2008年12月14日日曜日

インダスのニールム川に火花散る

HPは下記ドメインです。写真地図など見て下さい。
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm

今は,2008年12月14日午後2時,今から数時間前,現地時間13日深夜,インド軍の戦闘機が2度にわたってパキスタンの領空を侵犯,インドがイスラム過激派の拠点を空爆する可能性がある中,緊張が走った。ラホール周辺では軍の部隊の大規模な移動が地元住民に目撃されたという。インド側から,不注意で侵犯した,との連絡が入ったようだ。パキスタンは,迎撃の容易あるも事態の悪化は望まない,とメッセージを発した。

ムンバイのテロ事件に関して,パキスタン政府は,インド側が,「実行組織」,と名指しした北部カシミールを拠点とするイスラム過激派組織,「ラシュカレ・タイバ」,のモハマド・サイード最高指導者を自宅軟禁しているが,インドが証拠を示さない限り,3ヶ月で解放するとしている。インド側は,被疑者のインドへの引き渡しを要求しているが,パキスタンはそれには応じない構えである。毎日新聞などの報道である。

このような情勢の中,2008年12月13日,昨日,パキスタン現地紙,パックオブザーバーは,突如,中東諸国,クウエート(注22),サウジアラビア(注23),アブダビ(注24)及びOPEC(注25)が,大規模融資,775百万ドルを,パキスタンのインダス上流,国境未確定,パキスタン実質支配のアザドカシミール,ニールム川の水力プロジェクトへの融資を発表した。

969MW,21億ドル,パキスタンのニールム-ジェルム水力プロジェクト(注21)については,25kmの水路トンネルを有する流域変更プロジェクトで,インドとの間に微妙な問題が横たわっている。パキスタンは,既にこのプロジェクトの建設費の一部として,電気料金に上乗せして資金調達を急いでいるが,それも21億ドルの半分の見込みで,今回の775百万ドルは大金である。中国が300百万ドル,既に約束している。

1960年に,インダス河の水について,インダス水条約(注28)には,ニールム川(注22)の開発に関して,先に建設,運転開始に成功した側が,ニールム川(注22)の開発優先権を持つ,と書かれている。当時は,ニールム川(注22)にダムを造ることは,実際問題,困難であったので,その様な取り決めになったのであるが,今や情勢は変化,需要も大きく,資金調達も手が届くところまで来た。

このニールム川(注22)の上流は,ジャムアンドカシミールでインド実効支配の領域となる。インドはここに,400MW,流れ込み式,キシャンガンガ水力プロジェクト(注26)を建設中で,今日の記事によると,60%程度まで進捗しているという。インドの旗振り役は,例のミャンマーの天然ガス獲得に走っているラメッシュ副大臣である。パキスタン側が,資金調達に目処を付けて,一挙にインドと競争できる立場に立った。

二つのプロジェクトが両立するのかどうか,地図を片手に調べているが,もう一つ位置がはっきりしない。ただ近くには,最近,中国企業が関心を示しているコハラ水力があり,またパキスタン側のニールム-ジェルム水力プロジェクト(注21)は,中国企業が施工することで契約が成立している。国境未確定地域の微妙な中での先陣争い,中国が絡み,イスラムが絡み,まさに火花が散っている。

(注) (18) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081205A.htm,(19) Mangla dam,(20) Neelum river,(21) Neelum-Jhelum hydropower project,(22) Kuwait,(23) Saudi Arabia,(24) Abu Dhabi,(25) OPEC (Organization of the Petroleum Exporting Countries),(26) Kishanganga hydropower project,(27) Ministry of Water and Power,(28) Indus Waters Treaty,(29) paisa,(30) supplier credit,(31) China Gezhouba,(32) CMEC China,(32) Neelum-Jhelum Hydroelectric Project Company,(33)

本文

●フィリッピン,ファーストジェン,405百万ペソ,植林事業へ

最近話題を賑わせているのは,ロペス財閥のファーストジェンFGC(注1)の関連会社であるEDC(注2)で,2008年10月24日付本HP(注4)では,世界銀行のIFC(注3)から41億ペソのローンを獲得した,との報道。また,2008年12月11日付本HP(注5)では,EDC(注2)の地熱,既にその60%を手中,また水力はファーストジェン水力FGHPC(注6)の株式の60%を手中,としてグリーン化に一役買う姿勢。

今日の記事。ファーストジェン(注1)は,クリントン,グローバル,イニシャティブ(注8)の一環としてのコミュニティ植林運動CBFM(注9)で5,000ヘクタールの植林に着手した。10年間に405百万ペソを投入する計画である。FGC(注1)自身,その地熱発電所関連の30万ヘクタールの流域面積の森林地帯を有し,その地熱発電のためにも,この植林は重要な意味を持つ。

EDC(注2)のロペス会長(注10)は,このCBFM(注9)プロジェクト,別名,ビニ(注11)の発進に当たり,「EDC(注2)の中核である地熱エネルギーを確保するための地下貯留水を涵養する必要がある。」,とその趣旨を説明している。FGC(注1)ーEDC(注2)は,地熱発電に於いて,フィリッピン最大の企業であり,世界でも第2位に位置する。EDC(注2)のアキノ社長(注12)も,1980年以来の環境貢献の続編,と言っている。

EDC(注2)は,5つの地熱発電所区域,9,500ヘクタールに,740万本の植林をしてきた。これは,1980年代初頭より続けてきた自然林の保護の上積みになる,と説明している。熱帯林再生プロジェクトの意義が大きいのは,フィリッピンで生き残り,利用価値が高いと思われるフィリッピン固有の希少種の保護と連なるところにある,と。EDC(注2)は,環境保護に貢献する企業としての評価を勝ち取るのだ,と。

この植林プログラムは,環境天然資源省DENR(注13),国際保護(注14),観光気候変動対策省DTCCP(注15),WWF(注16),教育省(注17)などが協賛するものである。それにしても,つい先日まで,資金不足に悩んでいたEDC(注2)は,環境と気候変動対策に関連づけて,地熱と水力の発電企業としての位置づけを,本格的に売り出す方針のようだ。そこに資金が集まる,と観測したか。

(注) (1) Lopez-controlled First Gen Corporation,(2) Lopez-controlled Energy Development Corp. (formerly PNOC-EDC),(3) International Finance Corp,(4) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081024A.htm,(5) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081211A.htm,(6) First Gen Hydro Power Corp,(7) Pantabangan-Masiway hydroelectric power complex,(8) Clinton Global Initiative.,(9) community-based forest management (CBFM) project,(10) EDC Chairman Oscar M. Lopez,(11) Binhi,(12) EDC President and Chief Executive Officer Paul A. Aquino, (13) Department of Environment and Natual Resources,(14) Conservation Interantional,(15) Department of Tourism Climate Change Panel,(16) World Wildlife Fund,(17) Department of Education,(18)

●パキスタン,ニールムジェールム水力,中東から775百万ドル

インドとパキスタンの関係が,2008年12月4日のムンバイのテロを切っ掛けに,犯人の引き渡し問題の他に,インダス河の水を巡っての論争,2008年12月5日付本HP(注18)のように,今日,ますます先鋭化してきている。互いに宗教問題が絡んできているわけであるが,パキスタンからマングラダム(注19)があるニールム川(注20)の水力開発が,領土未確定問題も影響して,白熱化している。

969MW,21億ドル,パキスタンのニールム-ジェルム水力プロジェクト(注21)に対して,中東諸国,クウエート(注22),サウジアラビア(注23),アブダビ(注24)及びOPEC(注25)が,大規模融資,775百万ドルを行うことになった。このニールム-ジェルム水力プロジェクト(注21)は,パキスタンにとっては,インドとの対抗上,政治的に極めて重要な水力プロジェクトなのである。

もしこのニールム-ジェルム水力プロジェクト(注21)の発進と完成が遅れれば,インドのキシャンガンガ水力プロジェクト(注26)が先行し,インドがニールム川(注22)の開発優先権を主張するからである,と叫んでいるのは,パキスタン水電力省(注27)の高官である。ニールム川(注22)の上流で,インド支配地域に入ると,キシャンガンガ川と呼ばれて,インドが,400MW,キシャンガンガ水力プロジェクト(注26)を立ち上げている。

インダス水条約(注28)には,ニールム川(注22)に関して,先に建設,運転開始に成功した側が,ニールム川(注22)の開発優先権を持つ,と書かれている。パキスタン政府は,既に電力料金の中に,KWh当たり10パイサ(注29)を,ニールム-ジェルム水力プロジェクト(注21)分として加算しており,その額は10億ドルに達する見込みとしている。

パキスタン側の話では,中東諸国,クウエート(注22),サウジアラビア(注23),アブダビ(注24)及びOPEC(注25)は,1ヶ月内に328百万ドルを調達し,残りを近い将来,準備し供与するとしている。また,施工に当たる中国企業は,300百万ドルを,サプライヤークレジット(注30)する。インドは既に,60~65%工事が進捗しているにもかかわらず,パキスタン側は,進んでいない。

ニールム-ジェルム水力プロジェクト(注21)の工事発注は,既に2007年3月9日に,中国ゲゾウバ(注31)とCMEC中国(注32)の合弁に行われている。ニールム-ジェルム水力プロジェクト会社NJHPC(注32)は既に創立を終わって,株式上場している。堂々たる真っ向勝負,と言うことだが,このテロの最中に宗教対立が鮮明になってきた,インダス戦争の激化である。

