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タイのバンコク空港騒乱,12月4日のブミポン国王の演説,インドとパキスタンの関係悪化,ライス国務長官の12月3日のインパキ訪問,とアジアのエネルギー最前線でも,関心の高いところだが,このところの原油価格の下落の影響が,彼方此方に響いてくる。バレル50ドルを切ってくる場面も出てきている。人類はこれまでに1兆バレルを消費し,残りは1.2379兆バレルという,生産ピークが近づいているという観測もあるが。
昨夜のNHKの中東の番組,JBICの前田さんが大活躍をしていたが,NHK,少し遅かったのではないか,と心配して上げる。今年,2008年5月頃,日本のジェネコンの人は,アダチさん,あなたなど相手にしておれませんよ,中東が忙しくて。1000億のプロジェクトなど,中東にはごろごろしているのだから,と日本企業の中東への動員が最盛期にあった,あのころのNHKならよいタイミングだったのだが。
経済産業省が今年,2008年11月末に,東京で予定していたSWFなどと日本企業との商談会,「アブダビ投資セミナー」,が中止になったと報ぜられている。1兆ドルを動かしていた中東の公的ファンドに,明らかに異変が起きている。それは,原油価格暴落と米国やアジアの株式市場の下落が,中東ファンドを襲っている,と書かれている。IEAは,2030年,原油バレル200ドルを予想しているが,問題はこの2~3年だ。
結局,日本企業がが一斉にある方向に向かってシフトするから,その前提が崩れたときの揺り戻しの影響は大きい。絶対に中東は伸びる,と言う方向性は間違いないかも知れないが,アジアと中東では事情が大きく異なる。原油を除くと,中東は裸になる可能性がある。2兆バレルのうち,もう半分の1兆バレルを使ってしまったのだから。雅子さんの論文,池まで半分が蓮で埋まった,全部が埋まるのはいつですか,の問いかけと同じだ。
パキスタンが一生懸命,西に動いていた軍隊を,今懸命に東に移動させているという。そのような右往左往している間に積み重なる負債は大きい。日本企業のエネルギーシフトは,当然各企業の作戦によるが,往々にして勢いに飲まれてしまう。中東だ,と社長が言うと,皆中東に行ってしまって,アジアが手薄になってしまう。中東の次はアジアのどこか,このエネルギー最前線を見ながら,じっくりと方針を練って頂きたい。
インドの北辺の水力は,何とか前に進んでいる。今日の記事は,国内企業のGVKの,ウッタルカンド(注4)のリシケシュ(注3)近く,アラカンダラ川(注7)上にある,360MW,アラカンダラ水力(注2)の順調な推移と,オランダの電力大手,ブラッケル(注25)の,ヒマッチャルプラデシュ州(注22)の400億ルピー,960MW規模,トーパン-ポワリ-ジャンギ水力(注23)が,2年の苦難あげく,署名にこぎ着けたニュースである。
アジアのエネルギー最前線で,焦点と思われるのは,東南アジア主要国で進む原子力,インドの米国との協力による原子力開発,それと組み合わせになるインド北辺,それはネパールもブータンもパキスタンも巻き込んでの,ヒマラヤ大規模水力開発作戦である。中東の見極めは難しいところだが,アジアへとって返す日本企業の連合部隊も,そろそろ船など,手配した方がよいのではないか。
(注) (1) GVK Power and Infrastructure,(2) Alaknanda hydro power project,(3) Rishikesh,(4) Uttarakhand,(5) Jegurupadu-II plant,(6) Gautami plant,(7) Alaknanda river,(8) Koteshwar dam,(9) Tehri dam,(10) GVKPIL CFO Issac George,(11) power purchase agreement,(12) Uttar Pradesh Power Corporation,(13) Bharat Heavy Electricals,(14) Andhra Pradesh,(15) Punjab,(16) Reliance Gas Corporation,(17) Jaipur,(18) Kishangarh,(19) Airports Company South Africa and Bidvest,(20) Mumbai International Airport (MIAL).,(21) Airports Authority of India,(22)
