2009年1月14日水曜日

インドネシアのガス田でエクソンと紛争

HPは下記ドメインです。写真地図など見て下さい。
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm

中国と日本の間で東シナ海のガス田が再び揉めている。欧州では,ロシア,ウクライナ,EUの間で,ガスパイプライン紛争が起こっている。イランのガスをパイプラインでインドに持ってくる話は,潰れたようだ。ミャンマーのガスは,中国が持って行くが,インドがこれに抵抗を示している。世界の彼方此方で,下り坂になった原油生産に変わって,天然ガスが問題になってくる。

今日のインドネシアのリアウ諸島,その最北端のナツナブロックで,米国多国籍企業エクソンモビルとインドネシア政府が,一触即発の状態にある。私自身は余り知らなかったが,このナツナブロックというのは,地図で見るとインドネシア領海の最北端,マレーシア本土とサラワクを遮る形で突きだしている。ここがアジア最大の46兆立方フィートの埋蔵を誇るナツナだ。

インドネシアの天然ガスの全体像は,JOGMEやNEDOが詳しいので,一度勉強しておきます。それにしても,エクソンとインドネシアの関係がこのように悪化しているのは問題だ。基本的には,インドネシアの資源国粋主義が,資源が押し詰まり,且つインドネシアの実力が上がって来るに従って突出してくる。プルタミナに主導権をとらせよ,と言うことなのだ。中国の影はないのか。カラ副大統領は,来年の大統領に打って出る。

今日のビジネスアイ(注50)は,「新成長産業,温暖化防止技術,CO2分離,回収を“ドル箱”に」,と論陣を張っている。オバマ大統領候補の言うところだが,日本はとにかく,米国には外交問題が山積で,果たして温暖化問題に集中できるのだろうか,と心配して上げる。東芝のCCS実証プラントの建設に着工,8月にも実証試験を開始,三菱重工業が関西電力と共同開発したCO2回収装置が先行,とか。

(50) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200901140017a.nwc

本文
●米国企業シェブロンがフィリッピンの地熱政策を支援

フィリッピンは,再生可能エネルギー法を成立させて,地熱,水力を中心に,エネルギー供給の国産化を進めようとしているが,そこに力強い助っ人,と言うか,割り込んできたのが,地熱発電を中心に置いた米国エネルギー企業シェブロンの協力申し出である。エネルギー省DOE(注1)の国家エネルギー効率化保全計画NEECP(注2)に,シェブロン地熱CGPHI(注3)が支援する内容で,約束(注4)に両者が署名した。

DOE(注1)の記者発表によると,CGPHI(注3)のイー社長(注5)が個人的にレイエス長官(注6)に対して,CGPHI(注3)がNEECP(注2)計画と密接に関連づけて政策を展開する,と約束したものである。実際のアプローチは,その企業内でNEECP(注2)計画の示す項目を実行すると言うことで,CGPHI(注3)のエネルギー運用計画を,ティウイ(注7)とマキリン-バナホー(注8)の地熱発電所内で実施するというもの。

また,CGPHI(注3)は,DOE(注1)のエネルギー利用運用局EUMB-EECD(注9)の事務所や業務のエネルギー使用状況の監査に協力するよう努力する。レイエス長官(注6)は,このCGPHI(注3)のエネルギー効率化及び保全計画への協力申し出を,他の企業が追随してくれることを期待している。EUMB-EECD(注9)は,監査訓練,監査機器,最善の手段,消費モニタリング,などについて協力をして行く。

その他,CGPHI(注3)は,昨年来アロヨ大統領以下が実施しているスイッチオフ運動(注10),白熱灯(注11)を蛍光灯(注12)への変更運動,なども約束した。また,車の使用の制限などにも言及した。何か地熱発電を通じての大きな話かと思ったら,何となく甘っちょろい省エネルギー精神論を聞かされたような気持ちである。フィリッピンの官庁は,このような雰囲気が一般的だ。

(注) (1) Department of Energy (DoE),(2) National Energy Efficiency and Conservation Program (NEECP),(3) US firm Chevron Geothermal Philippines Holdings (CGPHI),(4) ‘pledge of commitment’,(5) CGPHI president and general manager Antonio F. Yee,(6) Energy Secretary Angelo T. Reyes,(7) Tiwi geothermal facilities in Albay,(8) Makiling-Banahaw geothermal facilities in Batangas-Laguna provinces,(9) Energy Utilization and Management Bureau-Energy Efficiency and Conservation Division (EUMB-EECD),(10) ‘Switch Campaign’,(11) incandescent bulbs,(12) compact fluorescent (CFLs),(13)

●インド政府,発電プロジェクトに対する石炭供給基準緩和

インドも中国もそうだが,電力と石炭の管轄が分かれているために,常に発電所への石炭供給で問題が起こってくる。中国はこれを統一する方向にあるが,インドはそう簡単にはいかないようだ。インド中央政府は,民間の炭坑の基準について規制を緩和している。それは,発電企業があるプロジェクトの余剰石炭を他のプロジェクトに回すことが出来る,と言うことである。

ある政府高官は,余剰石炭を抱えた発電企業が石炭省(注13)に相談した場合は,その許可はケースによる,と話している。石炭移動については,許可が出る前に,石炭省(注13)によって妥当性が検討される。許可が出るのは,電力料金ベースで入札したプロジェクト(注14)のみである。しかし規則上,これが出来るのは政府所有の事業体のみである。民間に適用するためには,石炭法(注1)の改正が必要である。

現在の規則では,自家用炭坑での余剰は中央政府に引き渡す必要があり,それはインド石炭(注16)がそれを配布することになる。臨時的に石炭省(注13)が許可する場合もある。最近の閣僚会議の決定で,リライアンス(注17)がササン(注18)自家用炭坑の余剰をマディヤプラデシュ州(注19)のチットランギ(注20)に移す決定は,炭坑の運用開始以前に許可されて紛争を巻きおこした。タタ(注21)はデリー高裁に持ち込んだ。

ある官僚は,余った石炭を他へ回すのは,経済の観点から当然で,既存の規則で処理できる,と言っている。計画委員会(注22)のメンバーは,石炭省(注13)の解釈は,多くのプロジェクトに対する予兆となるが,余剰石炭を他のプロジェクトに自由に持っていける,と言うことは,料金ベースの入札で,より競争性を増し,電気料金の下げに繋がり,需要家のを助けることに繋がる,と言っている。

現在までに,198の自家用炭坑が石炭省(注13)に登録されているが,運用を開始しているのは21だけである。自家用炭坑は,需要と供給の不一致をもたらし,国の石炭生産を減退させる。計画委員会(注22)によると,2012年の石炭不足は,6000万トンと言っている。

(注) (13) coal ministry,(14) tariff-based bidding,(15) Coal Mines (Nationalisation) Act, 1973,(16) Coal India,(17) Reliance Power,(18) Sasan captive mines,(19) Madhya Pradesh,(20) Chitrangi,(21) Tata Power,(22) Planning Commission,(23)

●インド,カルナタカ州,4,000MWなど,NTPCとMOU

インドの電源開発への努力が続く,ただし石炭火力だ。ラメッシュが登場する。この月曜日,2009年1月12日,カルナタカ州(注23)政府は,NTPC(注25)とBHEL(注26)と二つのMOUにサイン,クディギ(注24)の4,000MW火力,ライチュール(注27)のエドラプール(注28)及びイェルマルス(注29)の2,400MW火力,更に,NTPC(注25)の6カ所に上る総計500MWの風力プロジェクトである。

署名式はバンガロール(注32)で行われ,中央政府からデブ重工業相(注30)とラメッシュ電力副大臣(注31)が出席,イエディウラッパ州政府首相(注33)が挨拶,チャティスガール(注34)の1,400MW火力を入れて合計5,000MWが新規に付加される2012年には,電力不足は解消するだろう,と語った。ビジャプール(注35)から30km離れたクディギ(注24)に,カルナタカ電力KPCKL(注36)が2,000億ルピー投入。

このクディギ(注24)火力は,800MW3台と800MW2台の2期に分けられる。最初の1号機は2012年3月運転開始の予定である。二つ目のMOUは,カルナタカ電力PCKL(注36)とBHEL(注26)によるもので,既設ライチュール発電所(注37)の傍の,エドラプール(注28)に660MW火力,イェルマルス(注29)に800MW2台を建設する。特にデブ重工業相(注30)は,BHEL(注26)の参加が画期的,と語った。

