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http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm
ロシアのメドベージェフ大統領が今ニューデリーに滞在中。インド南部タミルナド州の原子力発電所に,ロシアが原子炉4基を新たに建設することなどで正式合意した,と国内でも報じられ,インドも発表している。米印原子力協定の成立を受けて,日本など原子力供給国グループ(NSG)が,インドへの機器輸出を認めたため,ロシアもやりやすくなった,と書いてある。フランスやロシア,全く抜け目のない動きである。
長く海外に行って来て,羽田から車で都内まで走って帰ってくると,東京というのは何と沢山お金をかけた町か,と思ってしまう。橋とか道路もそうだけれど,都心のビル群なども,地下鉄なども,全部入れると資産価値は一体どうなるのか,とよく考える。つれづれなるままに,少なくとも社会資本の価値ぐらいは分かるだろう,と調べてみたら,新潟大学の先生が,約492兆円と勘定されていた。もっと多いのではないか,と言う感じ。
この前,石放送大学総長の,国の借金と個人の借金は違う,国は自分で紙幣を増刷できるから,と言っていたが,まだ意味がよく分からないが,国の借金というのは,誰がコントロールするものなのか。政府の主人は次々と替わっていくから,幾らでも先送り可能で,何処で限界が現れてくるのか。いつまでも借金だけが頭の中にあったら,ODAも大きな顔をして出て行けないではないか。どこかで帳消しにする必要がある。
帳消しにするなら,早いほうがよいのではないか。その新潟の先生によれば,社会資本の生産性だけを取り上げて492兆円の価値がある,という。借金の方は,2004年時点で地方債も入れて619兆円らしい。社会資本を全部売り払っても,まだ120兆円ほどの借金が残ることになる。でも500兆円と100兆円では,大変な違いだから,100兆円ぐらいはそれこそ紙幣増刷で何とかならないか。
今例えば,私が国債を500億円ぐらい持っていたとすると,政府に帳消しにされる,法律で決めるから仕方がない,帳消しである。その代わり,淀川にあるダムを全部あなたに差し上げる,維持費は国家予算で出すから,これで許してくれ,と言われたら,許すのではないか。急いで借金をして,空いているダムに発電機を付けて見るとか,いろいろ努力するだろう,観光客からお金を取るとか。
これからの国債発行はすべて現物返し,としたらどうだろう。新潟大学の先生が,生産性で勘定しておられるから,うまく利用すれば,橋でも道路でも,それなりの民営化でお金が稼げるのではないか。まあ,最後はそう言うことになるのかな,と思う。年金をキチンとくれて生活さへできておれば,あの高速道路は私のものだ,といつも家の窓から眺めるだけで,楽しいのではないか,子孫代々。国に借金はない,と思ってよいことにしよう。
パキスタンは,この前も見たように,インダスの水そのものが生産のすべてである。シェナブ川(注1)のインドのダム(注2)との論争は,どの様に決着を付けるのか,と思っていたら,結局,お金で補償してくれ,とパキスタンの水資源電力大臣(注5)が,記者団に語っていた。ダムが出来て,その初期湛水の水,と随分話が細かく具体的になってきた。パキスタンは,水量は容易にお金に換算できるようだ。
とにかく,パキスタンとインドに仲良くして貰わなければ,インド北辺の仕事は何も出来なくなってしまう。今日の新聞では,ザルダニ大統領はライス国務長官に冷静を約束したらしいが,インド側は,パキスタンの軍部の関わりをまだ疑っている。ザルダニ大統領が文民政権だけに,パキスタン軍部との乖離がこの際もっとも懸念事項なのであろう。
(注) (1) Chenab river,(2) Baglihar hydro electric power project,(3) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081123A.htm,(4) 32nd Annual Convention of Institution of Electrical and Electronic Engineers of Pakistan,(5) Water and Power Minister Raja Pervaiz Ashraf,(6) National Electric Power Regulatory Authority (NEPRA),(7) Malakand-III hydropower station,(8) Attock General Limited power plant,(9) Rawalpindi,(10)
本文
●パキスタン,シェナブ川で,水量補償要求へ
