HPは下記ドメインです。
アフリカ,中東,南米,再生可能エネルギーの最前線もあり。
温暖化最前線も始めました,下のHPから見て下さい。
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm
今日は肌寒い中,吉川で測量作業,更新が遅れました。久しぶりに中国道を西に走ると,山々が色づいて,秋の深まりを改めて感ずる。明後日は津山まで走るので楽しみであるが,また更新が遅れてニュースが貯ってしまうと大変だ。以前は大体2時間で片づけるように頑張っていたが,最近は少しのめり込みすぎて時間がかかってしまう。今日のようなニュースは,どうでも良かったかな,とも思う。
今日のニュースを一覧したところ,やはり中国の緊急対策,2010年末までに総額4兆元(約57兆円)規模,が目を引いてしまう。2008年11月14日に,G20の緊急サミットが開かれるのを前に,「中国経済の比較的速い成長の維持が世界に対する最大の貢献」(温家宝首相)と書いてあるので,会議では中国ばかりが目立つことになるだろう。
フィリッピンの再生可能エネルギーへの入れ込みは,本当に実現性があるのかどうか,不安になってしまう。理想主義的な議員達の発想で,関連機器類への無税,関係箇所の7年間所得税免税,の優遇措置で,輸入燃料の節約によって,30億ドルの節約が出来る,と言うのが宣伝文句である。太陽光発電,海洋発電,バイオマス,流込式水力発電,などを再生可能エネルギーとして挙げている。
今日の記事は長文だが,前半は殆ど,ミンダナオ島の町で実施されようとしている小水力開発の物語が書いてある。ミンダナオ島の中部の町,ブルドン(注2)から発信された記事だが,そこを流れるクマギンキン川(注3)がまさか電気を生み出すとは思っていなかったラナオデスール(注6)の南東,二つの村,カリム(注4)とミナベイ(注5)の住民の話である。
マイクロ水力の建設費は740万ペソ,約15.3万ドル相当,で出力は35KW,完成は2008年,107世帯が蛍光灯に照らされたとき,村中がお祭り騒ぎになってしまった。それは,村人総動員で,約1kmの水路を掘削し,コンクリート打設を手伝ってきた成果であった。ミンダナオ電化組合(注8)のテトチ組合長(注12)は,この技術は非常に簡単で,運転も容易である,と喧伝している。
再生可能エネルギーの中に水力を入れるのかどうか。米国のオバマ大統領候補にしても,中国政府にしても,再生可能エネルギーの割合を表現するときは,必ず水力を入れて計算してくる。私も,再生可能エネルギーと言えば水力のことだ,と思うのだが,大規模水力は再生可能エネルギーとは言わない,と言う人もいる。環境への影響を言っているのだが,それは本当はプロジェクトによるのだと思うがどうだろう。
今日,ミンダナオで大騒ぎしているのは,35KWのマイクロ水力だ。これを全土の僻地に同じ手法を適用して行く,それを進めれば30億ドルの節約になる,と言うのだが,ちょっと飛躍がありすぎる。35KW,2万箇所開発しなければ,30億ドルのレベルには達しない。国土面積を30万平方kmとすれば,1カ所当たり15平方kmですよ,15平方kmにマイクロ水力が一つづつある,そんなことが出来ますか。
例えば,黒四は,100平方kmの流域面積を使って30万KW出している。平方km当たりにすると3,000KW,15平方kmとすると45,000KW,マイクロ水力は35KWですよ。私はこれを,「地球上のエネルギー・インテンシティ」,と呼びたい。出来るだけ小さい地球上の面積で,出来るだけ大きいエネルギーを生み出す,という意味だ。
勿論,原子力がおそらくインテンシティ最大であろうが,バイオや石油,ガスに比べれば,大規模水力の方がインテンシティが大きくて,マイクロ水力より地球への負荷が小さい,と言えるだろう。何も大きな水力をやろうと言うのではなくて,マイクロ水力が如何に無駄か,を言いたいのである。CDMの対象は,水力の中ではマイクロ水力だけ,と言う人もいるが,大きな間違いだと思うのですが。
(注) (1) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081010C.htm,(2) Buldon,(3) the Kumaguingking River,(4) Karim,(5) Minabay,(6) Lanao del Sur,(7) Philippine Energy Plan,(8) the Alliance for Mindanao Off-grid Renewable Energy (Amore) Program,(9) the United States Assistance for International Development (USAID),(10) the Philippines Department of Energy,(11) Winrock International,,(12) Amore chief Tetchi Cruz-Capellan,(13) Energy Undersecretary Zamzamin Ampatuan,(14) the Renewable Energy Act,(15) President Arroyo,(16)
本文
●フィリッピン南部,再生可能で,小水力開発に挑戦
2008年10月10日(注1),本HPの記事で,「フィリッピン国会,再生可能エネルギー報告を了承」,として,再生可能エネルギー開発のための16項目以上に亘る対策を,昨年の11月から検討に入り,今年の5月に最終段階に入っていたこと,今回の決議は,速やかな措置を関係機関,エネルギー省,NAPOCORなどに命ずるもので,まず,再生可能エネルギー開発の枠組みを整え,開発し,それを国家送電網の中に組み込む,という内容であった。
目標は,エネルギーの自立率,2005年の566%を2010年に60%に上げる。その手段は,太陽光,風力,水力,波力,バイオマス,である,としている。エネルギー省の見立てでは,この10年間で2,500MW開発可能としている。投資意欲を引き起こすことが基本で,これらの開発に関しては,事業税を現行の30%から10%に引き下げる,その関連施設の固定資産税を1.5%にシーリングする,送電網の組み入れを優先する。
