HPは下記ドメインです。写真地図など見て下さい。
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm
今日の話題は,東京電力の復調と原発要員不足に備える1,000人規模の新卒使用計画か。電力だけがなぜ好調なのか,各企業の操業停止や設備廃止などで,需要も影響を受けていると思われるが,おそらく急激なエネルギーを含めた資源価格の下落が,電力を救っているのだろう。資料不足で確実には分からないが,電力料金調整が,急激な資源価格下落について行っていないのではないか。
今日の政府の地球温暖化会議で,電気事業連合会の森本宜久副会長が,「大幅な省エネの進展を前提とした大規模な設備投資はできない」,と言い切って,1990年比で4%程度の温暖化ガス削減は難しい,と言い切っている。批判を浴びそうだが,原子力発電所の稼働も上がってくると考えると,もう少し謙虚に発言してはどうか,と誰かに言われている。
麻生首相のサハリン訪問でサハリン2のLNGが大いに盛り上がっている。ここでLNG関連の数字を整理しておこう。日本の2008年の年間LNG輸入量は6,680万トン,世界の40%を占める。輸入の内訳は,インドネシアが1,360万トン(300万トンに減らすと言われている),マレーシアが1,330万トン,オーストラリアが1,210万トン,カタールが880万トン,ブルネイが640万トン,サハリン600万トン,UAEが560万トン,オマン360万トン
インドの外務次官がカトマンズを訪問,ネパールのダハール首相,プラチャンダと,インドの開発協力について話し合っている。目玉は,プラチャンダーの打ちだした,10年間で10,000MWの水力開発だ。その後,一向に進んだ話がないが,首相公邸で1時間に亘って話し合われた中には,具体的な地点名も出てきている。昨日は,アッパータマコシの話題で,インドと中国の企業が,大挙してネパールにいることが分かる。
おそらく,大規模プロジェクトは,今こそ仕込むチャンスではないかと思われる。ダムの事業費,電気機器も含めて,昨年,2008年半ばの価格よりも半減に近い減り方をしているのではないか。昨年時点では,何を仕掛けても事業費が高くてどうしようもなかった。今は,どのプロジェクトでも採算ベースに入ってくるのではないか,特にネパールなどはそうだ。
資金調達難,将来の見通しが不透明,などがプロジェクトを仕掛ける邪魔をしている,と皆考えているだろうが,プロジェクトは立ち上げるときが最も重要で,ある程度立ち上がってしまえば勢いで走り出す。車でも,信号待ちからダッシュするのが一番難しい。今なら,軽くアクセルを踏むだけで走り始める。ネパールは,日本から見ると大変だろうが,日本工営やJパワーは経験豊富,どんどん引っ張るべきだ。
本文
●タイのラチャブリ電力が2009年の拡張計画で128百万ドル
タイ最大の民間発電会社ラチャブリRATK(注1)の2009年の活動計画が報じられている。水曜日,2009年2月18日,RATK(注1)は,2009年に,既存及び新規のプロジェクトに,450億バーツ,約128百万ドル相当,の投資を行う計画を発表した。その説明文書によると,持続的エネルギー分野への参入として,タイ北部のペッチャブン県(注2)の風力プロジェクト(注10)に,11.1億バーツを投資するという。
この風力プロジェクト(注10)は,設備出力60MW,年間発生電力量125GWh,2011年運転開始,の計画である。タイの民間企業再生可能エネルギーREC(注3)が,この42.7億バーツの資本の74%を持っている。RATK(注1)は,ラオスに,ホンサ・リグナイト火力(注4),ナムグム3水力(注5),セピアン・セナムノイ水力(注6)の3つのプロジェクトを持っている。更に,ベトナムやインドネシアのプロジェクトも,視野に入れている。
RATK(注1)の資本は,国有電力EGAT(注7)が45%,タイ最大の石炭企業バンプBANP(注8)が15%,保有している。タイ証券市場SETI(注9)の今日の0347GMT株価は,0.6%ダウンの39.25バーツ,なおその時のSETI(注9)指数は,0.4%ダウンである。1ドルは,35.24バーツ。
(注) (1) Ratchaburi Electricity Generating Holding RATC.BK,(2) Phetchabun province,(3) Renewable Energy Corporation,(4) Hongsa lignite power plant,(5) Nam Ngum 3 hydropower plant,(6) Xe-Pian Xe-Namnoy hydropower plant project,(7) Electricity Generating Authority of Thailand (EGAT),(8) Banpu BANP.BK,(9) Thai stock index .SETI,(10) wind power project,(11)
●フィリッピンの石炭で20ブロックを民間セクターへ
