2008年12月7日日曜日

インドの電力が最高警戒レベル

HPは下記ドメインです。写真地図など見て下さい。
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm

ムンバイのテロの後,一本の電話がパキスタンのザルダニ大統領執務室にかかってきた。相手は,インドのムケルジェ外相だと名乗り,インド軍はパキスタンへの攻撃態勢に移った,と通告した。ザルダニ大統領は,直ちにパキスタン訪問から帰途の途中にあるライス国務長官を呼び出した。ライス国務長官は,慌ててムケルジェ外相に電話して,偽電話と判明した。発信箇所は明らかにインド外務省内の建物だったという。

一時ザルダニ大統領は,西のアフガン国境にある軍隊を東に移す態勢を取りかけた,と言うのはこのことらしい。今日の記事を読むと,この記事の前に,何かテロリストの側から予告の電話があったようだ。よく分からないが,インドの国家ガス公社ONGCが,北東地域のハイドロカーボンに,最高度の警戒警報をかけた,これを受けて,電力省が,NTPCなど参加の公共事業体を集めて,最高警戒レベルを指令した。

テロというのは,やはり命をかけてやるから,おそらく目の前に成果が見えなければ実行する勇気がないのではないか。無人の発電所や変電所に自爆攻撃をかけても,多くの犠牲が出るのは,停電して混乱してからだから。電力設備は脆弱だと思うが,小説以外は余りテロ攻撃を聞かない。推測だが,今回のテロ予告は,ハイドロカーボンの油田を焼き払うような,壮大な警告だったのではなかろうか。

今日の最初の記事の,インドの電力問題の将来に亘る展開に関するもの,なかなか常識的なわかりやすく総括して書いてある。最後に,インドの損失電力に言及し,オーストラリアの送電網を例にとって,インドは学ぶべき,と言っている。具体的には分からないが,おそらく広大なオーストラリアで,長距離送電の成功を言っているのか。また,ハイドロカーボンにある期待を寄せているところに,関心を持った。

インドネシアの記事で,西ジャワのチタルム河が,世界で一番汚れた川,と書かれた。私たちが,青春,ではなく壮年の情熱を燃やした川をその様に言うのはけしからん。でも,上流にバンドンという100万都市を抱えての下流のダムなので,まずバンドンの下水とゴミ処理場を完備せねばならなかったのだろう。今では手順が逆で,まず上流環境の工事から始める羽目になる。

上流の水源地帯に大都市がある川,幾つかあるであろうが,アジアではそんなに多くない,寧ろ珍しい。チタルム河はその典型とも言えるが,私の気になるのは,上流に中国雲南省の昆明を持つ,ベトナム北部の紅河である。ただ,規模は全く違うけれども,我々は昭和30年代の大阪中之島の水を今でも覚えている。人間の努力によって,このように変わるのだ,と言う経験をしている。

ニューヨーク原油が,バレル40.81ドル,40ドルを割るのは目前という。30ドル台というのは随分懐かしい気がするが,2004年12月というから,案外そんなに昔ではないのだ。と言うことは,3年半ほどで,今年の夏には150ドル,5倍も高騰していたのか。その高騰の波に乗った中東景気は,これからどうなるのだろう。かえってまた車が増えたりして。

(注) (1) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081129B.htm,(2) HSBC,(3) International Energy Outlook 2008,(4) Nuclear Suppliers Group,(5) Indo-US civil nuclear deal,(6) Nuclear Non-Proliferation Treaty,(7) Foreign Minister Stephen Smith,(8) Oil and Natural Gas Commission,(9) Reliance group,(10) first-of-its-kind hydrocarbons,(11) Krishna-Godavari basin in the Bay of Bengal,(12)

(注) (1) Oil and Natural Gas Corp. Ltd,(2) Ashok Kumar Balyan, director of human resources, ONGC,(3) Gujarat,(4) Assam,(5) Tripura,(6) NTPC Ltd,(7) NHPC Ltd,(8) Power Grid Corp. of India Ltd,(9) North Eastern Electric Power Corp. Ltd,(10) Satluj Jal Vidyut Nigam Ltd (11) Damodar Valley Corp.,(12) Bhakra Beas Management Board,(13) PGCIL chairman and managing director S.K. Chaturvedi,(14) Central Industrial Security Force,(15)

本文

●インドの電源開発,もう引っ返す道なし

インドの電源開発は,もう待ったなしである。2008年11月29日付本HP(注1)では,香港の銀行系のHSBC(注2)が,インドの石炭のクリーンかが,今後の投資の目玉である,と言う記事を載せていたが,インドの石炭をどうするのか,このことが,インド経済を占う大きな要素であることは間違いない。今日の記事は,全体的な視点から,インドのエネルギーを見ている貴重なものだ。週末の読み物,と銘打っている。

インドの電源開発はもう引っ返せない。7%の経済成長を続けて行くためには,次の20年間で電源を今の6倍にする必要がある。即ち,現在の143,000MWを少なくとも800,000MWにすると言うことである。まるで脱力感を煽るような数字である。問題はそれだけではないのだ。世界の6%が内蔵しているインドの石炭は,環境を阻害する硫黄分と灰分を高い濃度で含んでいるのである。

環境に破壊的な損害をもたらさないためには,どうしても,原子力,バイオ燃料,風力,太陽光を,より大きな規模で開発するような,クリーン技術を強化せざるを得ない。現在のインドのエネルギー消費は,IE報告書2008(注3)によると,一次エネルギーとしての石炭が53%,石油が31%,天然ガスが8%,水力,風力,太陽光など再生可能が6.8%,原子力が1.2%であり,これは将来基本的に見直す必要がある。

インド政府の期待は,再生可能エネルギーの開発速度を上げて,2008~2012年に20%にすべく,新規70,000MWを再生可能で開発することである。グリーンな代替案として現実に技術が完成しているのは原子力で,世界で既に370,000MWの設備が存在する。太陽光は,確かに汚染がなく資源は無尽蔵である。しかし,全土で130000MW必要なときに,僅かに1,700MWである。

インドは太陽光に恵まれており,殆ど年中,殆ど全土で,可能である。もし,大規模発電が可能なら,大成功だろう。原油価格が下がってきている現在,太陽光や風力への大規模な投資は,経済的に不適当だ。勿論,原油価格が低く止まっていることはないが,その原油価格に比べて,太陽光や風力がそれほど安価になって,経済的になるとは思えない。

原子力は,二酸化炭素排出量が最も少ない。原子力供給国NSG(注4)の合意と,米印原子力協定(注5)の成立によって,近い将来,原子力開発のブームが来ることは間違いない。最近のこの3年間で,安全基準が改善し,危険が少なくなった。インドは,現在の原子力設備5,000MWを,2030年には20,000MWに増強する予定である。しかしそこに,問題が横たわる。

インドのウラニューム自然埋蔵量は,多く見積もっても,70,000トンである。大まかに見ても,この量は既設及び計画中の原子力発電所を動かすのに,十分とは言えない。インドはウラニュームを世界中で探し回っているが,最大の資源を持つオーストラリアは,労働党の政策,NNPT(注6)非加盟国には輸出しない,があり,悲観的である。

しかし,注目すべきは,最近インドを訪問したスミス外相(注7)は,記者会見で,インドから特別の要請があれば,平和及び軍事の二つの目的を有する場合でも,自分は考えてみたい,と述べている。インドの見通せる未来について,原子力や再生可能エネルギー開発が,大きく前進することはありえるが,石炭,石油,ガスへの依存を捨て去る可能性は考えられない。

公共部門の石油ガス委員会(注8)は,原油ガスの探査は終焉と考えているが,幸運にも,私企業のリライアンス(注9)が,活動領域を拡大しつつある。深海のハイドロカーボン(注10)で,リライアンス(注9)のベンガル湾のKG流域(注11)は,18ヶ月内に,国産ハイドロカーボンの40%を生産する見込みである。リライアンス(注9)は,これによって,外貨流出を200億ドル抑えることが出来る,と言っている。

インドは,経済成長によって,一人当たりの電力消費が年間400KWh,世界平均は2400KWh,と極めて低いが,今後急激に増えるだろう。巨大な電力不足が,インドの成長を妨げる。更にエネルギーの多様化を急ぐ必要があるが,送配電網からの莫大な損失を見逃すことは,賢明な方法とは言えない。オーストラリアに於ける最近の高圧送電網の経験は,インドを大いに勇気づけるものだ。

インドは,このオーストラリアの送電技術から多くのことを学ぶだろうし,出来るだけ詳しく調べる必要がある。この技術は,資本集中が必要で,労働力を余り必要としない。しかし,如何にクリーンで効率的かをよく検討してみる価値がある。確かに,インドに適しているかどうかには問題があるが,現在のインドの電力損失を考えれば,更に検討している必要がある。

広範ににいろいろなことが書いてあるが,インドの基本的な方向転換を図るような提案はない。ウラニュームの問題をオーストラリアとどの様に話し合うか,これは一つの至近年の大きな問題だろう。ハイドロカーボン(注10)は,環境も考慮して,果たして使い物になるのかどうか,疑問を持つ。最後に出てくるオーストラリアの送電技術は,長距離という面からの視点が高いのだろう。

(注) (1) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081129B.htm,(2) HSBC,(3) International Energy Outlook 2008,(4) Nuclear Suppliers Group,(5) Indo-US civil nuclear deal,(6) Nuclear Non-Proliferation Treaty,(7) Foreign Minister Stephen Smith,(8) Oil and Natural Gas Commission,(9) Reliance group,(10) first-of-its-kind hydrocarbons,(11) Krishna-Godavari basin in the Bay of Bengal,(12)

●インド,発電所は,テロから自分で守る必要

テロと電力,結びつきそうでなかなか結びつかない。電力を狙ったテロ,というのは,映画にはよく出てくるが,実際にはほとんどない。発電所や変電所は無人みたいなものだから,テロリストも張り合いがない,とも言える。やはり直接的な虐殺が伴うところを狙ってくる。しかし今度のムンバイのテロでは,インドの電力セクターは,随分緊張しているようだ。

ムンバイのテロの後,電力省はすべての発電,送電企業に,自らの保安能力をアップするよう求めている。名前は挙げなかったが,電力省高官は,すべての管轄下にある公共事業体を集めて,ONGC(注1)が実施するような警戒部隊を配置することで,会議を行う,と表明した。北東部の州に位置するONGC(注1)の資産と人員が,脅かされている。

ある州政府は,州保有のハドロカーボン企業に代わり,警戒度を上げている。ONGC(注1)のバリアン労務担当(注2)は,グジャラート(注3),アッサム(注4),トリプーラ(注5)各州政府と覚書を交わして,約1,100人の警戒部隊を動員することになっている,と。電力省の会議に出席する企業は,NTPC(注6),NHPC(注7),PGCIL(注8),NEEPC(注9),SJVN(注10),テリー(注11),ダモダール(注12),バクラ(注13)。

インドの電源全設備は,145,000MW,このうち,原子力は,4,120MW,水力は,35,900MWである。これらの電源と送電線の国境付近は,テロ警戒のリストに入っている。PGCIL(注8)のチャトルベディ会長(注13)は,「我々は既にCISF(注14)の人員に守られている。事業体からでている警戒部隊も,CISF(注14)と一体化して見えるはずだ。」,と言っている。

インドの送電網は,PGCIL(注8)が運用しており,その全長は,61,875kmである。現時点では,南地域を除いて,5地域が連携している。送電網の破壊は,送電事業にとって最悪のシナリオである。もしその様なことが起これば,それから電力を受けている州は,全停電になってしまうであろう。私は,余り書きすぎだと思う。こうなったら,送電網の詳細を公表するのまで危なくなってくる。

