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アフリカ,中東,南米,再生可能エネルギーもあり。
温暖化最前線も始めました,下のHPから見て下さい。
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm
ペルーで開かれているAPEC首脳会議の大きなポイントは,WTO妥結に向けて,再び動き出そうとする雰囲気,それがすべてという気もする。ブッシュ大統領が,一人で頑張っている感もあるが,元々,米国に対して中国とインドの対立で前回壊れたのだから,ブッシュ大統領が年内,と言っているのは,余程の覚悟を決めたのか。
WTOの決裂は,日本なども農業関係など,良かったと思っている人たちも多いいが,皆が自由貿易を目指して行くことが,世界経済の発展のために必要なら,中途半端な取り組みは,かえって良くないと思う。日本の食糧自給率をある線で確保する,それはどの線で確保すればよいのだろうか。考えかけるときりがない。私も,良く書いているが,石油ガス石炭が入らなかったら,水力と原子力だけで4,5年は生きよう,そうするとどの様な生活になるのか,一度イメージしてみてはどうか。
戦争中のことを考えればよいのだろう。少なくとも今の水力と原子力を,うまく維持しながら生活すると,あの戦争中の生活よりは,かなり上等なのではないか。だから,ダム撤去なんて言うのはとんでもないと思う。でも,そう言うことを考えながら,世界はWTOの理想に向かって完全分業を目指すわけだから,日本には何が残るのだろうか。人間と原子力とダムと道路しか残らない?
そう言う意味で,インドネシアは,石油がどんどん底をついて,最近では石炭を頼りにしてきている。今日の記事では,大手石炭企業ブミ(注2)の株価が年初から81%という暴落を演じている。世界の石炭埋蔵量は,8,470億トン,133年分で,インドネシアは930億トンが残っていて,アジア最大の石炭輸出国,日本を初め多くのアジア諸国の発電計画に大きな影響を与えている。
今日の記事によると,石炭価格が2008年7月のピーク値トン192ドルから,現在の103ドルまで,46%下げたことも,株価押し下げの原因になっている。しかし記事の筆者は,石炭の経済性は揺るがないとし,百万Btu当たりに換算すると,石炭は1~2ドルに対し,石油ガスは6~12ドルで,5世代ぐらいまであるから,石炭の優位性は動かない,としている。
インドネシアの石炭は,スマトラ(注4)とカリマンタン(注5)に多いいが,今日の記事は,探査の重要性を強調している。チャン氏(注1)は,インドネシアの石炭は,短期的には株の値下がり,探査への投資減少,と危機的だが,将来の見通しを明らかにして投資を呼び込めれば,投資企業にとって非常に魅力的である,と結んでいる。今日の数字を見ると,世界の石炭包蔵の10%強をインドネシアが持って入り,私の言う,今しばらく人類は石炭に頼らなければならない,という主張の中で,インドネシア石炭の果たす役割は,大きいと思う。
(注) (1) David Chang , Analyst ,(2) Bumi Resources ,(3) Bakrie and Brothers ,(4) Sumatra,(5) Kalimantan,(6) Ministry of Energy & Mineral Resources,(7) Ministry of Environment,(8) Investment Coordinating Board,(9) Ministry of Finance,(10) Ministry of Communication and Regional Governments,(11)
本文
●インドネシアの石炭株暴落,石炭価格の暴落の影響
インドネシアの株式市場が暴落している,2008年初めから50%の下げで,アジア最悪である。この記事は,解説者のチャン氏(注1)が書いたものである。世界的な金融危機が,消費に与えた影響が大きい。その中でも,石炭企業ブミ(注2)はひどく81%も暴落,他の石炭関連企業も48~54%下げている。主たる理由は,石炭価格が2008年7月のピーク値トン192ドルから,現在の103ドルまで,46%下げたことだ。
石炭企業ブミ(注2)の株式に投資家の信頼を失わせたのは,その株式を保有していたバクリエブラザーズ(注3)が,35%の持ち合いを売却しようとしたことによる。チャン氏(注1)は,これはインドネシア石炭の短期的な沈滞減少だと思っている。それは,インドネシア石炭が,まだまだ重要だという認識に基づく。石炭は,世界中で,発電,製鉄,セメントなどに広く使われ,発電分野では,石炭が40%を占め,見通し可能な将来では,石炭がまだ発展し続けると,信じられるからだ。
インドネシア石炭は,アジア最大で,またアジアは2007年において世界の石炭の60%を消費しており,2010年には64%となると予想されている。インドネシアは世界最大の石炭輸出国である。炭素汚染が問題になっているが,石炭の経済性は揺るがない。百万Btu当たりに換算すると,石炭は1~2ドルに対し,石油ガスは6~12ドルである。石炭の埋蔵量は世界で8,470億トンであり,次の133年間,次の5~6世代に十分である。
インドネシアの石炭埋蔵量は930億トンである。インドネシアの石炭はスマトラ(注4)とカリマンタン(注5)に分布している。インドネシアの石炭は,硫黄分と窒素酸化物が少なく,廃棄部分も少なく,設備や灰捨て場の費用を節約できる。米国や欧州の規制にも有利である。それにインドネシアの石炭は露天掘りが多く,経済的である。国内的にも,既設ディーゼル,7,753MWを石炭に変える計画が進み,また2009~2010年に新雪石炭火力10,000MWの準備が進んでいる。
