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突然のパナソニックの,「破壊と創造」(注64),がメディアに現れ,1万5,000人の削減もさることながら,国内外にある230の事業拠点の20%を削減する,と言うのは,余りにも思い切った破壊で,大勢の人が戸惑っていることだろう。パナソニックはまだ廃止する事業所を完全には明らかにしていない。かって成功した果敢な破壊と創造に,再び挑戦か。米国企業の,1月の人員削減も,24万人以上と伝えている。
また一方で,求職と職提供のミスマッチを,テレビは大きく報じていた。昨夜の,テレビって奴は,で何のために働くか,議論していたけれども,お金だけでないところに,職探しの難しさがあるのだろう。誇りある仕事,と主張していた人もいたが,埃ある仕事,に就くのは嫌,と言うのも,この事態でまだあるのか。自分の存在の証をこの世に残しておきたい,と答える人もいたが,かなり無難な回答だと思う。
中国は,北京で大会議を開いて,電力分野の2009年の活動計画について議論が行われている。2008年末現在で,全発電設備は,792,000MWに達したという,恐ろしいとしか言いようがない,米国に次いで第2位だ。天安門事件の直後,1989年,その発電設備は,約80,000MWだった。18年間で10倍か。造りすぎ,というのは良く我々が行ってきた言葉。今日の記事で,数点,思うことあり。
第一点。中国も再生可能エネルギー開発への大きなビジョンを持っているが,印象が強いのは,風力はやるが太陽光はやらない,と決めてかかっていることだ。太陽光は余りにも高価すぎる,少ない間はよいけれど,系統の中での割合が増えてくると,電力経済が大変なことになる,と分かっている。風力を大々的に開発し,太陽光はパネルを大量生産して日本に売るだけ,中国国内では使わないと言う。すごい割り切りに感心している。
第二点。もう一つは,電力石炭総合開発地点を,2カ所ほど選んで,2009年にも着工していることである。石炭の輸送に行き詰まり,結局,石炭のあるところに石炭火力を造らねばならない,と割り切ったわけである。そのやり方がまた大規模で,結局民間でやったのでは,規模の小さいもののつぎはぎは出来るが,基礎から大規模にやって行くには,国家プロジェクトにしなければならない,と理解したようだ。
第三点。送電網の整備に重点を置く,当然のことだろう,超高圧直流送電も視野に入れて,石炭電力総合開発の地点から,3,000MW,4,000MWと大規模に運んで来る構想だ。ここで思うのは米国のことで,オバマ大統領が特に送電網を取り上げて,知的送電網を含んだ大規模な投資を考えている。考えるに,米国,橋梁もそうだが,おそらく送電線も相当に傷んでいるのではないか。日本も,後50年もすればそうなるか。
(注) (64) http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200902050018a.nwc
本文
●インド,仏のアレバと,原子力協力で覚書署名
インドと米国の原子力協力協定の成立後,原子力供給グループNSG(注1)のインドへの輸出解禁,と進み,最初に接触を開始したのはフランスである。2008年12月16日付本HP(注2)では,世界最大規模,フランスの原子力企業アレバ(注3)とインド原子力開発公社NPCIL(注4)は,年間300トンのウラニューム供給で,協定に署名したことが報じられている。フランスはダライラマで中国と問題があるだけに,本件,必死である。
国際民間原子力のインドへのドアが開かれてから,インドは最初の商業的事業の合意を,世界最大規模,フランスの原子力企業アレバ(注3)と,原子力発電所の建設に向けて,明日,2009年2月5日,署名を交わすことになった。最初の段階として,アレバ(注3)は,欧州加圧水型原子炉EPR(注5),1,650MW機,2基を,マハラシュトラ州(注6)のジャイタプール(注7)に提供することになる。
この覚書MOUは,インド原子力発電公社NPCIL(注8)とアレバ(注3)の間で,チャバン副大臣(注9)と訪印中のイドラック仏外務副大臣(注10)の立ち会いの下,署名される。なお,この2機の供与に続いて,更に4機のEPR(注5)が,遅れて提供されることが期待されている。このEPR(注5)が使用されている国は,フランスの他,フィンランド,中国である。2008年12月には,インドは,300トンのウランを仏から輸入することになっている。
昨年,2008年9月,インドも世界的な原子力産業に参加することが決まり,歴史的な原子力供給グループNSG(注1)との協定が結ばれてから,最初の原子炉供与に関する商業協定となる。NSG(注1)との合意以降,インドは,二国間の原子力協定を,米国を初め,フランス,ロシア,カザフスタン(注11)と結んできた。
昨日,2009年2月3日,ウイーン(注12)で,IAEA(注13)と結んだ,インド特定防護対策協定(注14)が批准されれば,アレバ(注3)から供与される原子核燃料は,ラジャスタン原子力発電所(注15)に使用されるが,この2機のユニットには既にこの30年間,安全な運転の実績がある。
(注) (1) Nuclear Suppliers’ Group,(2) http://my.reset.jp/~adachihayao/index081216D.htm,(3) Areva,(4) Nuclear Power Corporation of India,(5) European Pressurised Reactors (EPR),(6) Maharashtra,(7) Jaitapur,(8) Nuclear Power Corporation of India Limited,(9) Minister of State in PMO Prithviraj Chavan,(10) French Minister of State for Foreign Trade Anne Marie Idrac,(11) Kazakhstan。(12) Vienna,(13) IAEA,(14) India-specific safeguards agreement,(15) Rajasthan Atomic Power Station,(16)
