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http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm
今日のニュースで目を引くのは,オーストラリアで大規模な天然ガス開発が行われる,と言う日経の記事(注23)である。米シェブロンや英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルなどの動きで,4兆円投資で2014年稼働,生産量は,カタールに次ぐ世界第2位の見込み,とある。天然ガスは地球上何処でもある,というのは私の信念で,誰もついて来ないが,もう宗教的な信じ込みに陥っている。
何処で誰がどれだけ投資できるか,にかかっているから,次がオーストラリアだ,というのは私は初耳である。再生可能エネルギーで生きれると信じているというオバマ政権下で,しかも金融危機の最中の,天然ガスに大型投資,の報道である。感じからしても,深海のある日本周辺のガス生産は大変だろうと思うが,そうか,大陸棚が大きいところ,経済的な基盤のあるところ,それがオーストラリアなのか。
もう一つ,三井物産の定例移動人事を報じたビジネスアイ(注24),三井物産は,70%を資源エネルギー分野で稼ぎ出しているらしいが,今度の配置転換で明らかになったのは,この偏った人事を,成長分野にシフトする,と読んでいることだ。成長分野とは,農業食糧分野と新エネルギー分野という。農業については,最近よく言われているから分かるが,新エネルギーとは何か,となると,問題も出てくる。
もしそれが,太陽光と風力であれば,少し焦点が違うかも知れない,と言いたくなる。一定の伸びはあるであろうが,量的に行き詰まる,と]言うことは,資源エネルギー分野を肩代わりできるような産業には,発展できないのではないか,と思っている。それよりも,昨日出ていた,大容量の電力を貯蔵し,瞬時に供給できる,「電力貯蔵用ナトリウム硫黄電池」(NAS電池),とは何者なのであろうか。
ラオスの水力については,長い間触れていないが,元々私の心の故郷は,ラオスの水力である。早くから,ナムテン第2水力の経済性を評価してきたし,次に続くのは,ダム式とは言え,ナムグム第2水力であろうと考えてきた。ここまでは,タイに電気を売るとしても,経済的に問題ないと思っていたが,それ以降のプロジェクトについては,多くの議論があった。
今日のニュースで,出力615MW,タイ企業が,昨年のインフレを何とか克服して,2010年にも運転開始するような雰囲気で安心した。三井物産と東芝が,この電気機器に参加しているが,この激しい時期に,良く国際入札でとれたことだと思う。昨年夏の鋼材の暴騰で相当苦労があったようだが,2010年8月にも運転開始,と報じられているので,良かったと思っている。
(注) (23) http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090203AT2M0202S02022009.html,(24) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200902030109a.nwc,(25)
本文
●ラオスの水力開発企業,タイ証券市場に上場の構え
ラオス東南アジアエナージSEAN(注1)は,ナムグム第2水力(注2)のために,タイの建設企業カムチャンCK(注3)が造った関連会社である。今日の記事は,バンコク発ロイター電で,このSEAN(注1)を,タイの証券市場(注4)への上場を視野に入れている,という証券市場のニュースである。この金融危機のタイミングなので,時期は明確にしていないが,ナムグム第2水力(注2)のオーナーとしての野望がある。
この機会に,しばらく遠ざかっていた,メコン支流ナムグム川(注5)の開発の模様を見ておこう。ナムグム第2水力(注2)は,私はラオスの水力の中では,ナムテン第2水力(注6)に次ぐ規模と経済性を持った優秀なプロジェクトである,と認識してきた。早くから開発の声がかかっており,既に工事も進んで,2010年にも完成の見込みと報じられている。出力は,615MWである。おそらく日15時間運転なので,将来,1,200MWの可能性。
昨年,2008年10月時点で報じた記事がある(注7)。それによると,着工したのは2005年で,昨年8月時点で工事の進捗は65%と報じられている。2008年8月時点のニュースなので,工事費の値上がりを心配しており,30%以上増えるものと懸念している。確か,電気機器は東芝と記憶しているので,当時の東芝としては,相当の値上げを要求したのではないか。今では鋼材価格は,様変わりしているが。
