2009年8月11日火曜日

スリランカの電力は中国の石炭火力で自信

スリランカの電力は中国の石炭火力で自信
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日本列島は豪雨に縦断され,台風の中心が近づきつつあった静岡は,震度6弱の地震に見舞われる。気象庁は,予想されている東海大地震とは地質的に関係ないとしている。昭和40年代初頭から始まった列島縦断のネットワーク,新幹線基盤は異常なかったものの,遂に,50年近く年齢を経た東名高速道路は不通となった。建設当初,新幹線も高速道路も,その基盤への関心が高かったが,遂に6弱でやられたか,という感慨。

今日は再びスリランカの石炭火力を取り上げる。長文の現地紙ネーションの記事で,石炭火力を中心とした数字を並べながら,2010年初めにも最初の300MWが稼働する見込みの,スリランカ西部の港,プットラムの傍の,ノロチョライ石炭火力を,これでスリランカの電力問題は一挙に解決する,と写真入りで大きく取り上げている。中国のソフトローンで,最終規模900MWを予定,現在の発電設備は,水力と石油火力で2,700MW。

日本政府は,早くにアッパー・コトマレ水力,150MWをコミットし,最近,運転開始に漕ぎ着けた。日本政府は,JICAもJBICも次のスリランカのターゲットは輸入による石炭火力であったが,スリランカ内部の調整で遅れ,世界の情勢も変化,Jパワーなど,石炭とダムは中国に任した,との判断から,中国の進出となった。この石炭火力支援で,中国は,シーレーン確保のための南部のハンバントタ港を確保する見返りを得ている。

今日の記事は,高い電気料金と電力不足に泣いたスリランカの電力も,これで救われる,とお祭り騒ぎの感がする。二つほど指摘したい。一つは,もし現在の石油火力,少なくとも700MWを石炭火力で造っておけばこのような苦労はしなかった,と言って,当時の政界と海外IPP企業との関係を問題にしている。石炭火力を造ることができたのに,高い石油火力を造ってしまった,と当時の政府を批判している。

このような経緯は別にしても,需要規模が小さくて資源のない国,スリランカやカンボジアなどは,小規模の石油火力やディーゼル発電所からスタートせざるを得ないので,自ずと,高い電気料金の電力システムになってしまう。経済規模が大きくなるに従って,300MWクラスの石炭火力が造れるようになるわけで,あの時石炭火力を造っていれば,などと言うことは,当時をよく知る人には言えない言葉である。

今日の記事は更に,今後のスリランカの電力システムは,日本が力を入れた水力と,これから中国に支援される石炭火力で万全であり,とりあえず,石炭火力を2012年までには600MW,更に最終規模900MWまで増設すると意気込んでいる。おそらく,大気汚染問題が生じてくるだろう。何処まで中国の技術陣が,環境への配慮を行っているか,問題だが,石炭火力を手放しで祝うスリランカに,警告を発しておきたい。


本文

●スリランカのノロチョライ石炭火力は新しい時代の訪れ

With Sri Lanka’s exponential growth and anticipated GDP growth comes the exponential need for energy. Demand for electricity has far outstripped supply, and now a new era will dawn in Sri Lanka’s power and energy sector with the Norochcholai Coal Power Project coming into operation by mid 2010 heralding the Coal Power Era.

スリランカ,高い電気料金と電力不足に苦しむ中で,日本のアッパー・コトマレ水力(注23)に続いて,中国支援のノロチョライ石炭火力(注5)の建設工事が順調に進んで,ここに革命的な進展があって,これからはスリランカの電力に明るい兆しが見えてきた,とスリランカ紙が大きく讃えている。重要な数字もあるし,我々もこの経緯については,一言なかるべし,と言うところである。

政治的な側面から,中小規模の石油火力やディーゼル発電所の建設に頼ったのは,政府の要人と結びついたIPPマフィアのせいだ,と書いているが,そうではないと思う。カンボジアやフィリッピンでも経験したことだが,大規模火力を建設するのには,需要規模が小さかった,と言うことだ。ある程度経済の規模が大きくなって初めて,石炭輸入による大規模石炭火力が建設できるようになった。