このJVは,BHEL(注26)とKPCKL(注36)が,それぞれ26%,IDFC(注38)が残りの48%の資本を出資する。完成後,BHEL(注26)はJVから脱退できるが,電力は州内で供給され,電気料金はカルナタカ規制委員会KERC(注39)で決定される。非常に重要なプロジェクトは,500MWの風力発電所で,250億ルピーの建設費である。

(注) (23) Karnataka,(24) Kudigi (Bijapur district),(25) NTPC,(26) Bharat Heavy Electricals (Bhel),(27) Raichur,(28) Edlapur,(29) Yermarus,(30) Union heavy industry and public enterprises minister Sontosh Mohan Dev,(31) Union minister of state for power and commerce Jairam Ramesh,(32) Bangalore,(33) Karnataka CM BS Yeddyurappa,(34) Chattisgarh,(35) Bijapur,(36) Power Company of Karnataka (PCKL),(37) Raichur thermal power station (RTPS),(38) IDFC,(39) Karnataka Energy Regulatory Commission (KERC),(40)

●インドネシアのリアウ,エクソンのガス田権利は4年前に失効

こういう問題があるとは知らなかった。このリアウのナツナガス田が何処にあるのか,調べてみて少し驚いた。このような北方までインドネシア領海があるとは。そうしてその領海の北縁に,東南アジア最大のガスのポテンシャルがあるとは。さて,米国企業エクソンモビル(注40)は,最近,2008年12月4日付本HP(注41)にもあるとおり,セプブロック(注42)で活躍している。

そのエクソンモビル(注40)は,4年越しのインドネシア政府との紛争に巻き込まれてきた。月曜日,2009年1月12日,ナツナブロック(注43)に於けるエクソンモビル(注40)の探査権は,2005年に失効していた,とエクソンモビル(注40)の怒りを買う発表を行った。エネルギー省のプルノモ大臣(注44)は,何とかならないかと検討したがどうしても駄目だった,と説明した。

リアウ諸島(注45)のナツナブロック(注43)は,48兆立方フィートの埋蔵量を持ち,アジア最大と言われている。エクソン(注40)の言い分は,昨年末,2008年末,開発計画POD(注46)を政府に提出した時点で,契約は延長になっている,としている。2009年1月9日に,スポークスマンを通じて主張している。インドネシア政府の立場は,このブロックでプルタミナ(注47)に出来るだけ自由裁量権を与えよう,と言うものだ。

昨年,2008年の閣議決定は,プルタミナ(注47)主導で,開発協力者を求めるよう,決定している。それは,投資額が520億ドルに達するからである。問題化する前,エクソン(注40)が74%,プルタミナ(注47)が26%の資本比率であった。プルタミナ(注47)は,その主導権を主張し続けてきたが,協力候補の中にエクソン(注40)も入っているが,複数の協力企業が必要とされている。

プルタミナ(注47)のアリ総裁(注48)は,エクソン(注40)は8候補の中の一つである,と明言しているし,国営ガス企業BPミガス(注49)のプリヨノ総裁(注50)は,エクソン(注40)の権利は失効している,と言っている。プルノモ大臣は,政府の判断を今週末に示す,と言っている。インドネシア政府は,大規模油田セプブロック(注42)で,エクソン(注40)と4年間の紛争の歴史がある。

エクソン(注40)は,この中部ジャワと東ジャワの境界にある大油田の最終勝者であった。インドネシア政府は,このエクソン(注40)のナツナブロック(注43)の権利喪失問題は,国際調停に持ち出される危険性がある。しかし,この大規模ガス田については,少し勉強する必要がある。

(注) (40) US energy company ExxonMobil,(41) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081204E.htm,(42) Cepu block,(43) Natuna-D Alpha block,(44) Energy and Mineral Resources Ministry Purnomo Yusgiantoro,(45) Riau Islands,(46) plans of development (POD),(47) state oil and gas company PT Pertamina,(48) Pertamina president director Ari H. Soemarno,(49) Upstream oil and gas regulator BPMigas,(50)

参考資料

フィリッピン

●090114A Philippines, Manila Bulletin
米国企業シェブロンがフィリッピンの地熱政策を支援
US firm Chevron Geothermal commits to support gov’t energy efficiency plan
http://www.mb.com.ph/BSNS20090113145509.html

インド

●090114B India, Economic Times
インド政府,発電プロジェクトに対する石炭供給基準緩和
Power projects will get to share captive coal
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power_projects_will_get_to_share_captive_coal/articleshow/3970527.cms
●090114C India, Economic Times
インド,カルナタカ州,4,000MWなど,NTPCとMOU
Karnataka plugs into NTPC, BHEL for thermal plant JVs
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Karnataka_plugs_into_NTPC_BHEL_for_thermal_plant_JVs/articleshow/3970522.cms

インドネシア

●090114D Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのセプ,エクソンのガス田権利は4年前に失効
Exxon’s rights in Natuna terminated since 2005 Govt
http://www.thejakartapost.com/news/2009/01/13/exxon’s-rights-natuna-terminated-2005-govt.html

2009年1月13日火曜日

ネパールは中国の投資を歓迎

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いろいろ読んだり聞いたりしてみても,どうも識者と言われる一般経済の評論家は,地球温暖化対策を梃子に経済を立ち上げることを主張している人が多い。それは即ち,再生可能エネルギーの開発であり,それによる雇用の増大を図る,と言うもので,オバマ大統領候補の言っていることと大体同じである気がする。そこに知的送電網が出てくるところまで,全く同じである。

二番線煎じと言われても仕方がないが,誰もやはり具体的な開発の姿は浮かんで来ないのではないか。言葉だけがテレビや新聞で踊っている,と言う感じがする。エネルギーの専門家達が一生懸命考えないからだと思う。まもなく発足するオバマ政権でも,私の気になるのは,エネルギー環境を総括する元環境庁長官のブラウナー女史の存在だ。すべてのエネルギー問題は最後に彼女のところで選別される。彼女は原子力に触れない。

再生可能エネルギーを本気で推進しようとしていることで具体性を感ずるのは中国だ。中国は,風力はともかくとして,太陽光は高くて中国では無理なので,機器の輸出に集中すると言って,再生可能エネルギーの主力は,大規模水力だ,と言っている。おそらく目標をクリアできるであろう。もう一つはフィリッピンで,地熱依存であるが,もう一つ,法的な拘束力を強めて,推進しようとしている。

このフィリッピンの手法は,法律で縛ってしまうから,必ず電力は高くても,再生可能エネルギーを買う義務がある。それは当然電気料金の高騰に繋がり,それと戦う電力規制委員会との綱引きや,更に高い料金となる一般需要家との摩擦の問題が発生するだろう。日本などは,需要が伸びないからのんきでいられるような気がする。

昨夜のカンブリア宮殿で,農業を梃子に雇用,と言うか国産食糧を増やそうとする企業の努力が放送されていた。どこかにテーマーを絞ってそこに雇用創出を実現する。中国は,大規模なダム建設で,その方面で熟練した技術者や労働者が生まれてきているが,それを海外に持っていこうとして,新天地を開拓している。メコン諸国やアフリカなどもそうだが,政治体制を整えたネパールも,インドに対抗しながら,次の標的となりそうだ。

本文

●ネパールは中国の投資を歓迎,中国紙報道

ネパールは今,難しい局面だ。プラチャンダー首相が真っ先に中国を訪問し,挨拶をしてからインドのシン首相を訪ねて,支援を要請し,10年間で10,000MWの水力開発,をテーマーに走っている。インド企業は既に数カ所の水力開発に手を付け始めている。2008年8月29日には,ネパールの副首相兼外相のオリ(注1)が北京を訪ねて,温家宝首相と会談,投資を要請している。

今日の記事は,カトマンズ発で,中国のビジネスマンとネパール政府要人の会議の模様を,中国紙記者が報道したものである。ネパールのバッタライ財務相(注2)は,この世界金融危機の中,ネパールは必死に中国のような国からの投資を要請する立場にある,と説明している。この日曜日,2009年1月11日,カトマンズーでの会議では,中国企業を前に,2,3年内の経済改革を約束して見せた。

この会議は,「中ネパール経済協力」(注3)をテーマーに,ネパール商工会議所(注4)が主宰して開いたもので,沈滞気味の中国のネパールへの投資を議論するものだ。バッタライ財務相(注2)は,質問に答えて,中国からの投資の問題を扱う投資委員会(注5)を首相直轄で設置する,とし,ネパールは問題の電力不足解消のため,特にエネルギーセクターに,中国企業の投資を要請する,と鼓舞した。

