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http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm
原油の先行きとエネルギー長期見通しについては,2008年11月7日付本HP(注21)で,IEAの報告書を紹介している。僅か1ヶ月前の話であるが,その中で,今年,2008年7月,に最高147ドルまで達した原油価格は,この木曜日,2008年11月6日,ニューヨーク市場で,一気に6.9%,バレル4.53ドルの下落を演じ,2007年3月以来の安値,60.77ドルとなった,と書いている。今日は,40ドルの話である。
2008年7月,バレル147ドルは,そのまま電気の燃料単価に換算すると,KWh当たり21.5セントである。今日のバレル約40ドルを考えると,KWh当たり5.8セントで,石炭がトン150ドルとすると,KWh当たり5.2セントなので,殆ど,石炭の高いものと同じぐらいの競争力になってしまう。今日の最初の記事は,2012~2015年程度に開発が予定されている油田プロジェクトの休止が,将来に大きな影響,と心配している。
IEAは,中期見通しで,2030年,バレル200ドル,とその権威ある報告書に書いているが,問題は投資家の姿勢である。投資家は,IEAの報告書を読んで投資判断を行うのであろうか,或いは,今日出される米国エネルギー省の週報,原油需要予想を見て判断するのか,はたまた,2008年12月17日に予定されているOPECの減産合意を見て,投資の判断をするのであろうか。
どう考えても,今日のバレル40ドルが,40ドルを切って30ドルに落ち込むかも知れない,とテレビで専門家が言っているのを聞きながら,イヤ,IEAが200ドルと言っているから資本も注ぎ込む,と言う決意はなかなか出来ないだろう。今日の最初の記事が心配しているのは,そこのところで,今動き出そうとしている,カナダ,ベネズエラ,南米沖,北海,などの新規プロジェクトが止まる,その影響は,2015年に出てくる,と言っている。
今日の夕刊フジ(注22)が,イラクの原油埋蔵への各企業の関心が記事になっている。イラクが約36年ぶりに外資企業に開放する油田開発事業,これに日本の資源開発各社が熱い視線を送っている。世界3位の原油埋蔵量,未開拓油田が7割,関心を寄せる各国石油会社との権益獲得競争が激しくなるのは必至,としながら,足元で1バレル40ドル前後まで急落した原油先物価格が,その意欲に与える影響を懸念する。
OPEC(注8)の11月17日の報告書では,2009年,日量53万バレル,0.6%下がって,日量8,668万バレルと言っている。コネチカットのブーテル氏(注14)は,これらの数字は,単なる多くの踏み石に過ぎず,遅行指標(注15)であって,多分,数ヶ月先では,もっと落ちてゆくだろう,と言っている。今年の原油先物の落ち56%は1983年以来の現象で,IMF(注16)は,来年の米国,日本,欧州の景気悪化を予測している。
リビヤのガネム氏(注17)は,OPEC(注8)の次の会合では,本格的な減産が合意される,と見ている。OPEC(注8)は10月の会議では,日量150万バレルの減産を決定している。コンサルタントのマロニー氏(注17)も,OPEC(注8)は原油価格の吊り上げを考えている,前回の減産は明らかに不十分であった,と見ている。米国エネルギー省は,本日ワシントン10時35分に,週報を発表する。
(注) (21) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081107A.htm,(22) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200812110027a.nwc,(23)
(注) (1) gallon,3.785 litters,(2) oil sands,(3) Canadian oil sands,(4) Venezuelan oil sands,(5) North Sea,(6) off the coasts in South America,(7)
(注) (7) http://www.bloomberg.com/,(8) Organization of Petroleum Exporting Countries,(9) billionaire hedge-fund manager Boone Pickens,(10) Rick Mueller, director of oil markets at Energy Security Analysis Inc. in Wakefield, Massachusetts,(11) New York Mercantile Exchange,(12) Energy Department said in its monthly Short-Term Energy Outlook,(13) International Energy Agency,(14) Peter Beutel, president Cameron Hanover Inc., an energy consulting company in New Canaan, Connecticut,(15) lagging indicator,(16) International Monetary Fund,(17) Steve Maloney, a risk-management consultant for Stamford, Connecticut-based Towers Perrin,(18) Nauman Barakat, senior vice president of global energy futures at Macquarie Futures USA Inc. in New York,(19) Brent crude oil,(20) London’s ICE Futures Europe exchange,(21)
本文
●低価格の原油に,如何に対処すべきか
信じがたいことだが,2,3ヶ月前には,米国のドライバーは,ガソリンの価格1ガロン(注1)5ドルになるだろう,と話していた。それがどうだろう,全国殆どの地域で平均2ドルにまで下がり,更に過去一週間で原油は,更に20%も下がっているのである。これは明らかに経済の影響で,お金に事欠く消費者のポケットのしまわれたまま,長期的にこのようなことでよいのだろうか。
当初,2,3ヶ月前までは,誰もが,どの様にしてエネルギーを節約するか,話し合っていたのである。それは,如何に車で走る時間を減らし,更に車を小型に変えてゆく,と言う中で,多くの人が,省エネルギーの電球や太陽光電池の話に躍起となっていた。それが最近ではこのような会話はなくなってしまった。皆が恐れているのは,石油の消費の過去に長い習慣を,変えなくなってしまった,と言うことだ。