スリランカの電力問題,高料金と電力不足を解決手段は,水力と大規模石炭火力の建設が必要だ,と言ってきたのは我々であり,実際に日本政府は,水力を進めると共に,石炭火力の調査も進めてきた。ノロッチョロイ石炭火力(注5)は元々,JICA,JBICなどと協力しながらJパワーが進めてきたもので,Jパワーの,ダムと石炭は中国に任せた,という情勢判断で捨てた経緯がある。

ただ,スリランカは石炭こそが世界の電力を救う,中国を見ろ,インドのUMPP(注25)を見ろ,ベトナムのモンドウオン(注26)を見ろ,米国を見ろ,として,ノロチョライ石炭火力(注5)を900MWまで大きくする計画であるが,石炭火力が集中するに従って問題になってくるのは,大気汚染である。中国が何処までこの大気汚染に配慮しながら設計を進めているのか,この点に大いに関心がある。重要な数字を拾っておく。

ノロチョライ石炭火力(注5)は土木工事が70%進捗し,2010年第1四半期にも運転開始の見込み。発電単価の見込みは,KWh当たり7~8ルピー,約6.09~6.96セント相当,と見込まれている。現在石油への依存は,55~60%で,残りは水力である。石炭価格の見込みは,プウトラム港(注11)で石炭トン90ドル,発電原価にして,KWh当たり4ルピー,約3.48セント相当,と考えられている。

ディーゼルは,発電原価でKWh当たり14ルピー,約12.18セント相当,LNG(注12)は10ルピー,約8.70セント相当,水力は5~6ルピー,約4.35~5.22セント相当,水力は20年後には,1ルピー,約0.87セントになる。スリランカの電気料金は世界でも最高のレベルで,産業用は,スリランカで7~7.5ルピー,約6.09~6.52セント相当,である。

これに比べて,インドネシアは,1.32~3.39セント,マレーシアで2.29~9.15セント,シンガポールで376~5.90セント,タイで2.51~6.10セント,のレベルである。スリランカの現在の設備は,2,544MWで年間発生電力は,16億5,800万KWh,需要は年率10%で伸びている。ピーク需要は,1,900MWである。

(注)A (1) 090811A Srilanka, nation,(2) title: Norochcholai to herald new power era To add 900 MW to National Grid by 2011,(3) http://www.nation.lk/2009/08/09/newsfe1.htm,(4) By Santhush Fernando,(5) Norochcholai Coal Power Project,(6) Coal Power Era,(7) Ceylon Electricity Board CEB,(8) Chairman of Ceylon Electricity Board E A S K Edirisinghe,(9) Dr Tilak Siyambalapitiya,(10) Independent Power Plants (IPPs),(11) Puttlam,(12) Liquefied Natural Gas (LNG),(13) United National Party government,(14) Power Committee,(15) Treasury Secretary, R. Paskeralingam,(16) President Chandrika Bandaranaike Kumaratunga,(17) Presidential Secretary, K Balapatabendi,(18) Ranil Wikremesinghe administration,(19) Power Supply Committee,(20) Bishop of Chilaw, Rt Rev Frank Marcus Fernando,(21) St. Anne’s Shrine, Talawila,(22) Ceylon Workers Congress (CWC),(23) Upper Kotmale Project,(24) President Mahinda Rajapaksa,(25) Ultra Mega Power Projects (UMPPs),(26) Mong Duong,(27) Asian Development Bank (ADB),(28) photo source: www.colombopage.com/.../Jul1246721437JV.html,(29)

今日の参考資料

●090811A Srilanka, nation
スリランカのノロチョライ石炭火力は新しい時代の訪れ
Norochcholai to herald new power era To add 900 MW to National Grid by 2011
http://my.reset.jp/adachihayao/index090811A.htm
http://www.nation.lk/2009/08/09/newsfe1.htm

最近の関連資料

●090726A Srilanka, onlanka
スリランカの大統領がコトマレ水力の現場を視察
President Visits Upper Kotmale Hydro power Project
http://my.reset.jp/adachihayao/index090726A.htm
●090701A Srilanka, dailynews
スリランカのノロッチョライ石炭火力建設が進展
The significance of Norochcholai power plant
http://my.reset.jp/adachihayao/index090701A.htm



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