(注) (18) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081205A.htm,(19) Mangla dam,(20) Neelum river,(21) Neelum-Jhelum hydropower project,(22) Kuwait,(23) Saudi Arabia,(24) Abu Dhabi,(25) OPEC (Organization of the Petroleum Exporting Countries),(26) Kishanganga hydropower project,(27) Ministry of Water and Power,(28) Indus Waters Treaty,(29) paisa,(30) supplier credit,(31) China Gezhouba,(32) CMEC China,(32) Neelum-Jhelum Hydroelectric Project Company,(33)

参考資料

フィリッピン

●081213A Philippines, Manila Bulletin
ファーストジェン,405百万ペソ,植林事業へ
First Gen puts P405 M in forest project
http://www.mb.com.ph/BSNS20081213143375.html

パキスタン

●081213B Pakistan, pakobserver
ニールムジェールム水力,中東から775百万ドル
Neelum-Jhelum project Kuwait, S Arabia, Abu Dhabi ensure $ 775m funding
http://pakobserver.net/200812/13/news/topstories03.asp

2008年12月13日土曜日

中国の地方政府の開発志向は止まらない

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万人の百科事典,ウイキペディアの中国の項に次のような表現がある。「中央ではある程度の危機意識を持って環境対策を打ち出しているが,地方行政府は地方の経済発展を重視して中央からの指示をないがしろにするケースも多く,実効性に問題が生じている。」。私は,中国人のこの性格は前から関知してきたし,成長の原動力として,寧ろ好ましいもの,として見てきた。ベトナム人にもこの性格は見られる。

2008年12月9日付本HP(注9)で,中国が内需拡大に向けて急旋回,と書いたが,このときに,北京中央政府は57兆円相当の景気刺激策を講ずる,と発表し,各地方政府が独自に実施する刺激策は,57兆円とは別に400兆円を超す規模になるだろう,と一般的な予測が書かれていた。中国人のバイタリティというか,一旦,地方が動き出すと止まらなくなる現象,これが中国経済の根底にあるのだろう。

すべて経済に関係してくるのだが,中国人のギャンブル好きがこの開発に拍車をかける。国内である程度の統制がとられて,ギャンブルなど簡単に出来ないときは,そのギャンブルへのエネルギーのはけ口が国境に向かう。政治的統制の弱い国,例えばミャンマーの辺境で中国と境界を接する地域は,多く,中国人の歓楽街と化している。そこでは,中国語と中国元がなければ生活できない状態に落ちいってしまう。

それが発電所建設にも出てくるから面白い。電力不足だ,となれば,多くの発電所が次々と,地方政府の手によって建設される。そこには中国人のギャンブル精神がしっかりと発揮されるのだが,残念ながらそこに,足に地が付いていないケースがまま生じ,発電所は出来たけれど燃料がない,という事態に陥る。2006年の大停電は,この造りすぎた火力が原因だった。

今日の記事で,政府系のコンサルタントが,長江(注10)の上流に於ける水力発電所の開発は,指令,計画,監督のいずれもが欠けた深刻な状態にある,としている。中国人民諮問委員会(注12)の人民資源環境委員会シャオブイングレン次席(注11)は,環境保護部(注13)の統計では,中国全土を通じて,3,000に上る水力発電所が,政府の許可を得ていないものだ,としている。

そうして今度の,「青い龍の大旋回」,海外の経済に頼らず,国内需要を喚起するため,57兆円,地方を入れると400兆円以上,という号令を待ち受けているのは,地方政府だろう。地方で今後何が起こるか,考えただけでも心が躍る。やれっ,やれっ,という感じ。また私は,中国企業が,ミャンマー,ラオス,アフリカ,カンボジア,と盛んにダムを造っていることは,同じ一連の流れだと思って見ている。

(注) (9) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081209.htm,(10) Yangtze River,(11) Shao Bingren, vice director of the Commission of Population, Resources and Environment,(12) National Committee of the Chinese People's Political Consultative Conference,(13) Ministry of Environmental Protection,(14) Sichuan province,(15) Tuojiang River,(16) Minjiang,(17) 11th Five-Year Plan (2006-2010),(18)

本文

●ミャンマー,ヤンゴンの住民,停電に見舞われている

ミャンマーの旧首都ヤンゴン,電力供給の惨状が伝えられている。ベトナムやネパールなども同じだが,水力発電所に頼りすぎるところは,最近では常に季節的な電力不足に悩ませられている。大きなところでは南米諸国がある。南米諸国は水力資源に恵まれていて,水力に頼り切ってきたが,最近は石炭火力の建設に関心が集まっているという。いずれにしても今日の記事は,なかなか伝わらないミャンマーの状況,貴重である。

旧首都ラングーン(注1)の住民は,この一週間,厳しい電力使用制限に悩まされている。タムウエ(注2)に住む住民の一人は,この月曜日から一日僅か6時間だけ電気が来る状況だ,と話している。彼によると,先週は完全に供給されていたが,今週になってから,一日6時間供給,と言う状況だという。市内をA,B,Cの3地区に分けて,輪番制で停電しているようだ。5~11時,11~15時,15~23時,など。

厳しい電力制限にもかかわらず,当局方は何の説明もないと言う。しかし,市民の説明では,ミャンマー全国に亘って,毎年,11月末から12月にかけては電力制限が行われる,それは,降雨がなく水力ダムの水位が低下するためだ,と言っている。ラングーン(注1)でも,6月から11月は雨が降るので電力供給は完全だが,11月末から翌年6月までは,普通は6時間の制限供給となる,と言う。

この現在の電力制限は,家庭のみならず企業にも深刻な影響を与えている。例えば,喫茶店,印刷店,書店などは,停電中は店を閉めている。逆に,経営コストは増えている。インターネットカッフェの経営者は,発電機を回すための燃料費が嵩んで悩んでいる。匿名の雑誌編集者は,この月曜日からディーゼルを動かしているが,一日3ガロン,10,000チャット,約8ドル相当の経費増だ,と言っている。

2008年11月24日,軍事政権トップのタンシュエ将軍(注3)は,USDA(注4)の第15回年次総会の演説の中で,近年の電力セクターの大幅な改善を誇った。政府系現地紙(注5)によると,過去の電力設備,228MWは,現在は,977MWに伸びている。それは,イエンウエ(注6),シュエリ(注7),ケンタウン(注8)の各新設水力発電所のお陰である,と言っている。

タンシュエ将軍(注3)は,更に,10000MW達成のために,14の水力発電プロジェクトを推進中で,これによって国民のすべての電力需要を満たすことが出来る,と言っている。確かに,中国の協力を得て,相当なスピードで開発が進んでいるが,水力だけでは需要を満たすことが難しいことは分かっているので,天然ガスの活用など,今後の課題だろう。高い天然ガスは,ミャンマー国民には使わせたくない,と言うのが本心か。

(注) (1) Rangoon,(2) Tamwe Township,(3) head of the Burmese junta, Snr-Gen Than Shwe,(4) Union Solidarity and Development Association,(5) New Light of Myanmar,(6) Yenwe,(7) Shweli,(8) Kengtawng hydropower plant,(9)

●中国で,3000の水力発電所が無許可

2008年12月9日付本HP(注9)で,中国が内需拡大に向けて急旋回,と書いたが,このときに,北京中央政府は57兆円相当の景気刺激策を講ずる,と発表し,各地方政府が独自に実施する刺激策は,57兆円とは別に400兆円を超す規模になるだろう,と一般的な予測が書かれていた。中国人のバイタリティというか,一旦,地方が動き出すと止まらなくなる現象,これが中国経済の根底にあるのだろう。

政府系のコンサルタントが,長江(注10)の上流に於ける水力発電所の開発は,指令,計画,監督のいずれもが欠けた深刻な状態にある,としている。中国人民諮問委員会(注12)の人民資源環境委員会シャオブイングレン次席(注11)は,環境保護部(注13)の統計では,中国全土を通じて,3,000に上る水力発電所が,政府の許可を得ていないものだ,としている。

シャオブイングレン次席(注11)によれば,特にこれが極端な地域は,四川省(注14)東部の長江(注10)の上流,ツオジアン支流(注15)の500km区間に27の水力発電所が建設されている例だ,と述べている。また,長江(注10)の他の支流,ミンジアン(注16)では,平均して15kmに一つの発電所が建設され,中には,地震断層の真上に建設されたものもある,と言っている。

シャオブイングレン次席(注11)は,長江(注10)の上流に於ける水力発電所の開発における承認手続きは,全く形式的なものだ,と指摘している。水力発電所というものは,総合的な計画が必須だが,それがなされていないと。中国政府の第11次五カ年計画(2006~2010年)(注17)野中で,水力開発には環境保護が基本だ,と述べている。そのために,政府は,監督を強めると言ってきたのである。

私は,中国人のこの性格は,以前より十分察知していた。水力発電所ばかりでなく火力発電所も,一旦手綱を緩めると,建設ブームが止まらなくなる。火力なんかは燃料があるかないか,余り気にしないので,造ってから動かない発電所が出てくる。私はこの中国人のよく言えばバイタリティ,悪く言えば向こう見ず,この性格が,ミャンマー,ラオス,カンボジアの水力開発にも出ていると思う。

