5%であるが,2013年には,6兆9990億KWh,約14.9億KW,257%の伸びで,全体の比率としては,76.9%に減る。

インドの2008年の火力は,6,520億KWh,約1.3億KW,アジア太平洋地域の11.71%,2013年ではこれが12.65%になる。石炭はインドでは首位にある一次エネルギー源(注11)で,51.4%を占めており,続いて石油が31.8%,ガスが8.9%,水力が6.8%となっている。以下省略するが,格付けでは中国が上だが,カントリー・リスク(注15)が小さく,その差は5ポイントで,予測可能な範囲で,将来中国と競うだろうと。

(注)A (1) 090801A India, officialwire,(2) Indian Electricity Generation Is Expected To Increase By 86.8% During 2008 To 2018,(3) http://www.officialwire.com/main.php?action=posted_news&rid=12410&catid=882,(4) Published on July 30, 2009,by Press Office,(Companiesandmarkets.com and OfficialWire),LONDON, ENGLAND,(5) India Power Report Q3 2009,(6) http://www.companiesandmarkets.com/r.ashx?id=2B2THZ334154345,(7) BMI,Business Monitor International, London,(8) Asia Pacific power generation,(9) terawatt hours (TWh),10億KWh,(10) Asia Pacific thermal power generation,(11) primary energy demand (PED),(12) tonne oil equivalent (toe),(13) Asia Pacific nuclear market,(14) Power Business Environment Rating,(15) Country risk factors,(16) real GDP growth,(17) long-term BMI power forecasts,(18) graph source: http://www.growthconsulting.frost.com/,(19)

今日の参考資料

●090801A India, officialwire
インドの電源は向こう10年間で86.8%の増加となる計画である
Indian Electricity Generation Is Expected To Increase By 86.8% During 2008 To 2018
http://my.reset.jp/adachihayao/index090801A.htm
http://www.officialwire.com/main.php?action=posted_news&rid=12410&catid=882

最近の関連資料

●090715B India, indiainfoline
インドのシンディ電力大臣が電力不足は20,000MWに達していると
India has 15,000-20,000 MW power shortfall: Shinde
http://my.reset.jp/adachihayao/index090715B.htm
●090531C India, hindu
インドのシン新政権誕生で電力改革と地方電化を推進へ
Big push to rural electrification on cards
http://my.reset.jp/adachihayao/index090531C.htm
●090305A India, telegraphnepal.
インドなどの南アジアエネルギーへの提案
Regional Energy Market in South Asia: Recommendations
http://my.reset.jp/adachihayao/index090305A.htm
●081215B India, Economic Times
電力大臣,2012年までに,全家庭に電気を
Electricity for all by 2012 Power Minister
http://my.reset.jp/adachihayao/index081215B.htm
●081206A India, businessspectator.
インドの電源開発,もう引っ返す道なし
WEEKEND READ: India's big test
http://my.reset.jp/adachihayao/index081206A.htm


●インドのNHPCが世界で標高が最も高い水力プロジェクト工事たけなわ

Recently in Leh At well over 10,000 feet, NHPC Ltd’s Nimoo Bazgo and Chutak hydro projects are among the highest in the world. The construction running pretty much on schedule, the two high altitude projects, being set up on rugged Himalayan terrain, promise to light up the Leh and Kargil regions, respectively.

インダス河がカラコルム山脈の南を巡るように北西の方向に流れ落ち,ジャム・カシミールのインド実効支配地域をはずれる角に,パキスタンは,巨大なバシャダムの建設に向かって推進しているが,この地点からインダス河は大きく南に転じて,パキスタンの平野を流れ下る。この上流の,カラコルム山脈の南の端の辺り,その麓にレー(注10)という町があり,更に135km下流に,カルギル(注17)という町がある。