(注) (1) Oil and Natural Gas Corp. Ltd,(2) Ashok Kumar Balyan, director of human resources, ONGC,(3) Gujarat,(4) Assam,(5) Tripura,(6) NTPC Ltd,(7) NHPC Ltd,(8) Power Grid Corp. of India Ltd,(9) North Eastern Electric Power Corp. Ltd,(10) Satluj Jal Vidyut Nigam Ltd (11) Damodar Valley Corp.,(12) Bhakra Beas Management Board,(13) PGCIL chairman and managing director S.K. Chaturvedi,(14) Central Industrial Security Force,(15)

●インドネシア,ADB,チタルム河の浄化に,5億ドル支援

インドネシアのチタルム河(注15),私もいつかは新聞記事になるだろう,と心配していた。何と言ってもチタルム河は,我々の,青春とは言わないけれど,壮年の血と涙が混じっている川だ。上流に百万都市を持つ川,それは世界中でも余りない。上流のバンドンの都市下水を処理せずに,下流にダムを造ることは,これからは許されないだろう。中国雲南省昆明の下流になるベトナムの紅川,更に大きな規模だ。

ADB(注16)は,チタルム河(注15)のクリーン化に特定して,5億ドルのローンを供与することを決定した。世界でもっとも汚れた川,と書いてある,恥ずかしい。5億ドルは15年に亘るローン(注17)である。このローンは,インドネシア政府が進める35億ドルの計画の一部を支援するものである。流域2,800万人のために,流域の2,000の工場と百万レベルの家庭からのゴミを処理する問題である。

チタルム河(注15)の流域は,インドネシアのGDPの20%を稼ぎ出しており,首都ジャカルタに住む1200万人に,表流水の80%を供給している。ADBのモリス水資源専門家(注18)は,このチタルム河(注15)の浄化には,総合的な手法が要求される,と言っている。流域の村や町,更には企業を巻き込んだ,総合的な体制を確立する必要がある,と。

また,地元のNGOのダダン氏(注19)は,汚職が心配だし,十分な情報が地元住民に伝えられるかどうか,懸念を示している。どの様な計画が進められるのか,小さい英語のパンフレットが配布されただけで,どの様に人々に説明してよいのかも分からない,と。ADBのモリス水資源専門家(注18)は,多年度ローンで15年の少額なので汚職は抑えられると。ADBと政府で協力して,よい管理を行う,と説明している。

チタルム河(注15)は,西ジャワのバンドン(注20)からジャカルタまで,北東方向に160kmの流路を持つ。私は,地元の人々の考えと同じだが,どの様な方法で浄化するのか,実際に疑問を持つ。何と言っても,バンドン(注20)の下水の完備とゴミ処理の近代化が欠かせない。私も過去に,この難題に挑戦したことがあるが,果たせていない。

(注) (15) Citarum River,(16) Asian Development Bank,(17) multi-tranche loan,(18) ADB senior water resources engineer Christopher Morris,(19) Dadang Sudarjam from the People's Alliance for Citarum, a local non-government organization,(20) Bandung, in West Java,(21)

Reference

India

●081206A India, businessspectator.
インドの電源開発,もう引っ返す道なし
WEEKEND READ: India's big test
http://www.businessspectator.com.au/bs.nsf/Article/Energy-in-India-LXUWR?OpenDocument&src=sph
●081206B India, hindustantimes
発電所は,テロから自分で守る必要
Power plants may get to raise own forces
http://www.hindustantimes.com/StoryPage/StoryPage.aspx?sectionName=BusinessSectionPage&id=889a1731-9fe0-4e01-8821-f9048de699c5&&Headline=Power+plants+may+get+to+raise+own+forces

Indonesia

●081206C Indonesia, The Jakarta Post
ADB,チタルム河の浄化に,5億ドル支援
ADB Gives Indonesia $500 Million to Clean Up World's Dirtiest River
http://www.voanews.com/english/2008-12-05-voa15.cfm

2008年12月6日土曜日

パキスタンがインドへ水補償要求

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ロシアのメドベージェフ大統領が今ニューデリーに滞在中。インド南部タミルナド州の原子力発電所に,ロシアが原子炉4基を新たに建設することなどで正式合意した,と国内でも報じられ,インドも発表している。米印原子力協定の成立を受けて,日本など原子力供給国グループ(NSG)が,インドへの機器輸出を認めたため,ロシアもやりやすくなった,と書いてある。フランスやロシア,全く抜け目のない動きである。

長く海外に行って来て,羽田から車で都内まで走って帰ってくると,東京というのは何と沢山お金をかけた町か,と思ってしまう。橋とか道路もそうだけれど,都心のビル群なども,地下鉄なども,全部入れると資産価値は一体どうなるのか,とよく考える。つれづれなるままに,少なくとも社会資本の価値ぐらいは分かるだろう,と調べてみたら,新潟大学の先生が,約492兆円と勘定されていた。もっと多いのではないか,と言う感じ。

この前,石放送大学総長の,国の借金と個人の借金は違う,国は自分で紙幣を増刷できるから,と言っていたが,まだ意味がよく分からないが,国の借金というのは,誰がコントロールするものなのか。政府の主人は次々と替わっていくから,幾らでも先送り可能で,何処で限界が現れてくるのか。いつまでも借金だけが頭の中にあったら,ODAも大きな顔をして出て行けないではないか。どこかで帳消しにする必要がある。

帳消しにするなら,早いほうがよいのではないか。その新潟の先生によれば,社会資本の生産性だけを取り上げて492兆円の価値がある,という。借金の方は,2004年時点で地方債も入れて619兆円らしい。社会資本を全部売り払っても,まだ120兆円ほどの借金が残ることになる。でも500兆円と100兆円では,大変な違いだから,100兆円ぐらいはそれこそ紙幣増刷で何とかならないか。

今例えば,私が国債を500億円ぐらい持っていたとすると,政府に帳消しにされる,法律で決めるから仕方がない,帳消しである。その代わり,淀川にあるダムを全部あなたに差し上げる,維持費は国家予算で出すから,これで許してくれ,と言われたら,許すのではないか。急いで借金をして,空いているダムに発電機を付けて見るとか,いろいろ努力するだろう,観光客からお金を取るとか。

これからの国債発行はすべて現物返し,としたらどうだろう。新潟大学の先生が,生産性で勘定しておられるから,うまく利用すれば,橋でも道路でも,それなりの民営化でお金が稼げるのではないか。まあ,最後はそう言うことになるのかな,と思う。年金をキチンとくれて生活さへできておれば,あの高速道路は私のものだ,といつも家の窓から眺めるだけで,楽しいのではないか,子孫代々。国に借金はない,と思ってよいことにしよう。

パキスタンは,この前も見たように,インダスの水そのものが生産のすべてである。シェナブ川(注1)のインドのダム(注2)との論争は,どの様に決着を付けるのか,と思っていたら,結局,お金で補償してくれ,とパキスタンの水資源電力大臣(注5)が,記者団に語っていた。ダムが出来て,その初期湛水の水,と随分話が細かく具体的になってきた。パキスタンは,水量は容易にお金に換算できるようだ。

とにかく,パキスタンとインドに仲良くして貰わなければ,インド北辺の仕事は何も出来なくなってしまう。今日の新聞では,ザルダニ大統領はライス国務長官に冷静を約束したらしいが,インド側は,パキスタンの軍部の関わりをまだ疑っている。ザルダニ大統領が文民政権だけに,パキスタン軍部との乖離がこの際もっとも懸念事項なのであろう。

(注) (1) Chenab river,(2) Baglihar hydro electric power project,(3) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081123A.htm,(4) 32nd Annual Convention of Institution of Electrical and Electronic Engineers of Pakistan,(5) Water and Power Minister Raja Pervaiz Ashraf,(6) National Electric Power Regulatory Authority (NEPRA),(7) Malakand-III hydropower station,(8) Attock General Limited power plant,(9) Rawalpindi,(10)

本文

●パキスタン,シェナブ川で,水量補償要求へ

インダス河の上流,インド領内,チェナブ川(注1)にインドがバギリハールダム(注2)を完成したことで,下流本流の流況に影響を与えるとパキスタンが抗議をしている。この状況は,2008年11月23日付本HP(注3)に詳しい。パキスタンが,インダスの水問題でチェナブ川(注1)の実情を反映せよ,と言うものだが,先日からは,具体的に被害額を補償せよ,という表現に変わってきた。

今週木曜日,2008年12月4日,ラホールにて,第32回パキスタン電力年次会議(注4)が行われ,アシュラフ水資源電力大臣(注5)が出席した。その時の記者会見で,2つの点を語っている。それはインダス河の水問題であり,もう一つは,電力不足と電気料金の問題である。特に,その前の週にムンバイでテロ事件が起きており,インドとパキスタンの関係は緊張状態にある。

インダス川上流,チェナブ川(注1)にインドがバギリハールダム(注2)の問題で,アシュラフ水資源電力大臣(注5)は,今,インドに対して,あらゆるレベルで,補償を支払うよう要求している,と語っている。具体的には何を言っているのか不明だが,おそらく,バギリハールダム(注2)が完成したばかりであり,この際にダムの初期湛水に使われた水を,農業か発電の損失便益に換算,と言うことなのであろう。

また,アシュラフ水資源電力大臣(注5)は,国内の電力問題に言及している。国家電力調整庁NEPRA(注6)が更に電力料金を値上げする歩行にある状態の中で,中流階級に属する需要家に対して,料金値上げの影響を緩和する,と発言している。また,原油高騰の時期に,政府は電力への補助金を,1,170億ルピー支出しており,大きな赤字を抱えていることも説明した。

チェナブ川(注1)の水問題については,その流量の減分について,既にインド政府に抗議を発しており,それは首相のレベルから大統領のレベルと,関係するあらゆるレベルで抗議を行っているが,その内容は明確で,ニューデリーに対して補償を要求しているものである。アシュラフ水資源電力大臣(注5)は,我々は今,インド側の回答を待っているところだ,と説明した。

アシュラフ水資源電力大臣(注5)は,電力不足の問題にも言及した。現在のこの冬季の期間,1,500~1,800MWの不足が生じているが,現在政府は緊急の手段を進めており,2009年末までには,新たに,5,000MWを追加する予定である。マラカンド第3水力(注7)は既に発電を開始しており,AGL社の発電所(注8)も,まもなく運転に入る予定である,と。

別の資料で調べてみると,マラカンド第3水力(注7)は,北西辺境州にあって出力は,81MW,2008年1月に完成したが,発電開始は少し遅れたようだ。AGL社の発電所(注8)とは,ラワンピンディ(注9)の精油所に建設されているもので,156MW,とされている。いずれにしても,アシュラフ水資源電力大臣(注5)の言う,2009年末,新規5,000MWにはほど遠い内容だ,他にあるのかな。

(注) (1) Chenab river,(2) Baglihar hydro electric power project,(3) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081123A.htm,(4) 32nd Annual Convention of Institution of Electrical and Electronic Engineers of Pakistan,(5) Water and Power Minister Raja Pervaiz Ashraf,(6) National Electric Power Regulatory Authority (NEPRA),(7) Malakand-III hydropower station,(8) Attock General Limited power plant,(9) Rawalpindi,(10)