(注) (9) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081209.htm,(10) Yangtze River,(11) Shao Bingren, vice director of the Commission of Population, Resources and Environment,(12) National Committee of the Chinese People's Political Consultative Conference,(13) Ministry of Environmental Protection,(14) Sichuan province,(15) Tuojiang River,(16) Minjiang,(17) 11th Five-Year Plan (2006-2010),(18)

Reference

Myanmar

●081212A Myanmar, irrawaddy
ヤンゴンの住民,停電に見舞われている
Rangoon Residents Suffer Power Cuts
http://www.irrawaddy.org/article.php?art_id=14789

China

●081212B China, chinadaily
中国で,3000の水力発電所が無許可
Call to oversee planning of hydropower developmentBy Yu Tianyu
http://www.chinadaily.com.cn/bizchina/2008-12/12/content_7300592.htm

2008年12月12日金曜日

NGOが世界銀行は温暖化の元凶と

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気候変動会議COP14の開かれているポーランドのポズナン(注13),対立が対立を呼び,来年,2009年のオランダ会議で,ポスト京都の合意に至るかどうか,懸念される情勢である。対立は復次化しており,米国対EU,の対立は,更に南と北の対立を呼び,南側諸国も多重な構造で,必ずしも足並みは最後まで一緒でないかも知れない。新興国対途上国,この対立もありえるだろう。

EUはEUで,パリで首脳会議を行っており,イタリアなどの反発で,フランスのサルコジ大統領が苦労をしている。1997年に,2020年に向けて1990年比で,(1)温室効果ガスの20%削減,(2)再生可能エネルギーの利用割合20%,(3)省エネ20%の3目標で合意。この基本路線は厳守で一致している。しかし,温暖化の元凶である二酸化炭素(CO2)を大量に排出する企業に対する一種の“罰金”を科す計画では,ドイツ反対。

しかし,今日の記事の対立は,なかなか深刻だ,と私は思う。COP14のポズナン(注13)からの報告である。主導的な環境グループが,気候変動に関する財政を世界銀行に預ける計画に反対している。工業先進国は,途上国で低炭素経済を育成するために,1,000億ドルの準備が必要,とされている。この費用を世界銀行に預ける案に反対の声明を出したのは,気候変動会議に参加している142の環境NGOである。

今回の会議では,途上国が,温暖化抑制及び適合のための費用に直接アクセスできる保証を求めて,世界中から集まったNGOも,世界銀行グループが気候変動対策費の運用を行う位置づけで考えてきた。今回のNGOの合同声明では,費用の運用について,世界銀行ではなく,国連気候変動枠組みUNFCCC(注18)が責任を持つべき,と主張を変えてきた。

共同声明は続ける,世界銀行は主たる人権侵害機関だ,それは,チャド-カメルーンのパイプライン(注24)プロジェクトに始まって,ラオスのナムテン2水力プロジェクト(注25)に至る,世界銀行直接支援の人権侵害プロジェクトがある。世銀の森林オフセットFCPF(注26)も,その真理について疑心暗鬼である。参加している住民も,納得はしていない,とまで,共同声明は言っている。

私は思うが,NGOの共同声明は,歴史をうまく表現出来ていないような気がする。ダムにはダムの時代にあった役割があったし,世界銀行が果たしてきた経済成長への役割があった。もし,50年前から,温暖化抑止を目的にしていれば,人類はもっともと多くの貧困を生み出したはずだし,それは単なる貧困で収まらず,文化を変え社会を変えて,より多くの悲惨を生んだかも知れない,と言うことは全然考えないのか。

(注) (13) Polish city Poznan,(14) UN climate talks,(15) Bali,(16) Copenhagen,(17) Danish,(18) United Nations Framework Convention on Climate Change,(19) Friends of the Earth U.S. international finance campaigner Karen Orenstein,(20) Lidy Nacpil, coordinator of the Jubilee South Asia/Pacific Movement on Debt and Development,(21) Democratic Republic of Congo,(22) International Finance Corporation,(23) UN Food and Agriculture Organisation,(24) Chad-Cameroon pipeline,(25) Nam Theun 2 Hydropower Project,(26) World Bank's Forest Carbon Partnership Facility, (27)

本文

●フィリッピン,電力企業EDC,2009年の運転資金必要

ロペス財閥のファーストジェン(注1)の関連会社であるEDC(注2)が,世界銀行のIFC(注3)から41億ペソのローンを獲得し,従来の関係を強化した,との報道は,2008年10月24日付本HP(注4)に見たとおり。2008年12月2日付本HP(注5)では,ファーストジェン(注1)のロペス社長(注6)が,国産クリーンエネルギー(注7)によって,発電設備を増強する投資の牙城を築こうと,記者会見で,気炎を挙げている。

国家電力NPC(注8)から売却される発電資産に対して,EDC(注2)は,来年,2009年の運転資金(注9)を得るべく,融資機関を探している。EDC(注2)のアキノ社長(注10)は,外貨に対するペソの償却で,4億~5億ドルの追加資金が必要,と率直に認めている。問題は,80億日本円に対するドルヘッジで,等価のドルが必要で,為替差損にも対応することを考えている,としている。

アキノ社長(注10)によると,IFC(注3)のローンは,国家電力NPC(注8)から売却される発電資産の買収と,120億円の宮沢基金への返還に,大いに助けになる。そしてこのローンが,IFC(注3)によるEDC(注2)への信頼をつなぎ止めるものだ,と。IFC(注3)は以前より,EDC(注2)による世界規模のクリーンな再生可能エネルギーの担い手をして評価している,と言っている。

EDC(注2)は,地熱に関しては,既にその60%を手中にしており,また水力に関しても,ファーストジェン水力FGHPC(注11)の株式の60%を府中にしている。FGHPC(注11)は,パンタバンガン-マシウエイ水力(注12)の運用企業でもある。まさに,国産エネルギー開発を主目的に,EDC(注2)を中心押して,内外の企業が走り始めた。

(注) (1) Lopez-controlled First Gen Corporation,(2) Lopez-controlled Energy Development Corp. (formerly PNOC-EDC) ,(3) International Finance Corp,(4) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081024A.htm,(5) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081202A.htm,(6) First Gen president and chief executive officer Federico R. Lopez,(7) indigenous and clean energy,(8) National Power Corp,(9) war chest,(10) Paul Aquino, EDC president,(11) First Gen Hydro Power Corp. (FGHPC),(12) Pantabangan-Masiway hydroelectric power complex,(13)

●気候変動,世界銀行に任せてはいけない,NGO

気候変動会議COP14の開かれているポーランドのポズナン(注13)からの報告である。主導的な環境グループが,気候変動に関する財政を世界銀行に預ける計画に反対している。非公式な推定によると,工業先進国は,途上国で低炭素経済を育成するために,1,000億ドルが必要,とされている。この費用を世界銀行に預ける案に反対の声明を出したのは,気候変動会議に参加している142の団体である。

この国連気候変動会議(注14)には,世界の192の国から11,000人が参加して,2008年12月1日に始まった。12月11日,各国環境閣僚や政府高官が加わり,会議は重要な段階に入った。この2週間を予定している会議は,2007年12月のバリ(注15)会議と,コペンハーゲン(注16)会議を繋ぐもので,このコペンハーゲン(注16)会議は,来年,2009年に予定されているデンマーク(注17)の結論の中間に当たる。

今回の会議では,途上国が,温暖化抑制及び適合のための費用に直接アクセスできる保証を求めて,世界中から集まったNGOも,世界銀行グループが気候変動対策費の運用を行う位置づけで考えてきた。今回のNGOの合同声明では,費用の運用について,世界銀行ではなく,国連気候変動枠組みUNFCCC(注18)が責任を持つべき,と主張を変えてきた。

世界の133の途上国を代表する,中国も含めたG77グループは,基金はUNFCCC(注18)の管理下に置くことを希望してきた。米国NGOのオレンスタイン氏(注19)は,気候変動対策基金は,取り返しのつかない欠点があり,すぐに一旦閉じるべきだ,と主張している。途上国は緊急に数億ドルが必要,それは気候変動から来る暴風雨,渇水,飢餓,洪水の頻発に対応するためである,と。

しかし,この費用は,皆が同意できる国連気候変動組織によって,管理されるべきだと。また,東南アジアNGOのナクピル氏(注20)は,ローンで南側諸国に供与するのは,理屈が通らない,途上国はもっとも気候変動の被害を受けながら,北側諸国に,返済しなければならない,気候変動に責任のある世界銀行と北側諸国が,どうして南側諸国に負債を課すことになるのか,不公平である,と。

更に,世界銀行が,まだ環境破壊的なプロジェクトに融資を続けるならば,気候変動基金はまさしく偽善である,と。このNGO達による声明の中では,世界銀行は,気候悪化や森林喪失をもたらす主要な機関であるばかりでなく,権利までも侵している,最後に,それは非民主的な機関である,とまで書かれている。世界銀行は化石燃料プロジェクトを支援,1997~2007年の世銀支援分は,英国排出の45倍に達する,と。