キウグオホン中国大使は,中国経済の発展と共に,2008年10月より中国企業のネパール入りは増え,200企業に達し,ネパールの経済発展に貢献するだろう,と説明している。中国企業は,積極参入の意向だが,問題は,税金,関税,ビザ,言語などに障壁が大きいと主張し,ネパール側が投資環境の整備に努めるよう,要望した。

(注) (1) Nepali Deputy Prime Minister and Minister for Foreign Affairs Khadga Prasad Sharma Oli,(2) Nepali Finance Minister Baburam Bhattarai,(3) "China-Nepal Economic Cooperation",(4) Federation of Nepalese Chambersof Commerce and Industry,(5) 'Investment Board',(6)

●インド,ジンダールがグジャラートの港で2,000MW

ジンダールグループ(注6)のASSOCHAMジンダール会長(注7)は,JITO(注8)の会議の後で記者団に対し,グジャラート州(注9)のシマール港(注10)近傍に,1,000億ルピーを投じて,2,000MWの火力発電所を建設するべく準備中,と語った。既に敷地は確定しており,必要な申請を行っている最中で,それが終わり次第着工,3年後に完成する,としている。

グジャラート州(注9)政府との関係については,昨年に既にMOUが結ばれているのでこれ以上は問題がない,としている。何か,スキャンダルがある感じであるが,記者の質問に,それは大きな問題ではない,と一蹴している。

(注) (6) Jindal group,(7) ASSOCHAM President Sajjan Jindal,(8) Jain International Trade Organisation (JITO),(9) Gujarat,(10) Simar port,(11) Satyam scam on the Indian Information and Technology (IT) sector,(12)

参考資料

ネパール

●090113A Nepal, news.xinhuanet
ネパールは中国の投資を歓迎,中国紙報道
Nepal welcomes Chinese investment
http://news.xinhuanet.com/english/2009-01/12/content_10642332.htm

インド

●090113B India, Economic Times
インド,ジンダールがグジャラートの港で2,000MW
Jindal group to set up 2,000 MW power plant near Simar port
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/Jindal_group_to_set_up_2000_MW_power_plant_near_Simar_port/articleshow/3964671.cms

2009年1月12日月曜日

フィリッピンのセブに200MW石炭火力

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インドネシアのスラウエシ島沖でフェリーが転覆,200人以上が行方不明,悼しい。私が,この厳寒の中で可哀相に,と呟くと家族が,「本当に寒いでしょうね。」,と相づちを打っていた。スラウエシ島については,昨日のニュースで,オーストラリア企業がLNG基地を5億ドルで建設する,となっていた。経済成長から置いてけぼりを食っていた,このインドネシアの外島にも,開発の機運が生まれるか。

今日はベトナムの電気料金値上げの問題が,再び取り上げられている。ベトナムの報道記事は,どうも突っ込みが足りなくて物足りないが,政府の態度もこれまたはっきりしない。平均KWh当たり5セントだから,今のところは東南アジアで最低ではないか。それを,新鋭のガス火力発電所が建設されて,8セントぐらいで買わされるわけだから,どうにも矛盾に満ちたベトナムの電力経済である。

ベトナムは元々は,北の石炭火力と北のホアビン水力で,全国の電力需要を賄おうとして,北から南までの50万ボルト送電線を,1994年という早い時期に完成させている。石炭火力と旧ソ連の造った馬鹿でかい水力だから,元々の電気料金が安く,それが足かせとなって,電気料金を上げるのが非常に難しくなってきている。フーミー以来,新鋭のガス火力が南部に出現してからは,その高い原価に押されているわけだ。

このような状況は,タイも同じであり,もっと広げるならば,中国やインドも似たような環境にある。いずこも安い電気料金を原価に沿って上げて行くことに苦労している。そこから見ると,日本,フィリッピン,カンボジアは,元々資源がなく,最初から高い電気料金でスタートしているから,後はそれをどの様に下げて行くか,の問題。逆にベトナムなどは,どの様に上げて行くかと言う,対照的な現象が国の間に現れている。

フィリッピンのセブ系統に,韓国電力などが進めていた200MWの石炭火力拡張プロジェクトが動き出した。いつも電力料金や資産売却など,社会資本から見れば,ゼロサムゲームばかりやっていて,私も大分苛立っていたが,改革後,初めての電源開発計画だとも言える。200MW,5億ドル,というと随分高いが,流動床を取り入れて,燃料費は国内炭も焚けるようにして,努力している。

本文

●ベトナムの電気料金値上げ,認められる可能性

ベトナムの安い電気料金で,供給側が苦労している現状は,度々伝えられている。最近では,2009年1月7日付本HP(注1)で,「ベトナム,電気料金値上げ案,政府へ提出」,と題して,産業通商省MOIT(注2)のブイシュアンク副大臣(注3)は,電気料金値上げ案を政府に提出した,と発表している。二つの代替案からなっており,低いシナリオでは8.3%上げ,高いシナリオでは9%となっている。

これを追っかけた今日の記事だが,難航する電気料金値上げの現状を伝えている。産業通商省MOIT(注2)は二つの案を用意しているが,低い案は,前回と同じ8.3%上げだが,高い案では9.5%となっている。現状は,KWh当たり860ドン,約5セント相当,で,電力原価が家庭用販売単価より高くなっている。ブイシュアンク副大臣(注3)は,世界的な平均単価7セントから見て,この値上げ案は妥当だ,としている。

また彼は,将来の電力不足を考えると,高い電気料金は避けられない,と言っている。水力発電所は利益を上げているが,火力の原価を相殺できるところまでは行っていない,と。現状では,投資意欲を刺激しないし,将来確実に再び停電が発生することになる,と。この値上げ案は,2008年12月15日に政府に上げられており,産業通商省MOIT(注2)は,値上げの遅れを望んでいない,と。政府は,経済情勢を見て決めるだろう。

2009年のベトナム経済は複雑だ。計算を誤ると,経済への悪い影響を与えかねない。輸出が落ち込み,各企業とも生産を落としている。電気料金を決めるときに考えなければならない要素は,インフレ,為替レート,経済成長などである。原油価格落ち込みで,値上げ提案の見直しが必要かも知れない。原油は,2008年7月のバレル147ドルから,12月19日の33.87ドル,2004年2月10日のレベルまで落ちている。

電気料金値上げ案を審査するのは財務省(注4)であるが,発電原価と消費者の支払い能力のバランスを見るであろう。昨年,2008年は,産業にリードされて電力需要が16%の伸びを見せたが,発電能力は12%上がっただけである。その結果,中国からの買電を増やさざるを得ず,また輪番停電も実施した。EVN(注5)は,2015年までに,33,200MW建設のため,年間30億ドルが必要,と言っている。

EVN(注5)は,ずっと早い時期に,小売価格を,15~20%上げることを提案している。EVN(注5)は,送電線と,ハノイ電力(注6)とホーチミン電力(注7)を含むすべての配電部門を管理している。産業通商省MOIT(注2)は,EVN(注5)の提案より低い値上げ案を提案しているが,これは産業の生産が落ちることを懸念したものだ,と。

産業通商省MOIT(注2)は,もし値上げの決定が余りに遅れるようであれば,7%でも良いから,すぐにでも承認して欲しい,と急いでいる。今年,2009年の発電計画は,833億KWhで,これは経済成長6.5%を維持するための伸びである。ベトナムの電気料金は,タイと共に,旧来の石炭火力や水力発電に引っ張られて,なかなか値上げが厳しくなっている,電源開発への大きな足かせだ。

(注) (1) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090107A.htm,(2) Ministry of Industry and Trade,(3) Deputy Minister of Industry and Trade Bui Xuan Khu,(4) Ministry of Finance, Vietnam,(5) national utility Electricity of Vietnam (EVN),(6) Hanoi Electricity Company,(7) Ho Chi Minh City Electricity Company,(8)

●フィリッピンのERC,セブの5発電所取り扱い承認

ゼナイダー総裁(注8)に率いられる電力規制委委員会ERC(注9)は,韓国電力KEPCO(注10)とSPC電力KSPC(注11)が,セブ(注12)の,200MW,ナガ石炭火力(注13)の電力の買い手(注14)である電力協同組合ECs(注15)との間に締結した5つの電力供給契約を承認した。5つは,CEBECOI(注16),CEBECOII(注17),NORECOI(注18),NORECOII(注19),VRESCO(注20),である。