タイのEGAT(注8)との買電契約PPA(注9)は,2004年に既に合意されている。この半年の経済情勢から,改訂の動きが出ているとも記憶している。しかし,この昨年8月時点では,ナムグム第2水力(注2)の総工事費316億バーツは,既にタイの銀行(注10)との間で,資金調達を終えており,工事費改定は困難,との見通しが出ていた。この鞘を取るため,運転開始を早める考えで,数ヶ月早い,2010年8月を予定している。
このときの報道では,EGAT(注8)では,開発計画PDPを見直しているが,予定より1年遅れのプロジェクトとして,ナムニエップ水力(注11),ナムグム第3水力(注12),ナムテン第1水力(注13),ナムウー水力(注14),ホンサ石炭火力(注15),合計出力,2,336MWとされていた。ナムグム第2水力(注2)は先行着工して,この大変動の影響を最小限に食い止めたと言うことか。
(注) (1) Laos Southeast Asia Energy Co Ltd (SEAN),(2) Nam Ngum II hydropower plant,(3) Ch Karnchang CK.BK,(4) Bangkok stock exchange,(5) Nam Ngum river,(6) Nam Theun II hydropower plant,(7) http://www.flickr.com/photos/nn2dam/,(8) Electricity Generating Authority of
Thailand (Egat),(9) power purchasing agreement (PPA),(10) Krung Thai Bank, TMB Bank and Siam City Bank,(11) Nam Ngiep,(12) Nam Ngum 3,(13) Nam Theun 1,(14) Nam Ou,(15) coal-fired Hongsa Lignite plant,(16)
●インド,アルンチャルプラデシュ,SJVNLが水力開発
インドのみならず,周辺諸国の電力を引っかき回す男,私が注視している,インド電力省の政治職,ラメッシュ副大臣(注16),(これ,大臣と書いてあるけど,副大臣の間違いですよね。),が,ヒマチャルプラデシュ(注17)の州都シムラ(注18)に現れたので,追っかけてみた。ヒマチャルプラデシュ(注17)には,そこを拠点とする公的開発公社SJVNL(注19)の本社ビル完成式に州首相(注20)と共に出席したようだ。
ラメッシュ副大臣(注16)は,SJVNL(注19)は現在,ヒマチャルプラデシュ(注17),ウッタラカンド(注18),ネパール,ブータンでプロジェクトを進めているが,アルナチャルプラデシュ(注22)にプロジェクトを持っていないので,直ちに持つべきだ,と暗にその仲介を約束した。SJVNL(注19)は現在,6,000MWの発電設備を持っている。
また,ヒマチャルプラデシュ(注17)の,19,000MWのポテンシャルのうち,11,000MWを,この先4年間で開発すべきだ,と語っている。更に,SJVNL(注19)は,ブータンやネパールと,国際的な協力を展開するようにアドバイスしている。また,他の発電公社と協力して,ヒマチャルプラデシュ(注17)に,工業大学など,教育機関の充実を呼びかけている。(ラメシュは電力大臣になったのですかね,その様な記事がある)
(注) (16) Jairam Ramesh, central power minister,(17) Himachal Pradesh,(18) Shimla,(19) Satluj Jal Vidyut Nigam (SJVNL),(20) chief minister Prem Kumar Dhumal,(21) Uttrakhand,(22) Arunachal Pradesh,(23)
参考資料
ラオス
●090203A Laos, uk.reuters.com
ラオスの水力開発企業,タイ証券市場に上場の構え
Thai Ch Karnchang eyes IPO for Laos subsidiary
http://uk.reuters.com/article/oilRpt/idUKBKK21132420090202
インド
●090203B India, Economic Times
インド,アルンチャルプラデシュ,SJVNLが水力開発
SJVNL to be given projects in Aurnachal Pradesh ? Jiaram Ramesh
http://himachal.us/2009/02/01/sjvnl-to-be-given-projects-in-aurnachal-pradesh-?-jiaram-ramesh/10356/news/ravinder
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