昨2007年,世銀は,化石燃料プロジェクトに94%増の,30億ドルローン供与,石炭対象では256%増である。世界銀行自身の2004年のレビューでも,同様趣旨の意見である。しかしまだ,2008年4月にもまだ,インドの4,000MW石炭火力に,450百万ドル融資,NGOの声明では,世界銀行は,気候変動対策を扱う機関として不適当,と主張している。

森林破壊が温暖化ガス排出の20%に貢献しているにも関わらず,世界銀行は,伐採を伴うプロジェクトを支援しているし,自身,2007年のパネルで,世界第2位の熱帯林を持つコンゴ(注21)での問題を扱っている。IFC(注22)は,農業破壊に手を貸している。FAO(注23)によれば,生活直結で,排出ガスの20%と言われている。

共同声明は更に続ける,世界銀行は主たる人権侵害機関だ,それは,チャド-カメルーンのパイプライン(注24)プロジェクトに始まって,ラオスのナムテン2水力プロジェクト(注25)に至る,世界銀行直接支援の人権侵害プロジェクトがある。世銀の森林オフセットFCPF(注26)も,その真理について疑心暗鬼である。参加している住民も,納得はしていない,とまで,共同声明は言っている。

私は思うが,NGOの共同声明は,歴史をうまく表現出来ていないような気がする。ダムにはダムの時代にあった役割があったし,世界銀行が果たしてきた経済成長への役割があった。もし,50年前から,温暖化抑止を目的にしていれば,人類はもっともとおおくの貧困を生み出したはずだし,それは単なる貧困で収まらず,文化を変え社会を変えて,より多くの悲惨を生んだかも知れない,と言うことは全然考えないのか。

(注) (13) Polish city Poznan,(14) UN climate talks,(15) Bali,(16) Copenhagen,(17) Danish,(18) United Nations Framework Convention on Climate Change,(19) Friends of the Earth U.S. international finance campaigner Karen Orenstein,(20) Lidy Nacpil, coordinator of the Jubilee South Asia/Pacific Movement on Debt and Development,(21) Democratic Republic of Congo,(22) International Finance Corporation,(23) UN Food and Agriculture Organisation,(24) Chad-Cameroon pipeline,(25) Nam Theun 2 Hydropower Project,(26) World Bank's Forest Carbon Partnership Facility, (27)

Reference

Philippines

●081211A Philippines, Manila Bulletin
国内電力企業EDC,2009年の資産買収劇に,資金
EDC needs $500M for war chest next year
http://businessmirror.com.ph/index.php?option=com_content&view=article&id=3189:edc-needs-500m-for-war-chest-next-year&catid=33:economy&Itemid=60

●081211B Climate change,ipsnews
気候変動,世界銀行に任せてはいけない,NGO
CLIMATE CHANGE: 'Don't Leave it to the World Bank'
http://www.ipsnews.net/news.asp?idnews=45050

2008年12月11日木曜日

原油価格下降の現状とこれからの動き

HPは下記ドメインです。写真地図など見て下さい。
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm

原油の先行きとエネルギー長期見通しについては,2008年11月7日付本HP(注21)で,IEAの報告書を紹介している。僅か1ヶ月前の話であるが,その中で,今年,2008年7月,に最高147ドルまで達した原油価格は,この木曜日,2008年11月6日,ニューヨーク市場で,一気に6.9%,バレル4.53ドルの下落を演じ,2007年3月以来の安値,60.77ドルとなった,と書いている。今日は,40ドルの話である。

2008年7月,バレル147ドルは,そのまま電気の燃料単価に換算すると,KWh当たり21.5セントである。今日のバレル約40ドルを考えると,KWh当たり5.8セントで,石炭がトン150ドルとすると,KWh当たり5.2セントなので,殆ど,石炭の高いものと同じぐらいの競争力になってしまう。今日の最初の記事は,2012~2015年程度に開発が予定されている油田プロジェクトの休止が,将来に大きな影響,と心配している。

IEAは,中期見通しで,2030年,バレル200ドル,とその権威ある報告書に書いているが,問題は投資家の姿勢である。投資家は,IEAの報告書を読んで投資判断を行うのであろうか,或いは,今日出される米国エネルギー省の週報,原油需要予想を見て判断するのか,はたまた,2008年12月17日に予定されているOPECの減産合意を見て,投資の判断をするのであろうか。

どう考えても,今日のバレル40ドルが,40ドルを切って30ドルに落ち込むかも知れない,とテレビで専門家が言っているのを聞きながら,イヤ,IEAが200ドルと言っているから資本も注ぎ込む,と言う決意はなかなか出来ないだろう。今日の最初の記事が心配しているのは,そこのところで,今動き出そうとしている,カナダ,ベネズエラ,南米沖,北海,などの新規プロジェクトが止まる,その影響は,2015年に出てくる,と言っている。

今日の夕刊フジ(注22)が,イラクの原油埋蔵への各企業の関心が記事になっている。イラクが約36年ぶりに外資企業に開放する油田開発事業,これに日本の資源開発各社が熱い視線を送っている。世界3位の原油埋蔵量,未開拓油田が7割,関心を寄せる各国石油会社との権益獲得競争が激しくなるのは必至,としながら,足元で1バレル40ドル前後まで急落した原油先物価格が,その意欲に与える影響を懸念する。

OPEC(注8)の11月17日の報告書では,2009年,日量53万バレル,0.6%下がって,日量8,668万バレルと言っている。コネチカットのブーテル氏(注14)は,これらの数字は,単なる多くの踏み石に過ぎず,遅行指標(注15)であって,多分,数ヶ月先では,もっと落ちてゆくだろう,と言っている。今年の原油先物の落ち56%は1983年以来の現象で,IMF(注16)は,来年の米国,日本,欧州の景気悪化を予測している。

リビヤのガネム氏(注17)は,OPEC(注8)の次の会合では,本格的な減産が合意される,と見ている。OPEC(注8)は10月の会議では,日量150万バレルの減産を決定している。コンサルタントのマロニー氏(注17)も,OPEC(注8)は原油価格の吊り上げを考えている,前回の減産は明らかに不十分であった,と見ている。米国エネルギー省は,本日ワシントン10時35分に,週報を発表する。

(注) (21) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081107A.htm,(22) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200812110027a.nwc,(23)
(注) (1) gallon,3.785 litters,(2) oil sands,(3) Canadian oil sands,(4) Venezuelan oil sands,(5) North Sea,(6) off the coasts in South America,(7)
(注) (7) http://www.bloomberg.com/,(8) Organization of Petroleum Exporting Countries,(9) billionaire hedge-fund manager Boone Pickens,(10) Rick Mueller, director of oil markets at Energy Security Analysis Inc. in Wakefield, Massachusetts,(11) New York Mercantile Exchange,(12) Energy Department said in its monthly Short-Term Energy Outlook,(13) International Energy Agency,(14) Peter Beutel, president Cameron Hanover Inc., an energy consulting company in New Canaan, Connecticut,(15) lagging indicator,(16) International Monetary Fund,(17) Steve Maloney, a risk-management consultant for Stamford, Connecticut-based Towers Perrin,(18) Nauman Barakat, senior vice president of global energy futures at Macquarie Futures USA Inc. in New York,(19) Brent crude oil,(20) London’s ICE Futures Europe exchange,(21)

本文

●低価格の原油に,如何に対処すべきか

信じがたいことだが,2,3ヶ月前には,米国のドライバーは,ガソリンの価格1ガロン(注1)5ドルになるだろう,と話していた。それがどうだろう,全国殆どの地域で平均2ドルにまで下がり,更に過去一週間で原油は,更に20%も下がっているのである。これは明らかに経済の影響で,お金に事欠く消費者のポケットのしまわれたまま,長期的にこのようなことでよいのだろうか。

当初,2,3ヶ月前までは,誰もが,どの様にしてエネルギーを節約するか,話し合っていたのである。それは,如何に車で走る時間を減らし,更に車を小型に変えてゆく,と言う中で,多くの人が,省エネルギーの電球や太陽光電池の話に躍起となっていた。それが最近ではこのような会話はなくなってしまった。皆が恐れているのは,石油の消費の過去に長い習慣を,変えなくなってしまった,と言うことだ。

更に恐ろしいことは,原油価格の低下が,オイルサンド(注2)や沖合油田プロジェクトを中止していることである。このことは,来年や2年後程度では,堅調な影響は出ないであろうが,我々が恐れるのは,2012~2015年の時間枠である。この時間枠で原油供給を考え疎き,多くの予想は,カナダ(注3)やベネズエラのオイルサンド(注4),南米沖の油田(注6),などのプロジェクトは,継続されるものとの前提なのである。

これら3つのプロジェクトの初期段階での減産は,北海(注5)の幾つかのプロジェクトの遅れと重なって,この3~5年の原油供給に,大きな影響を及ぼすことになろう。要するにこの記事は,ここ数日の原油価格の値下がりが,途端に,現在OPEC以外で動いている原油生産プロジェクトの中止,または,工事の遅れをもたらす影響を言っている。

(注) (1) gallon,3.785 litters,(2) oil sands,(3) Canadian oil sands,(4) Venezuelan oil sands,(5) North Sea,(6) off the coasts in South America,(7)