ERC(注9)は,SPC電力KSPC(注11)の電力単価を,KWh当たり4.2511ペソに固定したが,これは,為替レート,燃料価格,国際価格指数などに連動したエスカレーション指数によって変動すると予測されている。詳しくERC(注9)の文書を見ると,引取量は年間で,CEBECOI(注16)が1,190億KWh,CEBECOII(注17)が1.66億KWh,NORECOI(注18)が0.034億KWh,NORECOII(注19)1.47,VRESCO(注20)0.098

ERC(注9)の文書を見ると,このナガ石炭火力(注13)の建設費は,520百万ドルであるが,以前のKSPC(注11)のEPC契約(注21)では,300百万ドルとなっている。KSPC(注11)はターンキー契約(注22)を,韓国企業(注23)と結んでいる。100MW機2機で,既設のナガ発電所敷地内に据え付けられる。KSPC(注11)は一部をNPC(注24)が引き取る計画であるが,ERC(注9)は,別契約で再承認,としている。

このナガ石炭火力(注13)は,排出ガス抑制のため,循環流動床燃焼技術CFBC(注25)を適用する。このCFBC(注25)の採用で,低品質の石炭仕様も可能で,国内炭を購入することが出来る。このナガ石炭火力(注13)の拡張により,2011年には,ビサヤス系統(注26)の拡充に繋がり,供給不足を補うことになる。フィリッピン,久々の新規発電所のニュースである。

(注) (8) Chairman Zenaida G. Cruz-Ducut,(9) Energy Regulatory Commission (ERC),(10) Korea Electric Power Corporation (KEPCO),(11) SPC Power Corp. (KSPC),(12) Cebu,(13) Naga coal-fired plant,(14) off-takers (buyers),(15) electric cooperatives (ECs),(16) Cebu I Electric Cooperative, Inc. (CEBECO I),(17) Cebu II Electric Cooperative, Inc. (CEBECO II),(18) Negros Oriental I Electric Cooperative, Inc. (NORECO I),(19) Negros Oriental II Electric Cooperative, Inc. (NORECO II),(20) VMC Rural Electric Service Cooperative, Inc. (VRESCO),(21) engineering, procurement and construction (EPC) contract,(22) turnkey contract,(23) Korean firm Doosan Heavy Industries & Construction Companies,(24) state-owned National Power Corporation,(25) circulating fluidized bed combustion (CFBC) technology,(26) Visayas grid,(27)

参考資料

ベトナム

●090112A Vietnam, thanhniennews
ベトナムの電気料金値上げ,認められる可能性
Power price proposal being considered
http://www.thanhniennews.com/business/?catid=2&newsid=45307

フィリッピン

●090112B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのERC,セブの5発電所取り扱い承認
ERC okays 5 Cebu power supply deals
http://www.mb.com.ph/BSNS20090111145336.html

2009年1月11日日曜日

インドのAP州に縦貫ハイウエー建設

HPは下記ドメインです。写真地図など見て下さい。
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm

「アルナチャルプラデシュ」,を日本語で検索すると,私に関連したHPばかりが並んでくる。どうも私は,まだ見ぬ国境未確定の山岳地帯,アルナチャルプラデシュに異常な憧れを持っているようだ。実際に歩きなさい,と言われれば大変なところだとは分かっているが,まだ見ぬだけに夢が広がる。流れる大河と急流,3,000mを越す山々に囲まれた荒廃たる地域,しかし人類のエネルギー資源が開発を待っている。

2008年初頭から,インドのシン首相が初めてこの地域を訪れ,開発への気運を盛り上げてから,既に1年が過ぎたことになる。私も,インドが中国のチベット開発を意識しながら,アルナチャルプラデシュの開発を盛り上げようとしたことは知っていたが,今日,調べていて,シン首相が訪問した直後,北京が,国境未確定のところにインドの首相が踏み込むのは怪しからん,と抗議していたことを知った。

ある掲示板に書かれていたものだが,共同通信が2008年2月9日に報じた内容で,北京でインド大使を呼んで,両国が国境画定交渉を行っている中で,同州を訪れてそのような発言をするのは不適切との見方を非公式に伝えたという。今日のインド紙の報道は,これを全く無視したもので,読めば読むほど,それはまさしく山岳地帯の軍用道路,とも見られそうな内容である。

アルンチャルプラデシュ州は,安全に問題もあるが観光地であり,ブラマプトラ河の大支流が入って,渓谷美をなしている,と想像している。州都はやや南西の縁に位置するイタナガールである。州の総面積は,83,743平方km,人口は,2001年推定で1.091百万人。主要河川は,シアン,ティラップ,ロヒト,スバンシリ,バレリ,いずれもブラマプトラ河の支流である。

今回,閣議決定されたプロジェックとは,北東地域道路開発計画SARDP-NE(注9)で,2015年までの7期間に拡大して2,600億ルピーの規模となることが提案されている。中央政府は州都グワハティ(注10)にプロジェクト運営ユニットPMU(注11)を組織して,SARDP-NE(注9)の効率的な実施を期する。チダンバラム内相(注12)は,閣議が,道路運輸局(注13)の,1,412kmで11地区を繋ぐ州縦貫ハイウエー(注14)承認と。

実際にこの道路が建設され始めると,中国はどの様な姿勢で臨むのであろうか。インドが実行支配しているから,そのことは既定の事実だが,そこで何かやろうとすると,中国としては黙っていられない。首相の訪問ぐらいは何とでもなろうが,道路,そうして道路を使ってのダム建設,と進展して行くとどうなるのであろうか。私は,州の縦貫ハイウエーが完成してから行ってみたい。

本文

●ネパールのドウディコシ2水力への参加,疑わしい

政治の安定と共に,10年間で10,000MW,を掲げて動き出したと思われるネパールの水力開発であるが,なかなか軌道に乗らない。今日の記事の問題も,世界金融危機との関連があるのだろうか。今日と同じインド企業が,先日,ブータンでも問題を起こしていた。食器棚が崩れるように,インドIT企業の先導者サティアム(注1)とその関連企業マイタス(注2)の,ネパールの水力開発への参入に疑問が出てきた。

巨大な金融詐欺事件の煽りで,マイタス(注2)の会長が辞任したが,このマイタス(注2)は,ネパール西部のゴルカ地区(注3),ブディガンダキアーケット川(注4)の,110MW水力プロジェクトの入札に参加している。また,その関連企業マイタス不動産(注5)は,北部,ソルクンブ地区(注6)の,102MW,ドウディコシ第2水力プロジェクト(注7)にも応札している。この入札は,企業が華やかなりし2年前に実施されたものだ。

しかしネパールの水力開発の動きは遅かった,担当省は座ったままだし,政治の混乱も原因した。皮肉にも,このインド企業の栄光ある繁栄が終わりに近づいた頃,ネパール政府はやっと腰を上げた。マイタス(注2)にとって幸運なのは,ネパールの負っている苦しい現状,日12時間の停電とそのための産業の好戦的な姿勢である。政府は,約100MWのプロジェクトをすぐ立ち上げる準備に入った。

しかし,実際にこの政府の行動に対応できるのは,マイタス(注2)以外に今はない状態だ。しかし問題は,パニックに陥っているマイタス(注2)が,苛立っているネパール人の求めに応じて,他の海外企業の力を借りてでも対応できるかどうかだ。それにしても,一気に花を咲かせようとしたネパールの水力へ群がったインド企業の質に低さというか,十分な事前審査が出来ていないネパール政府の問題である。

(注) (1) India’s IT bellwether company Satyam,(2) Maytas Infra,(3) Gorkha district,(4) Budi-Gandaki Arket river,(5) Maytas Properties,(6) northern Solukhumbu district,(7) Dudhkoshi 2 hydropower project,(8)

●インド政府,アルナチャル州の水力プロジェクト承認

中国が戦車に変えてブルオーザーでいつ攻撃してくるか分からないインドの実行支配地域,インドの北東端,アルナチャルプラデシュ州(注8),私の手元の地図にも,はっきりと,国境未確定地域,と記されている。中国がチベット大々的に進めているインフラ建設に対抗して,遅ればせながら,インド中央政府の閣議決定がなされた,それは,1,251億ルピーに上るまさに野望的なアルナチャルプラデシュ州(注8)縦貫ハイウエー建設である。