●インドネシアの天然ガス生産,僅かに上向き
インドネシアの原油ガスの生産落ち込みに神経を尖らせているのは,他ならぬインドネシア国会である。何度もエネルギー省や企業の代表を国会に呼び出して,外国企業の誠意が足りないのではないか,との疑念を持っている。国有のプルタミナへの信頼を強く打ちだして来ており,リアウのガスや東部ジャワのセプなど,大いに関心を持っている。最新の情報は,2009年1月24日付本HP(注16)である。
今日の記事は,カラ副大統領(注17)と日本のLNGが絡んで,興味ある記事である。タングー油田(注18)の新規ガス供給が加わるにもかかわらず,老朽化した油田から逃す生産減少で,全体のガス生産量は,僅かに上向いただけに終わっている。ガス規制機関BPミガス(注19)のプリヨノ会長(注20)は,2009年のガス生産目標は,日75.0億立方フィートで,2008年の実績,74.6億立方フィートを僅かに越えただけである,と。
プリヨノ会長(注20)によると,多くの油田,例えば,アチェのアルン油田(注21)などは生産が減っている。BPミガス(注19)の資料によると,特に老朽化した油田では,今年の目標は一般に低い。これらの企業は,トータル(注22),VICO(注23),ペトロチャイナ(注24),BP(注25),CNOOC(注26),シェブロン(注27),プレミア石油(注28)である。
しかし,2008年より高く目標を設定している企業もある。その中には,プルタミナ(注29),CONOCO(注30),エクソンモービル(注31),KODECO(注32)などが含まれている。エネルギー大臣プルノモ氏(注33)は,幸運にも,これらの企業が穴埋めしてくれて,何とかバランス上,生産減を避け得た,としている。プリヨノ会長は,タングー油田(注18)の生産開始は,2009年2月の予定が,4月にずれ込むと言っている。
プリヨノ会長は,タングー油田(注18)の生産開始のためには,もう少し時間が必要,と。タングー油田(注18)は巨大で,パプアのビントウニ湾(注34)地域で,14.4兆立方フィートの天然ガス包蔵が確認されている。プリヨノ会長によると,4月に始まる日生産量は,500MMscfd(注35)で,最初の供給は5月になるだろうと。
エネルギー省のレゴヲ原油ガス局長(注36)は,原油ガス生産の落ち込みを救う唯一の方法は,新規油田の探査による発見であるとし,現在,31のブロックで入札を行っていて,4月か5月には,入札を開示することになろう,と。インドネシア政府は最近,何度も,輸出よりも国内優先,を繰り返し言っている。しかしプルノモ大臣(注33)は,場所により,高度な技術を必要とするプロジェクトでは,輸出せざるを得ないだろう,と見ている。
プルノモ大臣(注33)は,東カリマンタン沖(注37)のシェブロン(注27)の原油ガスプロジェクトは,深海であり,開発は高価,ここから生産される天然ガスは,国内で受け入れられることは無理だ,と見ている。プルノモ大臣(注33)は,この天然ガスの開発を,これは無理であろうが,国内で受け入れられる時点まで延期するか,それでなければ,天然ガス全体で国内を満たしてから,これを輸出に回すしか方法がない,と。
インドネシアは,世界で第5位のLNG輸出国で,買ってないほどの内外の需要の高まりに呼応して,天然ガス生産を上げるべく戦っている。インドネシア政府は,輸出できることは全く光栄であるが,まず国内を満たさなければならない,としている。日本にいるカラ副大統領(注17)は,最大のLNG輸入国日本は,更にインドネシアのLNGを求めているが,国内優先を繰り返している。現在,インドネシアのガスは,日本の消費の20%である。
(注) (16) http://my.reset.jp/~adachihayao/index090124B.htm,(17) Vice President Jusuf Kalla,(18) Tangguh field,(19) BPMigas,(20) R. Priyono, chairman of upstream oil and gas regulator BPMigas,(21) Arun fields (in Aceh),(22) Total E&P Indonesie,(23) Vico Indonesia,(24) Petrochina International Jabung Ltd.,(25) BP West Java Ltd.,(26) CNOOC SES Ltd.,(27) Chevron Indonesia Co.,(28) Premiere Oil Natuna Sea B.V.,(29) PT Pertamina,(30) ConocoPhillips (Grissik) Ltd.,(31) ExxonMobil Oil Indonesia Inc.,(32) Kodeco Energy Co., Ltd.,(33) Energy and Mineral Resources Minister Purnomo Yusgiantoro,(34) Bintuni Bay area in Papua,(35) 500 MMscfd (million standard cubic feet per day),(36) Evita H. Legowo, director for oil and gas at the ministry,(37) off East Kalimantan,(38)
●中国,ジンピン水力プロジェクト,2013年運転開始へ
中国鉄道建設公社CRCC(注38)によれば,中国南西部,四川省(注39)のジンピン水力発電所(注40)は,2013年にも,第1号機運転にこぎ着ける予定であると。建設工事の鍵となる仮排水路トンネル(注41)は,2009年1月に着工した。このトンネルは,長さ16kmで,4本である。総工事費は,298億元,約43.6億ドル相当,である。