(注) (22) Himachal Pradesh,(23) Thopan-Powari-Jangi hydropower project,(24) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081116D.htm,(25) Dutch power major Brakel Corp,(26) Principal Power Secretary Ajay Mittal,(27) Kinnaur district,(28) pre-implementation agreement (PIA) ,(29) upfront premium,(30) Shimla,(31) Brakel’s top official in Shimla B.R. Gautam,(32) Dean Gesterkamp,(33) Anil Wahal,(34) Bharatiya Janata Party,(35)
本文
●インド企業GVKのアラクナンダ水力順調,繰り上げ
インドの有力なインフラディベロッパー,GVK電力(注1)は,ムンバイ空港などで有名な企業の一派であるが,発電企業としては,220MW,ジェグルパド第2(注5)と,464MW,ガウタミ(注6)の二つのガス発電所を持っている。2008年10月までガスが供給されなかった,という記事が残っているが,今はどうなっているのだろうか。ネパールの水力発電所建設も参画している。
現在,GVK電力(注1)が進めている206.7億ルピーの,ウッタルカンド(注4)のリシケシュ(注3)近く,アラカンダラ川(注7)上にあるアラカンダラ水力(注2)を建設中で,金融危機の中にも関わらず,予定を繰り上げて発電できる予定という。この地点は,地図で確認すると,ニューデリーから北北東180kmの地点にあり,立地は最高である。近くには,コテッシュバール(注8)やテリー(注9)のダム群がある。
GVK電力(注1)のジョージCFO(注10)によると,着工から15ヶ月経って,河川切り替えを終わったところだが,52ヶ月の予定を48ヶ月に切り上げて完成の見込みという。他の多くのプロジェクトが,金融危機の煽りを受けて資金調達難から,遅れが目立つ中,このアラカンダラ水力(注2)は,その影響を受けず,順調だという。GVK電力(注1)は,多国籍民間資本のコミットを受けているという。
ジョージCFO(注10)は,海外民間資本は,このアラカンダラ水力(注2)に関心を示して資金調達を続けると言っているが,今のところ,手持ちの資金で続行する見込みという。当初,14.2億ルピーを推進母体の資本として投入した。その後,11の内外の銀行から160億ルピーを調達,まだ40億ルピーを消費しただけである。
このGVK電力(注1)の進めるアラカンダラ水力(注2)は,出力330MWで4台の82.5MW機を有する。ウッタルカンド(注4)のリシケシュ(注3)から110kmの位置にある。電力購入契約PPA(注1)は,ウタルプラデッシュ電力公社UPPCL(注12)と2006年に結んでいる。資金調達は2007年8月に完了し,電気機器の調達は,既にBHEL(注13)と契約を結んでいる。
GVK電力(注1)は,発電所だけでなく多角経営に乗り出しており,都市インフラ,エネルギー,航空,病院,製造業などにも関心を寄せている。電力としてはこの他に,アンデラプラデシュ(注14)州やパンジャブ(注15)州の石炭火力開発も手がけている。216MW,ジェグルパド(注5)複合火力は,インド初めてのIPPで,投資額は102.5億ルピー,現在はリライアンス(注16)からのガス供給を待っているところである。
電力以外では,既に運用に入っているジャイプール(注17),キシャンガル(注18)間の道路を手がけた。また合弁で,GVKグループと空港企業南アフリカビッドベスト(注19)によるムンバイ国際空港プロジェクト(注20)の契約を勝ち取っており,このコンソーシアムが株式74%,インド空港会社(注21)が24%である。GVK電力(注1)の2008年度第2四半期の売り上げは,10.95億ルピーである。
(注) (1) GVK Power and Infrastructure,(2) Alaknanda hydro power project,(3) Rishikesh,(4) Uttarakhand,(5) Jegurupadu-II plant,(6) Gautami plant,(7) Alaknanda river,(8) Koteshwar dam,(9) Tehri dam,(10) GVKPIL CFO Issac George,(11) power purchase agreement,(12) Uttar Pradesh Power Corporation,(13) Bharat Heavy Electricals,(14) Andhra Pradesh,(15) Punjab,(16) Reliance Gas Corporation,(17) Jaipur,(18) Kishangarh,(19) Airports Company South Africa and Bidvest,(20) Mumbai International Airport (MIAL).,(21) Airports Authority of India,(22)