●フィリッピン,カラカの契約遅れで,オープンアクセス制度が遅れる

私も,どうもこのフィリッピンの複雑な電力改革のルールに付き合っておれないと言う感じなのである。これを幾ら追っかけても,本質論に到達しないわけで,いつまで経っても,将来の需給の安定どころか,電力料金の安定さへ不確定である。この間に,儲けすぎたお金の処置や,ゼロサムゲームの発電所買収が絡んで,綺麗さっぱり,供給を統一した方が,人件費もプラットフォームも安くなる,と言う感じだが,今少し付き合っておこう。

電力規制委員会ERC(注10)は,暫定オープンアクセス(注11)の実施は延期せざるを得ない,と結論した。それは,787MW,カラカ発電所(注12)の787百万ドルの取引が思わぬ障害に遭遇したからである。またERC(注10)は,暫定オープンアクセス(注11)をIOAと呼んでいたものを,電力供給オプションプログラムPSOP(注13)と呼び変えることにしたようだ。

この変更の理由は,噂によれば,電力事業改革法EPIRA(注13)の中のオープンアクセス条項との法的専門用語の問題らしい。ERC(注10)は,この新たに言い換えたPSOP(注13)の実施は,あくまでカラカ発電所(注12)のNPCからの分離民営化が終了してから始める,と強調して見せた。何処に問題があるのか明確ではないが,まるでタイミングを見計らったように(注14),国会でやりとりが行われた。

今週の国会のヒアリングの席上で,PSALM(注15)は,カラカ発電所(注12)の移管に関しある問題が起こった,それは頻発する機器の分解整備の問題で,一つのユニットが100%,セミララ石炭(注16)を使ったことが引き金になったようだ,言うことを認めた。ERC(注10)は,あくまでPSOP(注13)というのは,EPIRA(注13)上,実際のオープンアクセス開始の前段階だけのものだ,と説明している。

この暫定オープンアクセスの方針は,いろいろな方面のビジネスグループに混乱を与えている。この方針は,電力供給に於いて,電力の選択の自由,への道を開くものだからだ。このシステムは,大口ユーザーには,価格の交渉に有利な立場に立たせるものだ。このPSOP(注13)に参加できる資格は,ピーク需要が1MW以上,6ヶ月後からは750KW以上となる。

このPSOP(注13)には,過去12ヶ月のピーク需要が1MWを越す需要家で,参加を望む需要家が参加する,とERC(注10)は説明している。集合の需要家団体は,対象としない,としている。供給側は,EPIRA(注13)上の制限の中で,すべての発電企業,NPC(注17)から民営化された資産の企業も含むものである。NPC(注17)自体は,70%資産売却後で,即ちカラカ発電所(注12)の移管が終了してから,となる。

これから入ってくるIPPは,NPC(注17)との引き取り契約の外にある部分について,PSOP(注13)に参加の資格がある。このような移行時期に関しては,移行時期契約TSC(注18)が有効で,その契約の範囲内でPSOP(注13)に参加できる。本当に一生懸命,基本法に照らして自由化を進める姿勢は偉いが,何処まで有効なのか,複雑なばかりである。

途中,セミララ石炭(注16)が出てきたので調べた。2004年の石炭エネルギーセンター(注19)による。フィリッピンの石炭生産量は増加傾向にあり,2003年は過去最高の200万トンに達した。国内生産はほとんど亜瀝青炭であり,その9割以上がセミララ石炭(注16)の露天掘によるものである。国内生産炭はすべて国内消費しており,石炭火力発電所及びセメント産業用に,豪州,インドネシア,中国から石炭を輸入している。

(注) (10) Energy Regulatory Commission (ERC),(11) interim open access,(12) Calaca,(13) Power Supply Option Program (PSOP),(13) Electric Power Industry Reform Act,(14) as if on cue,(15) Power Sector Assets and Liabilities Management Corporation,(16) Semirara coal,(17) National Power Corporation,(18) transition supply contracts (TSC),(19) http://www.brain-c-jcoal.info/publication-files/oldjcoal/jcoal-topics/Topics_J204.doc,(20)

Reference

Pakistan

●081205A Pakistan, dailytimes
パキスタン,シェナブ川で,水量補償要求へ
Pakistan for Chenab water compensation
http://www.dailytimes.com.pk/default.asp?page=2008%5C12%5C05%5Cstory_5-12-2008_pg7_2

Philippines

●081205B Philippines, Manila Bulletin
カラカの契約遅れで,オープンアクセス制度が遅れる
Interim open access to suffer delays due to snags in Calaca privatization
http://www.mb.com.ph/BSNS20081205142801.html

2008年12月5日金曜日

メコン事務局長が投稿立場説明

HPは下記ドメインです。写真地図など見て下さい。
中南米のエネルギー最前線で,石炭火力について,更新
アフリカのエネルギー最前線で,ザンビアのダムを,更新
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm

長くタイにいたので,朝のテレビの度に,ブミポン国王のニュースが流れていた。タイでは,何があってもニュースの初めは国王,それからシリントン王女,と来るので,まるで自分の国の国王のような感じになってしまう。憲法裁判所が,ソムチャイ首相を失脚させて,次はブミポン国王が何らかの意見を,誕生日の挨拶に入れてくる,と誰しも予想していたが,ブミポン国王,一言も発せず。

81歳で体の調子が悪い,と報道されている。確かに,前日のバンコクポストの写真を見ると,シリキット妃殿下の横でぐったりとしたように馬車に揺られていた。タイの国民も,ブミポン国王が何とかしてくれる,と言う甘えを捨てなければならないか。おそらく,変な言い方だが,ブミポン国王がいたから,軍部も安心してクーデターにでることが出来た。国王がいなかったら,ミャンマーのような強権でなければ抑えられなかっただろう。

バンコクの国際空港が完全再開,と言うニュースが先ほど流れていた。意外に早かった。デモの群衆が,空港から退去するときに,一生懸命掃除をしていたが,タイ人と言うものをあそこで見たような気がする。インドネシアからタイに来たときは,車で割り込むときに,運転手同士が頭を下げて挨拶するのを見て吹き出してしまったが,インドネシアでは,鉄道踏切と言えども先頭争いは戦争だった。

今日のニュースで,インドネシア,スマトラのジャンビ県の知事達が,タイ,バンコクの西方,2時間ぐらいのところに最近出来た4,000MW規模の石炭火力を見て,そのクリーンさに驚いたとか。確かあれは三菱重工の技術が入っているはずだ。タイのEGATが,スマトラに500MWの石炭火力を造るというので招待されたが,果たしてタイのEGATは,日本式のクリーンな石炭火力を,インドネシアの中国企業に見せてくれるであろうか。

タイが政治的に安定してくれなければ,メコン沿岸諸国の開発にも,障害がでるだろう。先日,プノンペンポストに,メコン河委員会は何の役割も果たしていない,と痛烈な記事が載せられた。今日驚いたのは,そこにメコン河委員会のバード事務局長が,丁寧にその批判記事に答える投稿を,個人名でしていたことだ。非常に異例といえるが,内容は,当然のことながら,非常に官僚的である。

私も知っているが,加盟諸国の政府は,事務局に対して非常に強い権限を持っている。事務局長の首をはねるぐらいは簡単な話なのだ。それは,バード事務局長の投稿にも現れていて,彼の金科玉条は,1995年メコン合意,と,カウンシル,即ち各国代表会議である。今度の,ダムによる水系への魚類の影響についても,分析に必要な情報が集まった段階でカウンシルに諮る,それまでは何も出来ない,と言うに等しい。

しかし,最近のメコン開発への不満は,魚類に集中してきた。漁獲高,それによって生活している人々の多さ,と言うことが,環境NGOのポイントになってきた。漁業に比べれば,水没移住などはまだ簡単な方で,漁業となると,その影響範囲が分からなくなってくる。また影響が間接的なだけに,補償をしようと思っても,その相手が特定できないという複雑な問題がある。NGO自身も,おそらく何処に焦点を持って行くか,難しいのではないか。

今日は,その他に,ニューヨーク原油が,バレル43.76ドルまで落ち込んだ,というニュースがある。原油の高騰で,相当な規模のパイプラインプロジェクトが動いてきたが,一服するか。インドは,ムンバイのテロで,イランからのガスパイプラインは,当面諦めたようだ。再び,トルコからイスラエルのエラット港を経るパイプラインが,その代替であるように書かれている。

(注) (1) Mekong River Cimmission,(2) http://my.reset.jp/~adachihayao/index080926,(3) Jeremy Bird CEO, MRC Secretariat,(4) Phnom Penh Post,(5) "Dam Wrong" by Mr Stan Khan,(6) 1995 Mekong Agreement,(7) MRC Council,(8)

(注) (9) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081125.htm,(10) pipeline between Iran-Pakistan-India (IPI),(11) petroleum minister Murli Deora,(12) Ceyhan,(13) Red Sea,(14) Baku-Tbilisi-Ceyhan pipeline,(15) Caspian region,(16) Eilat port,(17)

本文

●パキスタン,126億ドル,ディアマバシャダム,10企業が事前適格
ディアマ-バシャダム(注1),2008年11月25日付本HP(注2)で,その重要性を謳った記事が出たばかりである。「パキスタンは,まさしく戦争前夜の様相である。これは政府が国民の一致団結を呼びかけた記事と見て良かろう。インドへの挑戦状も,実は大規模ダム建設への,政府の意図的な行動,と見ることも出来るだろう。中国は既に,このディアマー-バシャダム(注1)への協力を約束している。」,と述べている。

世界銀行(注3)が,露骨に融資を拒絶する中で,この2008年11月27日,総工事費126億ドルの戦略的なプロジェクト,ディアマー-バシャダム(注1)に対する施工業者の事前資格審査(注4)が強行された。この事前資格審査(注4)は,ダム本体,河川切替,発電水路の土木工事に関するもので,政府高官が記者に語ったものである。参加したのは,中国,UAE,EUに属する企業である。当局は次のように語っている。

総工事費126億ドル,7年で完成を目指すディアマ-バシャダム(注1)は,カシミールのインドとの国境紛争地域に位置するため,世界銀行(注3)が融資を拒否したため,現在,資金の目処が立っていない。ディアマ-バシャダム(注1)は,5つの工区に分かれている。それは,ダム本体,河川切り替え,発電水路,電気機器,送電線である。このうち3つの工区で,ラホールのWAPDA(注5)で事前資格審査を終了した。

資金について,パキスタン政府は努力を続けており,UAE(注6),クウエート(注7),中国の最高位レベルとの交渉を行っている。他にもパキスタンの友好国(注8)とも接触している。今は2億ルピーがあるだけで,各国首脳クラスが資金について考えていてくれる。ディアマ-バシャダム(注1)の規模は,貯水池容量810万エーカーフィート,出力は,4,500MWである。年間,電力で15億ドル,農業で6億ドルの便益が考えられる。

国家経済委員会幹部会ECNEC(注9)は,バシャダム(注1)の用地確保のため1,165億ルピーを承認したが,土地取得は予算の目処が立つまで待て,と言われている。ECNEC(注9)は,2008~1009年度予算で土地取得のための600億ルピーを承認しており,残りの費用は,2009~2010年度の予算に盛り込まれるはずである。

私は,インドがこのパキスタンのディアマ-バシャダム(注1)建設に,おおっぴらに反対しているというニュースは余り聞かないが,今となってみれば,ムンバイのテロ以降,インドとパキスタンの間が緊張しており,パキスタンのアフガン国境にあった軍隊を,東のカシミールに移動するとの情報もあり,何とも微妙なプロジェクトとなってきた。ライス国務長官が,両国の間を飛び回っている。

