2009年2月10日火曜日

インドのカシミールのダムに反対論


HPは下記ドメインです。写真地図など見て下さい。
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm

今日は,大阪梅田で大学の同窓会があり,更新が遅れました。最近,母校の学部の中で土木の名前がなくなって,皆が怒っていた。土木という名前は,今となれば結構懐かしい。地球工学とか言っているらしい。地球に爪痕を残す,と言う仕事も面白い,衛星写真から自分の作品が見える,と言うのは感激だが,それでもミクロ,ナノの中で,世界に名を残す人も多い,人間の仕事って,不思議ですね。

今日の記事は,最近よく出るテーマーで申し訳ないが,インドが,インダス河上流,カシミールで建設中のダムに,またまたパキスタンが怒っている問題である。我々日本にいて,インドがカシミールで建設しているダムの情報は限られている。大きなダムは話題になるが,中規模のダムになると,なかなかウエブサイトを見ても良く分からない。でも,今日のような記事を集めてくると,いろいろ事情が分かってくる。

だけど,私は,パキスタンが言っている主張は,余りよく理解できない。インダス河がパキスタンの生命線であることはよく分かる。しかしパキスタンは,インダスの水を利用するために,タルベラとかマングラとかのダムがあるが,下流の水のためには貯水池の容量が足りない,と言っている。それでは上流にダムを造って貰えば良いではないか,理屈としては,それでいいはずだ。

パキスタンは,ダムが出来てインドが自由自在に水の出方を変られる環境を造り出すことが耐えられないのか,或いは建設後最初に貯める水のことを言っているのか。メコン河でもそうだが,上下流の沿岸国が,適切な対話を交わせば,少なくとも水の使い方については,高度な利用が出来るはずだ。土砂の問題はあっても,少なくと,最も重要な人間の水利用にとって,上流のダムは下流に便益をもたらす。

現在,一人当たりの利用可能水量年間1,200立方mは,2020年には800立方mに減少する,60年前にはこれが5,000立方mあったものを。恐るべきことに,パキスタン内には僅かに2つのダム,タルベラダム(注17)とマングラダム(18)しかないというのに,インドのこれらの動きは,パキスタンにとって,悲惨そのものである,と言っているが,理解できないところがある。

本文

●フィリッピン,水道用ライバンダム,サンミゲールが提案

東南アジア最大の食料品,飲料企業,サンミゲール(注1)は,将来のマニラ首都圏(注2)の水供給を視野に入れたダムプロジェクト開発で,政府と合弁事業を行うことを検討中である。サンミゲール(注1)によると,その完全子会社SMBWCI(注3)は,ライバンダム(注5)の開発に関して,マニラ上下水道公社MWSS(注4)と合弁で実施する提案書(注6)をMWSS(注4)宛に提出した。

更に,SMBWCI(注3)とパートナーの海外企業は,ライバンダム(注5)の,資金調達,建設,運転,維持管理について,MWSS(注4)と協力する合弁の段階に入ろうと考えている。この計画は,サムと取水口建設,原水輸送設備,水処理施設,水力発電設備,水道用水輸送設備,ポンプ設備,貯水設備,受け渡し設備,を含むものである。

サンミゲール(注1)によると,タナイ(注7)とリサール(注8)に位置するライバンダムプロジェクト(注5)は,マニラ首都圏(注2)の長期水需要を目標に,その安定と保安を確保するもの,としている。また,この子会社の提案は,サンミゲール(注1)本体の,電力,石油,ガス,水などの産業への投資の方向性に沿ったものである,と。

NEDA(注9)の資料によると,ライバンダムプロジェクト(注5)の総工事費は,480億ペソで,政府と民間企業の合弁事業として準備されている。ダム事業などの供給容量は,日18.3億リッターで,550万人の需要に応えるものである。サンミゲール(注1)自身は,最近,そのビールのブランド,知的財産,不動産を,醸造部門(注10)に,388億ペソで売却することに同意している。

サンミゲール(注1)は,その主力である食品飲料から脱却して積極的な企業活動を行っており,マニラ配電(注11)の資本27%を,300億ペソで買収したばかりである。また,フィリッピン最大の石油精製企業ペトロン(注12)を322億ペソで過半数の資本獲得に同意しており,更に,通信分野でカタールテレコム(注13)と協力する計画を進めている。