この閣議決定されたプロジェックとは,北東地域道路開発計画SARDP-NE(注9)で,2015年までの7期間に拡大して,2,600億ルピーの規模となることが提案されている。中央政府は,州都グワハティ(注10)にプロジェクト運営ユニットPMU(注11)を組織して,SARDP-NE(注9)の効率的な実施を期する。チダンバラム内相(注12)は,閣議が,道路運輸局(注13)の,1,412kmで11地区を繋ぐ州縦貫ハイウエー(注14)承認と。

またチダンバラム内相(注12)は,この計画が地域の水力開発に大きく貢献するであろう,と語り,最終的には,総延長2,319km,総工事費,1251億ルピーである,と。更に,847kmの2車線道路が,残りの5地区を繋いで,アルナチャルプラデシュ州(注8)全部の16地区の区都を繋ぐことになり,と説明した。また難所で現在途切れている60km,ローイングのNH52(注15)とドーラのNH37(注16)も繋ぐと。2013年完成予定。

この60km区間には,ドーラ(注16)とアッサムのサディア(17)の間のロヒット川(注18)の大規模橋梁建設も含まれる。またまさに国境前線であるアニニ地区(注19)とアンジョー地区(注20)にも進める戦略的重要性のある道路もカバーしている。昨年,2008年1月に,シン首相が北東地域,イタナガール(注21)を訪問した際に約束した包括提案の一つで,彼は,タワン(注22)とマハドウプール(注23)を結ぶ州縦貫道路としていた。

(注) (8) Arunachal Pradesh,(9) Accelerated Road Development Programme in North East (SARDP-NE),(10) Guwahati,(11) Project Management Unit (PMU),(12) Union Home Minister, P Chidambaram,(13) Department of Road Transport and Highways,(14) Trans-Arunachal Highway,(15) NH 52 near Roing,(16) NH 37 near Dhola,(17) Sadiya in Assam,(18) Lohit River,(19) Anini District,(20) Anjaw District,(21) Itanagar,(22) Tawang,(23) Mahadeopur,(24)

●インドネシア,スラウエシで,新規発電所完成へ

あのスラウエシ島に,遂にオーストラリア勢が乗り込んできたのですね。水力開発などで,華々しくJICAや日本のコンサルタントが活躍していたところだが,天然ガスが出るという。オーストラリアのエネルギー企業が,二つの発電所とLNG基地を建設する,と宣言した途端,南スラウエシの人々は,苦しんできた電力不足と燃料不足から,まもなく解放されるという。

エナージワールド(注24)の傘下にあるPTEEセンカン(注25)と南スラウエシLNG(注25)は,二つの60MW発電所とLNG基地を建設する,と発表したのは,この木曜日,2008年1月8日,リンポ南スラウエシ知事(注27)と会見した後,エナージワールド(注24)のエリオット社長(注28)である。この会議には,南スラウエシLNG(注25)のプルマナ総務部長(注29)も出席していた。

PTEEセンカン(注25)は,既にシンガポールのセンカン(注30)に,ガス火力,135MWと60MW,2機を完成させ,更に二つの60MW発電所を建設,総出力は315MWになる,とエリオット社長(注28)が話している。エナージワールド(注24)は,140百万ドルを投じて,年内に一発電所,更に二つ目を2010年に完成,と計画している。

現在の南スラウエシ(注31)は,需要の急増にもかかわらず,バカル水力発電所(注32)が水不足で出力が出ず,輪番停電が続いている。エナージワールド(注24)は,現在ガス探査中の地点から20km離れたワジョ地区(注33)のキーラ(注34)に,ガス火力のためのLNG基地を建設する予定である。このLNGプラントは,2010年完成,2011年運転開始と考えている。

LNG基地はボオン湾(注35)の近くで,建設費は5億ドル,プラントの能力は,年間2~5百万トンで,バリやジャワ島ばかりでなく,海外への輸出も視野に入っているという。リンポ南スラウエシ知事(注27)は,LPGの地元への供給も要請している。エリオット社長(注28)も知事に同意しているが,なお,原油ガス規制を行っているミガス(注36)と電力のPLNの承認が必要だ,としている。

(注) (24) Energy World Corporation Ltd,(25) PT Energy Equity Epic Sengkang,(26) PT South Sulawesi LNG,(27) South Sulawesi Governor Syahrul Yasin Limpo,(28) Stewart W.G. Elliot, the company's managing director and CEO,(29) PT South Sulawesi LNG director of general affairs, Priandika Permana,(30) Sengkang,(31) South Sulawesi,(32) Bakaru hydroelectric plant,(33) Wajo regency,(34) Keera,(35) Bone Bay,(36) BP Migas,(37)

参考資料

ネパール

●090111A Nepal, thaindian
ネパールのドウディコシ2水力への参加,疑わしい
Doubts about Maytas’ hydropower bids in Nepal
http://www.thaindian.com/newsportal/uncategorized/doubts-about-maytas-hydropower-bids-in-nepal_100140223.html

インド

●090111B India, assamtribune
インド政府,アルナチャル州の水力プロジェクト承認
Centre clears project in Arunachal
http://www.assamtribune.com/scripts/details.asp?id=jan1009/at013

インドネシア

●090111C Indonesia, The Jakarta Post
インドネシア,スラウエシで,新規発電所完成へ
New power plants for S. Sulawesi
http://www.thejakartapost.com/news/2009/01/10/new-power-plants-s-sulawesi.html

2009年1月10日土曜日

フィリッピンが中国のODA見直し

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矛と盾の話がある,矛盾である。家族が会合で,風邪を絶対に引かないため,この薬を常用しなさい,と,ビタミンCのような薬を大量に渡されて帰ってきた。その様なビタミンは食物に入っているから買う必要ない,と言ったら,売り主に電話して,返すので取りに来てくれ,と言った。その売り主は風邪で寝込んで出られない,と言っている。家族は,「あら,おかしいわね,これ飲んだら絶対に風邪引かないと言っていたのに。」。

中国がフィリッピンに盾を売り込んできた,絶対に経済発展を遂げ国の融和に繋がる,といいながら,20億ドルに上るODAを供与,その主要な対象は,全国にまたがるブロードバンドと,ルソン北部鉄道プロジェクト。鉄道は,20億ドルのうちの12億ドルを占める。ブロードバンドは,既に活躍していて,我々もマニラでその恩恵に浴した。また,400カ所に上る地方の水供給計画が含まれている。

ところが,フィリッピン政府が,ちょっとおかしい,と思い始めた。中国のODAを取り仕切るファビラ通商産業次官(注12)は,中国ODAのプロジェクトのリストを抱えて,これから,NEDA(注13)やアロヨ大統領(注14)のところに行かなければならない,でも何か周囲の雰囲気が気になって,もじもじしている。議会からも,少し見直しを入れるべきだ,と声がかかっている。また,今日の記事にある中国国家送電網(注4)による問題がある。

政府が,中国ODAプロジェクトで,推進を躊躇っているのは,中国企業ZTE(注17)による全土ブロードバンドプロジェクト(注17)に対するしつこい追求があるからである。ここには,アロヨ大統領(注14)一派に対する贈収賄の疑いが消えないのである。そのため,12億ドルの鉄道プロジェクトが走り出せず,日時が経って,建設費がおかしくなっている。どうも中国に,矛と盾を一緒に売り込まれたのではないか,と疑い始めた。

今日のフィリッピンの記事二つは,何か奥歯のものがはさかったような感じで,よく分からない。フィリッピン国家送電公社TRANSCO(注1)の運営権委譲入札の落札グループは,中国国家送電網(注4)と地元企業である。前渡金を地元企業はさっさと払ったが,中国国家送電網(注4)の約4億ドルが遅れているという。2008年末にも譲渡完了のつもりが,遅れている。これは,ODAの問題とは関係ないのかどうか。

中国のODAについては,ミャンマー,アフリカ,カンボジアなどで,ダムプロジェクトなどに対する環境の取り扱いが不透明,として世界で時々議論が起こっているが,汚職との関係は余り明確に取り上げられていない。今日のフィリッピンの記事はこれを取り上げているが,ことが大統領に関係するだけに,何かおそるおそる,という感じで,まあしかし一応は記事にしている。

考えてみれば,日本のODAも随分国民から指弾された時期があった。海外汚職が国内法で罰せられることになったのは,つい最近の話である。最近も日本企業で問題があった。中国のODAは大きいし,中国企業が絡むので大変。1980年頃,世界銀行と協議していて,アダチのダム工事費見積もりは少し高い,この高い分はプライムミニスターの分か,と言われて怒ったことがある。