(注) (1) Diamer-Bhasha dam,(2) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081125A.htm,(3) World Bank,(4) pre-qualification,(5) WAPDA,(6) UAE, (7) Kuwait,(8) member countries of Friends of Pakistan,(9) Executive Committee of National Economic Council (ECNEC),(10)

●メコン河委員会のダムに対する見解について

メコン河の開発とメコン河委員会MRC(注1)の関係,その議論がでていたのは,2008年9月26日付本HP(注2)か。私もよく覚えているが,MRC(注1)がその役割を果たしていない,との論調が,プノンペンポストに投稿された。特に,その記事が取り上げたのは,メコン河委員会MRC(注1)が1995年に再組織されたときに交わされた基本合意文書であった。今日はこれに対して,MRC(注1)バード事務局長(注3)が,投稿で反論。

バード事務局長(注3)が答えた相手の文書は,2008年11月27日付のプノンペンポスト(注4),スタンカン氏のダムの間違い(注5)と言う投稿である。スタンカン氏(注5)は,メコン河委員会MRC(注1)は表向き,メコンの環境を守ると標榜しているが,その役割に対して非常に弱い,と指摘している。9月の地域協議会で,メコン河委員会MRC(注1)の役割が重要である,との指摘が,政府,開発企業,NGO,金融からあった。

3点について述べる。第1に,ダムのようなプロジェクトが実施される前に,1995年のメコン合意書(注6)に基づいて,政府間の公式な協議がなされる。その前に情報は供給されるが,完全情報が開発側から提供されて,メコン河委員会MRC(注1)が検討するのは,2009年早々で,これでもって正式な政府間のプロセスが行われるはずだ。

第2に,9月の地域協議会で参加者がメコン河委員会MRC(注1)の早い行動を要請したが,それは,いろいろな形の違う影響を考えて流域全体としての調査が行われるよう,戦略的で蓄積された調査研究を急ぐように,という意味と考えている。ここは,誠に官僚的な表現になっているが,どうも,個別の調査結果の報告を見て,メコン河委員会MRC(注1)は,流域としての全体的な視野に立つ,と言っているように見える。

第3に,コンサルタントはMRC(注1)の役割の重要性を知っている。それは,世界的に有名なグループと水辺環境専門家,対策の専門家を集めて,魚類の移動と将来のメコン河の魚類の生息量と地域住民の望む生活レベルを調査研究することを目的としているからである。会議の席上では同時に,世界の河川プロジェクトの経験が,引用されていた。

いずれにしても,MRC(注1)は,1995年のメコン合意書(注6)に基づいて水力開発を進めることが地域に便益をもたらすと考えており,その持続的開発を支援しながら,環境全般の問題について,積極的に行動して行く決意である。水力開発は,地域にとってまさしく絶好の機会であると同時に,危険な要素を含んでいる,と言うことは,周知の通りである。

MRC(注1)事務局は,メコン河委員会(注7)の指導を受けながら,水力開発の機会と危険を常に分析してきたところである。スタンカン氏のダムの間違い(注5)が指摘した問題は貴重であり,ここのダムプロジェクトを進めるべきかどうかの決定に対して責任を持つ各政府に,問題tんを明らかにすよう,MRC(注1)事務局は,努めているのである。

バード事務局長(注3)は,いつでもMRC(注1)にコンタクトしてくれ,と結んでいるが,誠に官僚的な回答で,1995年のメコン合意書(注6)とメコン河委員会(注7),即ち加盟国政府代表の意志決定を前提に語っている。まあ自分たちを単なる技術者グループと位置づけたわけで,プロジェクトを実施するならMRC(注1)に持ち込んでくれ,情報が十分の段階で検討の上,各国政府に伝える,受動的である。

(注) (1) Mekong River Cimmission,(2) http://my.reset.jp/~adachihayao/index080926,(3) Jeremy Bird CEO, MRC Secretariat,(4) Phnom Penh Post,(5) "Dam Wrong" by Mr Stan Khan,(6) 1995 Mekong Agreement,(7) MRC Council,(8)

●インド,イランからのガスパイプライン,パキスタンで攻撃の可能性

インドのガスパイプラインへの挑戦,と題して,2008年11月25日付本HP(注9)で,トルコが,イスラエル経由で原油を送る案や,ラメッシュ副大臣が,ミャンマー西部を旅して,このミャンマー西部ルートへの関心を示すなど,大いに盛り上がったのは,僅か10日前であった。その間にも,イランからパキスタン経由のガスパイプラインは,相当に煮詰まったようだが,ムンバイのテロで状況は一変したようだ。

インド中央政府の閣議の模様が,漏れ伝わって来る。74億ドル,イラン - パキスタン - インド ガスパイプラインIPI(注10)は,先週のムンバイテロ事件でパキスタンの関わりが疑われ,インドが安全性に疑問を持って,棚上げの様相である。閣議に出席した閣僚から漏れてきた。関係3国の代表によるIPI(注10)に関する協議は,まもなく始まるはずであった。

ムンバイのテロの直前,デオラ石油相(注11)は,IPI(注10)に関して,送ガス費用,切り替え費用,受け取り場所,ガス価格などの懸案事項を,イランとパキスタンを入れて協議する,と語っていた。しかし,テロの後,その雰囲気は一度に消し飛んだ。イランは,最近,ガス遮断の事態が起こった場合の法的規制なども提案していた。戦争条項を罰則から除くなどの件であった。

今,トルコは,セイハン(注12),紅海(注13)を通るパイプラインを申し出ている。既に,バク-トビシリ- イハンのパイプライン(注14)は運転しており,カスピ海(注15)周辺とロシアからの原油とガスは送られている。トルコの申し出によると,原油はイスラエルのエイラット港(注16)から,紅海(注13)を経て海路,インドへ送られる。IPI(注10)の実現は,甚だ困難な情勢だし,米国との関係もある,渡りに船か。

(注) (9) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081125.htm,(10) pipeline between Iran-Pakistan-India (IPI),(11) petroleum minister Murli Deora,(12) Ceyhan,(13) Red Sea,(14) Baku-Tbilisi-Ceyhan pipeline,(15) Caspian region,(16) Eilat port,(17)

●インドネシア,タイ企業がインドネシアの石炭火力に関心

タイのEGATインターナショナル(注17)が,インドネシア,スマトラのジャンビ県(注18)を訪問し,その石炭資源に目を付けた,という記事は,2008年11月29日付本HP(注19)で見たとおりである。現地の調査によると,ジャンビ県(注18)の石炭埋蔵量は,高度の質を誇る22億トンとされている。EGATインター(注17)は,調査の結果が良ければ,現地での発電所建設も視野に入れている,と報告されている。

EGATは手っ取り早い,インドネシから既にジャンビの代表団をタイに受け入れていたのだ。この記事は,その代表団がインドネシアへ帰国して,書かれた記事である。EGATインターナショナル(注17)と国内鉱山企業(注20)は合弁で,石炭火力をジャンビ県(注18)に建設する意向,と伝えたのは,インドネシア代表団のヌルディン知事(注21)である。石炭火力の出力は,500MWで,タイはまもなく調査に入る,と伝えている。

ヌルディン知事(注21)によると,先週のタイ訪問で,タイの鉱業相と会い,タイの環境に配慮したランパン石炭火力(注22)を見せられたという。ヌルディン知事(注21)は驚きの表情で,EGATインターナショナル(注17)が初めて造ったランパン石炭火力(注22)は,バンコクから僅か2時間,1万ヘクタールの土地に,4,180MWという最大規模の石炭火力発電所を運転している,と報じた。

ヌルディン知事(注21)は,タイの2つの投資企業は,必要な手続きの後,直ちにジャンビ県(注18)の数カ所で調査活動を行うと。タイ側は,低カロリーの石炭を使うと言っている。ヌルディン知事(注21)は慎重に,まだ正式の協定を結ぶべき要請は受け取っていないが,出来れば,30年分に匹敵する余剰石炭を供給できるだろう,と語っている。また,ジャンビ県(注18)の各地区の了解は取っていないと。

ジャンビ県地方政府の了解前だが,電力はPLN(注23)が引き取り手であることを伝えたと。問題点を認識するために,内閣のシララヒ長官(注24)に,ユドヨノ大統領(注25)との面会を要請していると。ジャンビ県のスディルマン法務次官(注26)は,どの様に環境に優しい発電所を造るか,よい勉強になった,と言っている。

このランパン石炭火力(注22)というのは,タイのEGATが住民の反対に遭いながら苦労して建設した発電所で,確か,三菱重工がその機器の設計据え付けに当たったと記憶している。まさに,インドネシアの中国の石炭火力との違いが出てくるよい機会かも知れないが,EGATが,確実に日本の石炭火力への技術継承をやってくれるかどうか,その当たりがポイントだろう。

(注) (17) Egat International Co (Egat Inter),(18) Janbi province,(19) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081129A.htm,(20) Intermining and Energy Co. Ltd,(21) Jambi Governor Zulkifli Nurdin,(22) a eco-friendly coal-fired plant in Lampang,(23) Indonesian state power company PLN,(24) Cabinet Secretary Sudi Silalahi ,(25) President Soesilo Bambang Yudhoyono,(26) head of legal and organizational affairs at the Jambi provincial secretariat, Sudirman,(27)

●インドネシア,エクソン,チェプブロックの生産開始で,楽観的

インドネシアの東ジャワ,原油ガス田,チェプブロック(注27)については,昨日,2008年12月3日付本HP(注28)で報じたように,国会議員達は,東ジャワ,ボジョネゴロ(注29)のチェプブロック(注27)の原油ガス探査の遅れに重大な関心を持って,バトウガナ議員(注30)は,現場を視察したが,約束通りに工事は進んでいない,とこの火曜日の,エネルギー鉱物資源に関するヒアリングの席上で発言している。

MCL(注31)のエクソンインドネシアのラッチマン報道担当(注32)は,国会でのヒアリングを踏まえて,大丈夫だ,と強く遅れを否定,水曜日,記者団を前に,「まだ取得できていないボジョネゴロ(注29)の250ヘクタールの土地は,この,2008年12月10日までの生産開始には,支障ない。今,MCL(注31)は,プルタミナ(注33)や関係政府機関と協力して,期限に間に合うよう頑張っているところだ。」,と胸を張った。

火曜日の国会委員会(注34)では,土地取得の問題で,2008年12月10日生産開始が遅れる,と委員達の間で議論があったところだが,この場で,MCLのママン副社長(注35)は,「最初の生産は日量1,000バレルを下回るが,来年,2009年3月には,日量3万バレルに達する。」,と答えている。また,「2010年に日量10万バレル,2012年に日量16万5,000バレル,この目標は守り,全国の15%に達してみせる。」,と。

2001年に発見されたこのチェプブロック(注27)は,2億5,000万バレルの包蔵がある,と期待されている。しかし,国会議員は,250ヘクタールの土地が取得できていないことから,目標に疑問を持っていた。ボジョネゴロ(注29)のスヨト地区代表(注36)は記者に対して,我々はいつでも協力する,と言っているが,土地の下の石油がある,と知った住民は,土地の値段をつり上げている。

最初の,2008年12月10日に生産に必要な土地,20ヘクタールでさへも,まだ借地の状態で,MCL(注31)は,250ヘクタールの土地に,108億ルピー,約87万ドル相当,を用意している。委員会次席のスタン議員(注37)は,地方政府が仲介に入っての早期の解決に同意している。とにかく,先細りして行く原油の先行きについて,国会は重大な関心を持っており,これからも,国会による外国企業への監視は強まるだろうと思われる。