●原油価格,OPECの減産で,上昇傾向へ

ブルーンバーグ(注7)の原油価格に関する記事である。この3日間,原油価格がやや上がっている。これは,来週,2008年12月17日に,OPEC(注8)の会合が予定されていて,ここで元の減産に踏み切るとの思惑が働いている。OPEC(注8)は,世界の原油の40%を供給しているが,ヘッジファンドのピッケン氏(注9)の予測では,最近の価格低下に対応するために,日量250万バレルを削減する,と見られている。

昨日は,米国の予測,年間原油需要が1983年以来初めて下降する,と言う情報で,下降に転じている。マサチューセッツのミューラー氏(注10)は,「私は,OPEC(注8)の会合で一定の考えがでるまでは,40~45ドルで推移すると思っている。」,と言っている。彼は,今は世界経済の動きが,即ち,原油市場を左右するものと思っている,と付け加えている。

原油の1月の先物価格は,ニューヨーク市場(注11)で,シドニー時間,11時22分,57セント,または1.4%上がって,42.61ドルとなっている。昨日の先物は,164ドル,または3.8%下がって,42.07ドルで,2007年11月以来,23%落ちたことになる。昨日の米国エネルギー省の報告(注12)によると,2008年の世界の原油需要は,日量8,575万バレルで,2007年と比べると,5万バレル落ちている。

また,これは1983年以来のことで,来年,2009年には更に,日量45万バレル落ちて,日8,530万バレルになるであろう,と言っている。IEA(注13)もOPEC(注8)も,この月の経済の収縮で,原油需要は低下する,と言っている。IEA(注13)の11月13日の報告書では,2009年は,日量67万バレル落ち,0.8%の落ち,で,日量8,650万バレルとなる,と言っている。次の報告は12月11日である。

OPEC(注8)の11月17日の報告書では,2009年,日量53万バレル,0.6%下がって,日量8,668万バレルと言っている。コネチカットのブーテル氏(注14)は,これらの数字は,単なる多くの踏み石に過ぎず,遅行指標(注15)であって,多分,数ヶ月先では,もっと落ちてゆくだろう,と言っている。今年の原油先物の落ち56%は1983年以来の現象で,IMF(注16)は,来年の米国,日本,欧州の景気悪化を予測している。

リビヤのガネム氏(注17)は,OPEC(注8)の次の会合では,本格的な減産が合意される,と見ている。OPEC(注8)は10月の会議では,日量150万バレルの減産を決定している。コンサルタントのマロニー氏(注17)も,OPEC(注8)は原油価格の吊り上げを考えている,前回の減産は明らかに不十分であった,と見ている。米国エネルギー省は,本日ワシントン10時35分に,週報を発表する。

ニューヨークのバラカット氏(注18)は,「今日のエネルギー省の報告は一つの切っ掛けになろう。二つのイベントに注目,パリのIEA(注13)の木曜日の報告書は,需要崩壊はまだ続き,重要なカルテル,OPEC(注8)の会議が,12月17日に開かれる。」,と。ブレント原油(注19)1月先物は,ロンドンの欧州先物市場(注20)で,バレル1.89ドル,4.4%落ちで,41.53ドル,である。

(注) (7) http://www.bloomberg.com/,(8) Organization of Petroleum Exporting Countries,(9) billionaire hedge-fund manager Boone Pickens,(10) Rick Mueller, director of oil markets at Energy Security Analysis Inc. in Wakefield, Massachusetts,(11) New York Mercantile Exchange,(12) Energy Department said in its monthly Short-Term Energy Outlook,(13) International Energy Agency,(14) Peter Beutel, president Cameron Hanover Inc., an energy consulting company in New Canaan, Connecticut,(15) lagging indicator,(16) International Monetary Fund,(17) Steve Maloney, a risk-management consultant for Stamford, Connecticut-based Towers Perrin,(18) Nauman Barakat, senior vice president of global energy futures at Macquarie Futures USA Inc. in New York,(19) Brent crude oil,(20) London’s ICE Futures Europe exchange,(21)

Reference

●081210A Oil, thestreet.com
低価格の原油に,以下に対処すべきか
How to Play Lower Oil Prices
http://www.thestreet.com/story/10452285/1/how-to-play-lower-oil-prices.html?puc=googlen&cm_ven=GOOGLEN&cm_cat=FREE&cm_ite=NA
●081210B Oil, bloomberg.com
原油価格,OPECの減産で,上昇傾向へ
Crude Oil Rises Amid Speculation Over Size of OPEC Output Cut
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601087&sid=aIHNY5eFEoPY&refer=home

2008年12月10日水曜日

中国の経済外交が国内巨大需要へ急旋回

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中国の政治経済に,ここ数日,目立った変化が現れている。昨夜,2008年12月9日,深夜にテレビを見ていたら,ここ数日間の株価上昇の動きは,米国の自動車への支援もあるけれど,皆が見ているのは,中国で開催中の全国協商会議で,世界金融危機を横目で見ながら,57兆円相当の内需拡大策への期待感で,アジアの株が動いているという,もう中国しかないというわけ。また,中国政府の眼は,完全に中を向き始めた。

更に,東亜日報の記事では,これを裏付けするような記事,「中国の外交路線,「超強硬」に急旋回」,として,フランスのサルコジ大統領がダライラマと会うことで,目前に控えた中国欧州拡大首脳会議を一方的に取り消したこと,また,米中経済戦略会議で,米国側に一言も中国元切り上げの言葉を言わせなかったこと,を挙げ,首脳会議を直前でキャンセルすることは,相当の路線転換の腹をくくった,と見ている。

要するに,世界経済の中の一つの歯車として生きてゆく戦略が,今回の世界金融危機で根こそぎ揺らいだものだから,予め用意していた内需策,57兆円をまずその発端にして,10億の民を擁して,内需型経済への大転換を諮ろうとしている,と言うわけである。まさにこれに呼応するようなWWFの報告書,その名も,「青い龍への旋回」(注3)である。

中国政府は,クリーンエネルギー経済(注7)に向けて大規模な目標を設定している。それは,2010年に向かって,エネルギー依存度を20%削減し,2015年に向かって,再生可能エネルギーを今の倍の15%とする,と言うものである。中国は特に,小規模の水力開発にも熱心で,海外資本にも解放する方向で,2006年の40,000MWレベルを,2020年に一気に125,000MWとする計画である。

中国の風力について,2020年までに現在の5倍,30,000MWにするという目標は,現在のペースで行けば,2012年には達成されるだろう。金融危機で世界の再生可能エネルギー投資が萎縮する中で,中国の投資はこの2008年の第4四半期で35億ドルに達し,中国の風力セクターを最強にするだろう。中国WWFのドンメイ氏(注8)は,沖合風力プロジェクトでのノルウエーとの協力は,更にこの商業的成果を高めるだろう,と。

また,中国の特徴である地域間を超えた超高圧送電線が,送電報告書(注9)の計画の中心に据えられている。2006~2020年の超高圧送電線建設への投資額は,4,060億元であり,内訳は,交流送電線が2,560億元,直流送電線が1500億元となっている。今回刊行された報告書(注9)は,中国の送電網の現状ばかりでなく,将来の計画に関する分析と予測が,盛られている。

今日は,中国に関する二つの報告書,環境と送電,を取り上げて呼んでいる最中に,中国が大きく舵を取り始めた,その兆候を示すいろいろな報道が飛び込んできている。これからは,この中国の変化が,どの様にアジアのエネルギー開発に飛び火してくるか,慎重に分析する必要がある。私の感じでは,ミャンマー,ラオス,カンボジア,パキスタン,などに対する開発圧力は強くなると思う。

(注) (1) green technology,(2) WWF,(3) Green Dragon,(4) Borge Brende, Managing Director of the World Economic Forum, (5) Rasmus Reinvang of WWF Norway, lead author of the report,(6) OECD countries,(7) clean-energy economy,(8) Chen Dongmei, head of the Climate and Energy programme for WWF in China,(9)

(注) (9) 2008 Report on China's Power Grid Construction,(10) www.marketavenue.cn/upload/ChinaMarketReports/REPORTS_1027.htm,(11) 11th "Five-Year Plan",(12) 10th "Five-Year Plan",(13) Tibet,(14) Sichuan province,(15) Yunnan province,(16) Shanxi province,(17) Shaanxi province,(18) Inner Mongolia,(19)

本文

●中国,先進国の環境技術を超える勢いで発展

環境技術(注1)のリーダーと自負してきた先進国諸国は,今や,環境製品やサービスで巨大な市場となりつつある中国の後塵を拝する勢いにある。最近,WWF(注2)から刊行された,「グリーンな龍」(注3),のタイトルの報告書によると,世界の環境ビジネスを窺う企業は,中国への投資額,2020年までに15兆~19兆ドルに達すると考えられている市場に視野を向けている。

また報告書は,次のように言っている。環境分野での巨大な投資は,中国をして,低価格の環境問題解決手段の開発の世界の中核になろうとしている。その技術は,環境に拘束されるであろう21世紀に,世界経済を急拡大させるための必須の技術でもある,と。環境分野の西欧の企業家や関連企業は,拡大する中国市場に,未曾有の機会を持ちそれ自身が世界経済の主導者,と断ずるのは,WEFブレンデ氏(注4)だ。