中曽根弘文外相が,10日午前,カンボジア,ラオス両国訪問のため,日航機で成田空港を出発した,とのニュース。今や完全に中国の庭と化したこの中国に,対抗するべく出発したのであるが,ダム開発に一生懸命の両国に対して,学校建設だけをぶら下げて行ったのでは,全然迫力がない。結局,時代が違う日本とメコン,そこに時代感が同じ中国が入ってきたことが,彼等を中国寄りにさせている。

本文

●フィリッピン,送電公社の運営権,前払い金を納入へ

フィリッピンの電力自由化の過程に於いて,なぜ送電公社の運営権を売り渡さなくてはならなかったのか,私にはよく分からない。国がお金を必要としたのか,或いは自由化,民営化の原則の中で,運営権の入札が必要だったのか。とにかく,分割民営化の中では送電公社が,電力運営の中心になるケースが多いが,フィリッピンはその方法を放棄して,中国企業などに運営権を売り渡した。

フィリッピン国家送電公社TRANSCO(注1)の運営権委譲入札の落札グループが,25年間の全国送電網運営のために,PSALM(注2)に,750万ドルの前渡金納入を開始した。この送電網運営を引き受けるグループ,NGCP(注3)筋は,「我々は,2009年1月15日に,送電網の引き渡しを受ける準備が出来ている。」,と語った。

送電網の運営権を引き受けるNGCP(注3)は,外国企業として,中国国家送電網(注4)が40%,地元企業カラカハイパワー(注5)が30%,モンオロ(注6)が30%,それぞれ資本を有する。取引文書によると,国会の承認があってから30日以内に,運営権者は入札価格39.5億ドルの25%を払い込まなければならない。国会承認は,2008年12月20日に行われている。地元企業分60%,592.5百万ドルは既に送金された。

中国国家送電網(注4)は別行動で,395百万ドルを,今週中に払い込む予定である。NGCP(注3)筋は,「我々は国家電網の運営を実施することに興奮しており,名誉なことだと思っている。我々の参入によって,より高い効率性が発揮でき,また運営は透明性を保ちながら,財務効率を追求して行く。」,とその抱負を述べている。

いろいろな情報が飛び交い,完全移行は,2008年12月29日か,また2009年1月5日かとも言われたが,モンオロ(注6)は,フィリッピン証券市場(注7)への届け出でこれを否定している。モンオロ(注6)の一部であるブラウン(注8)が,2009年1月6日,フィリッピン証券市場(注7)へ伝えたところでは,「まだTRANSCO(注1)の運営権は,NGCP(注3)に引き渡されていない。」,と言うことである。

PSALM(注2)への前渡金は,750万ドルだが,NGCP(注3)の資本組成は,987.5百万ドルであり,入札価格の残りの部分は,20年間に支払うことになっているようだ。PSALM(注2)によると,前渡金の納入は当初,2008年12月30日であったが,2009年1月に変更,払い込まれるものと期待している,と言っている。

TRANSCO(注1)の運営権委譲入札は,2007年12月12日に行われたが,他の入札者は,オランダ企業TPFオーロラ(注9)と組んだサンミゲール(注10)とマレーシア企業プライ(注11)で,入札価格は39.05億ドルであった。この記事,どこか,奥歯に何かが刺さったような言い方が気になりますね。移行時期が明確になっていないのと,中国企業の動きですね。

(注)(1) National Transmission Corporation (TransCo),(2) Power Sector Assets and Liabilities Management Corporation (PSALM),(3) National Grid Corporation of the Philippines (NGCP),(4) State Grid of China,(5) Calaca High Power,(6) Monte Oro Group,(7) Philippine Stock Exchange,(8) Brown Company,(9) TPG Aurora B.V.,(10) San Miguel Energy Corporation,(11) Malaysian firm TNB Prai Sdn Bhd,(12)

●フィリッピン,中国のODA支援について,現在見直し中

TRANSCO(注1)の記事と,何かひっかっているのですかね,この記事ももう一つ歯切れが良くない。現在フィリッピン政府は,20億ドルの中国のODAに関するプロジェクトの見直しを行っているが,中国資金によるプロジェクトに対するしつこい議論で,推進が止まっている問題があるのである。中国ODAに関する委員会の議長,ファビラ通商産業次官(注12)は,中国プロジェクトのリストの点検を行っている。

ファビラ通商産業次官(注12)は,「私は,中国ODA資金について,プロジェクトのリストを元に,NEDA(注13)と会合を持つことになっている。」,と語っている。このリストは,最終的にアロヨ大統領(注14)の承認を受けることになっている。ファビラ通商産業次官(注12)は,「私自身,完全に追っかけることが出来ていないので,再入札を行う必要がある。」,とまで言っている。20億ドルのうち,12億ドルは,北部鉄道プロジェクト(注15)だ。

ファビラ通商産業次官(注12)は,多くのODAプロジェクトがあるが,例えば,400に上る地方政府の水プロジェクトなど,誰も疑問を差し挟む余地はないだろう,と言っている。政府が,中国ODAプロジェクトで,推進を躊躇っているのは,中国企業ZTE(注17)による全土ブロードバンドプロジェクト(注17)に対するしつこい追求があるからである。

北部鉄道プロジェクト(注15)は,全土ブロードバンドプロジェクト(注17)より以前に承認されたものだが,未だにスタートしていない。ファビラ通商産業次官(注12)の説明によると,パミンツアン下院議員(注18)と話した結果では,プロジェクトが遅れたために工事費に変化があり,調整しているところだ,としている。汚職問題でアロヨ大統領(注14)の名前が出て神経が高ぶっており,他の中国プロジェクトがストップされている。

中国は,フィリッピンのプロジェクトへの積極的な資金援助を拡大しているが,2006年におけるODAは,中国が第5位であった。どうも不思議な記事である。問題は,12億ドルの北部鉄道プロジェクト(注15)と,400に上る地方の水プロジェクトのようであるが,日本のODAでも昔は問題のあったところ,中国も同じ轍を踏むか。まさか,送電公社の問題も関連しているのではなかろうな。

(注)(12) Trade and Industry Secretary Peter B. Favila,(13) National Economic and Development Authority,(14) President Arroyo,(15) Northrail project,(16) ZTE Corp. of China,(17) national broadband project,(18) Sec. Ed Pamintuan,(19)

●中国の再生可能エネルギー開発,大きな進展

この記事は,最近刊行された,「中国,再生可能エネルギー開発2010」(注19)を元に書かれている。中国は,2005~2030年に於ける世界の再生可能エネルギー投資の23%を占め,その総額は,1.2兆ドルに達する。グエンIEA顧問(注20)は,「中国は,クリーンでより効率的な発電所の開発投資に向かって,黄金の好機を捉えようとしている。」,と。この投資は,政府によって力強く支持されている。

中国の最上位にあるマクロ経済の計画機関NDRC(注21)は,再生可能エネルギーの割合が,2005年の75%に比べて,2010年で10%,2020年で15%,という明確な目標を示している。具体的には,水力発電で,2005年の,115,000MWに対して,2010年に,190,000MW,2020年に,300,000MWと言う目標を示している。

同様に,風力発電で,2005年に,1,300MWであったものを,2010年に,10,000MWへ,2020年に,30,000MWへとしており,バイオマスは,2005年に,2,000MWであったものを,2010年に,5,500MWへ,2020年に,30,000MWへ,また太陽光については,2005年に,70MWであったものを,2010年に,300MWへ,2020年に,1,800MWへ,と。世銀のマルティノット博士(注22)は,合理的な目標だ,としている。

いろいろな要素がこの計画を後押ししている。一つは,中国がこのまま成長を続けると,世界最大の経済大国となって,エネルギーの輸入が増大,国際価格を高騰させ,エネルギー確保の問題が起こる。二つは,環境問題で,地球温暖化がこのまま進めば,中国自身が,農業や水資源で大きな被害を受けることになる。また,中国のエネルギー資源の問題がある。

中国は,原油ガスに恵まれていないが,石炭が豊富である。石炭需要は,一次エネルギーの70.2%,火力発電は77.82%を占めている。これに対して他の国は,石炭の割合は,30~40%である。なお中国は,太陽光については経済的な問題があると考えており,寧ろ関連機器の輸出に力点を置いて,他の国を支援することにより,太陽光の経済性の向上を待つ,と言う政策のようだ。