インダス河の上流,インド領内,チェナブ川(注1)にインドがバギリハールダム(注2)を完成したことで,下流本流の流況に影響を与えるとパキスタンが抗議をしている。この状況は,2008年11月23日付本HP(注3)に詳しい。パキスタンが,インダスの水問題でチェナブ川(注1)の実情を反映せよ,と言うものだが,先日からは,具体的に被害額を補償せよ,という表現に変わってきた。
今週木曜日,2008年12月4日,ラホールにて,第32回パキスタン電力年次会議(注4)が行われ,アシュラフ水資源電力大臣(注5)が出席した。その時の記者会見で,2つの点を語っている。それはインダス河の水問題であり,もう一つは,電力不足と電気料金の問題である。特に,その前の週にムンバイでテロ事件が起きており,インドとパキスタンの関係は緊張状態にある。
インダス川上流,チェナブ川(注1)にインドがバギリハールダム(注2)の問題で,アシュラフ水資源電力大臣(注5)は,今,インドに対して,あらゆるレベルで,補償を支払うよう要求している,と語っている。具体的には何を言っているのか不明だが,おそらく,バギリハールダム(注2)が完成したばかりであり,この際にダムの初期湛水に使われた水を,農業か発電の損失便益に換算,と言うことなのであろう。
また,アシュラフ水資源電力大臣(注5)は,国内の電力問題に言及している。国家電力調整庁NEPRA(注6)が更に電力料金を値上げする歩行にある状態の中で,中流階級に属する需要家に対して,料金値上げの影響を緩和する,と発言している。また,原油高騰の時期に,政府は電力への補助金を,1,170億ルピー支出しており,大きな赤字を抱えていることも説明した。
チェナブ川(注1)の水問題については,その流量の減分について,既にインド政府に抗議を発しており,それは首相のレベルから大統領のレベルと,関係するあらゆるレベルで抗議を行っているが,その内容は明確で,ニューデリーに対して補償を要求しているものである。アシュラフ水資源電力大臣(注5)は,我々は今,インド側の回答を待っているところだ,と説明した。
アシュラフ水資源電力大臣(注5)は,電力不足の問題にも言及した。現在のこの冬季の期間,1,500~1,800MWの不足が生じているが,現在政府は緊急の手段を進めており,2009年末までには,新たに,5,000MWを追加する予定である。マラカンド第3水力(注7)は既に発電を開始しており,AGL社の発電所(注8)も,まもなく運転に入る予定である,と。
別の資料で調べてみると,マラカンド第3水力(注7)は,北西辺境州にあって出力は,81MW,2008年1月に完成したが,発電開始は少し遅れたようだ。AGL社の発電所(注8)とは,ラワンピンディ(注9)の精油所に建設されているもので,156MW,とされている。いずれにしても,アシュラフ水資源電力大臣(注5)の言う,2009年末,新規5,000MWにはほど遠い内容だ,他にあるのかな。
(注) (1) Chenab river,(2) Baglihar hydro electric power project,(3) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081123A.htm,(4) 32nd Annual Convention of Institution of Electrical and Electronic Engineers of Pakistan,(5) Water and Power Minister Raja Pervaiz Ashraf,(6) National Electric Power Regulatory Authority (NEPRA),(7) Malakand-III hydropower station,(8) Attock General Limited power plant,(9) Rawalpindi,(10)
●フィリッピン,カラカの契約遅れで,オープンアクセス制度が遅れる
私も,どうもこのフィリッピンの複雑な電力改革のルールに付き合っておれないと言う感じなのである。これを幾ら追っかけても,本質論に到達しないわけで,いつまで経っても,将来の需給の安定どころか,電力料金の安定さへ不確定である。この間に,儲けすぎたお金の処置や,ゼロサムゲームの発電所買収が絡んで,綺麗さっぱり,供給を統一した方が,人件費もプラットフォームも安くなる,と言う感じだが,今少し付き合っておこう。
電力規制委員会ERC(注10)は,暫定オープンアクセス(注11)の実施は延期せざるを得ない,と結論した。それは,787MW,カラカ発電所(注12)の787百万ドルの取引が思わぬ障害に遭遇したからである。またERC(注10)は,暫定オープンアクセス(注11)をIOAと呼んでいたものを,電力供給オプションプログラムPSOP(注13)と呼び変えることにしたようだ。