インドネシアの石炭の探査への外資の投資が進まないのは,不確定な規制措置と法制度である。インドネシアの石炭がこのまま推移すると,石油のように石炭輸入国に陥る可能性がある。インドネシアの石炭は,エネルギー鉱物資源省(注6),環境省(注7),投資調整庁(注8),財務省(注9),通信自治省(注10)の多くの省庁で管理されていることが弊害だ。これが除かれれば,インドネシアの石炭産業は,極めて有望だ。
チャン氏(注1)は,インドネシアの石炭は,短期的には株の値下がり,探査への投資減少,と危機的だが,将来の見通しを明らかにして投資を呼び込めれば,投資企業にとって非常に魅力的である,と結んでいる。今日の数字を見ると,世界の石炭包蔵の10%強をインドネシアが持って入り,私の言う,今しばらく人類は石炭に頼らなければならない,という主張の中で,インドネシア石炭の果たす役割は,大きいと思う。
(注) (1) David Chang , Analyst ,(2) Bumi Resources ,(3) Bakrie and Brothers ,(4) Sumatra,(5) Kalimantan,(6) Ministry of Energy & Mineral Resources,(7) Ministry of Environment,(8) Investment Coordinating Board,(9) Ministry of Finance,(10) Ministry of Communication and Regional Governments,(11)
●中国が,ミャンマーを原油の中継基地として使おうとしている
中国を中心とした外国勢力のミャンマーのエネルギー資源開発については,2008年11月1日付本欄(注11)で,中国紙が総括して,国際的な争奪戦の様相を示してきたことを匂わせている。また,2008年11月17日付け本欄(注2)では,新たに15のダムが計画に上がってきたことを伝えた。この活動をミャンマーにとってチャンスと見るか,外国の収奪と見るか,大いに意見の分かれるところである,と書いている。今日の記事は,ミャンマー紙イラワジ(注13)が,各国の動きに批判的な記事を載せている。
中国が,パイプラインによってミャンマーを,中東やアフリカからの原油ガス中継地として使うという意図を明らかにしてから,ミャンマーに於ける人権問題が,再びクローズアップされてきた。中国はメディアを通じて,雲南省高官の談話として,15億ドルのパイプライン建設は,この6ヶ月内に着工するだろう,と報じている。皮肉にも,世界の金融危機と時を同じくするが,先般中国政府が発表した6000億ドルの緊急対策に含まれると考える可能性もあると言うことだ。
情報として,中国は,アラカン沿岸(注16),ラムリー島(注14)のチャウクピュー(注15)に,スーパータンカーを接岸できる高深度港湾を建設中,と言われている。このことは,中国メディアも,マラッカ海峡(注17)ノミに頼り必要のないルートをミャンマーが提供してくれる,との表現で,これを認めている。また,中国国有巨大エネルギー企業CNPC(注18)は,原油パイプラインとは別に,10億ドルで,ミャンマーのガスを運ぶパイプラインを敷設する予定である。
国際人権団体は,これらのパイプラインの影響を心配している。シュエガス運動のウオンアウン氏(注21)は,アラカン州(注19)やシャン州(注20)に於ける人権が侵される,それは,軍部が大部隊を派遣して治安維持を名目に,強制的な立ち退きや労働などを,強いる可能性がある,と心配している。また問題は,韓国のダイウー(注22)の動きである。ダイウー(注22)はCNPC(注18)のパートナーで,シュエガス田(注23)の主開発企業である。米国籍の地球人権ERIのスミス氏(注24)は,韓国がOECD(注25)のメンバー国でありながら,この人権問題の一端の責任を負うことに懸念を示している。
専門家ワタナ氏(注26)は,これらのパイプラインは,ミャンマーの石油ガス公社(注27)が進めていると公表されているが,実質は中国のCNPC(注18)が進めているとの理解だ,と言っている。中国が,自国のエネルギー確保のため,ミャンマーを使っている,との認識である。また,ダムの問題についても,現在進行中の22のダムに加え,新たに15のダムの計画を追加している。これは,現在進行中の,16,500MWの上に新たに,14,000MWを加えることとなる。
専門家のレイノルズ氏(注28)は,これらの発電所が全部動くと,タイの現在の容量を超えてしまう,と言っている。ミャンマーの現在の電力は,17,00MWにしか過ぎない。タイの現在の設備は,26,000MWであるが,結局,ミャンマーの電力は,インドや中国に送られることになるだろう。関連する中国の企業は,YMEIE(注29),FIGC(注30),GWRI(注31)で,CPIC(注32)に至っては,一社で7つのダムを建設中である。
またこの記事では,日本の自動車メーカーもやり玉に挙がっており,日産と鈴木が,ミャンマーの軍関係企業FMI(注33)と結んで,車の組み立てとオートバイの生産に携わっている。ピックアップで,現在の月産170台を,2009年には1,200台に上がると,FMI(注33)は言っている。鈴木のミャンマー産業省(注34)との契約は,更に将来20年間に更新されている。工場は,南ダゴン工業団地(注35)にある。ロンドンのロイドも,ミャンマー軍事政権と結びついている,として非難されている。
この報告にあるように,経済的な結びつきを軍事政権との間で深めているのは,中国だけではない。しかし,ミャンマーの水力資源の開発は,おそらく,今しかない,と言うことは,皆よく分かっていると思う。政権が民主化されたときに,これらの資産はどうなるのであろうか。中国が,莫大な資金の償還を要求することになるのだろうか。しかし中国は,少なくとも20年は軍事政権が続く,と読まなければ,これだけの投資は出来ないだろう。