いずれも古代より,中国のチベットとの重要な交通の要所で,冬になると,この部分だけを除いて交通は止まる,冬はマイナス摂氏30度,夏は39度を超す。標高は,10,000フィートと言うから,優に3,000mを越しているわけで,NHPC(注6)のエンジニアー達は,ここで水力発電ダムの建設に命をかけている。規模は,45MW程度で,僻地の電力供給としては大きいが,国境地帯,しかも未確定,相当の電力が軍用に使われる。

上流のレー(注10)の近くのプロジェクトは,45MWのニモー・バズゴ水力(注7)であり,下流のカルギル(注11)の近くは,44MWのチュタック水力(注8)であり,いずれも50mぐらいの高さを持ったダムと長いトンネルを有する流れ込み式水力(注14)である。記事によると,これらの水力による発電原価は,KWh当たり580ルピア,約12.13セント,これに対して現在のディーゼル発電は,KWh当たり15ルピー,約31.4セントという。

世界でもっとも標高の高い水力発電所になる,と書いてある。ペルーの山奥で発電機を付けようとしたダムは標高4,500mだったがな。それにしても,極寒の地で温度と戦いながら,コンクリートを打ち続ける苦労は大変なものだと思う。高山病にかかる関係者も多くでているとか。黒四に決死ででていった我々の先輩を見ているが,このカラコルムの水力開発は,黒四を凌ぐ。

(注)B (1) 090801B India, thehindubusinessline,(2) title: NHPC rises to new highs to light up Leh, Kargil,(3) http://www.thehindubusinessline.com/2009/07/28/stories/2009072850722100.htm,(4) Anil Sasi,(5) photo source: (thehindubusinessline),High altitude projects: Construction work in full swing at NHPC’s Nimoo Bazgo power project in Leh,(6) NHPC Ltd,(7) 45MW Nimoo Bazgo hydro project,(8) 44MW Chutak hydro project,(9) Leh At,(10) Leh region, (11) Kargil region,(12) Ladakh region,(13) Mr H. N. Satyanarayana, NHPC’s Senior Manager (Civil), at the Nimoo Bazgo project site,(14) run-of-the-river scheme,(15) Jammu and Kashmir,(16) Indus river,(17) Suru river in Kargil,(18) Hindustan Construction Company (HCC),(19) CDM (clean development mechanism),(20) Mr S. Majumdar, HCC’s Deputy Project Manager at the Leh site,(21) phto map source: http://www.powermin.nic.in/,(22) phto map source: http://www.powermin.nic.in/whats_new/pdf/chutak_book.pdf,(23)

今日の参考資料

●090801B India, thehindubusinessline
インドのNHPCが世界で標高が最も高い水力プロジェクト工事たけなわ
NHPC rises to new highs to light up Leh, Kargil
http://my.reset.jp/adachihayao/index090801B.htm
http://www.thehindubusinessline.com/2009/07/28/stories/2009072850722100.htm

最近の関連資料

●090616B India, bloomberg
インドのNHPC新総裁指名と株式上場の9月日程
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●090518C Pakistan, pakobserver
パキスタンとインドはインダス河の水を常設委員会で話し合う
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●090210B India, thenews
インド,インダス上流のカシミール,3ダム着工へ
India constructing three dams in held Kashmir
http://my.reset.jp/adachihayao/index090210B.htm
●090202B India, Economic Times
インド,小水力の未開発地点は,80%残っている
India yet to tap 80 pc of small hydropower potential
http://my.reset.jp/adachihayao/index090202B.htm
●090120A India, Economic Times
インドのNHPC,周辺海外の水力開発に大きな賭け
NHPC bets big on overseas mkts,eyes Bhutan, Myanmar & Nepal
http://my.reset.jp/adachihayao/index090120A.htm
●081129C India, Economic Times
インド,水力開発,地方電化で優先資金獲得
Hydro projects, rural power to get priority funds
http://my.reset.jp/adachihayao/index081129C.htm


●インドのペトロネットが2011年までに1450億ルピーのLNG投資

Petronet LNG, India's major provider of liquefied natural gas (LNG), plans to line up Rs14,500 crore investment by 2011 for its LNG terminal, power plant and allied projects in Puthuvypeen, near Kochi in Kerala. The 2.5 MMTPA (million metric tonnes per annum) LNG re-gasification project will involve an investment of Rs3,750 crore and the proposed 1,068 megawatt gas-based power plant would cost Rs3,250 crore.