更に恐ろしいことは,原油価格の低下が,オイルサンド(注2)や沖合油田プロジェクトを中止していることである。このことは,来年や2年後程度では,堅調な影響は出ないであろうが,我々が恐れるのは,2012~2015年の時間枠である。この時間枠で原油供給を考え疎き,多くの予想は,カナダ(注3)やベネズエラのオイルサンド(注4),南米沖の油田(注6),などのプロジェクトは,継続されるものとの前提なのである。
これら3つのプロジェクトの初期段階での減産は,北海(注5)の幾つかのプロジェクトの遅れと重なって,この3~5年の原油供給に,大きな影響を及ぼすことになろう。要するにこの記事は,ここ数日の原油価格の値下がりが,途端に,現在OPEC以外で動いている原油生産プロジェクトの中止,または,工事の遅れをもたらす影響を言っている。
(注) (1) gallon,3.785 litters,(2) oil sands,(3) Canadian oil sands,(4) Venezuelan oil sands,(5) North Sea,(6) off the coasts in South America,(7)
●原油価格,OPECの減産で,上昇傾向へ
ブルーンバーグ(注7)の原油価格に関する記事である。この3日間,原油価格がやや上がっている。これは,来週,2008年12月17日に,OPEC(注8)の会合が予定されていて,ここで元の減産に踏み切るとの思惑が働いている。OPEC(注8)は,世界の原油の40%を供給しているが,ヘッジファンドのピッケン氏(注9)の予測では,最近の価格低下に対応するために,日量250万バレルを削減する,と見られている。
昨日は,米国の予測,年間原油需要が1983年以来初めて下降する,と言う情報で,下降に転じている。マサチューセッツのミューラー氏(注10)は,「私は,OPEC(注8)の会合で一定の考えがでるまでは,40~45ドルで推移すると思っている。」,と言っている。彼は,今は世界経済の動きが,即ち,原油市場を左右するものと思っている,と付け加えている。
原油の1月の先物価格は,ニューヨーク市場(注11)で,シドニー時間,11時22分,57セント,または1.4%上がって,42.61ドルとなっている。昨日の先物は,164ドル,または3.8%下がって,42.07ドルで,2007年11月以来,23%落ちたことになる。昨日の米国エネルギー省の報告(注12)によると,2008年の世界の原油需要は,日量8,575万バレルで,2007年と比べると,5万バレル落ちている。
また,これは1983年以来のことで,来年,2009年には更に,日量45万バレル落ちて,日8,530万バレルになるであろう,と言っている。IEA(注13)もOPEC(注8)も,この月の経済の収縮で,原油需要は低下する,と言っている。IEA(注13)の11月13日の報告書では,2009年は,日量67万バレル落ち,0.8%の落ち,で,日量8,650万バレルとなる,と言っている。次の報告は12月11日である。
OPEC(注8)の11月17日の報告書では,2009年,日量53万バレル,0.6%下がって,日量8,668万バレルと言っている。コネチカットのブーテル氏(注14)は,これらの数字は,単なる多くの踏み石に過ぎず,遅行指標(注15)であって,多分,数ヶ月先では,もっと落ちてゆくだろう,と言っている。今年の原油先物の落ち56%は1983年以来の現象で,IMF(注16)は,来年の米国,日本,欧州の景気悪化を予測している。
リビヤのガネム氏(注17)は,OPEC(注8)の次の会合では,本格的な減産が合意される,と見ている。OPEC(注8)は10月の会議では,日量150万バレルの減産を決定している。コンサルタントのマロニー氏(注17)も,OPEC(注8)は原油価格の吊り上げを考えている,前回の減産は明らかに不十分であった,と見ている。米国エネルギー省は,本日ワシントン10時35分に,週報を発表する。
ニューヨークのバラカット氏(注18)は,「今日のエネルギー省の報告は一つの切っ掛けになろう。二つのイベントに注目,パリのIEA(注13)の木曜日の報告書は,需要崩壊はまだ続き,重要なカルテル,OPEC(注8)の会議が,12月17日に開かれる。」,と。ブレント原油(注19)1月先物は,ロンドンの欧州先物市場(注20)で,バレル1.89ドル,4.4%落ちで,41.53ドル,である。
(注) (7) http://www.bloomberg.com/,(8) Organization of Petroleum Exporting Countries,(9) billionaire hedge-fund manager Boone Pickens,(10) Rick Mueller, director of oil markets at Energy Security Analysis Inc. in Wakefield, Massachusetts,(11) New York Mercantile Exchange,(12) Energy Department said in its monthly Short-Term Energy Outlook,(13) International Energy Agency,(14) Peter Beutel, president Cameron Hanover Inc., an energy consulting company in New Canaan, Connecticut,(15) lagging indicator,(16) International Monetary Fund,(17) Steve Maloney, a risk-management consultant for Stamford, Connecticut-based Towers Perrin,(18) Nauman Barakat, senior vice president of global energy futures at Macquarie Futures USA Inc. in New York,(19) Brent crude oil,(20) London’s ICE Futures Europe exchange,(21)
Reference
●081210A Oil, thestreet.com
低価格の原油に,以下に対処すべきか
How to Play Lower Oil Prices
http://www.thestreet.com/story/10452285/1/how-to-play-lower-oil-prices.html?puc=googlen&cm_ven=GOOGLEN&cm_cat=FREE&cm_ite=NA
●081210B Oil, bloomberg.com
原油価格,OPECの減産で,上昇傾向へ
Crude Oil Rises Amid Speculation Over Size of OPEC Output Cut
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601087&sid=aIHNY5eFEoPY&refer=home
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