(注) (27) Cepu block,(28) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081203B.htm,(29) Bojonegoro,(30) Sutan Bhatoegana, the deputy head of House's Commission VII,(31) PT Mobil Cepu Ltd. (MCL), the subsidiary of energy giant ExxonMobil,(32) Exxon Indonesia spokesperson Deva Rachman,(33) PT Pertamina,(34) House commission VII, which oversees energy and mineral resources,(35) MCL vice president Maman Budiman,(36) Bojonegoro regent Suyoto,(37) Sutan Bhatoegana, the deputy head of House Commission VII,(38)

Reference

Pakistan

●081204A Pakistan, pakobserver
126億ドル,ディアマバシャダム,10企業が事前適格
$ 12.6b Diamer-Bhasha dam
http://pakobserver.net/200812/04/news/topstories05.asp

Laos

●081204B Mekong, phnompenhpost
メコン河委員会のダムに対する見解について
Dam wrong about Mekong River Commission's role
http://www.phnompenhpost.com/index.php/2008120322988/National-news/Dam-wrong-about-Mekong-River-Commission-s-role.html

India

●081204C India, Economic Times
イランからのガスパイプライン,パキスタンで攻撃の可能性
Attack likely to blow up IPI pipeline plan
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Attack_likely_to_blow_up_IPI_pipeline_plan/articleshow/3790092.cms

Indonesia

●081204D Indonesia, The Jakarta Post
タイ企業,インドネシアの石炭火力に関心
Thai investors eye coal-fired power plant
http://www.thejakartapost.com/news/2008/12/04/thai-investors-eye-coalfired-power-plant.html
●081204E Indonesia, The Jakarta Post
エクソン,チェプブロックの生産開始で,楽観的
Exxon upbeat on Cepu production schedule
http://www.thejakartapost.com/news/2008/12/04/exxon-upbeat-cepu-production-schedule.html

2008年12月4日木曜日

ベトナムの電力改革は迷走

HPは下記ドメインです。写真地図など見て下さい。
中南米のエネルギー最前線で,石炭火力について,更新
アフリカのエネルギー最前線で,ザンビアのダムを,更新
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm

ポーランドで開かれているCOP14,国連気候変動枠組み条約第14回締約国会議について,余り詳しいニュースが流れてこないが,時事通信は日本政府が苦境に立っている,と短い記事を載せている。不評の一因は,日本代表が,「2050年までに世界全体の温室効果ガス半減」との長期目標について,政府代表が12月2日の会議で,「拘束力はない」,と発言したためらしい。途上国への配慮が仇眼に。

米中戦略経済対話が北京で,2008年12月4日に開幕した。ポールソン米財務長官と王岐山中国副首相を共同議長としている。これに関連して,中国の中国投資公司CICの動きに注目が集まっている。「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」を見ると,外貨準備高から2,000億ドル(20兆円)もの巨費をまわして,国富ファンドとして設立,今回の世界金融危機回避への何らかの貢献が期待されていた。

しかし,現在中国国内では,CICに対する国民の不満が高まっているという。欧米ファンドへの出資の結果が,今回の金融危機で大きな損害をもたらした,その責任をどうとる,と言うことらしい。宮崎正弘さんによると,CICの楼継偉会長が演説し,「もう我々は西側の金融機関へ投資しない」,と言明したと言うのである。かって日本は,郵貯400兆円でアジア開発を,なんて頑張っていたのは,つい数年前であった。

さてベトナムだが,何度もその電力不足と不合理な電気料金体系で,改革の必要が叫ばれてきた最近であったが,ベトナムの産業通商省が首相に対して,改革の案を提案したという。記者が書いた記事は,一体何を改革しようとしているのか,よく分からないが,いずれにしても不合理な電気料金体系に,大いに悩んで居ることが,手に取るように分かる。

提案の内容は,海外のコンサルタントに委託し,世界銀行(注5)とADB(注6)の協力を得たいという。それでは,何も出来ていないのかというとそうでもなく,電力料金の決定方式として,原価方式プール市場CBP(注7)といっている。要するに,欧米やフィリッピンなどで実際に進んでいる方式とは一線を画す意志が,言葉の節々に現れている。

記事は解説している。このCBP(注7)というのは,30MW以上の規模でBOT(注8)を除く発電所は,市場の中で入札価格を提出する。ここから分かりにくいが,発電ユニットは,電力販売について,ただ一つの購買者と契約にサインする,と言うのである。この辺りは,カリフォルニアやフィリッピンで混乱を招いているプール市場とは一線を画したい意図が見られるが,言っていることがよく分からない。

私の理解としては,改革のためにコンサルタントを雇う,中央給電司令所(注9)をそのカウンターパートにする,原則はCBP(注7)方式で,一般のプール市場のような不安定なものにはしない,と言うこと,だと思う。IPPから高く買ってEVNが安く売らなければならない矛盾の解決がまず先決だと思うが,彼等も,何らかの形で,競争システムを導入しなければ,という思いがあるようだ。

(注) (1) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081007A.htm,(2) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081010A.htm,(3) Minister of Industry and Trade,(4) Minister of Industry and Trade Vu Huy Hoang,(5) World Bank,(6) Asian Development Bank (ADB),(7) cost-based pool scheme (CBP) for electricity pricing,(8) BOT (build-operation-transfer),(9) National Load Dispatch Centre,(10)

本文

●ベトナム通産省,電気料金システム競争原理導入を提案

ベトナムの電気料金問題が重要な話題になっていることは,2008年10月7日付本HP(注1)にあるとおり,経済専門家が,ベトナムの電気料金の矛盾を論じている。また,2008年10月10日付本HP(注2)では,産業通商省(注3)が,2009年にも,20%の電気料金値上げを発表している。大体KWh当たり5セントだから徹底的に安い,インフレ懸念で挙げられない,IPP買い取りにも矛盾が出てきている。

遂に,ブフイホアン産業通商大臣(注4)が,首相に対して,改革案を提出した。これがまたよく分からないのだが,提案の内容は,ベトナムにも競争的な電力市場を創設するという。そうして,改革の要点は3点だという。産業通商省(注3)が言うには,完全に研究した結果で,それは,電力市場を創設し,法律的な枠組みの整備を行う,と言う内容のようだ。

その作業に当たっては,海外のコンサルタントに委託し,世界銀行(注5)とADB(注6)の協力を得たいという。それでは,何も出来ていないのかというとそうでもなく,電力料金の決定方式として,原価方式プール市場CBP(注7)といっている。要するに,欧米やフィリッピンなどで実際に進んでいる方式とは一線を画す意志が,言葉の節々に現れている。

記事は解説している。このCBP(注7)というのは,30MW以上の規模でBOT(注8)を除く発電所は,市場の中で入札価格を提出する。ここから分かりにくいが,発電ユニットは,電力販売について,ただ一つの購買者と契約にサインする,と言うのである。この辺りは,カリフォルニアやフィリッピンで混乱を招いているプール市場とは一線を画したい意図が見られるが,言っていることがよく分からない。

発電所というものは,その形態,火力発電,水力発電,多目的ダム水力発電,BOT発電所,などによって投資の方法が異なる。だから,それぞれが違った原則で,また違った上限や下限の価格を申し出る,こうすることによって,市場の中での急激な上昇を避けることが出来る,と言うのである。産業通商省MOIT(注3)の幹部は,このCBP(注7)方式が,最適な方法だ,と言っている。

このCBP(注7)方式だと,電力の安定を保ち,想定外の電気料金高騰を避け,更に投資企業のリスクを最少にする,と言っている。改革の三つの計画,これがよく分からないのだが,競争的な電力市場とCBP(注7)方式に適合させることができる。この三つの計画,と言っているのは,火力,水力,多目的水力,を言っているのだろうか。BOTをはずすと,意味がなくなるように思うが。

産業通商省MOIT(注3)は,中央給電司令所(注9)を,産業通商省MOIT(注3)に提言する立場に立たせる,と考えている。それは,電力供給の安全と効率と安定を確保するための問題についてだ,としている。中央給電司令所(注9)は情報を産業通商省MOIT(注3)に提供して,政府へ提出するための電力販売に関する計画策定に寄与させる。

また中央給電司令所(注9)は,地方や都市に於ける電力開発計画を審査する機能も持たせる,と考えている。新聞記者が書いたのであろうから,何を言っているのかさっぱり分からないが,私の理解としては,改革のためにコンサルタントを雇う,中央給電司令所(注9)をそのカウンターパートにする,原則はCBP(注7)方式で,一般のプール市場のような不安定なものにはしない,と言うこと。そんなこと出来るかな。

(注) (1) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081007A.htm,(2) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081010A.htm,(3) Minister of Industry and Trade,(4) Minister of Industry and Trade Vu Huy Hoang,(5) World Bank,(6) Asian Development Bank (ADB),(7) cost-based pool scheme (CBP) for electricity pricing,(8) BOT (build-operation-transfer),(9) National Load Dispatch Centre,(10)

●インドネシア国会,セプの原油ガス探査に疑問

原油生産が下降線に入ったと言われ,世界の原油の先行きを暗示しているとされるインドネシアの原油であるが,インドネシア国会が神経質になり,高い関心を持っている。2008年9月10日付本HP(注10)でも報告したとおり,インドネシア国会は,「なぜ外資系企業の生産実績が落ちているのか,と言う一点である。よく言われる,生産ピークが過ぎてしまったインドネシアの原油について,国会は連日緊張したやりとりが続いている。」

国会議員達は,東ジャワ,ボジョネゴロ(注11)のチェプブロック(注12)の原油ガス探査の遅れに重大な関心を持っている。運用企業は,未だに250ヘクタールの土地の取得を終えていない。バトウガナ議員(注13)は,現場を視察したが,約束通りに工事は進んでいない,とこの火曜日の,エネルギー鉱物資源に関するヒアリングの席上で発言している。

モービルMCL(注14)が,大規模な原油ガス田チェプブロック(注12)の運転企業であるが,プルタミナ(注15)も50%の関心参加を行っている。インドネシア政府も大きな関心を寄せている。それは,チェプブロック(注12)が,全国生産量の15%にあたる日16万バレルの生産が可能と推定されており,先細りする原油生産に,大きく貢献するものと期待しているからである。

2年後に生産ピークを迎えるものと想定されているが,現段階に於いて,生産はまだ開始されていない。モービルMCL(注14)は,遅れの一つの原因は,地元住民が土地売却に応じないため,と説明している。ムナウイル議員(注16)は,地元住民が拒否している理由は,土地の提示価格が安いためである,と言っている。提示価格は平方m当たり75,000~80,000ルピーで,ある場所では,60,000ルピーに下げている,と。

キエマス議員(注17)もこれに同調し,提示価格は不当に安い,と言っている。モービルMCL(注14)のブディマン副社長(注18)は,国会ヒアリングの席で,提示価格は,原油ガスの上流調整者BPミガス(注19)によって承認されたものだ,と説明し,提示価格を上げることはには口をつぐんだ。地元ボジョネゴロ(注11)出身のスヨト議員(注20)は,調整する,と語ったが,その方法については明らかにしていない。

このチェプブロック(注12)は,2001年3月に発見され,2億5,000万バレルを包蔵していると考えられている。このチェプブロック(注12)は,既に入手されている地区から生産を始め,2009年3月には,日量2万バレルの生産を行うと期待されている。とにかく,先細りして行く原油の先行きについて,国会は重大な関心を持っており,これからも,国会による外国企業への監視は強まるだろうと思われる。