バイオマスについては,資源があり石油代替として,2020年までの目標は,風力と同じに置いている。しかし,地球上最大の人口を抱えて,食糧問題との関連から,政府は用心深くバイオの開発を進めるようだ。中国政府は,いろいろな種類の植林を進めており,ジャトロファ(注23)やカッサバ(注24)について,この成り行きを企業が注視している。

この中国の報告書は,随時更新されていて,5月と11月に出される。この中には,政策変更,新規統計,輸出入,需給,などが含まれる(注25)。風力には重点を置いているが,太陽光は経済的に余り増やせない,と見ているようだ。大規模水力の開発が進んでいるが,これは躊躇なく,再生可能エネルギーとして評価している,当然だろう。

(注) (19) China: Clean and Renewable Energy Report to 2010,(20) Francois Nguyen, senior advisor to the International Energy Agency on the development of renewable energy in China,(21) National Development and Reform Commission (NDRC),(22) Former World Bank energy specialist on China's renewable energy development, Dr. Eric Martinot,(23) jatropha curcas,(24) cassava,(25) http://www.researchandmarkets.com/research/23a9d3/china_clean_and_r

参考資料

フィリッピン

●090109C Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン,送電公社の運営権,前払い金を納入へ
Winning bidder makes $ 987.5-M payment for TransCo concession
http://www.mb.com.ph/BSNS20090109145188.html
●090109D Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン,中国のODA支援について,現在見直し中
Projects for China ODA reviewed
http://www.mb.com.ph/BSNS20090109145194.html

中国

●090109E China, renewableenergymagazine
中国の再生可能エネルギー開発,大きな進展
China's renewable energy sector poised for massive growth
http://www.renewableenergymagazine.com/paginas/Contenidosecciones.asp?ID=3325&Tipo=&Nombre=Renewable%20energy%20news

2009年1月9日金曜日

パキスタンは2016年までに25,270MW

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電力危機の真っ直中にあるパキスタンは,ダムを造るのが早いのか,国際的なガスパイプラインを敷設する方が早いのか,この二つの選択しかないと言って良いと思うが,イランからのガスパイプラインについては,既にインドがこの案を放棄してしまった,と見るのが正しいだろう。パイプラインインフラをパキスタンだけで建設するのは,困難と言って良い。

ロシアとEUの間のガス供給問題が,大変な事態になっている。今日のニュースでは,ロシアがウクライナへの天然ガス供給を停止し欧州に影響が出ている問題で,ロシア国営企業ガスプロムは8日,一旦合意したガス供給再開を再び拒否した,と報じられている。APによると,欧州の少なくとも15カ国でロシアのガスの供給が完全に停止,氷点下25度の寒さに見舞われたポーランドなどで今週,11人が凍死している,と報じられた。

国際的なガスパイプラインというものが,如何に危ないかを示す今日のニュースである。政治的に安定したヨーロッパの話なので,世界でもっとも政治的に危険な地域,パキスタンでガスパイプライン,と言うのは全くあり得ない話と言わなければならない。今日のパキスタンの記事は,またか,と言いたくなるような,パキスタンの大規模ダムの話である。

パキスタン政府は,2016年までに,16ダム,25,270MWを開発する,と報じている。いずれも数十億ドルのプロジェクトで,誇大妄想と言われそうな最近のパキスタンである。プロジェクトの名前は挙がれども,資金調達の話はなかなか上がってこない。今日の記事にも,地点の羅列はあるが,資金源は全く見通しが立っていない。唯一の頼みは,今となれば中国であるが,もう一つはっきりしない。

これだけの莫大な水力包蔵を有しているパキスタンを,このままにしておいて良いのか,と言う気がする。今まで,動こうともしなかったネパールの包蔵水力が,政治的な変化と共に,明るい見通しが立ち,インドの,石炭火力の代替としての有効な開発に結びつく気運が出てきている。ブータンは既に,インドの重要な電源地帯である。

パキスタンの包蔵水力は,インドとパキスタンの協力がないと,おそらく開発できないであろうと思う。インド12億人,パキスタン1億人,その1億人のパキスタンに,お金さへあれば,2016年までに開発できる水力が,25,270MWあるという。インドとパキスタンが,共同でインダスを開発する日が,果たして人類の歴史の中で実現する日があるのであろうか。

本文

●パキスタン政府,16プロジェクトで,25,270MW

パキスタンは夢ばかり見ている,と言う気がしないでもない。豊富な水資源を抱えながら電力不足に泣く,そうしていつ出来るか分からない大規模ダムプロジェクトを,今にも出来そうに国民に喧伝して,停電に悩みテロに襲われる国民を宥めようとしている。今日のような記事は,何度となく読まされているが,しかし今日の記事は,16プロジェクト,すべてを洗い出しているので,詳しく見ておこう。

パキスタンの中期計画として8%の経済成長を続けるために,政府は,16の水力プロジェクトを,462億ドルかけて,2016年までに完成させる計画である,と水資源電力省(注1)が語っている。これが全部完成すると,25,270MWの出力が得られる。この中で,ディアマ-バシャダム(注2)とゴールデンゴルダム(注3)は着工寸前で,他の14プロジェクトは,WAPDA(注4)によって現在検討中である。

この中で5年内,2009~2013年に完成が予定されているものは,全部で,20,000MWで,ディアマ-バシャダム(注2)とゴールデンゴルダム(注3)の他,コハラダム(注5),ダスブインジダム(注6),ムンダパタンダム(注7),などである。ディアマ-バシャダム(注2)は,126億ドル,4,500MW,ゴールデンゴルダム(注3)は,130百万ドル,106MW,などである。

その他,パラス渓谷ダム(注8)が7億ドル,621MW,スパットガー(注9)が,7億ドル,610MW,コハラダム(注5)が,21.6億ドル,1,100MW,ダスダム(注10)が,4,000MW,ブンジ水力(注11)が,65億ドル,5,400MW,パンダール(注12)が,60億ドル,80MW,バショダム(注13)が,65百万ドル,28MW,ケヤルクバール水力(注14)が,30百万ドル,122MW,シシ川のラウイ(注15)が,160百万ドル,70MW。

続いて,ハルポプロジェクト(注16)が,40百万ドル,33MW,インダス河のタコット水力(注17)が,50億ドル,2,800MW,パタンプロジェクト(注18)が,2,800MW,インダス河のユルブプロジェクト(注19)が,60億ドル,3,000MW,シオック川のユゴ(注20)が,10億ドル,600MW,である。これらのダムプロジェクトは,灌漑や洪水制御の役割も果たすことになる。

もしこれらのプロジェクトに,十分に資金が行き渡らない場合は,国民や国土の荒廃をもたらすことになる。資金調達のためには,民間資金に魅力あるものである必要があるが,民間資金は,便益だけを目的としているので,なかなか難しい。

(注) (1) Ministry of Water and Power,(2) Diamer-Basha dam,(3) Golen Gol dam,(4) Water and Power Development Authority (WAPDA),(5) Kohala,(6) Dasu Buinji,(7) Munda Pattan,(8) Palas Valley,(9) Spat Gah,(10) Dasu dam,(11) Bunji hydro-project,(12) Phandar project,(13) Basho,(14) Keyal Khwar hydro project,(15) Lawi project on river Shishi,(16) Harpo project,(17) Thakot HPP on river Indus at Thakot,(18) Pattan project,(19) Yulb project on river Indus at Skardu,(20) Yugo on river Shyok at Skardu,(21)

●フィリッピン政府,環境順応企業に,ECC免許

フィリッピン政府は,エネルギー効率化,クリーン技術の採用を,環境遵守証明ECC(注21)と連動させて推進させる意向である。環境運用庁EMB(注22)は,環境遵守証明ECC(注21)の規則の改定を試みてきた。その行動計画によると,特別のEMB(注22)の第3地域(注23)を含むとしている。エネルギー機器の他,総合的な植林やゴミの分離を,ECC(注21)発行の条件にする政策を含むようだ。

この政策形成は,政府が2009年2月までに実施しようとしているグリーン化戦略GFIS-SCP(注24)の一部をなすものである。これは,第3地域(注23),即ち,パンパンガ(注25),バターン(注26),ザンバレス(注27)に位置する産業の環境運用とエネルギー効率化を改善するのが目的である。このプログラムの実施により,企業の運営,財務,温暖化ガス削減,エネルギー保全,などに貢献できる。

(注) (21) environmental compliance certificate (ECC),(22) Environmental Management Bureau (EMB),(23) Region 3,(24) Green Framework of Innovative Strategy on Sustainable Consumption and Productivity (GFIS-SCP),(25) Pampanga,(26) Bataan,(27) Zambales,(28)