(注) (11) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081101A.htmm,(12) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081117C.htm,(13) http://www.irrawaddy.org/,(14) Ramree Island,(15) Kyaukphyu,(16) Arakan coast,(17) Strait of Malacca,(18) China National Petroleum Corp,(19) Arakan atate,(20) Shan state,(21) Wong Aung, coordinator of the Shwe Gas Movement,(22) Daewoo International,(23) Shwe Gas Project,(24) Matthew F Smith of the US-based EarthRights International,(25) Organization for Economic Cooperation and Development,(26) regional energy industries analyst-consultant Sar Watana,(27) Myanmar Oil and Gas Enterprise,(28) energy consultant Collin Reynolds in Bangkok,(2) Yunnan Machinery and Equipment Import and Export Co,(30) Farsighted Investment Group Co,(31) Gold Water Resources Limited,(32) China Power Investment Corporation,(33) First Myanmar Investment,(34) Ministry of Industry (2),(35) South Dagon Industrial Zone in Rangoon,(36)
●中国の電力分野,2000~2008年,報告書刊行
2008年11発8日付本欄(注36)では,2008年の年次報告書が刊行されている。今回は,2000~2008年の9年間の電力投資に関する報告書(注37)と考えられる。2007年末時点の設備出力は,713,000MWである。2008年は順調で,電力需要は年率13%の伸びが続く。しかし,小規模老朽発電所の閉鎖や投資の抑制で,2008年の設備の伸びは,11.8%に止まるだろう。
将来10年間の電力産業は,工業化と都市化が進んで,年率平均6.6~7.0%の伸びを続け,それに見合う投資が必要だ。投資の方向は,水力,風力,原子力の伸びが期待されるが,やはり石炭火力への投資の第一位を占める。この構造はしばらく長く続くだろう。現在の発電量は,水力が13.88%,原子力が1.94%,風力が0.26%に対して,石炭火力は78%を占めていて,70%まで下がる2020年までは同じ傾向だろう。
これらの電源の投資を分析すると,資産負債比(注38)はこれらの電源で変わりはないが,全出力に対するコスト比と便益比では,水力と原子力が全平均より優れている。特に原子力の便益比(注39)は30%を示し,石炭火力の30%,全平均の10%に比べて,かなり高い。この報告書(注37)は,上場の56の電力企業の,2000~2008年の投資実績を分析したもので,中国電力産業全体の傾向と投資の特徴を分析している。
投資額について言えば,広東省(注40),15.33%,内モンゴル自治区(注41),13.84%,上海(注42)10.53%,で,これに四川省(注43),北京(注44)が続く。電源種別では,火力が,2163.8億元,水力が,977.3億元,熱電共同(注45)が,485.8億元であり,これにガス探査と石炭鉱山探査への投資が続く。この報告書では,56の上場企業が調査の対象となったが,例として,広東電力開発公司(注46)を見て見ると,年間の投資額が,15~25億元の間である。
また,広東電力開発公司(注46)は,金融業(注47,48)にも進出している。また,風力発電の進展に伴い,シベイシャン風力プロジェクト(注49),100MWに30%出資して,既に発電を開始している。また,風力発電プロジェクト調査を,広東省(注40)の湛江(注50)で開始している。
(注) (36) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081108C.htm,(37) Investment Report of China Electric Power Industry 2000 to 2008,(38) asset-liability ratio,(39) ratio of profit to gross output value,(40) Guangdong province,(41) Inner Mongolia Autonomous Region,(42) Shanghai,(43) Sichuan,(44) Beijing,(45) thermoelectricity,(46) Guangdong Electric Power Development Co., Ltd.,(47) Guangdong Yuedian Finance Co. Ltd.,(48) Sunshine Insurance Group Corp. Ltd.,(49) Shibeishan Wind Power Project,(50) Zhanjiang,(51)