フィリッピンに石炭があるのかね、と言いながらまとめたのは、2009年2月9日付本HP(注14)である。セミララ島、カガヤン渓谷,ミンダナオなどが上げられ,ミンダナオでは,9億トンの包蔵が見積もられている。この時点のNEDO報告では,この記事にあるセブ南部の記述はない。炭質は,発熱量,3,900~5,200 Kcal/kg,とされて,余り良くない。セブ南部は良質,と書かれている。これが前回の大要。
今日の記事。エネルギー省(注11)によって,およそ20ブロックが,フィリッピン・エネルギー契約ラウンドPECR(注12)の次のラウンドとして,民間開発に委ねられる。エネルギー・オフィスは,石炭事業契約COC(注13)への応札のプロセスなどに関するガイドラインを作成中である。オカ・エネルギー省次官(注15)は,この石炭事業契約COC(注13)に続いて,他のエネルギー資源,原油やガスについても踏み出す,と言っている。
次官(注15)は,我々は石炭を発進させた,ガイドラインが出来ればすぐに発表し,15日程度を経て,3月には実際の石炭への行動に移る,と言っている。この政府の国内石炭の包括的な開発の意図は,近い将来,その需要が増える,との期待に基づいている。油田ブロックの入札が終われば,今年のラウンドは終了するが,次は地熱開発に移ることになる。
ここ数年の石炭の価格上昇は,国内石炭の増産を後押ししている。事実,現在計画中の石炭火力の殆どは,国内石炭を使用する設計になっている。実際には国内炭は量的に厳しく,現在の石炭火力は,殆ど,中国,インドネシア,オーストラリアからの輸入で賄われている。もう一つのディレンマは,国内石炭の質で,他の国の石炭に比べて,低質である。
世界的な燃料のクリーン・エネルギー資源への転換の流れの中でも,石炭は,安定したエネルギーとして,エネルギー・ミックスの中での役割が期待されている。有毒ガスの噴出を少なくするために,開発企業は,クリーン・石炭技術(注16)に期待が集まっている。
(注) (11) Department of Energy (DoE),(12) Philippine Energy Contracting Round (PECR),(13) coal operating contracts (COCs),(14) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090209A.htm,(15) Energy undersecretary Ramon Oca,(16) clean coal technologies,(17)
●ネパール首相とインドの外相が今後の開発計画で協議
その後のインドとネパールの関係,二国間の開発協力はどうなっているのか,関心を持っていたところである。2009年2月17日,インドのメノン外務次官(注17)は,ネパールのダハール首相(注18)をバルワタール(注19)の首相公邸を訪ね,暫時懇談した。タパ首相補佐官(注21)によると,2008年9月のダハール首相(注18)の初めてのインド訪問の際に話し合われた主要な二国間プロジェクトについて,約1時間,協議された。
また,2008年11月の,インドのムケルジ外相(注20)がネパール訪問のときの約束も話題となった。このときの,ネパールのヤダブ外相(注22)との間の16項目の進捗状況が検討された。主要な項目は,ネパールの,10,000MW水力10年内開発構想と,問題を抱えたテライ(注30)の法令を回復する点であった。ネパール側は,インドの公私に渡る企業の投資環境整備を約束した。
ダハール首相(注18)は,メノン外務次官(注17)に対して,インドが支援を約束しているナウムレ水力プロジェクト(注23)の進捗について質問した。ネパール側から,何か障害があるなら言ってくれ,と言ったが,メノン外務次官(注17)は,今,両サイドがこのラプティ(注24)のダム建設について,協議を進めている,と答えている。また,コシ堤防(注25)と送電線の問題も,支援を約束した。
タパ首相補佐官(注21)によると,新規送電線は,まもなく,ムザファルプール(注26)とビハール(注27)の間に建設される,また,東西ハイウエー(注28)の損傷箇所は,3月末までに修復される,と説明されている。その午後には,メノン外務次官(注17)は,コイララ前首相(注29)をその自宅に訪ねて,現在の政治環境について,状況を探った。
コイララ前首相(注29)は,現況を説明した後,娘のスジャタ(注31)から,最近のダハール首相(注18)の無責任な発言は,政治混乱を招く恐れがある,とのコメントを聞いた。この議会の重鎮は,政治勢力の意見の一致,協力,統一が緊要,との意見を述べた。