今日の記事は長文だが,前半は殆ど,ミンダナオ島の町で実施されようとしている小水力開発の物語が書いている。ミンダナオ島の中部の町,ブルドン(注2)から発信された記事だが,そこを流れるクマギンキン川(注3)がまさか電気を生み出すとは思っていなかったラナオデスール(注6)の南東,二つの村,カリム(注4)とミナベイ(注5)の住民の話である。
この川から電気が生まれるという,住民にとっては夢のような話が生まれたのは,政府のフィリッピンエネルギー計画(注7),ミンダナオ電化組合(注8)のお陰で,このカリム(注4)とミナベイ(注5)の村は,2010年までに電化される多くの村の中の一つである。USAID(注9)とフィリッピンエネルギー省(注10)が費用を準備し,ウインロック社(注11)が実施企業となって,2007年11月から調査を開始した。
マイクロ水力の建設費は740万ペソ,約15.3万ドル相当,で出力は35KW,完成は2008年,107世帯が蛍光灯に照らされたとき,村中がお祭り騒ぎになってしまった。それは,村人総動員で,約1kmの水路を掘削し,コンクリート打設を手伝ってきた成果であった。ンダナオ電化組合(注8)のテトチ組合長(注12)は,この技術は非常に簡単で,運転も用意である,と喧伝している。
エネルギー省のアンパトウアン次官(13)は,再生可能エネルギー法(注14)が上下両院を通過した暁には,系統から独立した僻地での太陽光発電,海洋発電,バイオマス,流込式水力発電などを通じて,石油や石炭の輸入代金が減じ,30億ドルの節約が出来る,と説明している。更に,このマイクロ水力の方法は,あらゆる山村で可能なので,今回のミンダナオの例は,まさしくそのパイロットプロジェクトであると。アロヨ大統領(15)の署名によって再生可能エネルギー法(注14)が成立すると,機器は無税で,7年間の所得税が免除される。
(注) (1) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081010C.htm,(2) Buldon,(3) the Kumaguingking River,(4) Karim,(5) Minabay,(6) Lanao del Sur,(7) Philippine Energy Plan,(8) the Alliance for Mindanao Off-grid Renewable Energy (Amore) Program,(9) the United States Assistance for International Development (USAID),(10) the Philippines Department of Energy,(11) Winrock International,,(12) Amore chief Tetchi Cruz-Capellan,(13) Energy Undersecretary Zamzamin Ampatuan,(14) the Renewable Energy Act,(15) President Arroyo,(16)
●マニラ配電,今月より発電チャージ,0.3ペソ上乗せ
フィリッピンの高い電気代,その批判のやり玉に挙がっているマニラ配電(注16)の電気料金については,ここしばらく姦しい。このHPでも,2008年10月28日(注17)に,「ERC,世論の負け,マニラ配電の値上げを延期」,10月30日(注18)に,「マニラ電力,世界金融危機に際して,今年収益変わらずと期待」,また11月7日(注19)には,「フィリッピン,半導体業界,電力料金下げを,再度要請」,と記事が続く。
今日の記事。マニラ配電(注16)の電気料金に,天然ガスを使用しているIPPの経費加算を主因として,今月より0.3ペソ,約0.62セント相当,上乗せされる。その結果,KWh当たり発電チャージが,4.463ペソであったものが,4.76319ペソ,約9.837セント相当,となる。マニラ配電(注16)系列のIPP,ファーストガス(注20)の分が40%を占めている。
フィリッピンの天然ガスの価格は,原油の国際価格と連動することになっている。マニラ配電(注16)のペナ副社長(注21)は,今回の値上げ分は,備蓄されていたもので,40%安くなっている,この措置は今年の年末までである,と念を押している。この価格は,6ヶ月の結果で結果で決定されるから,今回分は,2008年4月から9月までの価格に相当する。従って,安くなるのは,2009年1月からになる。
(注) (16) Manila Electric Company (Meralco),(17) http://my.reset.jp/~adachihayao/081028A.htm,(18) http://my.reset.jp/~adachihayao/081030A.htm,(19) http://my.reset.jp/~adachihayao/081107B.htm,(20) First Gas,(21) Meralco vice president and utility economics head Ivanna dela Pena,(22)
Reference
Philippines
●081109A Philippines, Manila Bulletin
マニラ配電,今月より発電チャージ,0.3ペソ上乗せ
Meralco generation charge up by P0.30/kWh this month
http://www.mb.com.ph/BSNS20081109140319.html
●081109B Philippines, .gmanews
フィリッピン南部,再生可能で,小水力開発に挑戦
Tapping renewable energy: Micro-hydro power sparks hope in the war zone village in southern Philippines
http://www.gmanews.tv/story/132308/Tapping-renewable-energy-Micro-hydro-power-sparks-hope-in-the-war-zone-village-in-southern-Philippines
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