●中国の怒川のダム開発,グリーンビート
サルウイーン河(注52)上流,中国領内の怒川(注53)の13のダム計画については,既に各所で報告されているが,この記事でビデオがユーチューブ(注54)で公開されている。グリーンビート(注51)が撮影したものだ。余り写真は良くないが,初めて見る怒川(注53)の光景である。是非とも見て下さい(注55)。中国にもこのようなグリーンビート(注51)と言う環境団体があるのだ。控えめながら,怒川(注53)のダム開発に於ける環境被害を心配している。
2004年,中国でもっとも生物多様性の高い怒川(注53)で,13のダム計画が発表された。全部のダムの発電出力は,三峡ダムの発電をこすもので,この電力は中国南西部で消費される計画である。2004年に,温家宝首相(注56)が,環境団体や外国の声で,一時中断の決定を行った。2005年の後半にいたって,幾つかの規模を小さくしたプロジェクトが提案され,これがダム建設の始まりを意味した。環境に悪影響を与えるであろうダム建設以外で,この地域に電力をもたらすことは考えられない。
雲南省の怒川(注53)の情報は,「中国河川プロジェクト(注58)」,に詳しい。怒川(注53)の全長は3,059km,水源は,キンハイ-チベット高原(注59)のタングラ山(注60)に発し,インド洋の北東端に流れ込む。このうち約700kmは,「東洋のグランドキャニオン(注61)」,と呼ばれる峡谷をなす。流れは,ガオリゴン山(注62)に当たって西に方向を変え,ビルオ雪山(注63)とメイリ雪山(注64)で東に変わるが,その間,4,500mの深さの渓谷をなしている。
怒川(注53)は,中国の雲南省を流れ下って,ミャンマー東部に入り,サルウイーン河(注52)と呼ばれる。サルウイーン河(注52)はところにより,タイとミャンマーの国境をなしながら,最後はカイン州(注65)のアンダマン海(注66)に注ぐ。13のダム計画で少数民族の多数の部落が水没するが,自然及び社会的環境への影響が懸念されている。
(注) (51) Green Beat,(52) Salween River,(53) Nu River,(54) Tou Tube,(55) http://www.chinasgreenbeat.com/blog/,(56) Wen Jiabao,(58) China River Project,(59) Qinghai-Tibet plateau,(60) Tangula Mountain,(61) “Grand Canyon of the East.”,(62) Gao Li Gong Shan,(63) Bi Luo Snow Mountain,(64) Mei Li Snow Mountain Range,(65) Kayin State,(66) Andaman Sea,(67)
Reference
Vietnam
●081122A Vietnam, psnews
最近のベトナムのダム批判は,どうしたことか
Rare Criticism of Dams Surface
http://www.ipsnews.net/news.asp?idnews=44797
Myanmar
●081122B Myanmar, irrawaddy
中国が,ミャンマーを原油の中継基地として使おうとしている
China’s Burma Oil Conduit an ‘Abuse Threat’
http://www.irrawaddy.org/article.php?art_id=14673
India
●081122C India, pump-zone
インドの2012年までの電源開発目標は,92,000MW
India Targeting 92,000-MW Power Addition by 2012
http://www.pump-zone.com/global-news/global-news/india-targeting-92000-mw-power-addition-by-2012.html
Indonesia
●081122D Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアの石炭株暴落,石炭価格の暴落の影響
Power of the future despite looking black now
http://www.thejakartapost.com/news/2008/11/21/coal-power-future-despite-looking-black-now.html
China
●081122E China, companiesandmarkets
中国の電力分野,2000~2008年,報告書刊行
Investment Report of China Electric Power Industry 2000 to 2008
http://www.live-pr.com/en/investment-report-of-china-electric-power-r1048231550.htm
●081122F China, chinadigitaltimes
中国の怒川のダム開発,グリーンビート
Hydropower on the Nu River
http://chinadigitaltimes.net/2008/11/hydropower-on-the-nu-river/
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