2008年12月3日水曜日

比のロペスが国産資源開発へシフト

HPは下記ドメインです。写真地図など見て下さい。
中南米のエネルギー最前線で,石炭火力について
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm

タイのソムチャイ政権が即日崩壊,ここまでは読み通りだけれど,次の内閣の形が見えてこないので,まだまだ政情不安,国際空港が動き始めるまでには2週間はかかるという。それにしても,タイの人々は,空港というよいターゲットを発見したものだ。今までは政府建物の回りで,海外には影響がなかったが,空港は全世界に衝撃を与えた。また空港に来るよ,と言っているそうだが,今度は空港では,大事件になるだろう。

日本政府の中で,財政規律か景気対策か,で与党が分裂しそうな雰囲気にあるが,この国の赤字,500兆円に上ると言うけれど,はっきり言ってどういう意味を持つのか,いつも素人なりに考えてしまう。彼方此方で解説しているのは,家の家計と一緒だ,と言うけれど,どこか違うような気がする。放送大学の石学長の話を聞いていたら,彼も違うと言っていた。国民が国債を買ってくれる,何処まで行くか,の問題か。

石学長は,「家庭と違うのは,国は貨幣を印刷できますから」,ほんの一言,言ってすました顔で次の話題に移っている。肝心の所を聞かせてくれない。私は,放っておいてもよいのじゃないか,と言う気がしているわけ。少なくとも日本国民は国債を売らないだろう,と仮定すると,海外さへしっかりしておけばよい。おそらく,信用を失ってしまうどこかに限界があるのだろうけれど,それはかなり遙か向こうではなかろうか。

フィリッピンは日本と同じように,国産資源に恵まれない国だ。シンガポールや香港や日本は,資源がない状態である程度生きる道を見つけ出した感じだが,フィリッピンはいつまでも,生きる道が見つからない。外国への出稼ぎも,そんなに大きな手段ではなかろう。今度の世界的な原油高騰で,莫大な輸入のための損失を積み重ねて,もう国産エネルギーでなくては駄目だ,と叫び始めた。

そこに乗っているのが,地球温暖化と絡む,国産の再生可能エネルギー(注9),と言う概念である。国内資源,という言い方は,我々も昭和40年終わりの石油危機のときによく使った。今度はそれの上に,再生可能エネルギー,と言う天下に通用する枕詞がつく。フィリッピンは大いばりで,ASEAN諸国に先駆けて,再生可能エネルギー法案を通過させた。

ロペス財閥,というのはフィリッピンでは有名な財閥で,特に電気事業で頭角を現している。一時,ロペスの保有するEDC(注5)など,資金不足に陥ったとの情報もあったが,先日,世界銀行のIFC(注6)から41億ペソのローンを獲得し,更に今日は,少し事情がよく分からないが,5億ドル相当の金繰りがついて,系列のファーストジェン(注1)のロペス社長(注12)が勢いに乗ってしまった。

更にロペス社長(注12)は続ける。サンタリタガス発電所(注10)の再資金調達は,将来への基礎を築くもので,当社の資産の基盤となり,他の個別の資産よりはより強力なものとなるであろう,と。私には,もう少しサンタリタガス発電所(注10)の補助金の関係など,よく理解できないところがあるが,ロペス社長(注12)の怪気炎だけは感じることが出来る。そこまで本心から,再生可能エネルギーにのめり込んで居るのであろうか。

フィリッピンの国産資源は,いろいろ言われているけれども,私に言わせれば,地熱発電と水力発電しかないように思う。そう言う意味で,今度,ファーストジェン(注1)が水力発電所を手に入れて,勢いづいている。日本の丸紅もこのロペスの再生可能エネルギーに乗るような記事もあったが,丸紅側はまだ何も発表していない。本当にロペスは国産エネルギーやるならば,ルソン北の水力に手を付けるべきだ。

(注) (1) Lopez-controlled First Gen Corporation,(2) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081127A.htm,(3) Sen. Edgardo Angara,(4) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081126A.htm,(5) Lopez-controlled Energy Development Corp. (formerly PNOC-EDC) ,(6) International Finance Corp,(7) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081024A.htm,(8) Japanese conglomerate Marubeni Corp,(9) indigenous and clean energy,(10) Sta. Rita natural gas fired power facility,(11) First Gas,(12) First Gen president and chief executive officer Federico R. Lopez,(13) Bank of Tokyo-Mitsubishi senior vice president Colin Chen,(14)