ノルウエーに於ける調査では,中国の環境への投資の誇大な表現は,実際にこれを超えるものであることを示している。WWFのレインバン氏(注5)は,中国との環境協力という大きな目標に比べると,ノルウエーの現在の実情は,余りに断片化して小規模に過ぎる,OECD諸国(注6)は,その得意な環境技術を駆使しながら,大きな兆しの見える中国と組んで,規模の大きなビジネスにしていかなければならない,と述べている。

中国政府は,クリーンエネルギー経済(注7)に向けて大規模な目標を設定している。それは,2010年に向かって,エネルギー依存度を20%削減し,2015年に向かって,再生可能エネルギーを今の倍の15%とする,と言うものである。中国は特に,小規模の水力開発にも熱心で,海外資本にも解放する方向で,2006年の40,000MWレベルを,2020年に一気に125,000MWとする計画である。

中国の風力について,2020年までに現在の5倍,30,000MWにするという目標は,現在のペースで行けば,2012年には達成されるだろう。金融危機で世界の再生可能エネルギー投資が萎縮する中で,中国の投資はこの2008年の第4四半期で35億ドルに達し,中国の風力セクターを最強にするだろう。中国WWFのドンメイ氏(注8)は,沖合風力プロジェクトでのノルウエーとの協力は,更にこの商業的成果を高めるだろう,と。

(注) (1) green technology,(2) WWF,(3) Green Dragon,(4) Borge Brende, Managing Director of the World Economic Forum, (5) Rasmus Reinvang of WWF Norway, lead author of the report,(6) OECD countries,(7) clean-energy economy,(8) Chen Dongmei, head of the Climate and Energy programme for WWF in China,(9)

.●中国の送電網,2008年の報告書発刊

「中国送電網建設2008(注9)」,が発刊され,ウエブ(注10)でその全容が見られる。2000年以来,中国の電源設備は年10%以上の伸びを見せてきたが,送電網の建設は満足できるものではなかった。中国の送電網建設への投資は,一桁パーセントであり,ある年は僅かに2%の伸びであることもあった。その結果,2002年には,沿岸地域でたびたび停電が発生した。

この脆弱な送電網を改善し安全度を高めるために,北京政府は2006年以来,多大な関心を払い始めた。2006~2010年の第11次五カ年計画(注11)では,1兆2,000億元が投入されることになっている。これは年に直すと,2,400億元となり,これは,第10次五カ年計画(注12)のときの90%増に匹敵する。中国の電力で最大の問題は,エネルギー資源と需要地が,離れていることである。

資料によると,開発可能な水力資源の3分の2は,チベット(注13),四川(注14),雲南(注15)の山岳地帯に位置している。また,石炭資源の3分の2は,山西省(注16),セン西省(注17),内モンゴル(注18)にある。このような地理的な配置関係から,北京政府は,小規模の電線で大容量の送電が出来る超高圧送電線に関心を持ってきた。

その結果,地域間を超えた超高圧送電線が,今回の計画の中心に据えられている。2006~2020年の超高圧送電線建設への投資額は,4,060億元であり,内訳は,交流送電線が2,560億元,直流送電線が1500億元となっている。今回刊行された報告書(注9)は,中国の送電網の現状ばかりでなく,将来の計画に関する分析と予測が,盛られている。

(注) (9) 2008 Report on China's Power Grid Construction,(10) www.marketavenue.cn/upload/ChinaMarketReports/REPORTS_1027.htm,(11) 11th "Five-Year Plan",(12) 10th "Five-Year Plan",(13) Tibet,(14) Sichuan province,(15) Yunnan province,(16) Shanxi province,(17) Shaanxi province,(18) Inner Mongolia,(19)

Reference

China

●081209A China, environmental-expert
中国,先進国の環境技術を超える勢いで発展
Green high-tech champions slow to take up China opportunities
http://www.environmental-expert.com/resultEachPressRelease.aspx?cid=4638&codi=40761&idproducttype=8&level=0
●081209B China, pr-inside
中国の送電網,2008年の報告書発刊
2008 Report on China's Power Grid Construction
http://www.pr-inside.com/report-on-china-s-power-grid-r955103.htm

2008年12月9日火曜日

パキスタンのバシャダムの資金不足

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4,500MW,パキスタンのバシャダムの総工事費は,実に126億ドルである。WAPDA総裁は,2018年完成後は,毎年電力で15億ドル,農業で5億ドル,合計毎年20億ドルの便益があるという。インダス川の上流で,実質パキスタン実効支配地域とは言え,国際的には国境未確定地域である。世界銀行は,それを理由に,支援を拒否した。

バシャダムこそが,新しい文民政権の国民統合の象徴,と考えるザルダニ大統領は,北京を訪問したときに,湖錦濤主席に直接その支援を訴えた。湖錦濤主席は,明確に答えを与えなかったのではないか,と言うことは,民間資金の可能性を考えたのではないかと思われる節がある。ザルダニ大統領は,湖錦濤主席の支援が受けられる,と考えているようだ。

パキスタンの国家経済委員会幹部会ECNECは,バシャダム(注1)の用地確保のため1,165億ルピーを承認したが,土地取得は予算の目処が立つまで待て,と言われている。パキスタンの手持ちの資金はこれだけである。見切り発車,と言うことだろう,この2008年11月27日,総工事費126億ドルの戦略的なプロジェクト,ディアマー-バシャダム(注1)に対する施工業者の事前資格審査(注4)が強行された。

現在パキスタンは,中国を中心に,オイルマネーのUAE,クウエート,また中国など,トップレベルとの交渉を続けていると言う。2009年1月にはコントラクターの決定にこぎ着ける。11企業が資格審査に応じたが,それらの国籍は,中国,EU,UAEの企業で,具体的な名前は明らかにされていない。当然パキスタンとしては,各国トップの資金協力を待って,業者決定を行う構えだ。

今日のWAPDA総裁の話は,多分にこの資金協力への下ごしらえのためであろう。これだけの大プロジェクトで,世界一の汚職国と言われているパキスタンに対して,皆尻込みするであろうから,WAPDA総裁は,まず,財務担当のアドバイザーを来年早々にも指名する,と切り出して,後は内貨外貨に区分した毎年の支出計画を発表している。

このバシャダムは,一時,大昔に,ニュージェックのメンバーが現地を訪ねて,その急峻なアクセスに,大声を上げていたのを覚えている。パキスタンにとってはまさに戦争である。インドのシェナブ川のバギリハールダムの完成に対抗する意識も強く,どうか,実際の戦争を行わずに,このようにダム建設で模擬戦争をやってもらえれば有り難い。パキスタン,頑張れ。

(注) (1) Diamer-Bhasha dam,(2) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081204A.htm,(3) pre-qualification,(4) Chairman Water and Power Development Authority (Wapda) Shakeel Durrani,(5) Chenab River,(6)

本文

●パキスタンのバシャダム,金融専門家を招聘へ

資金調達の目処がつかないまま,いよいよ入札に入ったパキスタンのディアマ-バシャダム(注1),2008年12月4日付本HP(注2)では,内外の10企業が事前資格審査(注3)に応募したことを報じている。126億ドルに上る資金調達については,パキスタン政府は努力を続けており,UAE,クウエート,中国の最高位レベルとの交渉を行っており,他にもパキスタンの友好国とも接触している,と報じられた。世界銀行は拒否。

このような状態の中で,パキスタンは,まさしく戦争前夜の様相である。政府は国民の一致団結を呼びかけている。パキスタン政府の高官筋が明らかにしたところでは,政府は,財務担当のアドバイザーを雇う計画で,来月,2009年1月には決定する,これは財務関係で,不適切な方法を避け,完全にコントロールするためだ,と述べている。多分に,資金調達先を意識した発言である。

ドウラニWAPDA総裁(注4)は,汚職の防止を含めて,WAPDAと共に,財務状態をモニターする役割として,財務担当のアドバイザーを雇う計画,と話している。また,最終的な規模は,4,500MWで,年間20億ドルの収益を上げることが出来る,としている。また,財務担当のアドバイザーと同時に,入札結果も,2009年1月には明らかになるとしている。

現時点では,入札企業,殆どが海外企業であるが,のショートリストに焦点を当てている段階だと。すべてが円滑に行き,資金調達も間に合えば,2017~2018年に完成する予定である,と。シェナブ川(注5)でインドが水をストップして以来,パキスタンは現在,電力不足と水不足に悩んでいる,この危機は更に今後拡大してゆく様相を見せている,と危機感を煽っている。

WAPDAの計算では,電力で年間15億ドル,農業で年間5億ドルの収益を上げる見込みであり,これは,経済専門機関も支持している。2018年までの支出予定も把握している。2008~9年で545百万ドル,2009~10年で725百万ドル(内貨545,外貨180),2010~11年で996百万ドル(内貨735,外貨261),2011~12年で1,527百万ドル,以下同じように,

2112~13年で1,421百万ドル,2013~14年で1,586百万ドル,2014~15年で1,664百万ドル,2015~16年1,451百万ドル,2016~17年で1,023百万ドル,2017~18年で1247百万ドルとなる。最終年度には,後処理として415百万ドルが必要である。これで総額は126億ドルであり,外貨分としては5059百万ドル,内貨分は政府とWAPDAが賄うが,7,410百万ドルである。