この変更の理由は,噂によれば,電力事業改革法EPIRA(注13)の中のオープンアクセス条項との法的専門用語の問題らしい。ERC(注10)は,この新たに言い換えたPSOP(注13)の実施は,あくまでカラカ発電所(注12)のNPCからの分離民営化が終了してから始める,と強調して見せた。何処に問題があるのか明確ではないが,まるでタイミングを見計らったように(注14),国会でやりとりが行われた。
今週の国会のヒアリングの席上で,PSALM(注15)は,カラカ発電所(注12)の移管に関しある問題が起こった,それは頻発する機器の分解整備の問題で,一つのユニットが100%,セミララ石炭(注16)を使ったことが引き金になったようだ,言うことを認めた。ERC(注10)は,あくまでPSOP(注13)というのは,EPIRA(注13)上,実際のオープンアクセス開始の前段階だけのものだ,と説明している。
この暫定オープンアクセスの方針は,いろいろな方面のビジネスグループに混乱を与えている。この方針は,電力供給に於いて,電力の選択の自由,への道を開くものだからだ。このシステムは,大口ユーザーには,価格の交渉に有利な立場に立たせるものだ。このPSOP(注13)に参加できる資格は,ピーク需要が1MW以上,6ヶ月後からは750KW以上となる。
このPSOP(注13)には,過去12ヶ月のピーク需要が1MWを越す需要家で,参加を望む需要家が参加する,とERC(注10)は説明している。集合の需要家団体は,対象としない,としている。供給側は,EPIRA(注13)上の制限の中で,すべての発電企業,NPC(注17)から民営化された資産の企業も含むものである。NPC(注17)自体は,70%資産売却後で,即ちカラカ発電所(注12)の移管が終了してから,となる。
これから入ってくるIPPは,NPC(注17)との引き取り契約の外にある部分について,PSOP(注13)に参加の資格がある。このような移行時期に関しては,移行時期契約TSC(注18)が有効で,その契約の範囲内でPSOP(注13)に参加できる。本当に一生懸命,基本法に照らして自由化を進める姿勢は偉いが,何処まで有効なのか,複雑なばかりである。
途中,セミララ石炭(注16)が出てきたので調べた。2004年の石炭エネルギーセンター(注19)による。フィリッピンの石炭生産量は増加傾向にあり,2003年は過去最高の200万トンに達した。国内生産はほとんど亜瀝青炭であり,その9割以上がセミララ石炭(注16)の露天掘によるものである。国内生産炭はすべて国内消費しており,石炭火力発電所及びセメント産業用に,豪州,インドネシア,中国から石炭を輸入している。
(注) (10) Energy Regulatory Commission (ERC),(11) interim open access,(12) Calaca,(13) Power Supply Option Program (PSOP),(13) Electric Power Industry Reform Act,(14) as if on cue,(15) Power Sector Assets and Liabilities Management Corporation,(16) Semirara coal,(17) National Power Corporation,(18) transition supply contracts (TSC),(19) http://www.brain-c-jcoal.info/publication-files/oldjcoal/jcoal-topics/Topics_J204.doc,(20)
Reference
Pakistan
●081205A Pakistan, dailytimes
パキスタン,シェナブ川で,水量補償要求へ
Pakistan for Chenab water compensation
http://www.dailytimes.com.pk/default.asp?page=2008%5C12%5C05%5Cstory_5-12-2008_pg7_2
Philippines
●081205B Philippines, Manila Bulletin
カラカの契約遅れで,オープンアクセス制度が遅れる
Interim open access to suffer delays due to snags in Calaca privatization
http://www.mb.com.ph/BSNS20081205142801.html
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