参考資料

パキスタン

●090109A Pakistan, dailytimes
パキスタン政府,16プロジェクトで,25,270MW
Govt plans 16 projects for generating 25,270MW power
http://www.dailytimes.com.pk/default.asp?page=2009%5C01%5C08%5Cstory_8-1-2009_pg5_3

フィリッピン

●090109B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン政府,環境順応企業に,ECC免許
ECC requires clean energy-efficient tech
http://www.mb.com.ph/BSNS20090108145117.html

2009年1月8日木曜日

インドの海岸の火力は輸入炭30%

HPは下記ドメインです。写真地図など見て下さい。
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm

2009年1月6日付本HP(注22)で,「中国,シノハイドロ,チベット大水力に8億ドル獲得」,の中で,マオエルガイ水力がよく分からない,と書いたら,中国のプロジェクトに挑戦している友人からメールあり,中国字で,毛爾蓋,もしくは,毛尓蓋と書くそうです。150MW水車3台の中型プロジェクトで,日本メーカーも入札の参戦したようです,有り難う。

また,昨日,2009年1月7日付本HP(注24)で,「カーボンニュートラル」,の考え方はおかしいのではないか,と書いておいて,世界で皆が信じているのに書きすぎたかな,とちょっと気にしていると,何人かのエネルギーの専門家の中にも,同感だ,と言う賛意が帰ってきていて,意を強くしている。自分で取り入れてきた炭酸ガスは,勝手に排出しても良い,となると,全体の計算が狂ってくるのではないか。

焼け畑農業などは,その後,木を植えてくれるならば,どんどんやっても良い,と言うことになるし,トウモロコシは1年に一度だが,焼け畑農業は10年だ,としたとき,木の苗を植え始めてから10年間,炭酸ガスを吸い続けるわけだから,量としてはトウモロコシと余り違わない,京都議定書が毎年計算だから,トウモロコシはよいが,熱帯林は駄目,というのは,余り科学的でないような気がする。まあ,バイオは駄目,と言いたいのだが。

インドは,電力不足がいつまでも続いて,大規模な石炭火力の建設を急いでいるが,石炭の地域的偏在とその質に悩みがある。インドのエネルギー資源で最も豊富なのは石炭で,その埋蔵量は,2,533億トンと世界全体の約10%と言われている。米国,ロシア,中国に次いで第4位である。そのため,電力供給の70%は石炭で賄われている。

しかし,灰分含有率が40%程度と高く品質は良くない。急速な経済発展によるエネルギー・電力の需要増に伴い,石油輸入の増大に加えて,石炭についても国内炭だけでは間に合わず,輸入に依存するようになっている,と報じられている。もう一つの問題は,電力と石炭が,中国と同じように縦割りになっていて,プロジェクトを始めるときに,石炭を確保する契約が,大変に問題になる。今日の記事は,これを浮き彫りにしている。

燃料供給合意FSA(注5)というのは,インド石炭CIL(注2)と発電所側が石炭供給で合意する石炭量のコミットを意味する。75%と言う限界点は,もしインド石炭CIL(注2)が守れなかったら,ペナルティを払う必要が生ずる。逆に,75%以下しか発電側が使わなかったら,発電側が罰金を払う。需要が増えるに従い,CIL(注2)は供給できなくなって,結果として輸入が増えてきている。今年の電力石炭の輸入量は,2,000万トンである。

(注) (1) standing linkage committee meeting,(2) Coal India,(3) coastal power plant,(4) shipping ministry,(5) fuel supply agreement (FSA),(6) coal ministry,(7) (注 ) (22) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090106I.htm,(23) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090107.htm,(24)

本文

●インド,海岸立地の火力発電所は,輸入炭30%

インドも,中国と同じように,石炭を発電所までどうやって運ぶか,問題を抱えている。石炭供給力不足が電力の供給力不足に与えている影響は大きい。また,これも中国と同じだが,電力と石炭の行政が分かれていて,発電所を建設するときの石炭供給契約の成立が,プロジェクトの成否を決することがある。今日の記事は,この石炭供給の難しさを浮き彫りにしている。

もし,連携供給計画常任委員会(注1)が開発に支配的な権限を握るならば,現在工事中の海岸立地の発電所は,石炭必要量の30%を海外から輸入しなければならない。また,海岸立地でない発電所も,石炭必要量の10%を,海外か,インド石炭CIL(注2)以外から調達することが求められる可能性がある。最近開かれた会合では,海岸線から50km以内に位置する発電所は,沿岸立地発電所(注3)として海外炭の対象となる。

船舶省(注4)の代表によると,港湾セクターは,主要港湾で現在年6,000万トンの石炭を扱うことが出来,2,3年内には更に200万トンを増やす能力が出来る,と語っている。注目すべきは,電力セクターは,CIL(注2)と燃料供給合意FSA(注5)に対する限界点の決定で論争を続けてきている。電力は,限界点を90%と主張し,CIL(注2)は60%,一方石炭省(注6)は75%と言っている。

燃料供給合意FSA(注5)というのは,インド石炭CIL(注2)と発電所側が石炭供給で合意する石炭量のコミットを意味する。75%と言う限界点は,もしインド石炭CIL(注2)が守れなかったら,ペナルティを払う必要が生ずる。逆に,75%以下しか発電側が使わなかったら,発電側が罰金を払う。需要が増えるに従い,CIL(注2)は供給できなくなって,結果として輸入が増えてきている。今年の電力石炭の輸入量は,2,000万トンである。

(注) (1) standing linkage committee meeting,(2) Coal India,(3) coastal power plant,(4) shipping ministry,(5) fuel supply agreement (FSA),(6) coal ministry,(7)

●ブータン,ダガチュウ水力のパートナー,不確定に

久しぶりのブータンの報道,ニューヨークの金融危機が,このヒマラヤの小国,山深いブータンまで及んできたと言うことか。今年,2009年3月に着工する予定であった,114MW,ダガチュウ水力発電所公社DHPA(注7)の工事は,遅れる見込みだ。8,000万ヌー(注8)のダガチュウ水力発電所の土木工事を落札したインド企業マイタス(注9)が,経営危機に陥っているという。社長が汚職で逮捕され,金融危機の影響を受けた。

昨年,2008年8月,インド企業4社,マイタス(注9),ヒンドウスタン(注10),パティル(注11),ガモン(注12)によって,DHPA(注7)の入札が行われたもの。2008年12月24日にDHPA(注7)の役員会が開かれたが,支援機関のADB(注13)の判断を待つことになった。DHPA(注7)によると,ADB(注13)の判断を2009年1月10日までに期待している。マイタス(注9)からは,今のところ接触はない。

26%の資本を持つタタ電力(注14)が,状況を分析することになっている。残りの資本は,59%が地元のドウルックグリーン(注15),15%が国家年金基金(注16)である。DHPA(注7)の総工事費は,201百万ドルで,土木工事の80百万ドルをADB(注13)が,また,電気機械の60百万ドルをオーストラリア政府が支援する。

ブータン政府の持ち株会社ドウルック投資DHI(注17)が設立されたのが,2007年11月で,このDHI(注17)が,ガンギアム(注18)のドウンサムセメントプロジェクト(注19)と,ダガナ(注20)のダガチュウ水力発電プロジェクトDHPA(注7)を買い取った。正式には,この二つのプロジェクトが,経済省(注21)からDHI(注17)に,2008年3月17日に引き渡された。

(注) (7) Dagachu hydroelectric power authority (DHPA),(8) Nu 80 million,(9) Maytas Infra,(10) Hindustan construction,(11) Patil engineering,(12) Gamon limited,(13) Asian development bank (ADB),(14) Tata Power,(15) Druk green power corporation,(16) national pension and provident fund,(17) Druk holding and investment (DHI),(18) Nganglam,(19) Dungsam cement project,(20) Dagana,(21) ministry of economic affairs,(22)

参考資料

インド

●090108A India, Economic Times
インド,海岸立地の火力発電所は,輸入炭30%
Coastal power projects may have to import 30% of their coal needs
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Power/Coastal_power_projects_may_have_to_import_30_of_their_coal_needs/articleshow/3944547.cms

ブータン

●090108B Bhutan, Kuensel
ブータン,ダガチュウ水力のパートナー,不確定に
Dagachu power partner under cloud
http://www.kuenselonline.com/modules.php?name=News&file=article&sid=11770