本文

●フィリッピンのファーストジェン,クリーンエネルギー挑戦

フィリッピンが遮二無に,再生可能エネルギー,国産エネルギーに向かう中,ロペス財閥支配下にあるファーストジェン(注1)が,これに乗って走り始めた。2008年11月27日付本HP(注2)では,再生可能エネルギー法成立を主導したアンガラ上院議員(注3)の演説が引用された。少なくとも,東南アジアの中では突出した行動で,国産エネルギーへのこだわりがこうさせた,とも言えるので,資源を持たない国の焦りともとれる。

また,2008年11月26日付本HP(注4)では,ファーストジェン(注1)の関連会社であるEDC(注5)が,世界銀行のIFC(注6)から41億ペソのローンを獲得し,従来の関係を強化した。また,2008年10月24日付本HP(注7)では,丸紅(注注8)が,ロペス財団の保有するファーストジェン(注19)の株式40%獲得を真剣に考えているようだとしている。まさに,国産エネルギー開発を主目的に,内外の企業が走り始めた。

今日の記事,ロペス財閥が支配するファーストジェン(注1)は,国際クリーンエネルギー(注9)によって,発電設備を増強する投資の牙城を築こうとしている。記者会見で,ファーストジェン(注1)は,国策に沿って,その戦略的ゴールを目指す基盤を構築する,と明言した。特に,1,000MW,サンタリタガス発電所(注10)のファーストガス(注11)の補助金関連,12銀行による544百万ドル調達による成長への補強がなされた,と。

ファーストジェン(注1)のロペス社長(注12)は,この金融危機の嵐の中でも,この過程を通じての再融資に誠実に対応する,としている。難局だからこそ,叫ぶよりも行動で示すことが,困難だろうと言っている人たちへの答えになる,と言うのである。東京三菱銀行のチェン副社長(注13)も,銀行は融資をとどめると思っている人が多いいが,そうとばかりは言えない,とバックアップしている。

チェン副社長(注13)は,スポンサーが優れ,経済的合理性があるような資金調達は,今回のように,多くの銀行を惹き付けるものだ,と言っている。ロペス社長(注12)は,このような厳しい取引を経て,ファーストジェン(注1)は,他の挑戦に挑む準備をしているが,これは即ち,需要家に尽くす道だと思っている,と言っている。クリーンで再生可能な資源を探し求めることが,将来の社会への貢献になると信じている,と。

更にロペス社長(注12)は続ける。サンタリタガス発電所(注10)の再資金調達は,将来への基礎を築くもので,当社の資産の基盤となり,他の個別の資産よりはより強力なものとなるであろう,と。私には,もう少しサンタリタガス発電所(注10)の補助金の関係など,よく理解できないところがあるが,ロペス社長(注12)の怪気炎だけは感じることが出来る。そこまで本心から,再生可能エネルギーにのめり込んで居るのであろうか。

(注) (1) Lopez-controlled First Gen Corporation,(2) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081127A.htm,(3) Sen. Edgardo Angara,(4) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081126A.htm,(5) Lopez-controlled Energy Development Corp. (formerly PNOC-EDC) ,(6) International Finance Corp,(7) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081024A.htm,(8) Japanese conglomerate Marubeni Corp,(9) indigenous and clean energy,(10) Sta. Rita natural gas fired power facility,(11) First Gas,(12) First Gen president and chief executive officer Federico R. Lopez,(13) Bank of Tokyo-Mitsubishi senior vice president Colin Chen,(14)

●中国の外務部長がネパールへ,道路や水力など

ネパールのプラチャンダー首相(注14)が,就任早々,インドを訪問する前に北京に行ったことは記憶に新しい。そうして,最近は,インドのムケルジ外相(注15)が,一週間前にカトマンズ(注16)を訪問したばかりである。タイミングを逃さず,中国のヤン外相(注17)が,この火曜日,10人のスタッフを引き連れて,3日間の予定で,カトマンズ(注16)を訪問を訪問する。相手はヤダブ外相(注18)になる。中国外相は5年ぶりである。

ヤン外相(注17)は,滞在中,プラチャンダー首相(注14),ヤダブ大統領(注19)と会談する予定である。ネパール側のプラダン報道官(注20)によると,会談の主題は,和平プロセスと二国間協力で,来年,2009年早々と考えられているプラチャンダー首相(注14)訪中の,基礎となるものである。中国使節団は,ドルバル広場(注21)を訪ねたり,ヤダブ外相(注18)主宰の晩餐会にも出席する。