(注) (10) http://my.reset.jp/~adachihayao/index3news0809.htm,080910D,(11) Bojonegoro,(12) Cepu block,(13) Sutan Bhatoegana, the deputy head of House's Commission VII,(14) Mobil Cepu Ltd. (MCL), a local subsidiary of United States energy giant ExxonMobil,(15) State oil and gas company PT Pertamina,(16) Wahyudin Munawir of Prosperous and Justice Party (PKS),(17) Nazaruddin Kiemas,(18) MCL vice president Maman Budiman,(19) upstream oil and gas regulator BPMigas,(20) Bojonegoro regent Suyoto,(21)

Reference

Vietnam

●081203A Vietnam,english.vietnamnet
ベトナム通産省,電気料金システム競争原理導入を提案
CBP scheme to be applied for electricity pricing
http://english.vietnamnet.vn/biz/2008/12/816526/

Indonesia

●081203B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシア国会,セプの原油ガス探査に疑問
Exploration schedules in Cepu put into doubt
http://www.thejakartapost.com/news/2008/12/03/exploration-schedules-cepu-put-doubt.html

2008年12月3日水曜日

比のロペスが国産資源開発へシフト

HPは下記ドメインです。写真地図など見て下さい。
中南米のエネルギー最前線で,石炭火力について
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm

タイのソムチャイ政権が即日崩壊,ここまでは読み通りだけれど,次の内閣の形が見えてこないので,まだまだ政情不安,国際空港が動き始めるまでには2週間はかかるという。それにしても,タイの人々は,空港というよいターゲットを発見したものだ。今までは政府建物の回りで,海外には影響がなかったが,空港は全世界に衝撃を与えた。また空港に来るよ,と言っているそうだが,今度は空港では,大事件になるだろう。

日本政府の中で,財政規律か景気対策か,で与党が分裂しそうな雰囲気にあるが,この国の赤字,500兆円に上ると言うけれど,はっきり言ってどういう意味を持つのか,いつも素人なりに考えてしまう。彼方此方で解説しているのは,家の家計と一緒だ,と言うけれど,どこか違うような気がする。放送大学の石学長の話を聞いていたら,彼も違うと言っていた。国民が国債を買ってくれる,何処まで行くか,の問題か。

石学長は,「家庭と違うのは,国は貨幣を印刷できますから」,ほんの一言,言ってすました顔で次の話題に移っている。肝心の所を聞かせてくれない。私は,放っておいてもよいのじゃないか,と言う気がしているわけ。少なくとも日本国民は国債を売らないだろう,と仮定すると,海外さへしっかりしておけばよい。おそらく,信用を失ってしまうどこかに限界があるのだろうけれど,それはかなり遙か向こうではなかろうか。

フィリッピンは日本と同じように,国産資源に恵まれない国だ。シンガポールや香港や日本は,資源がない状態である程度生きる道を見つけ出した感じだが,フィリッピンはいつまでも,生きる道が見つからない。外国への出稼ぎも,そんなに大きな手段ではなかろう。今度の世界的な原油高騰で,莫大な輸入のための損失を積み重ねて,もう国産エネルギーでなくては駄目だ,と叫び始めた。

そこに乗っているのが,地球温暖化と絡む,国産の再生可能エネルギー(注9),と言う概念である。国内資源,という言い方は,我々も昭和40年終わりの石油危機のときによく使った。今度はそれの上に,再生可能エネルギー,と言う天下に通用する枕詞がつく。フィリッピンは大いばりで,ASEAN諸国に先駆けて,再生可能エネルギー法案を通過させた。

ロペス財閥,というのはフィリッピンでは有名な財閥で,特に電気事業で頭角を現している。一時,ロペスの保有するEDC(注5)など,資金不足に陥ったとの情報もあったが,先日,世界銀行のIFC(注6)から41億ペソのローンを獲得し,更に今日は,少し事情がよく分からないが,5億ドル相当の金繰りがついて,系列のファーストジェン(注1)のロペス社長(注12)が勢いに乗ってしまった。

更にロペス社長(注12)は続ける。サンタリタガス発電所(注10)の再資金調達は,将来への基礎を築くもので,当社の資産の基盤となり,他の個別の資産よりはより強力なものとなるであろう,と。私には,もう少しサンタリタガス発電所(注10)の補助金の関係など,よく理解できないところがあるが,ロペス社長(注12)の怪気炎だけは感じることが出来る。そこまで本心から,再生可能エネルギーにのめり込んで居るのであろうか。

フィリッピンの国産資源は,いろいろ言われているけれども,私に言わせれば,地熱発電と水力発電しかないように思う。そう言う意味で,今度,ファーストジェン(注1)が水力発電所を手に入れて,勢いづいている。日本の丸紅もこのロペスの再生可能エネルギーに乗るような記事もあったが,丸紅側はまだ何も発表していない。本当にロペスは国産エネルギーやるならば,ルソン北の水力に手を付けるべきだ。

(注) (1) Lopez-controlled First Gen Corporation,(2) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081127A.htm,(3) Sen. Edgardo Angara,(4) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081126A.htm,(5) Lopez-controlled Energy Development Corp. (formerly PNOC-EDC) ,(6) International Finance Corp,(7) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081024A.htm,(8) Japanese conglomerate Marubeni Corp,(9) indigenous and clean energy,(10) Sta. Rita natural gas fired power facility,(11) First Gas,(12) First Gen president and chief executive officer Federico R. Lopez,(13) Bank of Tokyo-Mitsubishi senior vice president Colin Chen,(14)

本文

●フィリッピンのファーストジェン,クリーンエネルギー挑戦

フィリッピンが遮二無に,再生可能エネルギー,国産エネルギーに向かう中,ロペス財閥支配下にあるファーストジェン(注1)が,これに乗って走り始めた。2008年11月27日付本HP(注2)では,再生可能エネルギー法成立を主導したアンガラ上院議員(注3)の演説が引用された。少なくとも,東南アジアの中では突出した行動で,国産エネルギーへのこだわりがこうさせた,とも言えるので,資源を持たない国の焦りともとれる。

また,2008年11月26日付本HP(注4)では,ファーストジェン(注1)の関連会社であるEDC(注5)が,世界銀行のIFC(注6)から41億ペソのローンを獲得し,従来の関係を強化した。また,2008年10月24日付本HP(注7)では,丸紅(注注8)が,ロペス財団の保有するファーストジェン(注19)の株式40%獲得を真剣に考えているようだとしている。まさに,国産エネルギー開発を主目的に,内外の企業が走り始めた。

今日の記事,ロペス財閥が支配するファーストジェン(注1)は,国際クリーンエネルギー(注9)によって,発電設備を増強する投資の牙城を築こうとしている。記者会見で,ファーストジェン(注1)は,国策に沿って,その戦略的ゴールを目指す基盤を構築する,と明言した。特に,1,000MW,サンタリタガス発電所(注10)のファーストガス(注11)の補助金関連,12銀行による544百万ドル調達による成長への補強がなされた,と。

ファーストジェン(注1)のロペス社長(注12)は,この金融危機の嵐の中でも,この過程を通じての再融資に誠実に対応する,としている。難局だからこそ,叫ぶよりも行動で示すことが,困難だろうと言っている人たちへの答えになる,と言うのである。東京三菱銀行のチェン副社長(注13)も,銀行は融資をとどめると思っている人が多いいが,そうとばかりは言えない,とバックアップしている。

チェン副社長(注13)は,スポンサーが優れ,経済的合理性があるような資金調達は,今回のように,多くの銀行を惹き付けるものだ,と言っている。ロペス社長(注12)は,このような厳しい取引を経て,ファーストジェン(注1)は,他の挑戦に挑む準備をしているが,これは即ち,需要家に尽くす道だと思っている,と言っている。クリーンで再生可能な資源を探し求めることが,将来の社会への貢献になると信じている,と。

更にロペス社長(注12)は続ける。サンタリタガス発電所(注10)の再資金調達は,将来への基礎を築くもので,当社の資産の基盤となり,他の個別の資産よりはより強力なものとなるであろう,と。私には,もう少しサンタリタガス発電所(注10)の補助金の関係など,よく理解できないところがあるが,ロペス社長(注12)の怪気炎だけは感じることが出来る。そこまで本心から,再生可能エネルギーにのめり込んで居るのであろうか。

(注) (1) Lopez-controlled First Gen Corporation,(2) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081127A.htm,(3) Sen. Edgardo Angara,(4) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081126A.htm,(5) Lopez-controlled Energy Development Corp. (formerly PNOC-EDC) ,(6) International Finance Corp,(7) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081024A.htm,(8) Japanese conglomerate Marubeni Corp,(9) indigenous and clean energy,(10) Sta. Rita natural gas fired power facility,(11) First Gas,(12) First Gen president and chief executive officer Federico R. Lopez,(13) Bank of Tokyo-Mitsubishi senior vice president Colin Chen,(14)

●中国の外務部長がネパールへ,道路や水力など

ネパールのプラチャンダー首相(注14)が,就任早々,インドを訪問する前に北京に行ったことは記憶に新しい。そうして,最近は,インドのムケルジ外相(注15)が,一週間前にカトマンズ(注16)を訪問したばかりである。タイミングを逃さず,中国のヤン外相(注17)が,この火曜日,10人のスタッフを引き連れて,3日間の予定で,カトマンズ(注16)を訪問を訪問する。相手はヤダブ外相(注18)になる。中国外相は5年ぶりである。

ヤン外相(注17)は,滞在中,プラチャンダー首相(注14),ヤダブ大統領(注19)と会談する予定である。ネパール側のプラダン報道官(注20)によると,会談の主題は,和平プロセスと二国間協力で,来年,2009年早々と考えられているプラチャンダー首相(注14)訪中の,基礎となるものである。中国使節団は,ドルバル広場(注21)を訪ねたり,ヤダブ外相(注18)主宰の晩餐会にも出席する。

協力プロジェクトは,カトマンズ北部の陸港(注22)やパンカル特別経済圏(注23)構築も含まれる。プラダン報道官(注20)によると,中国の無償資金は,毎年80億ルピーの見込みである。最近では,16kmのシャブルベシ - ラスワガディ間道路建設(注24),カトマンズから中国国境までの光ケーブル敷設,病院援助,などに使用されている。今後,自然保護庁舎建設(注25)やアユリベディック研究所(注26)が合意されている。

電力では,中国輸出入銀行(注27)からの2億ドルが,60MW,アッパートリシュリ第3水力(注28)が軌道に乗っており,その他,送電線建設や,カトマンズ市内のフライオーバー,などが討議の俎上に上がっている。カトマンズ峡谷の外輪線道路(注29)については,ネパール側からは要請しているが,可能性調査の結果では,中国側は消極的である,と言われている。

(注) (14) Prime Minister Pushpa Kamal Dahal,(15) Indian Minister for External Affairs Pranab Mukherjee,(16) Kathmandu,(17) Chinese Foreign Minister Yang Jiechi,(18) Upendra Yadav,(19) President Dr. Ram Baran Yadav,(20) Suresh Pradhan, spokesman for the Ministry of Foreign Affairs,(21) Kathmandu Durbar Square,(22) a dry port north of Kathmandu,(23) a special economic zone in Panchkhal of Kavre district,(24) the 16-kilometre Syabrubesi-Rasuwagadhi highway,(25) National Trust for Nature Conservation,(26) Ayurvedic research centre in Kathmandu,(27) Export Import Bank of China,(28) Upper Trishuli III hydropower project,(29) Outer Ring Road in the Kathmandu valley,(30)

●インド,大規模火力UMPP,ティライヤ,入札,12月29日に延期

インドの大規模火力建設UMPP(注30)については,全国11地点で計画が進んでいるが,2地点が資金調達を終わった段階で,他の地点についてはまだ目処がついていない。ADBは,規模が大きすぎて資金調達困難,2,000MWクラスに縮小すべき,と提言を行っている。この第3の地点,ジャルカンド(注31)のティライヤ(注32)プロジェクトについては,今も難航している。

企業主(注34)であるPFC(注33)は,今回で5回目となる入札延期を発表した。次の予定は,2008年12月29日となった。これは,入札参加予定の企業が,世界的な金融危機のため,資金調達困難と表明したためである。また,入札候補企業は,同時に,石炭供給の問題の解明を求めている。延期した間に,石炭供給鉄道ネットワークの設定も行う,としている。メリーゴーラインドシステム(注35)が焦点になっている。

入札参加予定の9つの企業の中には,タタ電力(注36),NTPC(注37),リライアンス(注38),L&T(注39),スターライト(注40)が入っている。エネルギー省高官筋は,3つの企業は入札可能と言っているが,他の企業は延期を希望した,としている。最初の計画では,このティライヤ(注32)プロジェクトは,2007年7月に入札されることになっていた。このときは,サイトについて,水などの問題があった。

ティライヤ(注32)プロジェクトは,総額1,600億~1,800億ルピーと見られており,負債資本の割合を70対30と見ても,莫大な資本の準備が必要である。政府は,この資金調達について,外国資金の規制緩和を考慮しており,更に,5億ドルについて,対等に調達できるよう,現在検討中である。世界の金融危機は,NHPCの上場を延期し,更にこの大規模石炭火力にも遅れをもたらしている。

(注) (30) ultra mega power projects (UMPP),,(31) Jharkhand,(32) Tilaiya project,(33) Power Finance Corporation (PFC),(34) nodal agency,(35) merry-go-round system,(36) Tata Power,(37) NTPC,(38) Reliance Power,(39) L&T,(40) Sterlite Industries,(41)

Reference

Philippines

●081202A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのファーストジェン,クリーンエネルギーへ
First Gen reinforces investment thrust to include clean energy
http://www.mb.com.ph/BSNS20081202142521.html

Nepal

●081202B Nepal, kantipuronline
中国の外務部長がネパールへ,道路や水力など
Chinese FM arriving
http://www.kantipuronline.com/kolnews.php?&nid=168802

India

●081202C India, Economic Times
大規模火力UMPP,ティライヤ,入札,12月29日に延期
Tilaiya UMPP bids deferred till Dec 29
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Tilaiya_UMPP_bids_deferred_till_Dec_29/articleshow/3781944.cms

2008年12月2日火曜日

インド北部の水力二つ前進へ

HPは下記ドメインです。写真地図など見て下さい。
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タイのバンコク空港騒乱,12月4日のブミポン国王の演説,インドとパキスタンの関係悪化,ライス国務長官の12月3日のインパキ訪問,とアジアのエネルギー最前線でも,関心の高いところだが,このところの原油価格の下落の影響が,彼方此方に響いてくる。バレル50ドルを切ってくる場面も出てきている。人類はこれまでに1兆バレルを消費し,残りは1.2379兆バレルという,生産ピークが近づいているという観測もあるが。

昨夜のNHKの中東の番組,JBICの前田さんが大活躍をしていたが,NHK,少し遅かったのではないか,と心配して上げる。今年,2008年5月頃,日本のジェネコンの人は,アダチさん,あなたなど相手にしておれませんよ,中東が忙しくて。1000億のプロジェクトなど,中東にはごろごろしているのだから,と日本企業の中東への動員が最盛期にあった,あのころのNHKならよいタイミングだったのだが。

経済産業省が今年,2008年11月末に,東京で予定していたSWFなどと日本企業との商談会,「アブダビ投資セミナー」,が中止になったと報ぜられている。1兆ドルを動かしていた中東の公的ファンドに,明らかに異変が起きている。それは,原油価格暴落と米国やアジアの株式市場の下落が,中東ファンドを襲っている,と書かれている。IEAは,2030年,原油バレル200ドルを予想しているが,問題はこの2~3年だ。

結局,日本企業がが一斉にある方向に向かってシフトするから,その前提が崩れたときの揺り戻しの影響は大きい。絶対に中東は伸びる,と言う方向性は間違いないかも知れないが,アジアと中東では事情が大きく異なる。原油を除くと,中東は裸になる可能性がある。2兆バレルのうち,もう半分の1兆バレルを使ってしまったのだから。雅子さんの論文,池まで半分が蓮で埋まった,全部が埋まるのはいつですか,の問いかけと同じだ。

パキスタンが一生懸命,西に動いていた軍隊を,今懸命に東に移動させているという。そのような右往左往している間に積み重なる負債は大きい。日本企業のエネルギーシフトは,当然各企業の作戦によるが,往々にして勢いに飲まれてしまう。中東だ,と社長が言うと,皆中東に行ってしまって,アジアが手薄になってしまう。中東の次はアジアのどこか,このエネルギー最前線を見ながら,じっくりと方針を練って頂きたい。

インドの北辺の水力は,何とか前に進んでいる。今日の記事は,国内企業のGVKの,ウッタルカンド(注4)のリシケシュ(注3)近く,アラカンダラ川(注7)上にある,360MW,アラカンダラ水力(注2)の順調な推移と,オランダの電力大手,ブラッケル(注25)の,ヒマッチャルプラデシュ州(注22)の400億ルピー,960MW規模,トーパン-ポワリ-ジャンギ水力(注23)が,2年の苦難あげく,署名にこぎ着けたニュースである。

アジアのエネルギー最前線で,焦点と思われるのは,東南アジア主要国で進む原子力,インドの米国との協力による原子力開発,それと組み合わせになるインド北辺,それはネパールもブータンもパキスタンも巻き込んでの,ヒマラヤ大規模水力開発作戦である。中東の見極めは難しいところだが,アジアへとって返す日本企業の連合部隊も,そろそろ船など,手配した方がよいのではないか。

(注) (1) GVK Power and Infrastructure,(2) Alaknanda hydro power project,(3) Rishikesh,(4) Uttarakhand,(5) Jegurupadu-II plant,(6) Gautami plant,(7) Alaknanda river,(8) Koteshwar dam,(9) Tehri dam,(10) GVKPIL CFO Issac George,(11) power purchase agreement,(12) Uttar Pradesh Power Corporation,(13) Bharat Heavy Electricals,(14) Andhra Pradesh,(15) Punjab,(16) Reliance Gas Corporation,(17) Jaipur,(18) Kishangarh,(19) Airports Company South Africa and Bidvest,(20) Mumbai International Airport (MIAL).,(21) Airports Authority of India,(22)

(注) (22) Himachal Pradesh,(23) Thopan-Powari-Jangi hydropower project,(24) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081116D.htm,(25) Dutch power major Brakel Corp,(26) Principal Power Secretary Ajay Mittal,(27) Kinnaur district,(28) pre-implementation agreement (PIA) ,(29) upfront premium,(30) Shimla,(31) Brakel’s top official in Shimla B.R. Gautam,(32) Dean Gesterkamp,(33) Anil Wahal,(34) Bharatiya Janata Party,(35)

本文

●インド企業GVKのアラクナンダ水力順調,繰り上げ

インドの有力なインフラディベロッパー,GVK電力(注1)は,ムンバイ空港などで有名な企業の一派であるが,発電企業としては,220MW,ジェグルパド第2(注5)と,464MW,ガウタミ(注6)の二つのガス発電所を持っている。2008年10月までガスが供給されなかった,という記事が残っているが,今はどうなっているのだろうか。ネパールの水力発電所建設も参画している。

現在,GVK電力(注1)が進めている206.7億ルピーの,ウッタルカンド(注4)のリシケシュ(注3)近く,アラカンダラ川(注7)上にあるアラカンダラ水力(注2)を建設中で,金融危機の中にも関わらず,予定を繰り上げて発電できる予定という。この地点は,地図で確認すると,ニューデリーから北北東180kmの地点にあり,立地は最高である。近くには,コテッシュバール(注8)やテリー(注9)のダム群がある。

GVK電力(注1)のジョージCFO(注10)によると,着工から15ヶ月経って,河川切り替えを終わったところだが,52ヶ月の予定を48ヶ月に切り上げて完成の見込みという。他の多くのプロジェクトが,金融危機の煽りを受けて資金調達難から,遅れが目立つ中,このアラカンダラ水力(注2)は,その影響を受けず,順調だという。GVK電力(注1)は,多国籍民間資本のコミットを受けているという。

ジョージCFO(注10)は,海外民間資本は,このアラカンダラ水力(注2)に関心を示して資金調達を続けると言っているが,今のところ,手持ちの資金で続行する見込みという。当初,14.2億ルピーを推進母体の資本として投入した。その後,11の内外の銀行から160億ルピーを調達,まだ40億ルピーを消費しただけである。

このGVK電力(注1)の進めるアラカンダラ水力(注2)は,出力330MWで4台の82.5MW機を有する。ウッタルカンド(注4)のリシケシュ(注3)から110kmの位置にある。電力購入契約PPA(注1)は,ウタルプラデッシュ電力公社UPPCL(注12)と2006年に結んでいる。資金調達は2007年8月に完了し,電気機器の調達は,既にBHEL(注13)と契約を結んでいる。

GVK電力(注1)は,発電所だけでなく多角経営に乗り出しており,都市インフラ,エネルギー,航空,病院,製造業などにも関心を寄せている。電力としてはこの他に,アンデラプラデシュ(注14)州やパンジャブ(注15)州の石炭火力開発も手がけている。216MW,ジェグルパド(注5)複合火力は,インド初めてのIPPで,投資額は102.5億ルピー,現在はリライアンス(注16)からのガス供給を待っているところである。

電力以外では,既に運用に入っているジャイプール(注17),キシャンガル(注18)間の道路を手がけた。また合弁で,GVKグループと空港企業南アフリカビッドベスト(注19)によるムンバイ国際空港プロジェクト(注20)の契約を勝ち取っており,このコンソーシアムが株式74%,インド空港会社(注21)が24%である。GVK電力(注1)の2008年度第2四半期の売り上げは,10.95億ルピーである。

(注) (1) GVK Power and Infrastructure,(2) Alaknanda hydro power project,(3) Rishikesh,(4) Uttarakhand,(5) Jegurupadu-II plant,(6) Gautami plant,(7) Alaknanda river,(8) Koteshwar dam,(9) Tehri dam,(10) GVKPIL CFO Issac George,(11) power purchase agreement,(12) Uttar Pradesh Power Corporation,(13) Bharat Heavy Electricals,(14) Andhra Pradesh,(15) Punjab,(16) Reliance Gas Corporation,(17) Jaipur,(18) Kishangarh,(19) Airports Company South Africa and Bidvest,(20) Mumbai International Airport (MIAL).,(21) Airports Authority of India,(22)

●インド,ヒマッチャルプラデシュ州,オランダ企業の水力建設を承認

ヒマッチャルプラデシュ州(注22)の400億ルピー規模,トーパン-ポワリ-ジャンギ水力(注23)については,2008年11月16日付本HP(注24)で,落札したはずのオランダ企業ブラッケル(注25)が,泥沼に,「紛争の原因はよく分からないが,ミッタル次官(注26))が資金力の面からの理由を付けて,ブラッケル社(注25)をプロジェクトから排除しようとしているところから発しているようだ。」,と書いている。

政府高官筋によると,紛争の後,ヒマッチャルプラデシュ州(注22)政府は,オランダ企業ブラッケル(注25)に2006年12月,発注した数億ドルの大規模水力の実効のために,予備実施合意書PIA(注28)に署名するため,呼び出しをかけた。PIA(注28)は,一般に,どのプロジェクトでも着工に先立って必要な手続きで,2~3日内に署名が行われる模様である。

ブラッケル(注25)は,インドの調停関連法に基づいて,PIA(注28)署名のときに,25%の予約金(注29)を払うことに同意している。この決定は,960MW,トーパン-ポワリ-ジャンギ水力(注23)が推進指示が出てから2年後になされたことになる。トーパン-ポワリ-ジャンギ水力(注23)は,州都シムラ(注30)から300kmのキナウル地区(注27)に位置する。総工事費は,600億ルピーである。

ブラッケル(注25)は,既に予約金(注29)の50%,17.3億ルピーを預けており,更に,遅れによる利子,利率11%で2.10億ルピーも支払っている。残りの予約金(注29)は,分割して,PIA(注28)署名のときと,プロジェクト完成の直前に支払われることになっている。このことを問われたブラッケル(注25)の現地責任者ガウタム氏(注31)は,2~3日内と言われている署名には,いつでも準備が出来ている,と語っている。

しかし現地責任者ガウタム氏(注31)は,まだ政府から正式な案内はないが,重役,ゲステルカンプ(注32)とワハール(注33)両取締役は,いつでも来れると言っている。また,完成は2017年を予定しており,約束より繰り上げになる。元々トーパン-ポワリ-ジャンギ水力(注23)は,国際入札で前の国会与党がブラッケル(注25)に決定したが,現与党,BJP(注34)によって,署名が遅らされてきたものである。

(注) (22) Himachal Pradesh,(23) Thopan-Powari-Jangi hydropower project,(24) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081116D.htm,(25) Dutch power major Brakel Corp,(26) Principal Power Secretary Ajay Mittal,(27) Kinnaur district,(28) pre-implementation agreement (PIA) ,(29) upfront premium,(30) Shimla,(31) Brakel’s top official in Shimla B.R. Gautam,(32) Dean Gesterkamp,(33) Anil Wahal,(34) Bharatiya Janata Party,(35)

Reference

India

●081201A India, sindhtoday
ヒマッチャルプラデシュ州,オランダ企業の水力建設を承認
Himachal Pradesh invites Brakel to sign power project agreement
http://www.sindhtoday.net/south-asia/40081.htm
●081201B India, Economic Times
インド企業GVKのアラクナンダ水力順調,繰り上げ
GVK Power’s hydro project to go on stream before schedule
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/GVK_Powers_hydro_project_to_go_on_stream_before_schedule/articleshow/3777108.cms

2008年12月1日月曜日

マニラのプール市場に混乱

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インドとパキスタンの間が緊張している。ムンバイのテロの後,パキスタンのザルダニ大統領は,インドのシン首相に直接電話をして信頼関係を維持しようとしたが,インドがパキスタンの情報関係の司令官をニューデリーに喚問しようとして緊張が走った。パキスタン側は,軍部がこれに抵抗し,司令官でなくて,次席をニューデリーに送ったようだ。パキスタンは,軍を西から東に移動させているという。

エネルギー最前線では,とにかく,インド,ネパール,パキスタンの共同作戦が欠かせない。今日の記事にもあるように,ネパールの静かな革命,王制から共和制に移行し,民主的な政策を進めるマオイスト政権の,経済発展を目指す必死の努力が続けられている。よくここまでコントロールできる,と感心しているが,首領のプラチャンダーが,元々武人でなくて農業の専門家である,このことが大きく役立っているのだろう。

今日は12月1日である。昨日も書いたが,タイの騒乱は12月3日から4日が山だと見ている。12月3日に,最高裁がタクシン派を政治的に不適格とする審判を出して,12月4日にブミポン国王がこれを追認して,総選挙に入るか,或いはすんなりと前回の第2党に政権を譲るのか,とにかく早く落ちついて欲しいが,警察は5人以上の集会を禁ずる命令を出した,これ以上混乱するなよ。

今朝の新聞にオイルサンドの話が出ていたのでメモしておいた。カナダの現在のオイルサンドからの石油生産は日140万バレルに達しているという。因みに日本の日当たり石油使用量は400万バレルである。今のところオイルサンドの埋蔵量は,1.7兆バレル,これとは別に,ベネズエラのオリノコ流域で1兆バレルの可能性,原油埋蔵量は残り1.2379兆バレル。でもオイルサンド生産の公害は,ひどいらしい。

さて今日のフィリッピンの記事。詳しいことはもう少し過去の事情を調べてみなければ分からないが,首都圏マニラの中心的な送電線,23万ボルト,スキャット-アラネタ線(注3)を,クリスマスの週に遮断するよう裁判所が執行令状を発した。どうも,今年,2008年10月4日頃に発生した事故の責任問題の調査のようで,電力セクターが,とんでもない,と反発している。

それは,送電線の突発事故によって生ずるWESM(注1)での,電力取引価格の急騰の問題が,2008年10月25日本HP(注4)で取り上げられ,その中で,WESM(注1)は現在10%の市場規模であるが,今後の増分はすべてWESMを通すことになるので,将来は大きくなる,と解説している。そこで問題になるのは,この前に,サンホセ開閉所(注7)のときに起こった,取引価格の高騰の問題を思い出すわけだ。

送電線事故によるプール市場の取引料金の高騰は,時によれば,記事にもあるように,天文学的な数字になる。我々もカリフォルニアで勉強してきた。アジアの先陣を切るフィリッピンではあるが,プール市場100%を目指すには,とにかくまず需給バランスが必須である。ある確率の元,供給信頼度が必要で,それは当然,電源だけでなく送配電網までも言う。成熟した市場にはプール市場はよいが,フィリッピンには試練が待ち受けている。

(注) (1) Wholesale Electricity Spot Market,(2) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081004A.htm,(3) 29.25-kilometer Sucat-Araneta line stretches from Sucat substation in Paranaque City to the Araneta substation in Sta. Mesa, Quezon City,(4) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081025B.htm,(5) state-run National Power Corporation,(6) Department of Energy,(7) San Jose substation,(8) Quezon,(9) National Transmission Corporation,(10) TransCo vice president for operations Carlito Caludio,(11)

本文

●フィリッピン,スキャットの送電線カット,電力料金高騰を招くか

フィリッピンの電力卸売市場WESM(注1)は,アジアの中でも先進的なプール市場であるが,十分に成熟していない電力需給の世界で,円滑に運ぶかどうか,我々も注目しているところである。今日の記事をたぐってみると,2008年10月4日付本HP(注2)に辿り着く。その他の記事を調べてみると,このころに,今日の記事にある23万ボルト送電線,スキャット-アラネタ線(注3)の事故に問題は発している。

これに関連して,送電線の突発事故によって生ずるWESM(注1)での,電力取引価格の急騰の問題が,2008年10月25日本HP(注4)で取り上げられ,その中で,WESM(注1)は現在10%の市場規模であるが,今後の増分はすべてWESMを通すことになるので,将来は大きくなる,と解説している。そこで問題になるのは,WESM(注1)の運用経費である,として,この問題が論じられている。

今日の記事に行く。電力需要の大きな部分を占める首都マニラの需要家は,クリスマスの休日の間,停電の可能性とそれによるWESM(注1)の取引価格の影響を受ける可能性がある,それは,地方裁判所が,スキャット-アラネタ線(注3)の停電を行うことへの令状を発したからである。ここからよく分からないのだが,最高裁判所が,NPC(注5)の訴えを却下した結果を踏まえての執行令状,と考えられる。

この執行令状に対する影響について,エネルギー省DOE(注6)は,サンホセ開閉所(注7)の事故のために2008年7月~10月の電力料金請求書で起こったような,天文学的な数字が,再びこの電力遮断で起こるのではないか,と予測して懸念している。このスキャット-アラネタ線(注3)を地図上で調べてみると,マニラ南の空港付近からケソン(注8)の中心部までの約30kmで,市内供給の心臓部に当たる。

送電公社Transco(注9)のカルディオ運用担当副社長(注10)は,この遮断を2009年1月31日以降に延期するための最後の手段,上級裁判所への上訴は行き詰まっている,と説明している。送電公社Transco(注9)は,このタイミングは全く間違っている,クリスマスに我々の需要家に迷惑を与えることは最悪だ,我々はそれを望んでいない,としている。

事情はもう少し調べないと分からないことがあるが,2008年10月初めの事故は,建設会社のクレーンが送電線を引っかけたようだ。しかし問題は,電力のプール市場を勇敢に採用してきたフィリッピンの電力セクターが,いろいろ問題に突き当たっていると言うことで,本格的な運用までには,電力需給のバランスを保つことと,これを需要家へ繋ぐ送配電網が,十分に整備していなければならない,と言うことを意味している。

(注) (1) Wholesale Electricity Spot Market,(2) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081004A.htm,(3) 29.25-kilometer Sucat-Araneta line stretches from Sucat substation in Paranaque City to the Araneta substation in Sta. Mesa, Quezon City,(4) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081025B.htm,(5) state-run National Power Corporation,(6) Department of Energy,(7) San Jose substation,(8) Quezon,(9) National Transmission Corporation,(10) TransCo vice president for operations Carlito Caludio,(11)

●ネパールの情報大臣,100日間の成果を,公表

王制を廃して共和制に移行,そうしてマオイストの主導の元に政権を樹立した,まさしく新生のネパールの100日を総括した記事である。エネルギーに関する記事の部分は少ないが,マオイストの旧兵士や軍隊をどう処置するのか,問題のポイントがまだ残っている。ネパールがここまで円滑に新しい政治に入るとは思わなかったが,もう戦闘下のネパールはイヤだという民衆の願望を表しているのだろう。

新政府は,100日経った政権で,70ポイントの達成度について自ら評価し,特に国庫の歳入が35.4%の伸びを示したことに焦点を当てている。マハラ情報通新大臣(注11)は,期待したまでに成果は到達していないが,成功に向かって進んではいる,と謙虚である。特に教育問題については,すべての教育を国で握ろうとは考えていない,と問題の一つを示唆して見せた。

しかし,全体的には民間セクターを重視するが,教育と医療については,国が責任を持つ,と明言している。商業政策は既に明確に示しており,特に情報技術の育成に重点を置いている。特別経済圏の設定についても,法案化を急いでいる。また,2011年を,「ネパール観光年(注12)」と位置づけている。土地改革についても,法案化すべく急いでいる。

水力開発について,政府は,法案や政策の改正を急いでいる。既に,多くの中小規模の水力開発に関するライセンスを,ネパール企業に付与した。大規模水力開発については,この記事では触れられていないが,比較的円滑に,インドを中心とした外国企業への国際入札による委託は進んでいる。一時,国内資源と外国企業の関わり合いの問題は議論になったが,一応の決着を見ている感じである。

(注) (11) Minister for Information and Communications Krishna Bahadur Mahara,(12) 'Nepal Tourism Year',(13)

Reference

Philippines

●081130A Philippines, Manila Bulletin
スキャットの送電線カット,電力料金高騰を招くか
Sucat-Araneta line shutdown may cause power price spikes
http://www.mb.com.ph/BSNS20081130142365.html

Nepal

●081130B Nepal, thehimalayantime
ネパールの情報大臣,100日間の成果を,公表
Mahara Unveils 100-Day Report Card
http://www.thehimalayantimes.com/fullstory.asp?filename=aFanata0vfqzpla4a8a3wa.axamal&folder=aHaoamW&Name=Home&dtSiteDate=20081130