要するに今日の記事は,ドウラニWAPDA総裁(注4)が,資金調達に必要な条件を明らかにした,と言うことで,必要な主出計画の他,何かと信用されないパキスタンの汚職問題を強く意識して,財務担当のアドバイザーを置くことを内外に宣言したわけで,これでどうか,資金を貸してくれないか,ということだ。ダム地域が国境不確定地域なので,世界銀行が供与に応じなかったのが,パキスタンを苦しくしている。

(注) (1) Diamer-Bhasha dam,(2) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081204A.htm,(3) pre-qualification,(4) Chairman Water and Power Development Authority (Wapda) Shakeel Durrani,(5) Chenab River,(6)

●ネパールの電力制限,更に5年以上続く

ネパールは水力だけに頼っている。それも,経済規模が小さいために,大規模な水力開発は出来なくて,常に洪水や渇水の影響を受ける,比較的規模の小さいダムが殆どである。新しい共和政権の元で,インドとの協力の下に,これから大規模な貯水池を建設していこうと言うことだが,大規模なだけに,建設に時間がかかり,電力不足の状態は容易に解決できない,と言うことだろう。中国紙の報道である。

ネパール電力庁NEA(注6)は,不十分な資源と電源不足によって,ネパール全国に亘る電力供給制限は,今後も少なくとも5年間は続くであろう,と悲観的な見通しを明らかにした。バシャルNEA担当(注7)は,水源の川が氷結して多くの水力発電所で水位が下がってきている,そのために,我々はやむなく,伸びてゆく需要に対応することが出来ない,と話している。

ネパールの全国の電力設備は,617MWで,他に地方に,幾つかの小水力や太陽光発電所がある。需要は現時点で,722MWであり,更に伸び続けている。NEA(注6)は先週,週間の停電時間を更に増やす決定をせざるを得なかった。ある地域では,今まで週35時間の停電であったものを,45時間に増やすことになる。

(注) (6) Nepal Electricity Authority,(7) Danda Pani Basyal, NEA public relation director,(8)
Reference

Pakistan

●081208A Pakistan, thenews
パキスタンのバシャダム,金融専門家を招聘へ
Financial adviser for Bhasha Dam to be appointed soon
http://www.thenews.com.pk/print1.asp?id=151226

Nepal

●081208B Nepal, english.people.com
ネパールの電力制限,sqあらに5年以上続く
Power cut to continue for 5 more years in Nepal
http://english.people.com.cn/90001/90777/90851/6548982.html

2008年12月8日月曜日

フィリッピンの送電網は中国へ

HPは下記ドメインです。写真地図など見て下さい。
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm

オバマ大統領候補が,引き継ぎに向けて堅実な人事を行っている様子で,皆安心してみているようだが,新聞の見出しで,親戚を重要ポストに就け始めた,と書かれていたので,何だあいつはと思って,好天の中,紅葉が少し散りかけてきた山の中をドライブしていた。更新が遅くなって,手こずった。石川遼の最後のアプローチでガックリを見てから,「親戚」とは,日系日本人のシンセキ氏の退役軍人庁長官起用だった。

フィリッピン,国会の承認がなかなか進まず,遅れに遅れた国家送電公社の運用権の譲渡問題で,中国電力網側に,10億ドルの政府への前払い金の目処がつき,いよいよ譲渡が実現する,と言うニュースが流れている。中国電網が9.5億ドル,最高値で25年の運用権入札を落札してから,半年以上は経っているだろう。国会が承認しないのではないか,とも言われていたが,国会も,フランチャイズ問題を納得したようだ。

そう言うことで,いよいよフィリッピンの送電網が,中国電網によって25年間,運用されることになるのだが,いつまで経ってもこの委託は理解できない。アジアで電力の自由化,分割民営化が進む中で,すべて発電がバラバラにされる中で,送電網は国家の中枢に据える,と言う国が多い。中国がその最たるものであるし,インドも,送電公社PGCILは絶大な権限を持っている。

国家の電力,と言うことになると,民営化の中でどの基幹が国の電力の構想を責任を持って展開するのか,それは送電網を握る会社ではないか,と思っていた。事実,中国は現在そう考えているのではないか。だから,フィリッピンの送電網が売りにでたとき,最初は九州電力なども噂に上っていたが,何度か入札が失敗して後,最後まで食いついていったのは,中国電網だった。

今日の記事を見ると,委託の内容は,高圧送電網の,運転,運用,維持,建設,設置,財務,改善,拡張,補修及び修理を包含,となっており,送電網の拡張計画及びその工事も,中国電網の責任である。結局,フィリッピンは,10億ドルの現金が欲しかったのは事実だけれど,自分たちで送電網を整備してゆく資金的な目処がなかった,と言うことなのか。ビサヤ系やミンダナオ系で,拡張が手についていないという。

日本の東海道新幹線が資金繰りに困って,中国企業に売り飛ばされ,日々の運用もすべて中国企業任せ,などという事態になればどうなるのか。そう言えば,GMのトップは,首にしなければ支援できない状態らしく,後任に,日産のゴーン社長の名前も挙がってきている。トヨタの減益は随分話題になっているが,そう言えば,日産の減益は余り話題になっていない。

先日話題になったベトナムの電力改革が,今日はまた大きく記事になっている。ベトナムの産業通商省内で,相当議論が積み重なっているようだが,またフィリッピンのような議論の蒸し返しか,と思うとうんざりする。しかし,2014年とか2015年とか言っているので,今すぐには改革はやらない,と言う意思表明とも受け取るか。なお,原子力地点は,ニントワン省(注13)と決まっているようだ。タイに先行か。

パキスタン治安当局が,インドと領有権を争うカシミール地方のパキスタン側の中心都市ムザファラバード近郊で,インド西部ムンバイで起きた同時テロへの関与が指摘されているイスラム過激派「ラシュカレトイバ」の拠点を急襲した。と報じられている。軍のヘリコプターや車両で乗り込む場面が地元住民に目撃された,という。ザルダニ大統領は,結構平和主義者だ。

(注) (1) State-owned power monopoly Electricity of Vietnam,(2) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081203A.htm,(3) Minister of Industry and Trade,(4) cost-based pool scheme (CBP) for electricity pricing,(5) Hanoi Power,(6) Ho Chi Minh City Power,(7) Ta Van Huong, head of the ministry’s Energy Department,(8) Electricity Regulatory Authority of Vietnam,(9) Hoa Binh,(10) Ialy, (11) Tri An,(12) Son La,(13) Ninh Thuan Province,(14) power trading company,(15) State Capital Investment Corp. (SCIC),(16) president, Dao Van Hung,,(17)

(注) (17) National Transmission Corporation,(18) Power Sector Assets and Liabilities Management Corporation,(19) State Grid of China,(20) Monte Oro Grid Resources,(21) Calaca High Power,(22) Philippine Stock Exchange,(23) Brown Company Inc,(24) National Grid Corporation of the Philippines,(25) President Gloria Macapagal Arroyo,(26) Visayas grid,(27) Mindanao grid,(28)

本文

●ベトナム,産業通商省,広範な電力改革を意図

ベトナムの電力市場については,水力発電所の渇水から起こる電力不足の問題と共に,電気料金の矛盾が問題となってきた,それは特にEVN(注1)の低料金とIPPとの調整の問題であった。2008年12月3日付本HP(注2)で,産業通商省MOIT(注3)が首相に対して,EVN(注1)の独占打破を基本とする改革案を提案した,との比較的簡単な記事を解説している。

このときのキーワードは,原価方式プール市場CBP(注4)で,何のことかよく分からないが,提案したMOIT(注3)も,具体的な方策は,海外のコンサルタントや世界銀行,ADBなどの協力で,これから枠組みを造って行く,と言うものであった。私はこれを,迷走している,と表現したが,とにかくベトナムが,自由市場だが価格混乱の起こらないもの,という都合のいいものを考えている,と感じた。今日は少し詳しい報道だ。

国有の独占企業EVN(注1)は,全国の送電網と,ハノイ電力(注5)とホーチミン電力(注6)を含む11の配電会社をその傘下に置いている。この電力市場を自由化し,国有電力企業の独占を打ち破るために,産業通商省MOIT(注3)が,一連の積極的な改革案を提案した。この提案書はまもなく政府に提出されるが,その意向に関して,3つの段階を経ることを考えている。

その3つの段階とは,2014年までに発電競争市場の創成,2015~2022年の間に競争卸売市場の形成,2024年以降に競争小売市場の創成,である。遅いですね,これでは今はやらない,と宣言しているようなものだ。この第1段階の発電競争市場の創成は,原価方式プール市場CBP(注4)と言う,少し分かりにくいキーワードが入ってくるのである。おそらく,余り取引価格が変動しない市場を考えているのか。

この電力卸売りの取引市場は,30MW以上の発電所はすべてこの市場に参入しなければならない。産業通商省MOIT(注3)筋によると,このモデルが基準として容量でなく原価としていることで,新規投資企業の参入を助け,大規模発電企業の独占を妨げる,と説明している。MOIT(注3)のタバンフオン部長(注7)は,取引市場の価格決定は,電力規制委員会(注8)が行う,と説明している。