協力プロジェクトは,カトマンズ北部の陸港(注22)やパンカル特別経済圏(注23)構築も含まれる。プラダン報道官(注20)によると,中国の無償資金は,毎年80億ルピーの見込みである。最近では,16kmのシャブルベシ - ラスワガディ間道路建設(注24),カトマンズから中国国境までの光ケーブル敷設,病院援助,などに使用されている。今後,自然保護庁舎建設(注25)やアユリベディック研究所(注26)が合意されている。

電力では,中国輸出入銀行(注27)からの2億ドルが,60MW,アッパートリシュリ第3水力(注28)が軌道に乗っており,その他,送電線建設や,カトマンズ市内のフライオーバー,などが討議の俎上に上がっている。カトマンズ峡谷の外輪線道路(注29)については,ネパール側からは要請しているが,可能性調査の結果では,中国側は消極的である,と言われている。

(注) (14) Prime Minister Pushpa Kamal Dahal,(15) Indian Minister for External Affairs Pranab Mukherjee,(16) Kathmandu,(17) Chinese Foreign Minister Yang Jiechi,(18) Upendra Yadav,(19) President Dr. Ram Baran Yadav,(20) Suresh Pradhan, spokesman for the Ministry of Foreign Affairs,(21) Kathmandu Durbar Square,(22) a dry port north of Kathmandu,(23) a special economic zone in Panchkhal of Kavre district,(24) the 16-kilometre Syabrubesi-Rasuwagadhi highway,(25) National Trust for Nature Conservation,(26) Ayurvedic research centre in Kathmandu,(27) Export Import Bank of China,(28) Upper Trishuli III hydropower project,(29) Outer Ring Road in the Kathmandu valley,(30)

●インド,大規模火力UMPP,ティライヤ,入札,12月29日に延期

インドの大規模火力建設UMPP(注30)については,全国11地点で計画が進んでいるが,2地点が資金調達を終わった段階で,他の地点についてはまだ目処がついていない。ADBは,規模が大きすぎて資金調達困難,2,000MWクラスに縮小すべき,と提言を行っている。この第3の地点,ジャルカンド(注31)のティライヤ(注32)プロジェクトについては,今も難航している。

企業主(注34)であるPFC(注33)は,今回で5回目となる入札延期を発表した。次の予定は,2008年12月29日となった。これは,入札参加予定の企業が,世界的な金融危機のため,資金調達困難と表明したためである。また,入札候補企業は,同時に,石炭供給の問題の解明を求めている。延期した間に,石炭供給鉄道ネットワークの設定も行う,としている。メリーゴーラインドシステム(注35)が焦点になっている。

入札参加予定の9つの企業の中には,タタ電力(注36),NTPC(注37),リライアンス(注38),L&T(注39),スターライト(注40)が入っている。エネルギー省高官筋は,3つの企業は入札可能と言っているが,他の企業は延期を希望した,としている。最初の計画では,このティライヤ(注32)プロジェクトは,2007年7月に入札されることになっていた。このときは,サイトについて,水などの問題があった。

ティライヤ(注32)プロジェクトは,総額1,600億~1,800億ルピーと見られており,負債資本の割合を70対30と見ても,莫大な資本の準備が必要である。政府は,この資金調達について,外国資金の規制緩和を考慮しており,更に,5億ドルについて,対等に調達できるよう,現在検討中である。世界の金融危機は,NHPCの上場を延期し,更にこの大規模石炭火力にも遅れをもたらしている。

(注) (30) ultra mega power projects (UMPP),,(31) Jharkhand,(32) Tilaiya project,(33) Power Finance Corporation (PFC),(34) nodal agency,(35) merry-go-round system,(36) Tata Power,(37) NTPC,(38) Reliance Power,(39) L&T,(40) Sterlite Industries,(41)

Reference

Philippines

●081202A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンのファーストジェン,クリーンエネルギーへ
First Gen reinforces investment thrust to include clean energy
http://www.mb.com.ph/BSNS20081202142521.html

Nepal

●081202B Nepal, kantipuronline
中国の外務部長がネパールへ,道路や水力など
Chinese FM arriving
http://www.kantipuronline.com/kolnews.php?&nid=168802

India

●081202C India, Economic Times
大規模火力UMPP,ティライヤ,入札,12月29日に延期
Tilaiya UMPP bids deferred till Dec 29
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/Tilaiya_UMPP_bids_deferred_till_Dec_29/articleshow/3781944.cms

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