現在世界のマーケットで原油価格は落ちついているが,それ以上にLNGの価格の低下が注目を浴びており,アジアでのガス田の開発もあって,LNGが発電燃料などで関心を集めている。インド最大のLNG供給企業,ペトロネットLNG(注5)が,2011年までに,1,450億ルピーを投入して,ケララ州(注9)のコチン港(注8)の近く,プトビピーン(注7)に,LNGターミナルと火力発電所の建設を計画している。

この計画の中には,375億ルピーの再ガス化施設(注11)と,325億ルピーの1,068MW,ガス火力が含まれている。また,250億ルピーで2隻のLNG船(注12)の調達も入っている。また,国家ガスGAIL(注13)は,コチン(注8)からそれぞれ,マンガロール(注14),コイムバトーレ(注15),エロウデ(注16),サレム(注17),バンガロール(注18)を結ぶガスパイプラインに,500億ルピーを投ずる計画である。

LNG(注6)の供給元は,オーストラリアのゴーゴン(注21)で,オーストラリアのエクソンモビル(注20)とペトロネットLNG(注5)は,この,2009年8月10日に,年量150万トンのLNGを,20年間,供給されることになっている。また,肥料企業(注22)と発電のNTPC(注23)のカヤムクラム火力(注24)にも供給する計画である。

(注)C (1) 090801C India, domain-b,(2) title: Petronet LNG to invest Rs14,500 crore by 2011 news,(3) http://www.domain-b.com/companies/companies_p/Petronet_LNG/20090727_petronet_lng.html,(4) 27 July 2009,(5) Petronet LNG,(6) liquefied natural gas (LNG),(7) Puthuvypeen,(8) Kochi,(9) Kerala,(10) MMTPA (million metric tonnes per annum),(11) LNG re-gasification project,(12) LNG vessels,(13) Gas Authority of India Ltd. (GAIL),(14) Mangalore,(15) Coimbatore,(16) Erode,(17) Salem,(18) Bangalore,(19) Petronet managing director P Dasgupta,(20) ExxonMobil Corp,(21) Gorgon,(22) Fertilisers and Chemicals Travancore Ltd,(23) National Thermal Power Corporation,(24) Kayamkulam plant,(25) Cochin Port Trust,(26) photo source: http://www.naturalgas.org/lng/lng.asp,(27) photo source: http://en.wikipedia.org/wiki/File:Kochi_India.jpg,(28) photo source: Cochin pot, http://michaels-land-resort.com/,(29)

今日の参考資料

●090801C India, domain-b
インドのペトロネットが2011年までに1450億ルピーのLNG投資
Petronet LNG to invest Rs14,500 crore by 2011 news
http://my.reset.jp/adachihayao/index090801C.htm
http://www.domain-b.com/companies/companies_p/Petronet_LNG/20090727_petronet_lng.html

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●090402C India, Economic Times
インドのリライアンスがKG流域ガスの生産開始
RIL's KG-D6 block gas project goes on steam
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●090320B India, Economic Times
インドなどはLNG価格の低下で莫大な節約に
50% cheaper LNG may save $750 mn in FY10
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●081222B India, Economic Times
インド,輸入のLNG,35%値上がりへ
LNG to cost up to 35 pc more at USD 6.7 per mmBtu from Jan
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●081217C India, Economic Times
インド,LNGから転換へ,ナフタがより安価と
India curbs LNG buying as naphtha cheap option
http://my.reset.jp/adachihayao/index081217C.htm


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