更に続けて,この取引が円滑に進むと,発電事業者はEVN(注1)と長期の契約をしないで,発電事業者の最適の価格を提案することが出来る,と言っている。また,現在11ある配電会社を統合して,5~7にしたいとしている。EVN(注1)は現在,全発電設備の71%を所有して,市場を独占し,競争を封じている。そこで,EVN(注1)の発電設備を3つの企業に分割し,1企業が25%以下の発電設備を持つように改革する。

産業通商省MOIT(注3)は,大規模水力,ホアビン(注9),ヤリ(注10),チアン(注11),ソンラ(注12)とすべての原子力発電所は,戦略的立場から,産業通商省MOIT(注3)の直轄にする,と言っている。最初の原子力発電所は,2020年にニントワン省(注13)に建設され,2025年までには設備出力,8,000MWが予定されている。

EVN(注1)の独占をなくするために電力取引企業(注14)が設立されるが,EVN(注1)は,依然としてただ一つの電力の引き取り手であり,卸売業者として,現体制を維持する。この電力取引企業(注14)は,EVN(注1)から独立しており,発電所から電気を買い,配電会社に売る機能を持つことになる。外部の解説者は,この改革が承認されれば,EVN(注1)は,他の発電企業と肩を並べ,もはや市場をコントロール出来ないと。

電力をEVN(注1)に売っている発電所の経営者は,この改革はIPPにとってはまさにその人生を変えるものであり,電力への投資を大きく飛躍させるだろう,と言っている。設備増強に関して,EVN(注1)は最近,外国資本の確保に失敗した場合は,国家基金を得られることで合意している。国家資本投資公社SCISC(注15)は国家資金を運用しているが,これがEVN(注1)の発電所の株式を取得することもあり得る。

この場合,SCISC(注15)かEVN(注1)のどちらかの国有企業が,51%以上の株式を所有することになる,と説明している。また,EVN(注1)が開発中の火力や水力のプロジェクトで資金を必要としたときは,SCISC(注15)が資金を供給する。政府は,電力不足を解消するために,電力インフラの増設の促進を迫られている。EVN(注1)は,420百万ドル外資に失敗,政府に対して,13プロジェクトの資金支援を要請している。

EVN(注1)のダオバンフン総裁(注16)は,このSCISC(注15)支援の方式は,2015年まで毎年80兆ドン,約47億ドル相当,の必要投資額を支援してくれるだろう,と語っている。またSCISC(注15)は,次の10年に予定されている最初の原子力発電所にも,資金調達を行うとしている。SCISC(注15)のチャンホアンリ報道官(注17)は,まだ詳細は決定していない,と説明を拒否した。

産業通商省MOIT(注3)は,先月,需要見通しを発表し,2020年時点で2262億KWhの不足が残るとしている。このためにベトナムは,中国,ラオス,カンボジアからの電力輸入が必要であり,また,2015年時点では2,240万トンの石炭輸入が必要になるとしている。EVN(注1)によると,今年,2008年の11ヶ月間の需要は,昨年同期から,25.5億KWhの減となっている。

今月,2008年12月も,まだ電力不足の可能性がある。南部の水力発電所の水位が例年より低下しており,火力発電所も問題を抱えているという。来年,2009年は,電力不足を補うため,中国より27億KWhの輸入が予定されているが,現在その購入価格について交渉中であり,今月,2008年12月中には,交渉は妥結するものと予測している。

いろいろ記事には書いてあるが,電力改革に関しては,これからまたこの制度設計をいろいろ聞かされるのか思うと,フィリッピンを思い出してうんざりである。行程表から見て,今は改革を行わない,ととってもよいが,話は随分聞かされるだろう。この記事で,政府ファンドの記述が相当にあり,寧ろこの辺りの財政面での基盤確立が,改革よりも急務といえよう。

(注) (1) State-owned power monopoly Electricity of Vietnam,(2) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081203A.htm,(3) Minister of Industry and Trade,(4) cost-based pool scheme (CBP) for electricity pricing,(5) Hanoi Power,(6) Ho Chi Minh City Power,(7) Ta Van Huong, head of the ministry’s Energy Department,(8) Electricity Regulatory Authority of Vietnam,(9) Hoa Binh,(10) Ialy, (11) Tri An,(12) Son La,(13) Ninh Thuan Province,(14) power trading company,(15) State Capital Investment Corp. (SCIC),(16) president, Dao Van Hung,,(17)

●フィリッピン,送電公社,いよいよ10億ドル前払い,運営権委譲へ

中国企業が落札してから,長い間,国会の承認で待たされた。フランチャイズと前納金の調達の問題であったのか。そもそも,電力改革の過程で,どうして送電公社の運営権を売りに出さなければならないのか,よく分からないが,どうも必要な送電線増強プロジェクトが資金難で進まず,y7ァ無を得ず,と言うことなのか。送電網を電力セクターの基幹と捉えるかどうか,私とは相当な感覚の違いがある。

国家送電公社TransCo(注17)の運営権入札で落札したコンソーシアムは,資産運用委譲のための前払い金10億ドルの資金調達について,融資側と合意したと報じられた。昨年,2007年,のPSALM(注18)の元での国家送電公社(注17)の入札を勝ち取ったのは,中国電網(注19)と地元企業モンオロ(注20)とカラカ(注21)のコンソーシアムで,委託期間25年,入札額9,500万ドルであった。

フランチャイズの問題については,証券市場PSE(注22)への届け出を,モンオロ(注20)の持ち株会社ブラウン(注23)が,フィリッピン国家送電網NGCP(注24)とすることで,アロヨ大統領(注25)も承認した。NGCP(注24)の記者会見では,融資機関の名前は明らかにされなかったが,取引文書に署名は終わっている,と発表されている。国有企業としてのフランチャイズ承認も,国会を通過している。

このNGCP(注24)が取得する事業権は,高圧送電網の,運転,運用,維持,建設,設置,財務,改善,拡張,補修及び修理を包含するものとされている。民営化の問題とは別にして,設備の拡張や高度化は,委託された側が,資金を出すことになる。元の送電公社のプロジェクトの中には懸案が多く,今回の委託によって,問題となっているビサヤ系統(注26)とミンダナオ系統(注27)で進展が期待されている。

私は,どうしてこういう基幹インフラを,外国企業に委託してしまうのか,よく分からないですね。資金がなくて送電網の拡大が出来ないから,うん江要件を与えてその稼ぎで拡張改良して貰う,と言う発想なのですかね。それなら国内の,それも民族資本に頼ればよいものを。でもその様な入札では,外国資本が受け付けないのか。日本の国鉄路線を中国の企業に運用して貰う,そんな感じなのに。

(注) (17) National Transmission Corporation,(18) Power Sector Assets and Liabilities Management Corporation,(19) State Grid of China,(20) Monte Oro Grid Resources,(21) Calaca High Power,(22) Philippine Stock Exchange,(23) Brown Company Inc,(24) National Grid Corporation of the Philippines,(25) President Gloria Macapagal Arroyo,(26) Visayas grid,(27) Mindanao grid,(28)

●インド,原子力開発を,民間資本へ解放へ

インドの原子力産業の将来,2008年11月13日付本HP(注28)には,「インドの原子力産業,米印協定で,一大ブームへ」,として,sひょうなや区割りを果たすであろうインドの民間企業の名前が出ている。また,昨日,2008年1月6日付本HP(注29)では,インドは,現在の原子力設備5,000MWを,2030年には20,000MWに増強する予定である,とし,オーストラリアと関わるウラニュームが話題になっている。

この土曜日,2008年12月6日,ニューデリーでは,科学技術省(注30)とインド商工会議所CII(注31)の共同主催になる,第14回技術サミット(注32)が開かれていた。期待して聞き入る内外のビジネス業界を前に,シバル科学技術大臣(注33)は,次のように切り出した,「一旦,現在交渉中のロシアや他の諸国との交渉が終われば,原子力セクターは,民間の参入を歓迎することになろう。」,と。

シバル科学技術大臣(注33)は続けて,今,インドが国際的立場で当面している問題は3つある。それは,金融経済危機,テロリズム,それに地球温暖化の問題である。そうして,再生可能エネルギーによる発電,農業の最適化,及び技術改革への動機付けの方法と求める,と要請した。また,海外企業に対しては,国内企業との合弁による積極的な参入を求めた。

(注) (28) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081113.htm,(29) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081206A.htm,(30) Department of Science and Technology,(31) Confederation of Indian Industry,(32) 14th Technology Summit and Technology Platform,(33) Science and Technology Minister Kapil Sibal,(34)

Reference

Vietnam

●081207A Vietnam, thanhniennews
ベトナム,産業通商省,広範な電力改革を意図
Ministry eyes comprehensive power sector reform
http://www.thanhniennews.com/business/?catid=2&newsid=44329

Philippines

●081207B Philippines, Manila Bulletin
送電公社,いよいよ10億ドル前払い,権限委譲へ
TransCo concessionaire readies $ 1.0-B upfront fee for turnover
http://www.mb.com.ph/BSNS20081207142952.html

India

●081207C India, Economic Times
インド,原子力開発を,民間資本へ解放へ
India may open nuclear sector for private players soon
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/India_may_open_nuclear_sector_for_private_players_soon/articleshow/3802569.cms