(注) (1) San Miguel Corp,(2) Metro Manila,(3) San Miguel Bulk Water Co. Inc. (SMBWCI),(4) Metropolitan Waterworks and Sewerage System (MWSS),(5) Laiban Dam Project,(6) unsolicited proposal,(7) Tanay,(8) Rizal,(9) NEDA,(10) San Miguel Brewery Inc,(11) Manila Electric Co.,(12) Petron Corp,(13) Qatar Telecom,(14) 

●インド,インダス上流のカシミール,3ダム着工へ

パキスタン側から,インダス流域のインドのダム建設に対して,強く抗議する記事である。インドは,パキスタンの命綱であるインダス河(注14)に,3つのダムの建設を開始している。これは,インド側の発電,2,060MWの計画の一部である。最近の調査報告,山岳内のコンクリート(注15),ヒマラヤのダム建設(注16)によれば,パキスタンは,まさに水不足による災害の瀬戸際にある。

現在,一人当たりの利用可能水量年間1,200立方mは,2020年には800立方mに減少する,60年前にはこれが5,000立方mあったものを。恐るべきことに,パキスタン内には僅かに2つのダム,タルベラダム(注17)とマングラダム(18)しかないというのに,インドのこれらの動きは,パキスタンにとって,悲惨そのものである。

インドは既に,シェナブ川(注19)で,既にバギリハール水力プロジェクト(注20)の運転を開始しており,更にウリ第1(注21),ウリ第2(注22)のダムプロジェクトを建設中である。インドはシェナブ川(注19)だけで,10~20のダムの建設を計画中である。ジェルム川(注23)では,キシャンガンガ水力プロジェクト(注24)の建設を開始している。

219MWを発電する,これらのラダック地域(注25)におけるダムは,既に建設を始めており,これは明らかにインダス水条約(注26)違反で,ラダック地域(注25)の環境を無視し,また,シアチェン氷河(注27)にインド軍を配置する意志と合致している。インダス河(注14)は,チベット(注28)~アラビア海(注29まで)総延長3,180km,中国領内が404km,ラダック地域(注25)が395kmである。

この報告は,アバシ専門家(注30)からギラニ首相(注31)に,パキスタンの農業セクターを窒息させるインドの動きを挫折させるよう,文書で要請したもので,そのコピーは,水資源,電力,環境を担当する各大臣にも送られている。文書によると,レー(注32)から70kmのアルチ村(注33)に位置するニムーバズゴ水力プロジェクト(注34)が工事の最盛期にある。45MW,ダム高57m,発電所掘削は完了,ダムコンクリートは48%。

ダムカール水力プロジェクト(注35)は,130MWで,ダム高42m,位置は,レー-カルシバタリック道路(注36)のレー(注32)から128kmの地点である。また,インド支配のカシミール(注37)内の支流,スル川(注38)のプロジェクト(注39)は,カルギル地区(注40)にあり,44MW,ダム高59mで,2006年に建設を開始しているが,完成まで更に2年が必要である。

(注) (14) Indus River,(15) Mountains of Concrete,(16) Dam Building in the Himalayas,(17) Tarbela,(18) Mangla,(19) Chenab River,(20) Baglihar power project,(21) Uri-1 project,(22) Uri-2 project,(23) Jhelum River,(24) Kishanganga Hydropower project,(25) Ladakh region,(名) ラダック, 17世紀にチベット王国があったインドとパキスタンにあるジャムカシミールの地方(中国との国境付近),(26) Indus Water Treaty,(27) Siachen glacier,(28) Tibet,(29) Arabian Sea,(30) Arshad H Abbasi, visiting research fellow SDPI Islamabad,(31) Prime Minister Yousuf Raza Gilani,(32) Leh,(33) village Alchi,(34) Nimoo Bazgo power project,(35) Dumkhar project,(36) Leh-Khalsi Batalik road,(37) Indian-held Kashmir,(38) River Suru,(39) 鼎hutak,(40) Kargil district,(41) 

参考資料

フィリッピン

●090210A Philippines, Manila Bulletin
フィリッピン,水道用ライバンダム,サンミゲールが提案
San Miguel subsidiary eyes Laiban Dam project
http://www.gmanews.tv/story/147937/San-Miguel-subsidiary-eyes-Laiban-Dam-project

インド


●090210B India, thenews
インド,インダス上流のカシミール,3ダム着工へ
India constructing three dams in held Kashmir
http://www.thenews.com.pk/top_story_detail.asp?Id=20205

0 件のコメント: