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中国の政治経済に,ここ数日,目立った変化が現れている。昨夜,2008年12月9日,深夜にテレビを見ていたら,ここ数日間の株価上昇の動きは,米国の自動車への支援もあるけれど,皆が見ているのは,中国で開催中の全国協商会議で,世界金融危機を横目で見ながら,57兆円相当の内需拡大策への期待感で,アジアの株が動いているという,もう中国しかないというわけ。また,中国政府の眼は,完全に中を向き始めた。
更に,東亜日報の記事では,これを裏付けするような記事,「中国の外交路線,「超強硬」に急旋回」,として,フランスのサルコジ大統領がダライラマと会うことで,目前に控えた中国欧州拡大首脳会議を一方的に取り消したこと,また,米中経済戦略会議で,米国側に一言も中国元切り上げの言葉を言わせなかったこと,を挙げ,首脳会議を直前でキャンセルすることは,相当の路線転換の腹をくくった,と見ている。
要するに,世界経済の中の一つの歯車として生きてゆく戦略が,今回の世界金融危機で根こそぎ揺らいだものだから,予め用意していた内需策,57兆円をまずその発端にして,10億の民を擁して,内需型経済への大転換を諮ろうとしている,と言うわけである。まさにこれに呼応するようなWWFの報告書,その名も,「青い龍への旋回」(注3)である。
中国政府は,クリーンエネルギー経済(注7)に向けて大規模な目標を設定している。それは,2010年に向かって,エネルギー依存度を20%削減し,2015年に向かって,再生可能エネルギーを今の倍の15%とする,と言うものである。中国は特に,小規模の水力開発にも熱心で,海外資本にも解放する方向で,2006年の40,000MWレベルを,2020年に一気に125,000MWとする計画である。
中国の風力について,2020年までに現在の5倍,30,000MWにするという目標は,現在のペースで行けば,2012年には達成されるだろう。金融危機で世界の再生可能エネルギー投資が萎縮する中で,中国の投資はこの2008年の第4四半期で35億ドルに達し,中国の風力セクターを最強にするだろう。中国WWFのドンメイ氏(注8)は,沖合風力プロジェクトでのノルウエーとの協力は,更にこの商業的成果を高めるだろう,と。
また,中国の特徴である地域間を超えた超高圧送電線が,送電報告書(注9)の計画の中心に据えられている。2006~2020年の超高圧送電線建設への投資額は,4,060億元であり,内訳は,交流送電線が2,560億元,直流送電線が1500億元となっている。今回刊行された報告書(注9)は,中国の送電網の現状ばかりでなく,将来の計画に関する分析と予測が,盛られている。
今日は,中国に関する二つの報告書,環境と送電,を取り上げて呼んでいる最中に,中国が大きく舵を取り始めた,その兆候を示すいろいろな報道が飛び込んできている。これからは,この中国の変化が,どの様にアジアのエネルギー開発に飛び火してくるか,慎重に分析する必要がある。私の感じでは,ミャンマー,ラオス,カンボジア,パキスタン,などに対する開発圧力は強くなると思う。
(注) (1) green technology,(2) WWF,(3) Green Dragon,(4) Borge Brende, Managing Director of the World Economic Forum, (5) Rasmus Reinvang of WWF Norway, lead author of the report,(6) OECD countries,(7) clean-energy economy,(8) Chen Dongmei, head of the Climate and Energy programme for WWF in China,(9)
(注) (9) 2008 Report on China's Power Grid Construction,(10) www.marketavenue.cn/upload/ChinaMarketReports/REPORTS_1027.htm,(11) 11th "Five-Year Plan",(12) 10th "Five-Year Plan",(13) Tibet,(14) Sichuan province,(15) Yunnan province,(16) Shanxi province,(17) Shaanxi province,(18) Inner Mongolia,(19)
本文
●中国,先進国の環境技術を超える勢いで発展
環境技術(注1)のリーダーと自負してきた先進国諸国は,今や,環境製品やサービスで巨大な市場となりつつある中国の後塵を拝する勢いにある。最近,WWF(注2)から刊行された,「グリーンな龍」(注3),のタイトルの報告書によると,世界の環境ビジネスを窺う企業は,中国への投資額,2020年までに15兆~19兆ドルに達すると考えられている市場に視野を向けている。
また報告書は,次のように言っている。環境分野での巨大な投資は,中国をして,低価格の環境問題解決手段の開発の世界の中核になろうとしている。その技術は,環境に拘束されるであろう21世紀に,世界経済を急拡大させるための必須の技術でもある,と。環境分野の西欧の企業家や関連企業は,拡大する中国市場に,未曾有の機会を持ちそれ自身が世界経済の主導者,と断ずるのは,WEFブレンデ氏(注4)だ。
ノルウエーに於ける調査では,中国の環境への投資の誇大な表現は,実際にこれを超えるものであることを示している。WWFのレインバン氏(注5)は,中国との環境協力という大きな目標に比べると,ノルウエーの現在の実情は,余りに断片化して小規模に過ぎる,OECD諸国(注6)は,その得意な環境技術を駆使しながら,大きな兆しの見える中国と組んで,規模の大きなビジネスにしていかなければならない,と述べている。
中国政府は,クリーンエネルギー経済(注7)に向けて大規模な目標を設定している。それは,2010年に向かって,エネルギー依存度を20%削減し,2015年に向かって,再生可能エネルギーを今の倍の15%とする,と言うものである。中国は特に,小規模の水力開発にも熱心で,海外資本にも解放する方向で,2006年の40,000MWレベルを,2020年に一気に125,000MWとする計画である。
中国の風力について,2020年までに現在の5倍,30,000MWにするという目標は,現在のペースで行けば,2012年には達成されるだろう。金融危機で世界の再生可能エネルギー投資が萎縮する中で,中国の投資はこの2008年の第4四半期で35億ドルに達し,中国の風力セクターを最強にするだろう。中国WWFのドンメイ氏(注8)は,沖合風力プロジェクトでのノルウエーとの協力は,更にこの商業的成果を高めるだろう,と。
(注) (1) green technology,(2) WWF,(3) Green Dragon,(4) Borge Brende, Managing Director of the World Economic Forum, (5) Rasmus Reinvang of WWF Norway, lead author of the report,(6) OECD countries,(7) clean-energy economy,(8) Chen Dongmei, head of the Climate and Energy programme for WWF in China,(9)
.●中国の送電網,2008年の報告書発刊
「中国送電網建設2008(注9)」,が発刊され,ウエブ(注10)でその全容が見られる。2000年以来,中国の電源設備は年10%以上の伸びを見せてきたが,送電網の建設は満足できるものではなかった。中国の送電網建設への投資は,一桁パーセントであり,ある年は僅かに2%の伸びであることもあった。その結果,2002年には,沿岸地域でたびたび停電が発生した。
この脆弱な送電網を改善し安全度を高めるために,北京政府は2006年以来,多大な関心を払い始めた。2006~2010年の第11次五カ年計画(注11)では,1兆2,000億元が投入されることになっている。これは年に直すと,2,400億元となり,これは,第10次五カ年計画(注12)のときの90%増に匹敵する。中国の電力で最大の問題は,エネルギー資源と需要地が,離れていることである。
資料によると,開発可能な水力資源の3分の2は,チベット(注13),四川(注14),雲南(注15)の山岳地帯に位置している。また,石炭資源の3分の2は,山西省(注16),セン西省(注17),内モンゴル(注18)にある。このような地理的な配置関係から,北京政府は,小規模の電線で大容量の送電が出来る超高圧送電線に関心を持ってきた。
その結果,地域間を超えた超高圧送電線が,今回の計画の中心に据えられている。2006~2020年の超高圧送電線建設への投資額は,4,060億元であり,内訳は,交流送電線が2,560億元,直流送電線が1500億元となっている。今回刊行された報告書(注9)は,中国の送電網の現状ばかりでなく,将来の計画に関する分析と予測が,盛られている。
(注) (9) 2008 Report on China's Power Grid Construction,(10) www.marketavenue.cn/upload/ChinaMarketReports/REPORTS_1027.htm,(11) 11th "Five-Year Plan",(12) 10th "Five-Year Plan",(13) Tibet,(14) Sichuan province,(15) Yunnan province,(16) Shanxi province,(17) Shaanxi province,(18) Inner Mongolia,(19)
Reference
China
●081209A China, environmental-expert
中国,先進国の環境技術を超える勢いで発展
Green high-tech champions slow to take up China opportunities
http://www.environmental-expert.com/resultEachPressRelease.aspx?cid=4638&codi=40761&idproducttype=8&level=0
●081209B China, pr-inside
中国の送電網,2008年の報告書発刊
2008 Report on China's Power Grid Construction
http://www.pr-inside.com/report-on-china-s-power-grid-r955103.htm
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