場所は,ヨンロン川(注42)の本流上のジンピンダム(注43)に位置する。出力は,4,800MWで,ヨンロン川(注42)で最大である。すべての完成は,2015年を予定しており,電力は四川省(注39)を潤すが,更に,重慶(注44)や中国東部に供給される。
(注) (38) China Railway Construction Corporation Limited,(39) Sichuan Province,(40) Jinping Hydropower Station,(22.7619 103.2156) 雅著江錦屏二級水電站,(41) diversion tunnel,(42) Yalong River,雅著江,(43) Jinping Dam,(44) Chongqing City,(45)
●中国,2009年の電力投資,5800元
中国北京,火曜日,2009年2月3日,国家エネルギー作業部会(注45)が開催された席上で,中国国家エネルギー管理庁CNEA(注46)のザングオバオ長官(注47)が説明,2009年の中国は,電力建設に,5,800億元,約848億ドル,を投入して,原子力と風力を含めた,主として新エネルギーの開発を促進する,と。
2009年の中国エネルギー開発計画によると,3つの原子力発電所,ゼジアン-サンメン(注50),シャンドン-ハイヤン(注51),グアンドン-タイシャン(注52),合計8,400MWの着工に踏み切る。また一方,総計10,000MWの風力発電所を,ガンスー(注53),内モンゴル(注54),湖北(注55),ジアンスー(注56)の各省で,10年かけて建設する。また,石炭火力の建設も進める。
石炭と電力の総合開発基地を着工する。それは,内モンゴル(注54)のシリンゴルリーグ(注57)と,山西省(注58)の石炭電力総合開発(注59)である。このために送電線を建設するが,その容量は,リアオニン省(注60)向けが3,000MW,山東省(注61)向けが,4,000MWである。ザングオバオ長官(注47)は,小規模の火力,炭坑,石油精製工場を廃止して,大規模エネルギーインフラの建設に切り替える方針,と言っている。
更に,中期及び長期の計画に於いて,原子力開発の調整を行い,また,電源と供給のバランスをとるため,農村部,都市部の送電網の再建設にも着手すると。2009年には,エネルギー建設に関する第12次五カ年計画(2011~2015年)(注62)の事前検討を行い,その前半には,各界の意見を聴取する。
中国の電力は発展を続けており,毎年,100,000MWのオーダーで増えていて,2008年末には,792,000MWに達して,米国に次いで第2位の位置にいる。しかし,中国の電力は多くの問題を抱えている。ある省では明らかに電力余剰であるが,他の省では急激に供給力が落ちている。また,不法な発電所の建設が後を絶たず,これらが国内電力企業の状態を悪化させている。
水力発電所,風力発電所,送電網も,最近は新しい問題点や困難に遭遇している。ザングオバオ長官(注47)は,電力会社が未だに多くの損失を抱えていて,需要を妨げ,経済を追い込んでいるが,これは,中国が,電力産業の開発を最適化するための,よい機会だと思っている,と述べている。
(注) (45) National Energy Working Conference,(46) China's National Energy Administration,(49) Zhang Guobao, head of China's National Energy Administration,(50) Zhejiang Sanmen,(51) Shandong Haiyang,(52) Guangdong Taishan,(53) Gansu province,(54) Inner Mongolia,(55) Hebei province,(56) Jiangsu province,(57) Xilin Gol League in Inner Mongolia,(58) Shanxi province,(59) coal-electricity base,(60) Liaoning province,(61) Shandong province,(62) Twelfth Five-Year Program (2011-2015),(63)
参考資料
インド
●090205A India, Economic Times
インド,仏のアレバと,原子力協力で覚書署名
India to sign MoU with AREVA for nuclear reactors on Feb 4
http://economictimes.indiatimes.com/News/News_By_Industry/Energy/India_to_sign_MoU_with_AREVA_for_nuclear_reactors_on_Feb_4/articleshow/4071504.cms
インドネシア
●090205B Indonesia, The Jakarta Post
インドネシアの天然ガス生産,僅かに上向き
Gas output to rise slightly
http://www.thejakartapost.com/news/2009/02/04/gas-output-rise-slightly.html
中国
●090205C China, tradingmarkets
中国,ジンピン水力プロジェクト,2013年運転開始へ
Jinping Hydropower Station to Begin to Run in 2013
http://www.tradingmarkets.com/.site/news/Stock%20News/2155720/
●090205D China, capital-en.trend
中国,2009年の電力投資,5800元
China to invest 580 bln yuan in power construction in 2009
http://capital-en.trend.az/empty/1416532.html
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