●インド,ヒマッチャルプラデシュ州,オランダ企業の水力建設を承認
ヒマッチャルプラデシュ州(注22)の400億ルピー規模,トーパン-ポワリ-ジャンギ水力(注23)については,2008年11月16日付本HP(注24)で,落札したはずのオランダ企業ブラッケル(注25)が,泥沼に,「紛争の原因はよく分からないが,ミッタル次官(注26))が資金力の面からの理由を付けて,ブラッケル社(注25)をプロジェクトから排除しようとしているところから発しているようだ。」,と書いている。
政府高官筋によると,紛争の後,ヒマッチャルプラデシュ州(注22)政府は,オランダ企業ブラッケル(注25)に2006年12月,発注した数億ドルの大規模水力の実効のために,予備実施合意書PIA(注28)に署名するため,呼び出しをかけた。PIA(注28)は,一般に,どのプロジェクトでも着工に先立って必要な手続きで,2~3日内に署名が行われる模様である。
ブラッケル(注25)は,インドの調停関連法に基づいて,PIA(注28)署名のときに,25%の予約金(注29)を払うことに同意している。この決定は,960MW,トーパン-ポワリ-ジャンギ水力(注23)が推進指示が出てから2年後になされたことになる。トーパン-ポワリ-ジャンギ水力(注23)は,州都シムラ(注30)から300kmのキナウル地区(注27)に位置する。総工事費は,600億ルピーである。
ブラッケル(注25)は,既に予約金(注29)の50%,17.3億ルピーを預けており,更に,遅れによる利子,利率11%で2.10億ルピーも支払っている。残りの予約金(注29)は,分割して,PIA(注28)署名のときと,プロジェクト完成の直前に支払われることになっている。このことを問われたブラッケル(注25)の現地責任者ガウタム氏(注31)は,2~3日内と言われている署名には,いつでも準備が出来ている,と語っている。
しかし現地責任者ガウタム氏(注31)は,まだ政府から正式な案内はないが,重役,ゲステルカンプ(注32)とワハール(注33)両取締役は,いつでも来れると言っている。また,完成は2017年を予定しており,約束より繰り上げになる。元々トーパン-ポワリ-ジャンギ水力(注23)は,国際入札で前の国会与党がブラッケル(注25)に決定したが,現与党,BJP(注34)によって,署名が遅らされてきたものである。
(注) (22) Himachal Pradesh,(23) Thopan-Powari-Jangi hydropower project,(24) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081116D.htm,(25) Dutch power major Brakel Corp,(26) Principal Power Secretary Ajay Mittal,(27) Kinnaur district,(28) pre-implementation agreement (PIA) ,(29) upfront premium,(30) Shimla,(31) Brakel’s top official in Shimla B.R. Gautam,(32) Dean Gesterkamp,(33) Anil Wahal,(34) Bharatiya Janata Party,(35)
Reference
India
●081201A India, sindhtoday
ヒマッチャルプラデシュ州,オランダ企業の水力建設を承認
Himachal Pradesh invites Brakel to sign power project agreement
http://www.sindhtoday.net/south-asia/40081.htm
●081201B India, Economic Times
インド企業GVKのアラクナンダ水力順調,繰り上げ
GVK Power’s hydro project to go on stream before schedule
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/GVK_Powers_hydro_project_to_go_on_stream_before_schedule/articleshow/3777108.cms
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