(注) (17) Indian foreign secretary Shiv Shankar Menon,(18) Prime Minister Pushpa Kamal Dahal ‘Prachanda’,(19) Baluwatar,(20) Indian Foreign Minister Pranab Mukherjee,(21) Hira Bahadur Thapa, PM’s foreign policy advisor,(22) Foreign Minister Upendra Yadav,(23) Naumure hydro-project,(24) Rapti,(25) Koshi embankments,(26) Muzaffarpur,(27) Bihar,(28) East-West Highway,(29) former Prime Minister Girija Prasad Koirala,(30) Tarai,(31) Sujata Koirala, daughter of the veteran leader,(32)
●インドネシアのプルタミナがナツナガス田で政府補償を要求
インドネシア,リアウ諸島(注33)のナツナガス田(注34)のインドネシア政府とエクソンモビル(注35)の長年に亘る紛争については,2009年1月21日付本HP(注32)で解説し,インドネシア政府にとって,エクソンモビル(注35)の探査権は,2005年に失効していた,との判断を示したいた。ここの天然ガス包蔵量は16兆立方フィートと言われ,プルタミナ(注35)主導の政府方針が,確認されている。
今日の記事。水曜日,2009年2月18日,原油ガス規制機関BPミガス(注36)は,ナツナガス田(注34)の開発資金調達に関して,プルタミナ(注35)が,政府保証(注37)を要求していることを明らかにした。BPミガス(注36)のプリヨノ総裁(注38)が語ったところによると,必要投資額が,400億ドルという莫大なため,プルタミナ(注35)だけでは調達困難で,政府の協力が必要,と言っていると。
タングー天然ガス田(注39)でインドネシア政府がBPミガス(注36)に出したような,信用できるレター(注40)の発行を求めている。プルタミナ(注35)は現在,ナツナガス田(注34)の開発に関わるパートナーを捜しているが,その候補として,シェブロン(注41),エクソンモビル(注35),ステートハイドロ(注42),CNPC(注43),シェル(注44),ペtロナス(注45),ENIスパ(注46)の名前が挙がっている。
プルタミナ(注35)は,ナツナガス田(注34)少なくとも40%以上の主導多数の資本を望んでおり,その事業運営者となる希望である。
(注) (32) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090121E.htm、(33) Riau Islands,(34) Natuna-D Alpha block,(35) ExxonMobil,(35) PT Pertamina,(36) BP Migas,(37) government guarantee,(38) BP Migas president R Priyono,(39) Tangguh gas field,(40) trustee letter,(41) Chevron,(42) Total,(43) StatoilHydro,(44) CNPC,(45) Shell,(46) Petronas,(47) ENI Spa.,(48)
参考資料
タイ
●090219A Thailand, Bangkok Post
タイのラチャブリ電力が2009年の拡張計画で128百万ドル
Thai Ratchaburi to spend $128 mln on 2009 expansion
http://www.reuters.com/article/rbssUtilitiesElectric/idUSBKK41601520090218
フィリッピン
●090219B Philippines, Manila Bulletin
フィリッピンの石炭で20ブロックを民間セクターへ
20 coal blocks offered to investors
http://www.mb.com.ph/BSNS20090218148387.html
ネパール
●090219C Nepal, thehimalayantimes
ネパール首相とインドの外相が今後の開発計画で協議
Follow-up push to bilateral commitments
http://www.thehimalayantimes.com/fullstory.asp?filename=6a1Za0zko2am8&folder=aHaoamW&Name=Home&dtSiteDate=20090218
インドネシア
●090219E Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアのプルタミナがナツナガス田で政府補償を要求
Pertamina asks for government guarantee for Natuna
http://www.thejakartapost.com/news/2009/02/18/pertamina-asks-government-guarantee-natuna.html
0 件のコメント:
コメントを投稿